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【深夜バス朝3時下車】町唯一の長距離バスが過酷すぎ! イーグルライナーで佐呂間若佐アクセス[2309北海道廃線(4)]
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北海道最長路線である根室本線、末端部の釧路〜根室には花咲線と愛称がついています。
その車窓にはいくつもの絶景が広がり、多くの人々を魅了させる区間です。
宗谷本線は終点の稚内まで特急宗谷・サロベツが走る一方、根室本線の特急おおぞらが来るのは釧路駅まで。花咲線では基本的に普通列車が走るだけです。
そんな花咲線ですが2023年夏、車両を増結して海側座席に指定席が導入されました。対象日は2023年8月1日(火)から9月30日(土)の毎日です。
釧路〜根室1往復に設定された指定席、その実用性と利便性を実際に乗って確かめてみることにします。
まずは釧路から根室方面、普通列車に乗車します。
指定席が導入された1往復のうち1本、釧路駅8:21発普通列車根室行きです。
指定席で列車名を乗客に示す必要があるため、「地球探索鉄道号」と名付けられていました。指定席券にもこの列車名が印字されます。
発車直前に発売状況を見てみますと、通路側が数席空いているぐらいでした。こちらの利用者は割と多いみたいですね。
赤白ツートンカラーの地球探索鉄道ラッピングを先頭にした2両編成です。
指定席は後ろ側、キハ40系道東森の恵みの海側に備わっています。
全席自由席の1号車はキハ54系、転換クロスシートです。こちらの方が快適性は上ですが窓枠があっていないので、景色を楽しむには座席を選びます。山側含め全ての区画が埋まっている状況でした。
海側指定席の2号車はキハ40系、ボックスシートです。こちらもそれなりに埋まっているように見えます。スタッフの方が1人乗務されていまして、指定席に座っている方の検札を行っていました。
8:21 釧路駅 発
根室行きに関しては自由席を利用することに。
この列車は景色に良いところで徐行することになっており、厚岸駅周辺の海沿い区間でもゆっくり走って行きました。
厚岸駅から浜中駅の間では団体のお客さんが乗っておられました。
ここから指定席を利用されている方もいらっしゃいます。始発駅から乗車せずに海側の景色を楽しめる点は、指定席導入最大のメリットでしょう。
霧多布湿原でも徐行してくださいまして、個人的に一番好きな鉄道車窓の一つです。
終点の根室駅に到着しました。
ここは日本最東端有人の駅、日本最東端の駅はひとつ手前の東根室駅になっています。
列車は10分で折り返しまして、快速はなさき釧路行きになります。今度は指定席を利用してみることにしましょう。
こちらは以前から名前をつけて運行されているので、行き先方向幕も入っています。
改札周辺では釧路行きに乗車する方が、すでに並んでいらっしゃいました。折り返し乗車でも必ず改札を出るよう促されるため、特に青春18きっぷやお盆シーズンに根室駅で折り返す時、指定席を取っておけば海側に確実に座れて、便利そうです。
花咲線の赤白で彩られた自動販売機がありまして、こちらではパンやお菓子などを買うこともできます。
釧路駅で指定席の埋まり具合を見てみましたが、こちらの方が空いているみたい。直前にえきねっとで確かめても同様でした。
それでは列車に乗り込みましょう。
1号車乗車口には自由席/一部指定席の札が掛けられていました。
先ほどご覧に入れた通りボックスシートになっていまして、机も備わっています。釧路行きに関しては進行方向左側の海側が指定席です。
窓上部分に緑色のテープが貼ってあり、地球探索鉄道号/快速はなさき釧路〜根室が指定席であることが示されていました。
窓枠のところには写真が飾られており、ある種の観光列車として楽しませてくれます。海側でも最後部の2人座席とロングシートの優先席は自由席なので、キハ40から海側車窓をみられます。
根室11:03〜11:50厚床/厚床12:40〜13:22根室では土祝日を中心に車内販売が行われており、この快速はなさきが対象便です。
ワゴンには食事や飲み物、アイス、グッズなどが載っています。
とにかく品揃えが豊富で、メニューも配っていただけるのでじっくり選ぶことができます。特にお弁当は売り切れになりやすいので、早めに買っておくのがおすすめです。
土曜日限定の「どす来いザンギ弁当」と、サッポロクラシックをチョイスしました。お客さんはかなり少なめでしたがその中でも購入されている方が多く、車内販売の物珍しさや折角ならというのに釣られてしまいますよね。
