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【神戸→大分】豪華すぎるデラックス個室12時間25分の旅 さんふらわあ ぱーる乗船記[2404かんぱちいちろく(4)]

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大分から関西では、夜行フェリーが就航しています。

鉄道なら特急ソニックと山陽新幹線を乗り継ぐところ、夜行フェリーで眠りながらゆったりとした船旅を楽しめます。

 

今回は大分〜神戸を結ぶ、フェリーさんふらわあをご紹介。その中でも一番等級の高い、デラックス個室をチョイスしました。

 

非常に豪華な設備が整っており、これ以上無い快適性。一周回ってフェリーと思えなくなってしまう船旅をお届けします。



フェリーさんふらわあが就航する、大分港へ向かいます。

最寄り駅はお隣の西大分駅、普通列車に乗車です。

 

ホームへ上がってくると、スプラトゥーンラッピングの885系電車と、36ぷらす3が並んでいました。

白黒のコントラストが非常に綺麗です。

 

乗り込むのはお隣にやってきた、赤い普通列車。

 

他の立派なアミュプラザが入居する大分駅の隣は、木造駅舎の西大分駅。



貨物駅と一緒になっており、JR貨物の広告が掲げられています。

駅正面の看板には「フェリーのりば」と書かれており、これに従って正面へ。

 

突き当たりを右へ曲がり、公園を歩いているとフェリーが見えてきました。

 

こちらが駅からフェリーターミナルの地図、10分足らずでアクセスすることができます。

 

西大分港フェリーターミナルに到着しました。

 

大分〜神戸で就航しているのは、さんふらわあごーるど・ぱーる。今回は「ぱーる」の方でした。

どちらも2008年頃に就航した船なので、そこまで違いはありません。



設備なども決めていなかったため、乗船券はターミナル窓口で購入。

インターネットで事前購入することも可能です。

 

詳しく見たい方は拡大していただければと思いますが、雑魚寝のツーリストや半個室のスタンダードなど、設備は様々です。

 

こちらはそれぞれの運賃表。基本的にはA期間で、土休日がB期間です。

旅客基準運賃を基本とし、設備によって右側の等級差額が発生します。

 

今回利用するのは、最も等級の高いデラックス個室です。

定員は2〜4名で、今日はもう1人友人との乗船になります。

 

今日はGW始まりの土曜日なのでB期間。

旅客基準運賃14,990円に学割(5%引)を適用し、デラックス料金12,000円を加えて26,240円でした。



待合室は2階に設けられており、一部テーブルにはコンセントも設置されています。

出港時刻の60分前、金土は18;30〜、日〜木は18:20〜乗船可能です。

 

乗船券を係員さんに提示しまして、ブリッジを渡りました。

 

こちらは4階で、エントランスホールのある5階へはエレベーターか階段で上がります。

 

乗船中の地上階にあたる、5階がエントランスホール。

売店やレストランなどもこのエリアにあります。

 

乗船した正面にある階段で、5〜7階の各客室へ。

最近のフェリーだと階段を活かしたアトリウムが作られますが、この時代はまだそこまでの装飾はなされていなかった様子です。

 

最上階の7階は、デラックス専用になっています。

カードキーを差し込みまして、室内を見てみましょう。



ワクワクしながら扉を押し込むと…

船内とは思えない、その広さに驚かされました

ビジネスホテルどころかシティホテルと変わりない空間で、何日だって過ごせてしまいます。

 

このデラックスは最大4人でも利用可能ですが、それでも窮屈にはならなさそう。

4人で乗船する場合は、おそらくこのソファなどもベッドにするのでしょう。



ホテルの紹介ですかって感じですが、細かいところも見てみましょう。

ハンガーの掛けられたクローゼットの下には、スリッパが用意されています。

 

確か通常なら白色だったと思いますが、こちらは高級感のある茶色。履き心地も非常に良くて、厚みがありフカフカです。

 

テーブルの上には、ポットやお水、紅茶とコーヒーがあります。

 

さんふらわあオリジナルクッキー「さんふらわあの旅」があって、温泉旅館みたい。

 

冷蔵庫があるので、冷たい飲み物なども個室内で楽しめます。

 

テーブル下には空気清浄機のほか、ドライヤーや延長コードを用意。設備面での利便性が非常に高いです。



水回りも整っており、個別のユニットバスを用意。

ウォシュレットにも対応しており、窮屈感もありません。

 

