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【年1回のみ】一万三千尺物語がトキめき鉄道へ!走る寿司屋の旅[2024ダイヤ改正(20)]
北陸新幹線金沢延伸に伴い、北陸本線から経営移管された、あいの風とやま鉄道。 沿線に美しい白山が見られ、観光列車「一万三千尺物語」が走っています。 通常は富山駅〜泊駅での運行なのですが、今 ...
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北陸の第三セクターを走る観光列車、一万三千尺物語と、えちごトキめきリゾート雪月花。
2024年春に相互直通運行が行われまして、前回は一万三千尺物語をご紹介しました。
今回はあいの風とやま鉄道まで乗り入れた、雪月花をご紹介。
新潟県を飛び出して、一部富山県も走ります。
今回利用するのは、1区画しか無い展望室!
とんでもなく広く車窓を楽しめるこの空間から、年1回だけの特別な旅をお届けします。
「えちごトキめきリゾート雪月花」特別運行の始発駅、あいの風とやま鉄道魚津駅に来ました。
雪月花は既に停まっており、あいの風とやま鉄道と並んでいる様子を見られます。
2015年の北陸新幹線金沢延伸まで、魚津駅には大阪からの特急サンダーバードが1往復来ていました。
真正面に立山連峰が見られる駅前通りなど、まさに特急停車駅という様相に、どこか懐かしさを感じます。
荘厳な改札ラッチの向こうには、今日限りでやってきた真っ赤な車両。
その存在感と輝きから、観光列車としての特別感は申し分ありません。
今回の特別運行は「越後越中紀行」と名付けられ、ヘッドマークのように掲げられていました。
ホームには魚津市の方々も駆けつけ、横断幕でお見送りしてくださいます。
魚津駅の一番富山駅寄りには、JR西日本時代の駅名標が残されていました。
ロゴマークは隠されているとはいえ、北陸特急が来ていた頃を偲ぶようです。
列車側面にも特別なサボが差し込まれていました。
今日だけのために制作されており、購入することもできます。
ホーム上で受付を終えまして、早速車内へ。
入り口には列車シンボルを示した、マットが敷かれています。
美しい自然の景物であり、日本では四季折々も含むことから、春夏秋冬の絵柄を示すようです。
雪月花は、WEST EXPRESS銀河や新型やくものデザインを担当なさった、川西康之さんが手掛けた鉄道車両です。
遊び心あるデザインが散りばめられ、鉄道の旅をより楽しませてくれます。
列車は2両編成、1号車にはボックスシートのほか、日本海や妙高山が正面を向く座席が並んでいました。
座席モケットは新潟県の稲穂を連想させるような、明るい黄金色です。奥の展望ハイデッキは、乗客のフリースペースとなっています。
2号車の方が落ち着いた雰囲気で、焦茶色の大きなテーブルにソファが安らぎの空間を提供してくれます。
大きな窓には眺望を隠しすぎない程度にカーテンが掛けられ、上品さを醸し出していました。
和モダンを基調とした内装で、大正浪漫を連想させます。
そして今回利用するのが一番奥、展望ハイデッキのセミコンパートメントです。
列車に1つしかない区画で非常に人気なのですが、今回ご一緒した方に取っていただきました。
上まで大きな窓が囲われており、開放感あふれる空間。運転席の後ろから前面展望も楽しめます。
通常の座席より一段高いこの場所から、広すぎる車窓を独占できちゃいます。
料理も提供されるレストラン列車の一つ、オリジナルのコースターやランチョンマットなどが敷かれています。
硬券の指定席券や記念乗車証も。
まずはウェルカムドリンク、雪室冷茶が提供されました。天然の冷蔵庫である雪室で茶葉を熟成させた、新潟ならではの緑茶です。
グラスにも「雪月花」と刻まれており、細かいところまで小さな感動。