汽車カフェとスタンプの押されたコースターもいただきました。
11:03 根室駅 発
根室駅を出発、1号車のボックスシートは山側含め、全ての区画が埋まっていました。
すぐに日本最東端の駅、東根室駅に到着です。根室駅や中心部から歩ける距離なので、結構乗降する鉄道ファンもいらっしゃいます。
この時点で自由席を見てみましたが、想像以上にガラガラ。根室からの海側着席だけを考えるなら、指定席の必要性はあまり高くなさそうです。
1日1往復設定されている快速はなさきですが、根室〜厚岸は姉別駅以外全ての駅に停車。釧路行きに関しては厚岸〜釧路を全通過、遠方から釧路の需要を拾っています。
途中では鹿さんとも遭遇。花咲線では近年鹿が大量発生しており、それによる遅延も頻発するようです。
指定席を利用した乗客には、スタッフの方からアンケートが渡されました。より多くの方が花咲線に訪れる、その一助になれば嬉しいです。
昆布盛駅では鉄道ファンらしき方1人が下車。
漁港町では昆布を干していました。
落石駅では鉄道ファン1人と地元の方2人が下車されました。
列車は花咲線における絶景ポイントのひとつ、落石海岸を走ります。荒野が広がる急坂の下には一面太平洋を見下ろせて、非常に美しいです。
快速はなさきでは徐行運転を行わないので、じっくり景色を楽しみたい方は普通列車がおすすめ。逆にこちらなら美しい自然の中を疾走できます。
もうすぐ廃止された初田牛駅跡を通過する地点、警笛が鳴らされて急停止しました。
モニュメントとして駅名標が残されている、初田牛駅跡地で停車。
駅跡と言っても列車が走っている路線、入り込みすぎないよう注意が必要です。
まもなく厚床駅に到着。
かつて標津線厚床支線が分岐していた駅で、進行方向右手後ろから廃線跡が合流してきます。夏の間は遊歩道として歩くことができるみたいです。
現在では交換設備が撤去されて行けなくなりましたが、標津線も発着したホーム跡にはベンチが置いてあります。このホームは青春18きっぷのポスターにもなったことも。
根室市から浜中町に入りました。ルパン三世の作者モンキーパンチさんの出身地であり、町内の駅にはルパンがいます。
茶内駅では快速ノサップと行き違い。快速はなさきと停車駅がかなり異なり、利用者が多めの駅に停車して行きます。
そしてこちらはルパン三世ラッピング列車。大砲かってくらいどでかく拳銃を向けられました。
海ぞいへ戻ってきまして、いよいよ別寒辺牛湿原の中を走ります。
大きなマリモの島みたいなのがぽつぽつ点在しており、湿原ならではの美しさです。
そしてここまで乗って来て気になったのが、とにかく陽が差し込んでくること。それはしょうがないものの、窓が開かないのが辛いです。
しかも安全性が理由なら分かるのですが、山側は開けられていたのが謎です。
何故なのかよく分かりませんが、扇風機も無い車内でこれは辛いです。旅のロマンが〜とかじゃなく単純に暑すぎるので、これは改善して欲しいところ
汽水湖の厚岸湖沿いを走りまして、厚岸駅に到着しました。
かきめしの駅弁が有名、電話で予約しておけば列車の時間に合わせて受け取ることもできます。
厚岸駅からしばらくは海が続いていました。
厚岸駅から先は全ての駅を通過していきます。
速度は80km/h、ディーゼル音を響かせながら疾走していました。
そういえば今座っている前の2席は指定席が埋まっていたのですが、厚岸駅からも乗ってこられませんでした。
本当はダメですが、人がいるので自由席に座られたのかもしれません。
釧網本線と合流しまして、東釧路駅を通過。
13:19 釧路駅 着
釧路川を渡り、左手には釧路市街地が広がってきました。
そして向かいには釧網本線の観光列車、釧路湿原ノロッコ号が停車中。こちらへ接続が取られているのも良いですね。
13:19 釧路駅 着
根室から釧路湿原へ、道東の観光ルートがちゃんと確立できています。
指定席に乗った感想としては、先ほども触れたことですが、やはり窓が開いて欲しいなと思いました。これは単順な座席の快適性、さらに指定席を確保するメイン層と考えられる鉄道ファンが求めていることと考えられます。
また、おそらく不可能なことですが、転換クロスの窓枠が合う車両があればベストです。機構の複雑さから難しいと考えられますが、理想的には実現して欲しいところ。
一方で今回のなんとなくですが、今回限り、良くても来年からは日数減らされる気がします。
一方で利用状況を見るに、指定席の設定は今回限り。良くて設定期間の短縮化と思います。
とは言え旅客目線で言えば、指定席の設定は選択肢が増えて非常にありがたいものでした。今後も設定されることに期待したいです。
今回もご覧いただき、ありがとうございました。