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【北陸新幹線レベル】国内最速特急サンダバード37号乗車記[2023ダイヤ改正(1)]
普通の通勤電車と同じ線路を走る在来線特急。 そのような特急列車の中で、日本一早く目的地までを結ぶ、それが大阪〜金沢を走る特急サンダーバード37号です。 全体の速度を均した平均速度、表定速度は106.3 ...
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清楚感ある富山駅の真下から、富山港線の路面電車がやってきます。
この列車の行き先は岩瀬浜、江戸時代に北前船の寄港地として栄え、日本海側にはこういった港町が点在しています。
そんな日本海側と東海道を結ぶ幹線として、1934年に全通した高山本線。現在では飛騨高山の観光特急的役割が大きく、外国人観光客も多く利用します。
本日2023年3月17日限りで高山本線から、ひとつの特急車両が引退しました。特急ひだで使用されるJR東海のキハ85系気動車です。
今日は定期列車として走るキハ85系最後の様子をお届けします。
特急ひだ号は基本的に名古屋〜高山を結ぶ列車で、一部が富山まで走ります。
キハ85系の特急ひだ富山行きは、昨日が最終運行でした。今度は反対方向、特急ひだ8号が富山始発のキハ85系ラストランです。
9:48頃、回送列車として1番線ホームに入線。遂にこの便が最後なのかと、じわじわ実感が湧いてきます。
第三セクターあいの風とやま鉄道の方が回送を行っており、営業運転するJR西日本の方へ交代されました。
キハ85系のシンボル的存在だったパノラマグリーンですが、これも無くなってしまいます。
それだけでなく、HC85系では富山〜高山にグリーン車の設定が無いため、富山駅に在来線グリーン車が来なくなります。
富山〜高山では3両編成での運行、先頭の8号車指定席を利用します。当日朝でも窓側が空いていたので、乗車を決めた訳です。
しっかり支えてくれる新しい座席も良いですが、このふかふか座席からお別れというのも名残惜しくなります。
09:53 富山駅 発
ホーム誘導の方にも手を振られ、富山駅を出発。ワイドビューチャイムを聞きながら、新しい富山の街でエンジンをかけていきます。
左手に見えているのは北アルプスの山々。雲でぼんやりしているものの、白い雪の積もる様子が綺麗です。
速星駅には日産化学富山工場が隣接しており、そこには貨物のコンテナが見られます。
富山〜速星では、高山本線で唯一貨物列車が走っていまして、ちょうど赤いディーゼル機関車がいました。
JR西日本単独で唯一の停車駅、越中八尾駅に到着。
駅近くの自由通路が、城下町っぽさを連想させるデザイン性です。
沿線からは、ちらほら写真を撮られる様子も見られました。一方で、キハ85系がここを走るのが最後とは感じさせないくらい。
かなり山の中へ入りまして、神通川沿いを走行。富山県と岐阜県の県境付近まで来ています。
JR西日本とJR東海の境界駅となっている、猪谷駅に到着。
ここでは乗務員さんが、JR西日本からJR東海の方へ交代されます。
夕方に特急ひだ26号大阪行きがあるためJR西日本管内ラストランにはならないのですが、キハ85系が北陸地方からいなくなる瞬間です。
特急停車駅と言ってもかなり山間の駅、それでも多くの鉄道ファンが写真を撮影されていました。
放送ついでに思わずエンジン音入れておきたくなってしまう、そんなワクワクさせられる底力ある響きです。
スノーシェッドが掛けられた渓谷沿いのカーブへ。3月でも日陰では雪が残っており、岐阜県・富山県の山間部らしい景色です。
そこから流れているのが宮川、途中ではダムをいくつか観察できるのも魅力になります。
途中、通過する飛騨細江駅ではキハ85系に向かって、手を振ってくださる方も。
高山とセットの観光地になっている、飛騨古川駅。
まだ飛騨古川発着のキハ85系があるので、ここから先においてはまだラストランにはなりません。
飛騨国府駅にて運転停車し、富山行き特急ひだと行き違い、キハ85系からHC85系を見る、そんな経験も中々できなくなります。
右手には列車をたくさん置いておける線路が広がります。高山本線の中枢である高山駅で下車。
高山駅では前よりに4両連結されます。
やっぱりこの連結作業は非常に人気。
これに備えて改札へ向かう人を誘導したり、ここ空いてますよと案内してくださったり、かなり寛容な様子でした。
7両編成になったところで、名古屋駅へ向けて出発です。
風下に立っていると吐き出された煙を直で被り、その時の香りが堪りません。
高山駅ではキハ85系に感謝を込めた、いろんな展示が行われていました。
どれもキハ85系らしさを押し出していて、とても素敵です。
発車標にはHC85系とキハ85系を区別するため、HC85系にはそのマークがついています。すべて新型車両HC85系に統一されれば、これも無くなるでしょう。
さて、富山方面に目を向けますと、特急ひだ5号は飛騨古川行きのキハ85系ラストランです。
これを飛騨古川駅で迎えるため、先行の普通列車に乗車することに。
飛騨古川駅といえば、映画『君の名は。』で登場した聖地として有名。
飛騨古川駅にキハ85系が来るのが最後ということは、このカットを撮影できるのもこれで終わりです。
骨組みだけの臨時改札とキハ85系の重厚感は、完全にマッチしています。
この列車は飛騨古川始発の特急ひだ12号になります。折返しキハ85系に乗車しまして、飛騨古川駅を出発です。