写真では2種類しか映っていませんが、満寿泉 純米吟醸「酒仙一献」、満寿泉 8888 リンク、MASUIZUMI GREENの3種類が提供されました。今回は富山の地酒「満寿泉(ますいずみ)」が選ばれています。
アルコールを飲めない方でも代わりに、アサップ ほおずきサイダー、工房 辛味子 しそジュース、上越フルーツ りんごジュースをいただけます。
こちらが特別運行便「越後・越中紀行ひすいコース」の時刻表です。
料金は29,800円に加え、展望席料金が5000円。計34,800円とかなり高級志向ですが、出発前からもう大満足です。
14:21 魚津駅 発
富山県の魚津駅より、えちごトキめきリゾート雪月花が出発しました。
えちごトキめき鉄道の鳥塚社長も、お見送りに駆けつけてくださっています。
まずは富山駅方面へ出発しており、しばらく後面展望。
このあと滑川駅で折り返すので、進行方向前側になります。
あいの風とやま鉄道の一万三千尺物語からも見た観覧車。
同じ景色とはいえ、窓の開放感や車内空間の雰囲気から、感じ方がまるで違います。
14:31 滑川駅 着
こちらで9分間の停車時間があります。
風のラインを描いた青・緑の駅名標と、雪月花の共演を見られる、鉄道ファン的には嬉しい時間です。
真っ赤な車体に、上まで回り込む大きな窓。
跨線橋から見下ろすと、スイスのベルニナ急行っぽさがどんどん溢れ出てきます。
さくらラウンジのバーエリアでは、日本酒やワインなどを取り扱っています。
高田城の桜を思わせるデザインに、床には安田瓦が敷き詰められていました。
滑川駅で進行方向を変えるため、運転手さんがこちらへ移動されます。
ここからは終点の直江津駅まで、前面展望での出発です。
14:40 滑川駅 発
ちょうど滑川駅を出発するところで、並行する富山地方鉄道の列車とすれ違いになりました。
進行方向右手に7つの橋を一度に見渡せる、早月川を渡ります。
河川敷では市民の方が横断幕を掲げ、お見送りしてくださいました。
さらに、魚津城跡に建てられた小学校跡の屋上でも、彩豊かな幟が振られています。
始発駅の魚津駅まで戻ってきまして、今度はこちらを通過しました。
いよいよ雪の被った立山連峰が姿を現し、展望席ならではの素晴らしい景色に釘付け。
もう料理も提供されているのですが、落ち着いて食べていられません。
まもなく黒部駅に到着、あいの風とやま鉄道の一万三千尺物語が迎えてくれました。
14:56 黒部駅 着
こちらでは、一万三千尺物語と雪月花のアテンダントさんが、プレゼントを交換するイベントが行われます。
こちらもホーム上は非常に賑わっており、特別な列車たちを歓迎してくださいました。
午前中は新潟県の市振駅で共演しましたが、今度は富山県の黒部駅でピッタリ並びます。
高級感溢れる車内から見る、国鉄車両ならではのレトロさを残した観光列車。
さっきまで乗っていたこともあり、親近感を感じさせます。
一足早く一万三千尺物語が出発、雪月花の展望席よりお見送りしました。
15:10 黒部駅 発
黒部川を渡るところで、あいの風とやま鉄道の普通列車とすれ違い。
鋭い尾根に地平線に足をつけた裾野、日本の屋根と題するに相応しい姿を望めました。
こちらが車内で提供されました、「バラちらし」です。
今回は富山県内へ乗り入れる特別運行とあって、富山市に店舗を構える「鮨し人」さんによる監修です。
富山県産コシヒカリに、富山湾で水上げられた海の幸が散りばめられました。
特徴的な茶褐色をしているシャリは、赤酢で仕上げられています。
ほどよい酸味が効いており、海の幸を引き立てるのにピッタリ。
流れゆく景色のどこを切り取っても、素晴らしいの一言。
完全にピクニック気分で楽しむことができました。
列車は泊駅で、運転停車します。
あいの風とやま鉄道とえちごトキめき鉄道の運行系統が分かれる駅。泊駅を跨ぐ普通列車はほとんど無く、大抵乗り換えが必要です。
乗務員さんも、あいの風とやま鉄道からえちごトキめき鉄道の方へ交代。
