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遂にオープン戦が行われました、北海道日本ハムファイターズの新球場、エスコンフィールドHOKKAIDO。
将来的には近くにボールパーク新駅が設置予定ですが、現在は北広島駅からバスや徒歩での移動が必要です。
一時的とはいえ球場アクセス駅としての役割を担うことになった北広島駅。その構造にも変化が現れています。
北広島駅がどのように変わったのか、そして駅から球場まで実際にアクセスしてみるため、北広島駅へ向かいます。
JR千歳線は道内特急や新千歳空港への快速エアポートが集結するため、列車密度が高い路線です。
北広島駅は2面4線となっており、外側に快速エアポート、内側に普通列車が停車します。お互いの緩急接続や、特急の通過待ちを行える構造です。
北広島駅が球場アクセス駅として位置づけられるにあたって、最も大きな変化が札幌方面4番線ホームの延長です。
この4番線ホームですが、千歳方面に向かって4両分ほど延長されました。ホーム下の色を見ると、その境目が分かりやすいです。
列車の停車位置をややずらすことで、3番線の列車を待つ列と4番線の列車を待つ列の重なる部分を減らしています。これにより、ホーム上で待てるスペースが増えてスムーズな乗降を可能にし、転落事故も防止できます。
延長ホームは階段から遠くなってしまうため、試合開催時を中心とした混雑時以外、普段は使われません。
実際ホーム延長部の端から見てみると、かなり遠いことが分かります。
延長されたホームの乗車口上には、整列方法について案内板が設置されていました。ドアの左右それぞれに4列で並んでくださいとのこと。
ホーム上にも降車と乗車それぞれの導線が、はっきりと示されています。ホーム端まで広く待機スペースがあり、列車停車位置をずらした効果の現れです。
指定席uシートとの間には車掌室があるため、業務用と示されていました。
そして、快速エアポートに慣れていないお客さんでも分かるよう、4号車は指定席であると大きく記載されています。
座席表まで書いてあって、あらかじめどちらへ進めば良いか分かりやすいです。
これより先は全時間帯停車するエリアのため、上のボードは設置されていません。
一方で待機列の表示はあっても困らないので、6両分貼ってありました。
3番線に到着する列車が6両だと若干重なることもありますが、3両なら待機列を完全に分けることができます。
駅に貼ってあった乗車口案内ですが、こちらについては延長ホーム使用時のものはありませんでした。そのと時になったら貼り替えたりするのでしょうか?
発車標については、おそらく最新型が新たに設置されました。
3番線についてはこの延長ホーム部分に列車が停まらないため、4番線側にだけ設置されています。
これはおそらく、苗穂駅と同じタイプのもの。苗穂駅は白文字が印象的ですが、フルカラーLEDなので色を出すことができます。
ちなみに千歳方面ホームについては旧型がそのまま使われていました。
ホーム屋根の柱を見ますと、エスコンフィールドの広告が貼ってありました。
JR北海道の駅でここまで主張された広告はあまり見かけないように思います。球場アクセス駅になったんだと、実感が湧きますね。
延長部分にもホーロー駅名標が取り付けられていましたが、新しく作ったものではなく古そう。
千歳方面ホームには剥がした跡があったので、おそらくそこから取ってきたのでしょう。
また、非常ボタンについてもかなり多く新設されていました。これを設置するために駅名標を剥がした所も多く見受けられます。
ホーム上カメラも新たに設置されており、混雑度合いを遠隔で確かめて、改札誘導の整理を行うのでしょう。
ちなみに、千歳方面についてはホーム延長がされていません。
これは駅を出てすぐ先にポイントがあり、延長が難しかったためと思われます。
また、そもそもお客さんが集中するのは札幌方面へ帰る時で、球場へ来る時は分散します。そこまで危険性が高くないことが大きな理由でしょう。
これまでも設置されていた、ホーム上から改札へのエレベーター。
大きな荷物のお客さんや、車椅子の方などの利用が多くなると予想され、こちらの利便性も高くなっています。
各ホームからエレベーターで上がってきますと、それぞれ通路で繋がっています。
その先に設置されているのが自動改札機です。これまでエレベーターを使った後改札を通るには、インターホンで駅員さんを呼ぶ必要がありました。
自動改札機やチャージ機など設置されまして、その必要なく自由に通れるようになっています。
こちらが外から見た形。一番大きな中央改札と対面する構造です。
改札上の液晶モニターには、上半分が被せられて発車標が表示されています。
中央改札の発車標上部にカメラがつけられており、これをライブ配信しているみたいです。敦賀駅でも見たことありますねこれ。
それでは3,4番線ホームから階段を登って、中央改札へ。
札幌方面ホームの階段正面には、立ち止まらないよう注意喚起がされていました。千歳方面ホームには無いので、やはり札幌方面の混雑が大きいと予想されていることがよく分かります。
階段を上がりまして、こちらは改札内コンコース。
かつて自動改札は発車標真下にあったのですが、改札内スペースを広くするため奥に移設されました。
駅事務室、みどりの窓口だった場所にはベンチが置かれ、これらも自動改札機と併せて移転しています。
みどりの窓口の他、2019年に2月には話せる券売機が設置されました。
他にも外側には、近距離券売機4台が設置されています。また、扉上の駅名板もスタイリッシュなものに変わっていました。
