-
【戦時中の東海道本線迂回ルート】ノスタルジックな戦前の風景を残す天竜浜名湖鉄道乗車記[史上最長片道切符の旅(58)]
天竜浜名湖鉄道は、東海道本線の新所原駅〜掛川駅を内陸経由で結ぶ路線です。まずはその成り立ちについてご紹介します。 掛川駅から天竜二俣方面へ向かっていた、天竜二俣鉄道の前身、二俣線。その後は飯田線の三河 ...
続きを見る
天竜浜名湖鉄道経由で、東海道本線の静岡駅まで来ました。
静岡駅のホームには立ち食いそば屋さんの、富士見そばがあります。
モッツァレラチーズが入ったチーズそばが人気なので、食べてみました。しかし僕にはあんまり…(笑)
これから乗車するのは特急ワイドビューふじかわです。
JR東海特急の愛称だったワイドビュー、2022年春にこの名称も廃止され、最後の乗車になりました。
373系電車での運行で、静岡から甲府までを結びます。
今回利用するのはコンパートメント席。ボックスシートで中央に大きなテーブルがあります。
この座席を指定する方は殆どいないので、実質この区画を独占することができるのです。
「1人で4人個室気分!特急ふじかわ373系に乗るならコンパートメント席へ」
-
1人で4人個室気分!特急ふじかわ373系に乗るならコンパートメント席へ。
ここは山梨県の中心駅、甲府駅です。 中央本線の特急列車が停車し、首都圏エリアに属することからJR東日本の色が濃い駅となっています。 そんな甲府駅ですが、ホームの奥に隠れてJ ...
続きを見る
11:45 静岡駅 発
列車は座席の向きと反対方向に出発しています。これは、この先富士駅で進行方向を変えるためです。
東海道本線に並走する、地方私鉄の静岡鉄道を追い越しました。
静岡市内では重要な街となっている、清水駅にも停車。
主要幹線が集まる、撮影地でも有名な薩埵峠を駆け抜けます。
富士川を渡るところでは、富士山がとっても綺麗に!
これから向かう身延線が合流、連絡線を通って富士駅に到着です。
富士駅では進行方向を変えまして、身延線に入ります。
旧ルートの身延線は静岡から進行方向を変えずに、そのまま身延線へ入ることができました。
しかし1969年に現ルートに線路が付け替えられ、特急ふじかわは進行方向を変える必要が生じています。
身延線沿線には日蓮宗・日蓮正宗の総本山があります。当時、日蓮正宗と同じ方針だった創価学会は、東京方面から団体列車で参拝していました。旧ルートでは東京方面から進行方向を変える必要があり、機関車の付け替えなど、円滑な運行に大きな障害です。団体臨時列車の需要の大きさを考慮して、東京からの輸送を優先し、線路の付替えが行われたのでした。
しかし、1991年に創価学会は日蓮正宗から破門され、参拝することが無くなりました。東京からの団体列車も来なくなり、現在では付け替えた線路が残るのみです。
この辺りは急カーブが連続し、富士山が右手にも左手にも見えます。
日蓮正宗総本山、大石寺の最寄り駅である富士宮駅に到着しました。
現在使用しているのは、入線している島式ホームの2,3番線ホームだけ。向こうのホームには、かつて団体臨時列車が発着していましたが、最近まで殆ど使用されていません。
富士宮駅から先は単線になりまして、ローカル線らしさが増します。
富士市・富士宮市の市街地から一変、どんどん山を登っていきます。
これによって街を見下ろしつつ、富士山の裾野を綺麗に見ることができます。日本一の山はまるでどこまでも続いているようです。
山梨県に入りましたが、キッパリとお茶畑が消える訳ではありません。
富士山が見えなくなると、身延線は富士川沿いを走っていきます。球磨川、最上川と並んで日本三大急流に数えられる河川です。
南アルプスが控えながら、南部町を走行中。市街地は富士川の対岸であり、鉄道駅からは橋を渡らなければなりません。
南部町の中心駅が、内船駅です。特急列車もすべて停車しています。
身延線の上を立派すぎる高架橋、中部横断自動車道が越えてきました。
2021年夏に新清水JCT〜双葉JCTが全線開通し、新東名高速道路と中央自動車道が接続しました。鉄道に置き換えれば東海道本線と中央本線が繋がったということで、まさに身延線と並行するルートを取ります。
この自動車道には高速バスも走っており、特急ふじかわは長距離輸送において、厳しい状況に立たされるでしょう。
路線名にもなっている、身延駅に到着。
日蓮宗総本山の身延山久遠寺があり、参拝客が利用。その他、南アルプス登山の玄関口でもあります。