あいの風とやま鉄道の定期列車は全て電車ですが、富山駅で高山本線の回送を担当しているため、気動車の運転免許を持っています。そのおかげで雪月花の相互乗り入れが実現している訳です。
泊駅を出発しますと、正面には日本海が姿を現しました。
日本海縦貫線の一部を担う、旧北陸本線。いよいよ迫力ある日本海に沿って北上します。
越中宮崎駅を通過しまして、えちごトキめき鉄道へ。
境川を渡ると富山県から新潟県に入りました。
一万三千尺物語に乗った時、雪月花と並んでいた市振駅を通過。
えちごトキめき鉄道に入ると、トンネル区間が多くなります。
妙高山を模したテーブルランプが灯り、この暗い車内の雰囲気もまた素晴らしいです。
北陸における最大の難所、親不知・子不知海岸へ。
日本海がすぐそこに迫っており、断崖絶壁が連続するため、北陸自動車道も海上に作られるほどです。
今では、先人が作り上げた鉄路から悠々と景色を楽しめますが、苦難の歴史が詰まっています。
えちごトキめき鉄道日本海ひすいラインで走っているのは、ディーゼル車両。1両編成の気動車とすれ違いました。
正面には妙高山が迎えてきました。
雪に埋もれた山塊のよう、アルプス山脈より岩の塊って感じがします。
北陸新幹線の高架橋が近づき、糸魚川駅が見えてきました。
ちょうど大糸線の汽車が停まっています。
姫川に沿って白馬・大町を通る大糸線は非常に景色が良く、一部を雪月花が走ったことも。
かつては特急列車が停まっていた、長い在来線ホーム。こちらでは少々運転停車していました。
糸魚川駅を出ると、交流から直流へ電化方式を切り替えるデッドセクションに入ります。
雪月花は気動車なので特に関係ないはず。国鉄形観光急行ではここを通る時、切り替えのため車内の電気が消えたりします。
ここで食後のデザートとして、アイスクリームとコーヒーをいただけました。飲み物は紅茶と選べます。
モナカに蓋をされていたアイスからは、仄かに日本酒が香ってきました。
列車は全長11,353mに及ぶ、頸城トンネルへ。そのトンネル内にある筒石駅で5分間止まります。
16:16 筒石駅 着
全国に5つしかないという、山岳トンネルの中にある旅客駅。
冷たく暗い空気の中に佇む雪月花の神々しさが、この上ありません。
ホームと待合室の間には重厚感ある扉があり、列車通過時の風圧で吹き飛ばされないようになっています。
待合室から地上までは、約300段の階段を登る必要があるそう。
これは是非下車して、実際に登ってみたいですね。
16:21 筒石駅 発
楽しかったリゾート列車の旅も、あっという間に終わりが近づいてきました。
ちなみに、コースターと箸置きは持ち帰ることができます。
コースターはシリコン製、箸置きは金属製なので、劣化もせず日常使いすらできそうです。(もったいなくて出来ないけど)
他にも、お米やコーヒーなどをいただけました。
カフェが入居する木造駅舎の有間川駅を通過。
その先は日本海の景色が一番良い区間で、徐行してくださいました。
旧信越本線の妙高はねうまラインが合流。その先には北陸新幹線の上越妙高駅があります。
直江津駅構内には新潟駅までを結ぶ、特急しらゆきの車両が停車中。
新幹線開通で分断された北陸本線ですが、第三セクター鉄道になって生まれた素敵な観光列車。
富山と新潟で手を取り合って実現した、今回の特別運行の旅も終わりました。
16:46 直江津駅 着
夕日のスポットライトを浴びまして、ガラスと赤い車体の輝きが一層増します。
一万三千尺物語と雪月花、一緒に乗ることでそれぞれの良さを実感することができました。
今度は通常便にも乗ってみたいですし、機会に恵まれれば他の地域へ足を伸ばす時もご紹介できればと思います。
今回もご覧いただき、ありがとうございました。
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