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【唯一の新幹線単独駅】越前たけふ駅には何がある?内覧会で駅舎見学[2401大寒波(5)]

2024年1月28日

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2024年の北陸新幹線敦賀延伸区間の中で、唯一の新幹線単独駅となる、越前たけふ駅。

現在特急が停車している武生駅から2kmほど離れており、武生ICの近くに設置されています。

 

完全なる新駅ということで、道路看板も部分的に隠された状態です。

 

一から作られた新たな駅、駅舎内が開放される見学会が開かれましたので、内部の様子をお楽しみいただければと思います。



越前たけふ駅のデザインコンセプトは「コウノトリが飛翔する未来への道標となる駅」。

越前市にやってくるコウノトリをモチーフにしており、白い枠には羽を思わせる模様が描かれています。

 

駅舎外壁には、光沢と落ち着きのある銀鼠色の色合いが特徴的な、越前瓦が11,000枚が使用されました。

 

ほぼ全面ガラス張りとなっており、空模様もくっきり反射していました。



内覧会の入り口となっている、新幹線高架下へ。

駅の出入り口は全て同じところですが、最初にご覧に入れた西口、反対側の東口、こちらの南口の3つです。

 

他の新幹線駅見学会では整理券配布方式でしたが、越前たけふ駅はアクセスしづらいためか、受付も無く並べば入れるスタイル。

それでも朝9時台から20分ほど並ぶ必要があり、かなりたくさんの方が集まっていました。

 

こちらでパンフレットを数枚いただきまして、越前たけふ駅を使ってもらえるよう、他の駅と比べてアピールを強く感じます。

 

こちらは新幹線改札前のコンコース、その右側にみどりの窓口と、指定席券売機が並びます。

 

天井は越前和紙の技法である、「流しき」の動きを表現しているとのこと。コウノトリをモチーフとし、伸びやかな樹木や新芽も連想させます。

 

指定席券売機は2台、電源は付いており発売停止中の表示になっていました。

一番端にはもう一台設置できそうなスペースがあり、みどりの券売機プラスが設置される気がします。

 

おそらくすでに運賃表は設置されていて、その上から隠されているのでしょう。

 

設計段階では、みどりの窓口が設けられた越前たけふ駅。

しかし、みどりの券売機プラスを設置できそうなスペースが気がかりで、黒部宇奈月温泉駅や糸魚川駅でみどりの窓口が廃止された例もあり、いつか無くなっても不思議ではありません。



順番が回ってきたので、改札内へ入場。

自動改札機は3レーン設置されています。

 

天井板がギザギザになっており、合わせるように山並みを表現しているようです。

 

一番端の有人改札は、みどりの窓口と完全に同じスペースとなっていました。

 

精算所横には福井県産木材を使った、鉄道・運輸機構のプレートが貼ってあります。

 

改札上には、小松駅と同型のLED発車標が設置されていました。

下り列車は全て敦賀行きですが、あくまで敦賀「方面」との表記です。



改札を通って正面に迎えてくれるのは、ものすごく派手な待合室。

壁面には幅10m、高さ4mに及ぶ光壁が目に飛び込んできます。映像作品でも流してるんですかってくらい、とてつもない輝きを放っていました。

 

ガラスに挟み込んだ越前和紙は、越前市の花である菊をモチーフとし、「透かし」の技術を用いた大輪の花を咲かせるデザインです。

 

右側の壁には越前和紙の紹介プレートがありました。

駅構内の越前和紙は越前市から寄付されたもので、新たな玄関口として、この地の伝統を存分に伝えてくれるはずです。

 

待合室にはおそらく福井駅と同じ、木製ベンチが置かれていました。

 

自動ドアには衝突防止シールとして、越前たけふ駅と菊の花が引かれています。



待合室を避けるようにして、両ホームへ向かう階段がカクっと曲がります。

こちらの柱に取り入れられた朱色の部分は、越前漆器の漆です。

 