浴槽にも小窓があって、お風呂に入りながら外の景色を見ることができます。

 

アメニティは、タオルと歯ブラシ。

カミソリやボディタオルなどはありませんが、そういえばここはホテルじゃなくて乗り物でした。あまりに完璧すぎて…

 

ベッドは2台並んでおり、ツインのお部屋になっています。

少々幅がスリムに見えますが、眠るには全く問題なさそうです。

 

目覚まし時計も備えたコントロールパネルが中央にあり、USB充電ポートも設置。

コンセントがここに無い代わりに、テーブル下に延長コードを用意してくださっているみたいです。

 

窓側にはテレビもありました。陸地が近い瀬戸内海を航行するので、そんなに不自由なく見られます。

 

丸テーブルを囲う椅子もあって、友人同士で楽しい一時を過ごすことができます。



そしてデラックス個室最大の特徴が、専用のバルコニーが設けられていること。

普段だとわざわざ甲板まで出て景色を見ていますが、今日は扉を出るだけで大丈夫です。

 

ウッドデッキには、ビーチで見るようなゆったりしたベンチ。完全に非日常的な体験をできます。こんなの文句のつけどころがありません。

ちなみに壁のすぐ向こうはお隣のバルコニーなので、うっかり覗き込まないよう気をつけましょう。気まずくなるので笑



19:30 大分港 発

出港時刻は金土が19:30、日〜木が19:20です。

 

進行方向右側の正面には、ホーバークラフトが停泊していました。大分空港まで結ぶ予定で、大分旅客ターミナルはこちらに設けられます。

 

下の黒い部分に空気を送り込み、船体を浮かせて海上を走ります。

かつて大分〜大分空港を結んでいたホーバークラフトが、2024年秋に14年ぶりの復活予定。新たなアクセス手段として注目です。

 

フェリーは国東半島に囲われた、別府湾を航行中。進行方向右手には、大分の工業夜景を見られます。

別府〜大阪にもフェリーさんふらわあが結んでおり、2023年春には新造船くれないが就航しました。

 

出港から1時間ほど経ちまして、九州と四国の中間地点あたりです。

佐賀関半島と佐田岬半島はかなり近く、国道九四フェリーでも結ばれています。



レストランで夕食をいただきましょう。

夜の営業時間は、金・土が18:30〜21:30、木〜日が18:20〜21:00です。

 

夕食はビュッフェ仕様で、大人1,800円。

カレーやパスタなどのテイクアウトメニュも美味しそうです。

 

お客さんはそれなりにいたはずですが、21時前だとかなり空いており快適でした。

 

入り口にはアルコールが用意されており、「さんふらわあワイン」も赤白あります。

 

健康志向のメニューも多く、ふきと油揚げの煮物、南瓜そぼろ煮です。

 

いかにもビュッフェらしい、ミニハンバーグ、焼きそば、ローストポーク。

 

今航行している瀬戸内にちなんだ、鳴門金時芋と鶏肉のコロッケです。

 

中でも惹かれたのが、大分名物「りゅうきゅう」。

醤油ベースのタレに漬けられたお刺身を温かいご飯にのせていただく、シンプルな料理ですがこれがまた美味しいんです。この航路だけでなく、別府〜大阪航路でもいただくことができたので是非。

 

ドリンクバーにはビールサーバーが置いてあり、500円でいただけます。

 

さすがはキンキンに冷えており、夕食にはピッタリです。

かなりギリギリまで注がれたのでお気をつけて。

 

ミニケーキや2種類のアイスクリームなど、デザートも楽しみの一つです。

夕食としては十分満足でしたが、どちらかというと別府〜大分の方がメニューが豊富だった印象があります。

 

21時からは船内イベントとして、人形劇が行われていました。

 

その裏側にはゲームコーナー。UFOキャッチャーなどの景品も流行モノで、しっかり交換されていました。



レストランの他にも、ショップでも買い物ができます。

営業時間は、金土は乗船〜21:30・5:30〜6:20、日〜木は〜22:00・6:00〜7:30なのでお気をつけて。

 

お土産物のほか、一般的なお菓子も販売しています。

どうしても船内なので、たけのこの里270円、アルフォート160円などと少々高めです。

 

