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【まさかの代走】キハ40形で花咲線の旅 日本最東端・根室本線を走破![2401-2トキエア(5)]
日当たりが良く北海道とは思えない温かさ、帯広駅の朝です。 今日は遂に最終目的地、根室本線の終着駅である根室駅を目指します。 特急列車より普通列車に乗った方が釧路駅に早く着けるので、普通列 ...
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道東の中心都市である釧路市、札幌からの特急おおぞら号が発着する釧路駅に来ています。
これから向かうのは北海道第二の都市、旭川です。
鉄道の場合、特急おおぞら号で札幌駅まで出て、特急ライラック・カムイ号に乗り換えになりますが、かなりの遠回りルートです。
そこで運行されているのがサンライズ号、釧路から旭川まで、北見経由で結びます。
2023年10月には特急石北号(旭川〜北見)と特急釧北号(北見〜釧路)もサンライズ号へ統合し、道北バス・北見バス・阿寒バス3社による共同運行が行われています。
全行程7時間50分、走行距離300kmである、道内最長の昼行バスの旅。
鉄道が廃止されたエリアも含め、初めて見られるような新たな景色をお届けします。
釧路駅を出て左側には、釧路駅前バスターミナルが整備されています。
スーパーホテル釧路駅前の1階部分が、乗車券販売窓口や待合所です。
ここには売店も入居しているので、長時間乗車前の買い込みにも便利。
バスターミナルには路面電車のような島式ホームがあり、特に朝の時間帯は長距離バスと路線バスが行き交います。
サンライズ号が出発するのは待合所の目の前、8番のりばです。
ここからは、たんちょう釧路空港への連絡バスも発着します。
その上に北見・旭川方面へ都市間バスの時刻表が書かれていました。
8:08、阿寒バス本社・フィッシャーマンズワーフMOOを経由したサンライズ号が到着です。
3社による共同運行便ですが、阿寒バスの車両が充当されています。
発車オーライネットでネット予約したので、モバイルチケットを運転士さんに提示して乗車。
料金は6,700円となっており、札幌経由の特急列車乗り継ぎの場合は12,940円。どうしても鉄道より快適性は落ちるものの、かなり安く抑えられます。
3列シートになっており、枕カバーに座席位置が印字されています。
結構人気で座席が埋まっており、窓側は一番後ろだけ残っていました。
有線イヤホンを持っていなかったので可動するか分かりませんが、オーディオも備わっています。
フットレストやレッグレストもあり、足をしっかり伸ばせるので非常に快適でした。
8:13 釧路駅前 発(10分遅れ)
釧路駅前バスターミナルを出発しまして、昼行バス7時間の旅が始まりました。
自動放送は無いようで、この時点では運転手さんによるバス遅れの放送が行われるのみです。
ちょうど釧路運転所へDECMOが入っていくところ。新型ハイブリットディーゼル車の波は、道東へ次々押し寄せています。
釧路運転所とJR根室本線を跨線橋で越えました。
結氷して雪が積もる新釧路川を渡りまして、釧路市の鳥取地区へ向かいます。
釧路市のスターバックスは、この鳥取地区にあります。リージョナルランドマークストアという、ちょっと特別なデザイン性のある店舗で、これは道内唯一です。
サンライズ号には、鳥取大通2丁目、鳥取分岐からも乗車できます。
星が浦ショッピングセンターの中を通過、こちらからもサンライズ号に乗車可能です。
釧路市街地で最後の乗車可能バス停、大楽毛駅前を通過。
根室本線の釧路駅〜大楽毛駅は、比較的普通列車の本数が設定されています。
三叉路で国道38号から国道240号に入り、阿寒湖方面へ北上します。
道内4校ある高専の一つ、釧路高専の横を通過しました。
この辺りで運転士さんから肉声放送により、各主要バス停の到着時刻が案内されます。