今回立ち入ることができるのは、金沢・東京方面の1番線ホーム。

在来線との乗り換え駅だと、新幹線ホームは11・12番線のように十の位が加えられることがあります。

しかし、越前たけふ駅は乗り換え路線が無いので、1番から付けられました。

 

待合室の裏側にお手洗いがあって、それぞれに模様が描かれています。

 

ホームへ上がったところ、2番線ホームに列車到着の放送が流れていました。

 

ちょうど金沢から敦賀方面へやってきました、北陸新幹線が停車です。

 

完全なる新幹線新駅の越前たけふ駅。しばらくして、ゆっくりと発車していきました。



来場者が多かったためか、待合室などがあるホーム中ほどには入れませんでした。

待合室にはこうぞの質感を活かした、伝統的なデザインの越前和紙が設置されているとのこと。

 

両ホーム共に、金沢方から待合室・エレベーター・運転事務室・喫煙室の順で並びます。

囲いの上の装飾は、コウノトリの巣をイメージしているそうです。

 

越前たけふ駅のホームドアには、金色が採用されました。

 

福井県内の新幹線駅では、ホーム柵ガラス面に写真を差し込み。

 

越前市だけでなく、鯖江市や池田町など、周辺の写真が様々使用されています。

 

そして何と言っても新駅ならでは、初めて目にする駅名標です。

JR西日本の新幹線駅や、北陸新幹線の駅で、ひらがな駅名は初めてとなります。

当初は南越駅の仮称が付いていましたが、市内外から意見を募ったのち、JR西日本から「越前たけふ」の駅名が発表されました。

 

上からの照明はホームドアと同じ金色のカバーに入れられ、襖の鴨居を連想させます。

 

ホーム上のベンチは座面にクッション性がある、北陸新幹線各駅と同じものと思われます。

 

敦賀方面ホームの向こうには、山が迫っているようです。



越前たけふ駅は、相対式ホーム2面2線構造の駅。

中央には通過線が2本あり、新幹線同士の追い抜きも可能です。

隣の福井駅が島式ホーム1面2線で非常にコンパクトなため、隣駅の越前たけふ駅にこれだけの設備が整えられました。

 

ホームの端っこでは、まっすぐ続く通過線から、両ホームに面する線路が分岐してくる様子を見られます。

 

当然ながら反対の、金沢方も同様です。

 

そんな特徴的な駅構内に注目していたら、まもなく列車が通過するとの放送が流れました。

東海道新幹線では、ホームに面していない通過線を通過する際に放送はありませんが、北陸新幹線では「雪が舞い上がりますので、ホームの柵からお待ちください」との自動放送も流れます。

 

3分程経ちまして、通過線を新幹線が通過して行きました。

上越新幹線がE7系新幹線で統一されたので、通過線をE7/W7系が走るのも違和感無いですが、これほど新しい駅の通過線を駆け抜けるのは新鮮です。

 

しばらくすると、敦賀方面にも通過列車が来るようです。

この時のチャイムは停車列車と同様、鉄道唱歌となっています。

 

整備新幹線では建設費圧縮や、列車本数の少なさにより、通過線が設けられる駅は結構珍しいです。

北陸新幹線では越前たけふ駅と、加賀温泉駅に設けられます。



1番線ホームからは、西側のメインロータリーを見下ろせました。

乗り換え路線が無いからこそ、駅利用者のほとんどは自家用車、僅かながらバスでのアクセスになります。

 

駅周辺と言ったら何もないですが、福井村田製作所セラミックコンデンサ研究開発センターの建設が進んでいます。2026年4月に開業予定です。



ホーム上での見学箇所は絞られていたので、そろそろ降りることに。

「出口」とだけ表示されており、乗り換え路線が一切ありません。

 

踊り場を見ると、階段が途中で曲がっている様子が分かりやすいです。

 

ここには既に広告が差し込まれており、越前市の会社みたいでした。

 

7〜12号車側にエスカレーターが設置されており、上下横並びで固定です。

 

反対の2番線ホームが、敦賀方面の下りホーム。

まだ敦賀方面に留まっていますが、近い将来に「敦賀・新大阪方面」へ変わることを期待したいです。

 

