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【遂に就航!】トキエア新潟→丘珠(札幌)初日搭乗記 15年ぶりの新航空会社[2401-2トキエア(2)]
2024年1月31日、15年ぶりの新航空会社「トキエア」が就航しました。 新潟空港を本拠地としており、最初は新潟〜丘珠(札幌)2往復での運航開始です。 新潟から仙台・名古屋・神戸など全国 ...
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今日から3日間かけて道内横断800kmの旅、始まりは北海道の玄関口、函館駅です。
1988年に青函トンネルが開通するまで、本州から北海道は青森〜函館の青函航路によって結ばれていました。
上野駅から長距離列車で青森駅に降り立った人々は、鉄道連絡船に乗り換えて津軽海峡を渡り、函館駅から道内各地へ列車で向かっていたのです。
一般市民も航空機での旅行が当たり前になるまで、函館駅は北海道を旅する人々の出発地点でした。
今日はそんな函館駅から、本土最東端の根室駅まで向かいます。経由するのは函館本線と根室本線だけです。
函館から札幌を結ぶメインルートは、千歳線と室蘭本線を経由する特急北斗号。道東方面へは石勝線が開通したことにより、特急おおぞら号へ乗り継ぐことになります。
これらの高速新線が開通するまで、函館本線と根室本線だけを経由するのも一般的でした。
しかし、2024年春には根室本線の富良野駅〜新得駅が廃止。さらに北海道新幹線札幌延伸で函館本線の長万部〜小樽の廃止が決まっており、新函館北斗〜長万部も雲行きが怪しい状態です。
今しかできない函館駅から根室駅の旅。旧メインルートを堪能していきましょう。
函館駅改札内へ入りまして、0キロポストが函館本線の起点であることを示しています。
しかし、この車止めの位置は、実際の函館本線の起点から219mずれています。
これは函館本線が敷設された時、青函連絡船の接岸場所が起点だったため。青函トンネル開通によって函館駅までの線路が短縮されたので、現在では函館本線が219mから始まっています。
函館駅から旭川駅までを結ぶ函館本線、今回の旅で走破はしませんが、大部分を走り抜けていきましょう。
JR北海道の駅といえば、ホーロー駅名標にサッポロビールの広告。
函館駅では特別に、「ようこそ函館へ。」のホーロー看板も掲げられています。
最初に乗車するのは、特急北斗5号札幌行きです。長万部駅から室蘭本線に入ってしまうので、途中駅まで乗車します。
使用されているのはキハ261系。かつて青いキハ281系が活躍していましたが、2022年9月に引退しました。
行き止まりの駅名標が旅の出発を示してくれます。根室駅まで長い長い旅をぜひお楽しみください。
9:00 函館駅 発
JR北海道唯一の発車メロディー、「旅立ちの鐘」に急かされるようにして特急北斗号へ乗車。
自由席ですが外国人観光客でいっぱいだったので、デッキで立っていることにしました。2024年春から特急北斗号は全車指定席になるので、こういう体験もできなくなります。
カーブしたプラットホームに沿うようにして、じりじりと函館駅を出発。
港に着岸する鉄道連絡船へ、線路を接続していた名残です。
2016年春の北海道新幹線開通により、並行在来線のJR江差線は第三セクター鉄道・道南いさりび鉄道へ移管されました
キハ40形もオリジナル塗装となり、こちらは秋をイメージした膿赤色[豊穣]編成です。
道南いさりび鉄道の分岐駅となっている、五稜郭駅に到着しました。
ここには貨物駅が併設されており、青函トンネルを越えた貨物列車の機関車がここで付け替えられます。
北海道新幹線開通で青函トンネルの電圧が交流25000Vに上がったため、貨物列車の機関車もそれに対応したEH800形電気機関車となっています。
五稜郭駅を出発すると、函館港へ向かう貨物専用線の有川支線が分岐、続いて木古内駅へ向かう道南いさりび鉄道が分かれていきました。
七飯駅で列車行き違いのためしばらく停車し、ここから藤城支線が分岐します。
七飯駅から大沼駅の函館本線は2ルートあって、特急列車はすべて赤いルートを通ります。
藤城支線を走るのは1日3本普通列車のみです。