たんちょう釧路空港へ向かって道道65号が分岐。
釧路空港には千歳・丘珠の道内便と、AIRDO羽田便が就航しています。
湿原ではありませんが、丹頂自然公園もあるような広い雪原を走るばかりです。
現在は阿寒ICが終点の道東自動車道。ここから釧路西ICへ向けて延伸すべく、建設工事が進んでいます。
道東自動車道が阿寒ICまで開通したのは2016年。
これにより札幌市から釧路市まで、高速道路だけで結ばれました。
2005年に釧路市と新設合併した旧・阿寒町。
その市街地の中を走っており、旧町役場の行政センター近くには、サンライズ号の阿寒町バス停もあります。
かつて阿寒町には、釧路駅から雄別炭山駅を結ぶ雄別鉄道が走っていました。
その鉄道記念品が、こちら道の駅 阿寒丹頂の里に保存されています。
平野部を走っていたのですが、どんどん山を登っていきます。
阿寒摩周国立公園の看板が現れまして、ここからは国立公園のエリアです。
永山峠を越えて弟子屈町へ至る、国道241号が分岐。
弟子屈町には阿寒湖と並び称される屈斜路湖・摩周湖があり、この国道は道東三湖を巡る観光にも欠かせません。
正面には標高1,370mの活火山、雄阿寒岳が構えてきました。
これだけ直線道路でありながらトンネルではなく、山を切り拓いて道路をまっすぐ引いたようです。
そして阿寒湖の温泉街が広がってきました。レトロな旅館から大きいホテルまで、かなり幅広いです。
9:43 阿寒湖バスセンター 着(8分遅れ)
釧路駅から1時間半、阿寒湖までやってきました。
サンライズ号に乗ってここで下車することはできず、他の路線バスで来る必要があります。8人ほど外国人観光客の方が乗車されました。
ここでは数分間の休憩時間が確保されています。
今回は少々遅れていたので、買い物は控えるようにとのことでしたが、セイコーマートが入居していて便利です。
しかもマニアックですが、ホットシェフが旧ロゴなのも面白かったです。
9:56、阿寒湖バスセンターを出発しました。
バスからだと見づらいですが、阿寒湖からは湖越しに雄阿寒岳をくっきり見ることができます。
ここで足寄方面へ国道241号が分岐します。
足寄町は日本一面積の広い町で、東西40kmに及ぶ広大さです。2006年まで帯広・池田〜北見を結ぶ、北海道ちほく高原鉄道が走っていました。
かなり高いところまで登りまして、雄阿寒岳を中腹くらいの標高で見ている感覚。
少しでも距離を稼いで勾配を緩和するため、カーブの連続です。
釧北峠を越えまして、釧路市から津別町へ入りました。
今走っている国道240号と並行するように、美幌駅から釧路駅を目指して国鉄相生線を敷設しています。
しかし、実際に鉄道が来たのは釧北峠を前にした北見相生駅、国鉄末期の1985年には全線廃止されました。
こちらは国鉄相生線の終点、北見相生駅があった集落です。
北見相生駅跡には車両が保存されており、冬でもシートが掛けられておらず、バス車内から見られます。
北見相生駅跡は、道の駅あいおいになりました。
公共交通機関でアクセスするには、津別町市街地からスクールバスに乗る必要があり、かなりハードルが高いです。
布川駅跡周辺で、廃線跡と交差しました。
本岐駅があった周辺の集落は、駐在所や郵便局があったりとそれなりの町です。
津別町の中心市街地へやってきました。
津別町は4,000人(2023年度)の町、津別高校も見られます。
鉄道が来なくなって40年経とうとする町でありながら、鉄道コンテナを載せたトラックを見かけて、なんだか感激しました。
10:23 津別町バスターミナル 着
2023年11月にオープンしたばかりの、新しいバスターミナル。
スーパーなど交流施設が入居した、複合施設です。
バスターミナルを出発して正面の道路が、相生津別停車場線。
この正面に駅舎があったのですが、現在では取り壊されて道路が作られました。
大通にはレトロな商店から新しい施設まで、混在しているみたいです。