こちらには多目的室が設けられており、授乳やおむつ替えに利用できます。

 

改札近くの柱では、越前打刃物うちはものと越前指物さしものを表現。

 

波紋を表現した越前打刃物をデザインしており、その光沢がくっきりと浮かび上がっています。

 

ホゾや継手によって木を組み、指し合わせる「指物」。越前市では家具や建具に取り入れ、特に桐たんすが作られるようになりました。



そろそろ1時間経ちそうなので、改札外へ。

有人改札からみどりの窓口がそのまま繋がっている形で、かなり広く見えます。

 

新幹線のりばに向かって左側では、セブンイレブンハートインJR越前たけふ店が建設中です。

 

ここでもコンビニエンスストアを営業してくださるようで、非常にありがたい限り。



改札からまっすぐ進み、南口を出ます。

正面には越前たけふ駅の垂れ幕が掲げられていました。

 

高架下には新幹線駅でお馴染み、駅レンタカーのニッポンレンタカー営業所が置かれます。

新幹線単独駅となるとレンタカーは、外から来た観光客にとって重要な足になりそうです。

 

西口の駅前には、道の駅越前たけふ駅があり、一足早く2022年3月にオープンしています。

 

近くには武生ICがあって、そこに名古屋〜福井の高速バスの武生バス停が設置されていました。

道の駅越前たけふに入居する観光案内所は福鉄高速バスチケットセンターを兼ね、高速バスの乗車券を購入できます。

 

2023年12月からは武生バス停を、越前たけふ駅へ乗り入れに変更。

新幹線延伸後は、武生駅から名古屋駅まで特急しらさぎ号一本で行けなくなるので、こちらの利用価値も高まりそうです。

 

また、開業日から越前たけふ駅・武生駅〜大河ドラマ館を結ぶ、シャトルバスも運行開始します。

交通結節点が一から作られた、そんな姿を見ることができました。



道の駅があるのと反対側、東口です。

こちらも西口を鏡にしたような、ほぼ同じデザインとなっています。

 

ガラス面にはコウノトリの羽を描いた、衝突防止シールが貼られていました。

 

今回は見られませんでしたが、ホーム上の待合室や喫煙室などで他の種類も貼ってあるはずです。

 

東口は完全に駅裏で、駐車場しかないと言って過言ではありません。

 

他にあるのは、田んぼと山だけ。武生ICが近いといっても、何もないところに設置された新幹線駅なので、当然とも言えます。



越前たけふ駅からは、タクシーで武生駅へ。料金は2000円程度です。

北陸新幹線延伸に伴い、並行在来線のJR北陸本線(金沢〜敦賀)は第三セクター鉄道ハピラインふくいへ移管されます。

そのため、武生駅のJRロゴも既に外されていました。

 

駅周辺地図でも、北陸新幹線と越前たけふ駅が書いてあります。

 

駅舎内にはJR北陸本線から移管を受ける、ハピラインふくいのクラフトが置かれていました。

ファンクラブも開設されており、1日フリーきっぷが特典になったりと、かなりお得です。

 

武生駅にはセブンイレブンハートインがあったのですが、JR西日本からハピラインふくいへの移管も影響して、2024年1月8日をもって閉店しました。

 

鯖江駅のセブンイレブンハートインも同様に閉店。ここには自動販売機など設置予定とのことです。

 

一方で、待合室の今庄そばは存続予定。在来線特急がいなくなっても、立ち食いそばをいただけるようです。

 

武生駅の近くには、福井鉄道たけふ新駅があります。

かつて越前武生駅だったのですが、新幹線駅が越前たけふ駅に決まり、2023年2月「たけふ新」駅へ改称されました。

 

信越・北陸の新幹線駅では、唯一乗換路線がない越前たけふ駅。

長距離列車の発着が新幹線単独駅へ移り変わり、その影響を目にすることもできました。

 

新たな玄関口としてオープンする日も、楽しみにしたいです。

 

今回もご覧いただき、ありがとうございました。

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