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【8の字ルート廃止?】藤城線・砂原線ができた理由 函館線特殊ルート乗車記[史上最長片道切符の旅(79)]
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藤城支線は1966年に建設され、かなり立派な高架橋です。かつて札幌方面の特急は、藤城支線を経由していました。
しばらくすると左手には、函館新幹線総合車両所が見えてきます。
ちょうどH5系新幹線が停車していたほか、新函館北斗駅から車両所へ向けて回送列車も降りて来たところです。
北海道新幹線の高架が近づいてきまして、新函館北斗駅に到着です。
新幹線と接続するはこだてライナーが停車しており、これを走らせるために新函館北斗駅〜五稜郭駅が電化されました。
札幌駅を6:00に出た始発の特急北斗2号とすれ違いつつ、新函館北斗駅を発車します。
延期の可能性も高いですが、2030年度の北海道新幹線札幌延伸に向け、建設工事が進んでいます。
新函館北斗駅の延長線上には、32,675mに及ぶ渡島トンネルの入り口が見えて、陸上トンネルで日本最長になる予定です。
北海道新幹線開通前、札幌方面の特急北斗号は勾配の緩やかな、藤城支線を経由していました。
しかし、新函館北斗駅という大きな駅ができたので、すべての特急列車が仁山経由を走るようになっています。
経由の名前にもなっている仁山駅では、普通列車と行き違いました。
20‰の急勾配に位置しており、当初はスイッチバック構造でした。
道央自動車道は函館まで全通しておらず、この辺りでは函館本線とも並行する国道5号がメインロードです。
藤城支線が近づいてきまして、進行方向左手には雪の敷き詰められた小沼が広がります。
大沼と小沼は一つの沼だったのですが、函館本線の敷設によって分断されたそうです。
大沼駅で藤城支線と仁山経由が合流。
そうかと思ったら再び、大沼公園経由と砂原支線の二手に分かれます。
特急北斗は大沼公園駅に到着しました。
中国人観光客にも人気の景勝地、函館と共に道南における主要な観光地となっています。
小島がたくさん浮かぶ大沼に、大きな駒ヶ岳。冬には雪も降り積もって、これまた非常に美しい景観です。
雪山の中ですが北海道の特急列車は頼もしく、100km/h超のスピードで飛ばしてくれます。
進行方向右手には駒ヶ岳、冬の澄んだ空気に半分くらい雪化粧をした火山は壮観です。
駒ヶ岳に近づくと函館本線は、勾配を緩和すべくカーブの連続です。
こういった勾配緩和を一気に解決するのが、砂原支線の大回りルートになります。
2017年春に駅から信号場へ降格された、姫川信号場を通過。
プラットホームへ降りる階段が残っており、秘境駅としても知られました。
駒ヶ岳は見る方向によって、その形が変わるのも面白いです。
西側から北寄りへ回り込むと、今度は頂上が2つ並んでいます。
砂原支線の函館本線が近づいてきまして、函館本線が一つにまとまります。
9:47 森駅 着
長万部駅から室蘭本線を経由する特急北斗号、手前の森駅で下車しました。
森駅にはかつてピザ屋さんが入っていたのですが、撤退して函館バス森出張所が入居。それも2022年9月末をもって撤退しており、看板が外されています。
森駅で下車したならここに立ち寄るべきでしょう、駅前の柴田商店さんです。
幟やベンチにも書かれている、森のいかめしが名物になります。
森駅からは普通列車に乗り換え、JR北海道でもカウントダウンが始まった、キハ40形の旅を堪能しましょう。
少々遅れていた貨物列車に道を譲ります。本州と北海道を結ぶ物流の大動脈であり、普通列車はかなり優先度が低め。それゆえに北海道新幹線の並行在来線として、どのように存続すべきか議論が湧いています。
10:02 森駅 発
少々遅れながら、森駅を出発しました。ここから先は内浦湾の景色が広がるところです。
そんな車窓の良い区間では、乗り鉄を思い切り楽しみましょう。
セブンイレブンへ買いに走ったサッポロクラシックと共に、森のいかめしをいただきます。
秘伝のタレが染み込み、スルッと噛み切れる柔らかいイカに、もちもちしたお米が程よく膨れていました。
最近だとイカが小さいために3個入のことも多いですが、今日は大きいイカ2個入でラッキー!