このバスは国鉄相生線の起点である美幌町ではなく、北見市へ向かいます。
そのため釧路からお世話になった国道240号からはお別れ、道道27号で西へ舵を切ります。
田園地帯から峠へ向かって徐々に山の中へ。
開成峠を越えまして、津別町から北見市に入りました。
北見市は全国4位、北海道で一番の面積を誇る市町村です。
再び開けてくると、十勝オホーツク自動車道が見えてきました。
将来的には帯広から北見・美幌まで至り、北海道を横断する高速道路になります。
北見市の中心市街地に入りまして、まもなく北見バスターミナル到着の放送がなされます。
北見から旭川へ乗車する方もいるので、北見で下車する際もゴミを残さないよう注意喚起されていました。
北見駅前では大型商業施設が営業していたり、市役所が新しくなったりと、感覚的には釧路市よりも都会っぽさが溢れている感覚があります。
北見バスターミナルは頭から突っ込み、出発時にバックする形です。
お客さんは北見でかなり入れ替わり、旭川まで通しで乗る方は非常に少ないです。
釧路・阿寒湖から北見への需要が一番大きいみたいで、外国人観光客が7割ほど占めていました。
お隣には反対方面、旭川から釧路へ行くサンライズ号が停車しています。
共同運行しているもう一社、道北バスの車両です。
バスターミナルと石北本線の北見駅は隣接しています。
路線バスと高速バス一緒のターミナルで、頭を揃えてずらりと並んでいるのが圧巻です。
11:45 北見バスターミナル 発
北見バスターミナルでは30分ほど停車しているので、釧路から旭川を通しで乗車する場合も、ここでリフレッシュできます。
北見の名物と言ったら、玉ねぎと薄荷。
駅前商業施設のパラボで、オニオンコロッケとチョコミントアイスを買ってきました。
ザクザクっとした衣の中からは、シャキシャキ甘さが引き立つ玉ねぎが溢れんばかり。
爽やかな香りの引き立つチョコミントも最高です!
北海道特有、低層でだだっ広いロードサイド店舗を通過。
北見市内でも、東相内、相内から乗車することも可能です。
ちょうど石北本線と交差する頃、運転士さんによる肉声案内が行われました。
右手には、JAきたみらい玉ねぎ出荷施設が見えてきます。
JR貨物の鉄道コンテナが積まれていて、石北貨物の玉ねぎ列車はここから来ているんだと実感しました。
2006年に合併して北見市になった、旧・留辺蘂町。
その中心駅である留辺蘂駅前からも地元の方が、1人乗ってこられます。
しばらくは石北本線と並走して、国道39号を走っていました。
この交差点で国道242号が分岐、石北本線と並行して遠軽・湧別方面へ向かいます。
バスは引き続き国道39号を走るので、石北本線と別の南回りルートで層雲峡・旭川へ。
バスは国道39号線沿いの温泉地、温根湯温泉の集落へ入ってきました。
無加川沿いには、非常に立派な温泉が2軒。
国道に沿った温泉地のため、昔から宿泊客で賑わったそうです。
一方で過疎化が進む温泉街、道の駅おんねゆ温泉や、北の大地の水族館などもあり、新たなお客さんを呼び込もうとしています。
右奥には丸っぽい円錐型の山、北見富士が姿を現しました。
ここから石狩国と北見国を隔てる石北峠へ向け、どんどん山を登ります。
釧北峠と同じように、勾配を緩和するためカーブの連続。
正面を見てみると、まるで横移動を繰り返しているようです。
かなり標高が高くなると、ヘアピンカーブの全体像を俯瞰できたり。さっきまで走っていた下の道路も見られました。
尾根と尾根を結ぶようにして、非常に高い位置で橋が架けられており、一体どうやって作ったんだと思ってしまいます。
展望台もある石北峠を越えまして、北見市から上川町へ入りました。
2006年に新トンネルへ付け替えられた、1,609mの武華トンネルへ。
おそらくこのバスが通る最初のトンネル、国道39号で2番目に長いです。
左手には大雪ダムのダム湖、氷の上に雪が積もって真っ白になった、大雪湖が見えてきます。
