JR西日本 ハピラインふくい 福井

【ホーム1つだけ】全国唯一の新幹線駅誕生!1面2線の福井駅を見学[2401北陸新幹線(4)]

2024年1月20日

前の記事
【あと1ヶ月で廃止】3両の短すぎる北陸特急!おやすみエクスプレス乗車記[2401北陸新幹線(3)]

2024年春のダイヤ改正で、金沢〜敦賀が延伸する北陸新幹線。 大阪・名古屋〜金沢で運行している特急サンダーバード・しらさぎ号も、敦賀駅までの運行に短縮。金沢駅を発着する特急列車は、七尾線の特急能登かが ...

続きを見る

2024年春、東京から北陸新幹線がやってくる福井県。

その県庁所在地である福井市の中心駅、福井駅にももちろん新幹線駅が設置されます。

 

新幹線ホームは島式1面2線構造となっており、県庁所在地の新幹線駅にしては、異例の小さな規模。

ホームが一つしかない上に、通過線も待避線も存在しておらず、日本一シンプルな形の新幹線駅です。

 

駅舎やコンコースなど至る所に、福井の意匠が詰まったデザイン。内覧会で公開された内部の様子をじっくりお届けします。



福井は城下町を起源とするまちで、福井駅から見て西口がメインとなっています。

一方で、新幹線ホームが設けられたのは反対側、東口です。

新幹線改札が土地の余っている駅の裏側にできるのはよくあることですが、北陸新幹線では金沢駅も富山駅も表側に新幹線改札が設けられたので、福井駅だけ異質な状態に見えてしまいます。

 

駅舎のデザインコンセプトは『太古から未来へ 〜悠久の歴史と自然がみえる駅〜』。一乗谷朝倉氏遺跡の唐門をモチーフにしたデザインです。

 

新幹線のコンコースには県産木材が使用されており、杉の香りを感じられます。

 

大きな柱の四隅には越前和紙が張られています。

越前和紙は日本三大和紙のひとつに数えられ、お札の「すかし」は越前和紙に伝わる「白黒すかし」という技法が採用されたことによるそうです。

 

写真だと見づらくなってしまいますが、隠れ恐竜も。ぜひお越しの際は見つけてみてください。

 

新幹線改札周辺の案内サインも完成しており、看板内の灯りが灯っているためか、透けて見ることができました。

同じ新幹線改札でありながら、1〜6号車はA、7〜12号車はBと改札外で号車表示されているのが特徴です。

 

特に重ねて隠されていましたが、北陸本線の移管先である「ハピラインふくい」の文字も。

また、福井駅では西口に「福井城址口」、東口に「一乗谷口」の愛称が与えられることになります。

 

今回の内覧会では、新幹線のりばAから入ることになるようです。

9時の回に参加された方が、改札から出て来られました。

 

反対に新幹線のりばBはシャッターも下りていました。

こちらには、みどりの窓口や自動きっぷうりばが設けられるようです。



午前9時から1時間ずつ、全3回行われた福井駅の内覧会。

事前の整理券配布を受けまして、10時の回に参加しました。

 

自動改札機の端っこ、団体専用改札から入ります。

 

発車標は液晶ディスプレイでなく、従来通りLEDが採用されました。

 

自動改札は4レーン設けられており、向かい側にも新幹線改札があることを考えれば、十分な数でしょう。

 

こちらは案内サインも隠されておらず、愛称付きの出口や、ハピラインふくいの表記も見られます。

えちぜん鉄道と福井鉄道にはアイコンに色が付けられました。

 

一番端っこの自動改札機だけ透けていましたが、これまでと同じものに見えます。

 

一番端に精算所や有人改札を設けているのは、通常の新幹線駅と同じです。

 

室内には、きっぷの処理等行う機械など既に用意されていました。

 

改札近くには多目的室も設けられており、授乳やおむつ替えなどできるようです。

 

自動改札機横の柱には、鉄道・運輸機構のプレートが設置されていました。

こちらも福井県産木材を使用したようです。



自動改札を通った正面の視界は、このようになります。

右側の壁が出っ張っているためか、割と幅が狭いように感じられます。

島式ホームなので案内が方面別ではなく、「1〜6号車」だけなのも特徴的です。

 

現在はまだ工事中ですが、スタッフの方にお聞きしたところ、ここには蕎麦屋さんが入るとの事。

在来線改札外には『今庄そば』さんがありますが、それとは別の『そばどころ 越前屋』さんです。

 

先へ進みまして、4〜6号車寄りにはエスカレーター、1〜3号車寄りには階段が設けられています。

 

こちらには、ガラス張りのコンコース待合室が設けられました。

 