大量の駅名標が貼り付けられた、落部駅を発車。
海と線路の間には防波堤しか無いほど近くで、内浦湾沿いを駆け抜けます。
特急北斗号が全停車する、八雲駅に到着。
八雲町には新幹線単独駅の、新八雲駅も設置されます。こちらからは5人ほど乗車されました。
キハ40形は二重窓になっており、内側を開けただけで霜が貼り付きます。窓の外があまりにも冷たくて、室内の暖かい空気をここまでにしてしまうのです。
こちら国縫駅からは日本海側に向けて、国鉄瀬棚線が分岐していました。
函館駅から瀬棚駅を結ぶ急行せたな号も1日1往復運行していたのですが、1987年に全線廃止されています。
今停まっている島式ホームの雪山を挟んで向かい側、3番線が瀬棚線ホームでした。
JR北海道ではよく見る、車掌車を改造した駅舎。
こちらの中ノ沢駅は利用者が少ないため、2024年春に廃止されます。
函館本線と並行して走っている国道5号は、道央自動車道が開通するまで主要幹線でした。
かにめしドライブインも賑わったのですが、多くの車は道央自動車道に流れたことで衰退。かなり寂しい状況になっている建物が多いです。
長万部駅が近づいて中心市街地へ入ると、進行方向左手に東京理科大学北海道・長万部キャンパスが見えてきました。
経営学部国際デザイン経営学科が1年次、全寮制教育で使用します。
11:12 長万部駅 着
森駅から1時間ほど、終点の長万部駅に到着しました。
真っ白な雪の中にいるキハ40形、いつまでも見られると思わずに、毎回の乗車を大事にしたいところです。
特急北斗号は屋根のないところにも停車するので、雪が積もる部分では作業員さんが除雪してくださっていました。
さて、長万部駅から倶知安方面には、1日4本しか汽車が出ていません。
発車標も特急しか表示されておらず、この辺りは完全に特急専用路線と化しています。
かつては函館本線でも優等列車が設定されており、特急北海・急行ニセコが運行していました。しかし、1986年に特急北斗号へ編入される形で廃止、最近では夏季限定の臨時特急ニセコ号が走るだけです。
かなり時間があるので、ちょっと外へ出てみます。
長万部と言ったら、かにめし。駅弁も有名ですし、駅前のかにめし本舗さんでは、作りたてのかにめしもいただけます。
いかめしで贅沢してしまったので、残念ながらここはスルー。
駅前大通を歩きまして、セブンイレブンまで来ました。
「かにめし」が名物なら「かにぱん」も名物のはず。そう言い聞かせてお昼ご飯です。
長万部といえば長万部温泉が有名ですが、北海道新幹線工事のため、駅からのアクセスに便利だった跨線橋が撤去されています。
今回は申し訳ないながらも、またの機会で訪れることに。
駅舎内で待っていたら13時ちょうど、改札が始まったので中へ入ります。
ホームでは作業員さんが、駅名標で何やら作業を行なっていました。
隣駅の中ノ沢駅が廃止されるので、上からシールで隠すため、その大きさを計っておられたようです。
急に吹雪いてきまして、歩いているだけでコートが真っ白になる程。
しばらくすると4番線ホームに、当駅始発の倶知安行きの汽車が入線してきました。
2020年春にキハ40を置き換えてデビューした、ハイブリットディーゼル車のH100形DECMOです。
聞いていた通りスキーの外国人ばかり、TAXI GOの広告も完全に英語仕様です。
