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【新幹線駅名の威力】2つの市にまたがる燕三条駅ができるまで
今日は上越新幹線の駅にやって来ました。 長岡駅と新潟駅という大きな駅に挟まれた、燕三条駅です。 燕三条駅は在来線 弥彦線の乗換駅。 終点の弥彦神社には上越新幹線開通を記念して建てられた、 ...
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今日ご紹介するのは上越新幹線のある駅。駅そのものは立派でありながら閑散とした、ちょっとさみしい雰囲気をご覧いただけます。
上越線の普通列車からは、僕ひとりだけが下車しました。ここは目的の新幹線駅浦佐駅です。
浦佐駅がある南魚沼市、その中心駅は北越急行との乗換駅でもある六日町駅です。通学時間帯等でなければ、在来線で浦佐駅を利用する人は少ないのでしょう。
向かい側の在来線長岡方面のホーム頭上には、立派な上越新幹線の高架橋が見えていました。
しかしこの駅、冒頭にもお伝えした通り、新幹線駅とは思えないほど寂しい雰囲気が漂っています。
一体どうしてそのような現状になってしまったのか、その理由を探ってみましょう。
まずは改札の外に出ます。
新幹線側の改札はさすがに自動改札機が2台設置されていましたが、在来線側は有人改札。
それぞれの改札は直角に隣り合っている構造で、有人改札があるのは在来線側だけでした。
また新幹線駅にも関わらず、みどりの窓口は2021年2月をもって廃止。
みどりの券売機プラスが設置された糸魚川駅、黒部宇奈月温泉駅を除けば新幹線で初めての窓口廃止です。
とりあえず駅の外にも出てみましょう。こちらは東口(八海山口)です。
東口は新幹線の高架から自由通路が伸びたような形となっています。
こちらからは路線バスが発着しており、バス停やタクシー乗り場、送迎の乗降場所へ向かって階段が下りていました。
駅前からは八海山をはじめとした山々が臨め、車通りの多い国道17号線が通っています。セブンイレブンの他、ロードサイド店舗が見られました。
改札周辺に戻ってきました
広々としたコンコースの一角には2019年に南魚沼市と魚沼市がオープンさせた観光案内所があります。
他にもこちらの待合室、ものすごく広くなっていますが、不自然にも椅子は少ししかありません。
さて、今度は西口(毘沙門天口)にやって来ました。
全体的に新しそうな塗装がされていて、駅名板横の柄もアクセントになっています。
2017年にはこちら側の壁材が落下する事故が起きており、前後年に壁面の改修が行われたためでもありそうです。
駅前には住宅やタクシー、喫茶店など昔からありそうな建物が並んでいました。
どちらかといえば先の反対側の方が随分発展している様子です。
駅舎内エスカレーターを降りたところの1階は本当に何もない空間が広がっています。
そろそろ、この駅がなぜこんなにも寂しい雰囲気となっているのか、ご紹介することにしましょう。
元々浦佐駅の西口側には浦佐スキー場があり、スキーブームが起こっていた当時は多くの人々が利用していました。
特に学校の生徒さんに向けたスキー教室も開かれており、団体利用が多かったそうです。
そこで利用されていたと思われるのが、1階コンコースのエスカレーター横にある団体待合室跡でした。
しかしスキーブームが落ち着いた上、浦佐スキー場で2011年に土砂崩れが起こったためゲレンデは閉鎖。スキー利用者はほとんどいなくなってしまったのです。
この空間も今となっては空っぽになってしまい、かつて賑わった様子を想像するのみ。
右側に映っているお手洗いの看板だけはかなり新しいですが、それ以外は見るだけでも埃っぽさが感じられました。
スキーで栄えた名残は新幹線の改札内にもあります。
改札外にはニューデイズがありましたが、こちらには太い柱だけが並ぶだけ。
何より広告が全く無く、社会主義的感が漂っています。
さて、注目すべきなのは奥にあるこちらのスペースです。扉で閉め切られていますが、同じような空間が続いています。
民間施設とは思えない空虚な場所。奥にはホームへつながる階段が残されています。
また、なぜか車椅子が中に閉じ込められており、まるでお化けが乗っているみたいです。
ガラスの扉にはなぜか直撮りされた時刻表が貼られていて、不気味すぎます…。
一方木目調でナチュラルな多目的トイレだけは最近作られたようで、浮いた存在になっていました。
なんとなく怖くなって来たので、コンコースからもおさらばしましょう。
エスカレーターでプラットホームへ上がっていきます。
ホーム構造は新幹線型で相対式ホームの2面2線、中央には2本の通過線が敷かれていました。
最近では珍しく、ホーム上に喫煙所が置かれています。絶対に待合室と勘違いしてしまいそうです。
他にも時代を感じさせるフォントの下、なぜか飲料水の飲み場が残されていました。
在来線でも珍しくなっているのに、新幹線の駅でこれがあるなんて初めてです。
現在では使われなくなった最盛期の名残はホーム上にも残っています。
それが今では利用できないという旨のメッセージが添えられた階段です。
この階段は先ほどの閉じられたスペースに向かって降りています。
スキー場アクセスという大きな柱が無くなってしまった浦佐駅。その結果残された駅の雰囲気はご覧いただいた通りです。
2019年度の1日の平均新幹線利用者は672人。たとえ主な役割を失っても、東京への便利な交通として機能し続けます。
不思議な場所がたくさん残る浦佐駅、ぜひ一度足を運んでみてください。
今回もご覧いただき、ありがとうございました。
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