カップ麺も販売されているので、食事にこだわらない方はこちらでも良さそう。

 

時刻は22時手前、周防大島町の屋代島南側を航行中です。

 

こちらには本州と四国を結ぶ、三大大橋通過時刻が書かれていました。

地理オタクとしてこれは見逃せません。



22:15、おやすみ放送が流れました。

個室なら特に消灯することなく、明るいまま夜の時間を楽しめます。



日付が変わって0:08、来島海峡第三大橋を通過しました。

今治〜尾道を結ぶしまなみ海道は、瀬戸内海に浮かぶ島々に架かる7つの橋梁群で形成されています。

来島海峡大橋はその一つで、一番四国に近い橋をくぐりました。

 

続いて深夜2:35、唯一鉄道が走れる瀬戸大橋の下を潜ります。

海上橋だと騒音も大きいので、おそらく貨物列車含めこの時間に走ることはないでしょう。

 

ライトアップはされていなくても、橋台を照らす光と時々走る自動車がその存在を知らしめます。

岡山と四国の陸路、九州と大阪の海路が交差し、どちらも重要な大動脈です。

 

もうそろそろ寝る時間、備え付けの浴衣に着替えます。

さんふらわあデザインで、完全なオリジナルでした。

 

寝心地は十分快適ですが、ホテルと比べたら少々幅が狭め。

掛け布団もしっかり柔らかいものでした。



6時ちょうど、放送が流れて目覚めました。

夜間部屋の電気をつけている間は、航行の阻害にならないようカーテンを閉めておくのですが、ちょうどいい具合に光が差し込んでくれました。

 

6:20、霧がかかっていながらも明石市街が見えてきます。

 

その中には明石市立天文科学館も、特徴的な形をした時計台です。

 

そして明石海峡大橋の下へ、逆光の中での存在感がまた立派です。

 

フェリーのバルコニーで向かえる朝、こんな特別な体験をできるなんて本当に素敵です。



レストランでは朝食もいただくことができます。

朝食の営業時間は、金・土6:00〜7:30、木〜日5:30〜6:20です。

 

朝食も700円でビュッフェをいただけるのですが、今回はテイクアウトのうどんセットをチョイス。

 

500円でうどんとおにぎりが付いてきます。

うどんには、さんふらわあロゴの刻印が入ったはんぺん。おにぎりは鮭と青のりです。

 

その後は展望浴室へ。洗い場は8区画、4人入れるような浴槽が2つありました。朝はかなり空いていたので、おすすめです。

営業時間は金土が〜22:30・5:30〜、日〜木が〜22:00・5:15〜です。



時刻は7:30、いよいよ神戸の都市部が見えてきました。

豪華なデラックス個室の旅は、あっという間に終わってしまいます。

 

神戸港には阪九フェリーも就航しており、六甲アイランド〜神戸を結びます。

 

甲板では接岸の指示が少し聞こえており、遂に神戸港へ到着しました。



名残惜しいながらも、こちらで下船。

大分港では4階でしたが、神戸港では5階の下船口から降ります。

 

ターミナルの正面には、バスが待っていました。

 

アイランド北口駅までのバスと、アイランド北口駅・阪神御影駅・JR住吉駅・阪急御影駅へ行くバスもありました。

 

本当はJR住吉駅までバスで行こうと思っていたのですが、あまりに混んでいたのでアイランド北口駅で下車。

アイランド北口駅までなら無料で行くことができ、それ以降は230円です。

 

アイランド北口駅からは、六甲ライナーに乗車。

住吉駅まで250円なので、バスより少し高くなっています。

 

8:24発の住吉行きに乗車。自動運転の新交通システムなので、運賃も高めになっているのです。

 

六甲大橋を渡る時には、停泊中のさんふらわあを見ることができました。

 

8:31 住吉駅 着

三ノ宮駅には8:37発普通列車で8:46着、大阪駅には8:45発の快速で9:06着となります。

 

大分から関西への夜行手段、フェリーさんふらわあの旅をお届けしました。

非常に豪華な設備はもちろんのこと、12時間という運航時間もちょうど良かったです。瀬戸内航路のため比較的揺れも少なく、初心者にもオススメなので是非お試しください。

 

今回もご覧いただき、ありがとうございました。

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