キャリーバックやスキー板など、1両編成の汽車には大きな荷物が詰め込まれます。
13:29 長万部駅 発
特急北斗が走る「海線」の室蘭本線から別れ、ここから普通列車ばかりの「山線」を走行。
エンジン音を山の中に響かせながら、北海道新幹線開通に伴い廃止が決まっている区間へ入ります。
黒松内町の中心駅、黒松内駅に到着。かつては積丹半島側へ寿都鉄道が分岐していました。
ここからも外国人観光客の方が乗車されていたのが驚きです。
2000年の有珠山噴火で室蘭本線が普通になった時には、こちらの函館本線が貨物列車や特急列車の迂回ルートになりました。
目名駅の交換設備は1986年に一旦撤去されたのですが、交換可能駅が少ないために列車本数に制限がかかっており、災害時輸送力増強のため再度交換設備が設置されています。
蘭越町に入りまして、こちらの蘭越駅は快速ニセコライナーの始発駅。
普通列車ばかり山線ですが、1日1往復だけ名前のついた快速列車が走ります。
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【乗り通し困難】快速ニセコライナー(蘭越・倶知安→札幌)乗車記 廃線になる山線の直通列車[2309北海道廃線]
函館から札幌を結ぶ特急北斗が走るルートを海線と呼ぶのに対し、長万部駅から倶知安を経由するルートは山線と呼ばれます。 2030年札幌延伸予定の北海道新幹線はこちらのルートを走り、並行在来線に指定された山 ...
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急カーブが連続してクネクネ山を登る函館本線ですが、なるべく線路の敷設しやすい尻別川に沿います。
水の色が非常にクリアで、2016年までの計16回、国土交通省の水質ランキングで日本一になりました。
非常に個性的な駅名で有名な、昆布駅。
アイヌ語の「トコンポヌプリ(小さなコブ山)」が由来とされるほか、大昔の津波で山頂に昆布が沢山あった言い伝えから、「コンポヌプリ」と呼ばれた説も存在します。
今日は雪雲に隠れてしまっていますが、晴れていれば左手にニセコアンヌプリが見えるはずです。
大きな黄色いニセコ大橋を潜り、ニセコ駅に到着です。
半分くらいの外国人観光客が、ここで降りて行かれました。
1906年から狩太駅だったのですが、当時の狩太町はニセコアンヌプリを中心にした観光振興のため、1964年ニセコ町へ改称。
国鉄に駅名変更を陳情し、1968年ニセコ駅へ改名され、国鉄初のカタカナ駅名になりました。
まだ駅構内を出切ってないのに、跨線橋がぼやけるほどの雪です。
次の比羅夫駅は、駅舎に泊まれることでも有名な駅。
比羅夫地区へ行く人は、比羅夫駅では降りずに倶知安駅から路線バスやタクシーを利用するよう、自動放送が流れます。確かに比羅夫リゾートまで直線距離では近いですが、比羅夫駅は山の中にあって大きな荷物を持って歩いて行くのはものすごく大変です。
本当なら右手に羊蹄山が見られるはずですが、こちらも雪のため真っ白です。
倶知安町の市街地へ入りまして、北海道新幹線工事のため設けられた、倶知安駅仮ホームに到着しました。
15:02 倶知安駅 着
長万部駅で見たあの顔は何処へ…?