改札前に広がるのは、大屋根が特徴的なエルフィンパークと呼ばれる自由通路。混雑時にはこの広場を使って、ホームへ向かう乗客整理を行うようです。
2022年3月にはセブンイレブンとJR北海道キヨスクの四季彩館がオープン。お土産市場の一重要地点として位置づけられています。
それでは北広島駅から、実際にエスコンフィールドへ向かいましょう。
東口と西口2つありますが、まずはシャトルバス乗り場がある西口へ。
元々北広島駅のメイン出口はこちらで、広いロータリーが整備されました。
公園があったところには、キタヒロ・ホームタウン-BASEという商業施設が建設されます。
マルシェやフードコート、スポースショップなどのお店の他、高層階はホテルに。2階部分と北広島駅が接続するとのことです。
こちらを手掛けているのが命名権を取得した、不動産会社「日本エスコン」。2024秋に開業予定です。
札幌市のベッドタウンの割に、中々開発が進んでいなかった北広島市。これをきっかけに大きく化ける可能性に期待が高まります。
こちらは北広島駅からボールパークへの、シャトルバス乗り場。
黒を基調としたスタイリッシュな見た目。長蛇の列になることを見越してか、ロータリーの中では一番駅から離れた所に位置します。
試合を開催していない時でも、本数は30分に1本です。
バスはちょうど出て行ってしまったばかりだったので、北進通を歩いて向かおうと思います。
道中あるのが、セイコーマート北広島西口店。
ローソンみたいな青色ラインですが、ここは日本ハムファイターズとセイコーマートのコラボ店舗です。
店内には日本ハムファイターズのグッズを取り揃えており、この店舗に限らずエスコンフィールド開業記念ワインの販売を始めました。
店内デザインまでファイターズ色を感じられ、球場まで歩く方にはぜひ訪れていただきたいです。
ここまで下り坂だったのですが、輪厚川を渡る辺りで登り坂に。ここからはボールパーク通りと名付けられています。元々1車線だったそうですが、通行量が増えるため2車線へ拡張されました。
JR千歳線の高架線を列車が走っていきました。2つの丘が並ぶ地形となっており、橋のようにして高架が渡されています。
北広島高校が正面に見えたところで右へ、ここはアンビシャス通りです。
クラーク博士が教え子に残した言葉「Boys, be ambitious(青年よ、大志を懐け)」ですが、これは北広島市の島松駅で発せられたと言われています。
右手には黄色い屋根が特徴的、北広島総合体育館です。
この辺りには「きたひろしま総合運動公園」が建設予定だったのですが、資金難で計画は凍結。その用地36ha中20haを球団に提供し、北海道ボールパークが開発されることになったのでした。
この体育館とボールパークを結ぶ歩道橋、これにはBIGBOSS Bridgeという名前がついています。
そしてこの歩道橋を渡って正面に見える大きな建物、これがエスコンフィールドHOKKAIDOです。
とにかくクリアな表面に目を奪われまして、これまでの球場のイメージとはまるで違います。
これは野球好きとか関係なく北広島の観光地として、足を運ぶ価値があるものです。
球場のすぐ横に立っているのは、レ・ジェンド北海道ボールパークという日本エスコンが事業主のマンション。ホテルではなく住居というのがちょっと信じられませんね…。
暫定的に北広島駅が球場アクセス駅となっていますが、将来的には写真左下辺りに通るJR千歳線上に、ボールパーク新駅が設置予定です。
2027年開業予定でしたが、建設費の高騰により市の財政では厳しくなっており、遅れる可能性もあります。
帰りは北広島駅まで向かいます、シャトルバスに乗車。
真っ黒な車体に水色のライン、球場のイメージに合っておりスタイリッシュで格好良いです。
ただし、支払いにSuica等交通系ICカードを使えないのは、全くスマートではありません。
支払い方法は現金かVISAタッチ決済のみ。
もちろんVISAタッチ決済を使えるのは非常に便利ですが、既に広まっている交通系ICカードは絶対に使えないといけません。混雑する事は分かっているので、ぜひ改善してほしいです。
料金は先払いで大人200円、小人100円。
電動バスを使用しているため、走行音は非常に静か。ノンステップでバリアフリーにも対応しています。
ものの5分で北広島駅に到着。これだけ短ければ路線バス車両で十分ですし、特に欠点も出て来ないはずです。手数料とかあるんでしょうが、交通系ICカード対応さえしていただければ…。
北広島駅の自由通路、エルフィンパークへ戻ってきました。
この自由通路は自転車での行き来が可能で、東口からは長いスロープが伸びています。エスコンフィールドへの徒歩ルートはもう一つ、東口からの経路も存在します。
それが、エルフィンロードという自転車道です。
これが球場までずっと続いていまして、自然を感じられる遊歩道のよう。ちょっとした散歩気分を味わうにはこちらが良さそうです。
遂に北広島へやって来た、新たな球場。
単純に野球の試合に訪れるだけでなく、その周りのボールパークや商業施設など、大きな発展が生まれるはずです。
北広島駅も何とか工夫して整備が行われましたが、どうしても混雑は避けられなかった様子。
訪れた方々にも良い思い出で終わって欲しいですし、球場アクセスに特化したボールパーク新駅の整備が待ち遠しくなります。
市民の方の理解は当然必要になりますが、折角手にした大きな球場。ぜひそれを最大限生かせるようなアクセスを整えて欲しいと願います。
今回もご覧いただき、ありがとうございました。
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