駅員さん方が旗を持ってお見送りしてくださり、最後の飛騨古川駅出発は静かながらも温かなものでした。
高山駅到着後、再び連結作業を観察。
細かいところは見られませんが、反対ホームの方が圧倒的に空いています。
しばらくしまして、キハ85系定期運行ラストランの時刻がやってきました。
最後の列車は、特急ひだ16号名古屋行き・36号大阪行きです。
特急ひだ号は1日1往復、大阪発着の便が設定されています。前寄りが大阪行き、後ろ寄りが名古屋行きとなっていまして、今回乗車するのは名古屋行きです。
大阪行きの先頭車両はパノラマでありながら自由席となっており、ここに座るため一日中並んだ方もいらっしゃいました。
名古屋行きの最後部、10号車についてはパノラマグリーン席です。
名古屋行きは8,9号車が貫通型先頭車両、10号車が非貫通型先頭車両。3両連続で先頭車両が続くいわゆる変態連結です。
向かいからはHC85系の特急ひだ11号富山行きが到着。
昨日まではキハ85系だったのですが、富山から返す必要があるため、今日からHC85系になっています。
富山からのと異なり、シートは落ち着いた色合い。お隣にはHC85系が停車中です。
15:33 高山駅 発
ホーム上では作業員の方々が、横断幕を持ってお見送りしてくださいました。
沿線では住民の方が各地で手を振ってくださり、日常の一部にあった景色が今日で終わるのだなと実感します。
また、景色が開けていて撮影しやすいところでは、撮り鉄さんもパラパラと見ることができました。
列車は宮カーブと呼ばれる撮影ポイントへ。
ここでキハ85系を見送ろうと呼びかけた方がいらっしゃって、多くの撮り鉄さんが集まっていました。
オリジナルの横断幕が掲げられまして、きっと素敵な写真が上がっていることでしょう。
いよいよ高山本線らしい、ゴツゴツ岩が目立つ川沿いを、カーブを連続させながら下っていきます。
各駅通過する時には、1,2人地元の方がお見送りに来ている姿もありました。
山を走っていたところで突如現れるのは下呂温泉。
列車の中からでもその町並みを楽しむことができ、車内の年季が入った椅子と雰囲気がピッタリ。
そんな温泉の玄関口、下呂駅に到着。
ホームでは観光協会らしき方が手を振って、お見送りしてくださいました。
下呂駅を出てすぐ、少ヶ野信号場でHC85系と行き違い。以前はキハ85系でしたが、変わっていますね。
元々は貨物駅だったこともあり、信号場はかなりの広さです。
近くではこの行き違いを撮影しようと、数人の方が集まっていらっしゃいました。
飛騨金山駅で普通列車と行き違います。青春18きっぷで旅行中の方でしょうか、停車時間中に撮影される方も多かったです。
渓谷続きの高山本線でも一番の見どころ、飛水峡です。
街が広がってきまして、まもなく美濃太田駅。
左手からはJR太多線が合流してきました。
ここまで来ると名古屋からも来やすく、ホーム先頭部には大勢の鉄道ファンが集まるようになります。
美濃太田駅を出ると、沿線には生々しい廃墟が続きます。
この景色はどうしてもHC85からでは似合わないもの。キハ85系の空間から、この状況へ至ってしまった過程に思いを馳せるのが好みでした。
これまでも時々見かけられたのですが、沿線のお子さんが手を振って見送ってくださるのが、とても嬉しいですね。
都市部になればより頻繁に見られて、心温まるものです。
名鉄新鵜沼駅の乗換駅、鵜沼駅を通過。
かつては名鉄犬山線からJR高山本線へ連絡線が設けられており、名鉄名古屋駅から高山駅を結ぶ急行北アルプスが走っていました。
少しの間名鉄各務原線と並走しており、普通列車を追い抜いていきました。
菜の花が咲く頃になり、黄色くなだれ込んでいるのがとても綺麗です。
高架線をぐんぐん登っていきまして、両側から近づいてきた東海道本線へ。
まもなく到着するのは岐阜駅。ここで特急ひだ大阪行きと名古屋行きが分割されます。
今回は名古屋行きに乗車しているため、大阪行きが離れる形で解結が行われると、進行方向逆向きに発車しました。
岐阜県から愛知県に入って、尾張一宮駅を通過。これまで並走していた名鉄が離れていきました。
そして、ワイドビューチャイムから始まる、いつも通りの車内放送が流れます。
信号待ちのため停車していたのですが、再度動き出す時には「本日この列車をもちまして、キハ85系は定期運行を終了いたします。長らくのご乗車大変ありがとうございました。」と案内をしていただきました。
そして、多くの鉄道ファンが待ち構える名古屋駅に到着です。
名古屋駅に佇む夜のキハ85系。何とも言い難い存在感と優しい顔つきをしており、ラストラン関係なく撮りたくなるものです。
駅員さんも案内の度「写真を撮ってくださってありがとうございます」とわざわざ入れていただき、なんとも素敵な配慮に思いました。
キハ85系定期ラストラン名古屋駅に到着。車庫へ回送されていきました。
このディーゼル音を名古屋駅で聞く機会も、どんどん減っていくんですね…。 pic.twitter.com/xhcEvBVM61— パスケース (@Pass_Case) March 17, 2023
多くの鉄道ファンに見送られ、名古屋駅から回送。馴染み深かった深いエンジン音も、どんどん減って名古屋で聞けなくなりそうです。
東海出身で非常に思い入れのあった列車なので、車両が引退するってこういうことなんだと改めて思わされました。まだ臨時列車では運行するようですが、少ないチャンスですので乗りたい方はぜひ確認してみてください。
今回もご覧いただき、ありがとうございました。