大雪トンネルを抜けた先で、三国峠を越えた国道273号が合流。国道39号と国道273号の重複区間に入ります。
旭川から帯広を結ぶ国道で、ここを走るノースライナーみくに号を以前ご紹介しました。
層雲峡発電所本流ダムの湖は雪がそれほど積もっておらず、結氷した表面を見られました。
新大函トンネルを出た先には、層雲峡で一番の峡谷美と言われる「大函」があります。まるで石材を並べたような、規則的な柱状節理の段壁を見られます。
国道39号で一番長い、3,388mの銀河トンネルに入りました。
かつて石狩川に沿って作られた道路で、1987年に天城岩崩落事故が発生して3名が死亡。
新たに小函トンネルを整備したのですが落石が相次ぎ、山を貫く長大トンネルを掘削しました。これが銀河トンネルで、小函トンネルの一部も活用し、1995年に完成しています。
岩の露出した山に囲まれつつ、層雲峡バスターミナルに到着です。
渓谷沿いでは、層雲峡氷瀑まつりが行われているところでした。
景観に配慮した茶色いセイコーマートも入居しています。
13:42 層雲峡バスターミナル 着
旭川駅や上川駅からバスが来る、層雲峡の玄関口となっています。
バスターミナルから少し離れたところにあるのが、高梨沙羅選手のご両親がオーナーだったセブンイレブン。2023年7月に閉店しましたが、12月に別の方が営業再開しています。
遠軽ICから来た旭川紋別自動車道と立体交差。
降車客がいないため、上川駅近くの上川森のテラスバスタッチへは行かず、そのまま旭川駅へ向かいます。
このバスは長距離バスなのですが、上川層雲峡ICからも高速道路へは乗りませんでした。
氷の美術館としてテレビ番組でも取り上げられる、北海道アイスパビリオン横を通過します。
再び石北本線と並行し始め、安足間駅周辺の集落を走ります。
再び旭川紋別自動車道と立体交差しましたが、愛山上川ICからも高速道路へは乗りませんでした。
雪景色の北海道の中、冷たい川を渡る緑色の鉄橋が映えます。
中愛別駅周辺には、見た目がコンビニというより商店の、レトロなセイコーマートがありました。
バスは愛別町中心街へ、この辺りにある愛別橋で降りることもできます。
正面には上川盆地と石狩平野を隔てる、神居古潭もある山々が構えていました。
国道39号は石北本線と宗谷本線を繋ぐように、当麻町を掠めるルート。道の駅とうまの横を走っていきます。
雪原の中でポツンと、板張りホームの北永山駅を見つけられました。
そしてついに旭川市へ突入です!
旭川市立大学の横を通過しました。
旭川市の一地域として栄える永山地区、旭川ラーメンのお店が集まることでも知られます。
その中に宗谷本線の主要駅に位置付けられる永山駅が位置します。
石北本線の線路を越えまして、この先の新旭川駅で宗谷本線と合流します。
新旭川駅近くの旭川運転所には電車も来るので、電化されており線路には架線柱が現れ始めました。
さらに中心市街地へ入りますと、高架化されている区間に。
かなり車通りが多くなってきているのがわかります。
さすがは道内二番目の大都市とあって、市街地の広さや規模感のレベルが違います。
一条通から旭川駅へ向かう交差点で、まもなく旭川駅前に到着の放送が流れました。
今回は予定があったので、阿寒バス本社から道北バス本社までの全区間は乗らず、旭川駅前で下車します。
15:15 旭川駅前 着
釧路駅前バスターミナルから7時間、旭川駅前に到着です。釧路を出発したのは朝8時なのに、バスに乗っているだけで旭川駅に着く頃には、日が傾きかけていました
北海道の公共交通機関が札幌を中心に構成されている中、中距離バスを統合した効率的な運行も相まって、これほどの長距離バスが残っているのも非常に嬉しいです。
いつもと違ったルートを堪能できるので、機会があれば是非一度乗車してみてください。
今回もご覧いただき、ありがとうございました。
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