特急ふじかわは身延駅でお客さんが入れ替わります。短・中距離輸送の需要も大きいため、高速バスとは違った市場も抑えているようです。
下部温泉駅にて特急列車同士が行き違いました。
駅から山に向かうと温泉街があり、細い路地に古くからの建物が立ち並びます。
特急ふじかわは、国内トップクラスの鈍足特急として知られています。
山深くカーブの多い所を走るため最高速度は85km/h、単線のため列車の行違いも必要です。そのため列車の平均速度が下がってしまいます。
鰍沢口駅では向かいに普通列車が停車中。
甲府からの折返し列車が設定されており、ここから普通列車の本数が増えます。
この辺りが甲府盆地の下端で、景色も一変。田んぼや住宅街が広がり始めました。
市川大門駅の駅舎は1995年に完成した立派なもの。
1994年、当時の市川大門町にできた大門碑林公園にちなみ、中国風のデザインで作られたのです。
奥に南アルプスを見ながら、富士川に注ぐ笛吹川を渡ります。
笛吹川を渡った先が中央市、特急も停まる東花輪駅が市の代表駅です。山梨県内の身延線の駅では、最も利用客が多くなっています。
リニア中央新幹線の高架橋は、小井川駅付近で交差する予定です。
途中の山梨県駅は、小井川駅周辺に設置して乗り換え可能にする案もありましたが、中央自動車道が近い大津町周辺に単独駅として設置する方針です。
甲府市に入りまして最後の途中停車駅、南甲府駅に到着。駅舎まで多くの線路を構内踏切で渡る構造です。
宇部三菱セメント甲府サービスステーションへ専用線が伸びており、貨物取扱を行っていた駅。1997年に専用線が廃止され、貨物は来なくなりました。
かなり街が広がってきまして、高架線を走ります。
善光寺駅手前よりカーブしながら、中央東線へと近づいていきます。
右手には五重塔が特徴的な、長禅寺。中央東線からすれば線路のすぐ隣です。
駅のすぐ隣には甲府城が見えています。お城の近くには城下町が既に形成されるため、鉄道はそこから離れた所に敷設されることがほとんどです。
ここまで近いのは甲府駅、福山駅、三原駅くらいではないでしょうか。
14:03 甲府駅 着
JR東日本式の、オレンジ一色の駅名標に迎えられました。
ホーム上には、レトロすぎるきっぷうりば。
どんどん指定席券売機に置き換えられている中、まだ有人販売がホームに残っているとは…。
甲府駅は駅ビルと一体化した大きな駅、横にはヨドバシカメラもあります。
ホームに居ると隣の線路で、乗務員訓練中の列車が動いていました。
14:46 甲府駅 発
中央東線の普通列車で、東へ向かいます。
右側には身延線の普通列車が停車中、奥には甲府城が見えていました。
富士山も山々の向こうに、ちょこんと顔を出しています。
勝沼ぶどう郷駅からは駅名のイメージ通り、ぶどう畑を見ることができます。
16:32 高尾駅 着
16:34 高尾駅 発
高尾駅では引き続き、中央東線を乗り継ぎ。
16:40 八王子駅 着
高尾駅を出てすぐ、八王子駅にて下車しました。
16:49 八王子駅 発
数々の私鉄と交差する重要な路線、横浜線に乗り換えです。
17:01 橋本駅 着
中が透明で、軽量化されたホームドアが設置されていました。
17:05 橋本駅 発
リニア中央新幹線の駅も設置される橋本駅、ここから相模線に乗車します。
こちらは2021年11月に投入されたE131系電車。205系500番台が走っていたのですが、訪れた前日をもって全ての列車が置き換えられました。
相模線は都心部に近いにも関わらず、全線に渡って単線路線。途中駅では列車の行き違いが行われます。
18:04 茅ヶ崎駅 着
折返しの列車は、横浜線に直通する八王子行き。
相模線が横浜線に直通する列車は、2022年春のダイヤ改正で廃止されました。これは横浜線の利用者が多く、相模線からの直通列車によって運行間隔が開いてしまうためとしています。
22:19 茅ヶ崎駅 発
お会いした方々と茅ヶ崎駅にて夜ご飯を食べ、東海道本線に乗車。
22:24 平塚駅 着
今日は平塚にて宿泊です。
日本三大七夕祭りで有名な平塚市。エスカレーターも七夕飾りで彩られています。
今回もご覧いただき、ありがとうございました。
-
【ロマンスカーがJR乗り入れ】御殿場線の特急ふじさんは新鮮![史上最長片道切符の旅(60)]
08:53 平塚駅 発 宿泊していた平塚市より、東海道本線で西へ向かいます。 留置線には2022年5月にデビューした、当時運行開始前の都営三田線6500系が停まっていました ...
続きを見る