後ろへ巻き上げる雪で、雪景色と同化しています。
待合室ではポップコーンの立ち売りが行われており、キャラメルの香りが立ち込めていました。ものすごく買いたくなりますが、列車内に持ち込んだら匂いで迷惑になりそうなレベルなので断念…。
パウダースノーに埋もれる、昔ながらの国鉄駅舎。
北海道新幹線開通と共に在来線は来なくなり、真新しい新幹線単独駅舎が完成するのも楽しみです。
駅員さんが入る丸いラッチを真ん中に、有人改札だけというレトロさ。
一方でほとんどの看板が日本語より英語表記メインで、なぜか異国感溢れるところです。
駅舎に面しているのは、1986年に廃止された胆振線ホーム。それからこのホームは使われることなく、跨線橋を渡った先の島式ホームだけを使用していました。
その島式ホームも新幹線駅工事のため閉鎖され、2021年10月から仮設ホームへ移されました。
駅舎からホームまで階段なしで行けるようになり、この点は非常に便利です。
島式ホームですが、駅舎側1番線ホームは通路があるため行き止まり。当駅始発で小樽方面の列車だけが発着します。
倶知安駅から小樽方面は比較的輸送量が大きいため、2両編成での運行です。
ここ最近では外国人スキーヤーが多くなり、ロングシートの201系気動車3両編成を入れています。
15:17 倶知安駅 発
しっかり線路まで雪から守る仮設ホームから、小樽方面へ出発です。
仮設の車両基地も隣接して設けられています。
長万部駅周辺ではあまりその様子が見られませんでしたが、倶知安駅では新幹線の工事も着々と進んでいるみたいです。
山々に囲まれた倶知安町の盆地から、日本海側の岩内平野へ。
共和町唯一の駅となっています、小沢駅に到着しました。
駅舎から島式ホームへは跨線橋を渡らないといけない、かつての倶知安駅と同じような構造。駅舎に面する旧1番線ホームからは、国鉄岩内線が発着していました。
黒松内駅から分岐していた寿都鉄道の一部も活用し、函館本線の急勾配を緩和する新線の一部になりえた路線です。
函館〜札幌は室蘭本線・千歳線経由より44km短縮し、新線区間は100km/h以上のスピードを出す高規格路線を建設する計画。
1972年に着工が認可されて起工式も行われたのですが、岩内駅周辺の用地買収が行われたに留まり、国鉄岩内線自体が1986年に廃止されました。
この辺りの勾配標は20.4‰を示しており、DECMOも唸り声を上げています。
列車は1904年に開通した、稲穂トンネルに入りました。
開通時にはお祝いとして、小沢駅前で商店を営んでいた和菓子職人・西村久太郎がお餅を販売。
それが「トンネル餅」として、小沢駅前の「伯洋軒 末次商店」さんで販売されていたのですが、2022年6月に閉店しています。
稲穂峠を越えた先、銀山駅に到着しました。
峠の頂上付近ということもあり、晴れていれば裾野に広がる田畑の景色を見渡せます。
ここからは下り坂になっており、75km/hで駆け抜けます。
然別駅で反対方向の列車と行き違いました。
仁木町の中心部まで降りてきますと、線路沿いには果樹園が広がります。仁木町はサクランボやリンゴなど、フルーツが非常に有名です。
そして山線の中でも主要駅、余市駅に到着。
ニッカウヰスキーの蒸留所があり、連続テレビ小説でも一躍有名になりました。
余市駅〜小樽駅は特に生活利用者が多い区間です。
しかし、北海道新幹線の並行在来線のためJR北海道の経営から切り離され、第三セクター鉄道での維持も困難となり、鉄道廃止が決まっています。
この区間は山が迫っていてトンネルがあり、線路もくねくねしています。
トンネルの入り口もレンガや石積みで大きさが小さめだったりと、見た目からも明治時代の古い規格です。
少々遅れていた反対方向の列車と、蘭島駅で行き違いました。
進行方向左手に注目していると、初めて日本海を眺められます。
日本海を航行して来た船の玄関口として栄えた、小樽の市街地へやって来ました。
かなり人口減少が進んでいるとはいえ、函館市ぶりの都会です。
16:27 小樽駅 着
札幌近郊の電車を横目に、凍てつくDECMOが到着しました。
すぐに快速エアポートへ乗り換えて札幌駅に行けるのですが、一本見送ることにします。
小樽駅構内にはランプが灯されており、その数合計333個です。
北一硝子さんから寄贈されており、屋根を支える古レールに架けられた光に、旅情を感じさせられます。
こちら4番線ホームには、石原裕次郎の記念オブジェが立っています。
4歳から小樽で生まれ育ち、NHK「北紀行」のリポーターとして、小樽駅4番線ホームに降り立ちました。この4番線ホームは2003年、小樽駅開業100周年を迎えた年に「裕次郎ホーム」と命名されています。
駅舎内のコンコースをランプ越しに見下ろせる特等席。
番線表記の「4」は、石原裕次郎が好きだったヨットをモチーフにしました。
1934年に建設された3代目の駅舎は上野駅をモデルにしており、国の登録有形文化財になっています。
小樽駅からは、札幌から新千歳空港まで直通する快速エアポートに乗車します。
この時間帯は絶対に混雑するので、指定席車両のuシートを利用。指定席料金は840円です。
折り返し列車は20分ほど遅れての到着。
その分お客さんがかなり並んでいたので、指定席を取っておいて大正解でした。
「『余裕』の旅を『あなた(you)』のためにご用意しました」が由来の「uシート」。
このリクライニング座席で、余裕の旅を過ごします。
函館から根室まで行く人がこの列車に乗っている、なんともイレギュラーなことです。
小樽駅や札幌駅には自動改札機が設置されているのですが、この経路だとエラーが出るので、有人改札を通らなければなりません。
17:00 小樽駅 発(10分遅れ)
こちらも少々遅れながらも、小樽駅を出発です。
次の南小樽駅からは小樽の港へ向けて、国鉄手宮線が分岐していました。
北海道最初の鉄道である幌内鉄道、手宮駅〜札幌駅〜岩見沢駅〜幌内駅の一部として、1880年に開通しています。
手宮線の廃線跡は今でも残されているのですが、雪が積もっていてご紹介しても分からないので、今回はここで触れるだけになります。
小樽築港駅を出発しまして、ここから快速列車らしく札幌市内まで走り続けます。
まるで特急列車のように快適な指定席車両。小樽駅のセブンイレブンで買って来ました、マロンコロンをいただきます。
サブレを3枚重ねて、チョコレートでコーティング。ザクザクっとした食感から、濃厚チーズのチョコが広がります。
もう暗くなってしまったので見づらいですが、日本海のすぐ横を走っていきます。札幌都市圏の通勤路線ながら非常に良い景色です。
稲穂駅近くには札幌運転所があって、特急列車もここに集結。
平日朝には手稲駅から札幌駅で、261系特急車両を使ったホームライナーが走っています。
ついに札幌市までやって来まして、手稲駅に到着です。
この列車は快速エアポート新千歳空港行きですが、列車遅れのため札幌止まりになりました。空港へ行かれる方は札幌駅で乗り換えるよう案内されます。
沿線に北海道教育大学や北海道医療大学などがある、札沼線が合流して来ました。2012年には北海道医療大学駅まで電化を果たし、国鉄民営化後に札幌近郊路線の一つとして、テコ入れされた路線です。
函館本線と札沼線の乗り換え駅である桑園駅を前に、少しの間だけ並走してくれました。
夕方の帰宅ラッシュを迎える北の大ターミナル駅、札幌駅に到着です。
17:33 札幌駅 着(20分遅れ)
ちょうど札幌〜旭川を結ぶ特急カムイ号のラッピング車両、ゴールデンカムイがいました。
これで函館本線を東へ行ってもよいのですが、もう暗いので今日は札幌で泊まることにします。
次回はこの春廃止されてしまう、根室本線に突入。
狩勝峠を越えていよいよ道東エリアへ入ります。次の記事も是非お楽しみに!
今回もご覧いただき、ありがとうございました。
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