そこまで広い印象は受けず、ベンチも木製。おそらくこれも県産木を使っているのでしょう。

 

カウンター席も用意されており、黒いのは多分コンセントじゃないかと思います。

壁仕上げには福井市で採掘される「笏谷石しゃくだにいし」と県産杉が用いられました。

 

ガラス張りなので、帯状の衝突防止シールが貼られています。おそらく恐竜の尻尾の骨と、足跡ではないでしょうか。

 

その奥にはお手洗いがあって、それぞれ恐竜の足跡が描かれています。

 

内覧会ではエスカレーターが動いていませんでしたが、上下それぞれで固定されるみたいです。

 

反対側にはエレベーターと階段があり、中2階には新幹線とハピラインふくい、JR九頭竜線を乗り換えられる、のりかえ改札が設置されています。

 

のりかえ改札があるのはここだけで、新幹線のりばB側にはありません。乗り換える方は1〜5号車あたりの利用が良いかと思われます。

 

階段を登った正面で迎えてくれるのは、福井市から寄付を受けた笏谷石のレリーフ。東口のモデルにもなった「一乗谷朝倉氏遺跡の唐門」の形にデザインされています。

 

福井の歴史や文化を象徴する石として、2019年には文化庁から日本遺産に指定されました。

福井駅から1kmとほど近い足羽山で採掘され、江戸時代には北前船に運ばれたため、寄港地近くの社寺や民家で用いられたとの事です。



中2階に設けられました、のりかえ改札がこちらです。

自動改札は2レーン用意されており、そこまで多くの利用は想定していない様子。ハピラインふくいの自動券売機も設置し、新幹線から直接のりかえできるようにします。

 

「在来線」の表記はなく、「のりかえ口」とだけの案内に留められました。

小さく「ハピラインふくい」「JR九頭竜線」と付記する形です。

 

在来線に向かってモニター式発車標が設置されており、のりかえ改札で新幹線の発車状況を確認できます。

その一方、少なくとも新幹線改札内には、在来線発車標が設置されていなさそうでした。

 

ちなみに在来線改札内から見た、新幹線のりかえ口の現状はご覧の通り。

シャッターが下りていて、恐竜占拠ベンチや自動販売機が並びます。

 

隠されてはいますが、「新幹線のりかえ口」と透けていました。シャッターの先で、ご覧いただいた新幹線改札内の中2階がある訳です。

 

のりかえ改札にも有人改札が設けられており、同様に機械も搬入されていました。

 

1基だけモニターが表示されており、北陸新幹線の列車運行状況が配線と共に示されます。



それでは新幹線ホームへ上がってみましょう。

ホーム番号は新幹線だけ独立しており、11,12番線と付けられています。

 

こうして見ると階段は結構狭い印象。

改札が2つあって利用客が分散するからとはいえ、県庁所在地の新幹線駅とは思い難いです。

 

11番線は金沢・東京方面、12番線は敦賀方面となっています。

階段を登っていたら鉄道唱歌のチャイムが聞こえてきました。どうやら試運転列車が来るようです。

 

福井駅12番線ホームに、北陸新幹線が到着しました。

この輝かしい青を放つ新幹線が福井まで来た、乗車するのと同じ状況で見られるなんて感動ものです。

 

営業時には駅員さんがホームに立ち、ずらっと並ぶモニターで列車発着時の安全確認を行います。

 

扉は開けず1分ほど停車したのち、すぐに敦賀方面へ発車して行きました。

今回は流れませんでしたが、福井駅新幹線ホームでは葉加瀬太郎さんによる『悠久の一乗谷』のアレンジ曲が採用されます。

 

新幹線ホームからは僅かに在来線ホームを覗き見られ、ちょうど特急列車がいました。

北陸新幹線が来たら福井駅から姿を消す北陸特急、新幹線ホームで見られるのは、かなり貴重な機会です。



新幹線ホーム、金沢方の端まで来ました。

同じく1面2線構造の新幹線駅には、東海道新幹線三島駅がありますが、こちらは外側に通過線が設けられています。

通過線も待避線も無い、完全な島式1面2線の新幹線駅は福井駅だけで、複線の線路が少しずつ広がってくるのみと、線路を見ても非常にシンプルな見た目です。

 

非常にコンパクトな島式1面2線、降雪から駅を守るため完全に屋根と壁で囲われており、非常に締まった印象となっています。

 

北陸新幹線のホーム可動柵は各駅で色が異なり、福井駅では茶色が採用されました。なんとなく恐竜っぽい連想を抱きますが、そのイメージなのでしょうか。

 

ホームドアでは列車ごとの自由席を示すのですが、12両編成の横がシールで隠されていました。

 

ホーム上には1人ごとに区切られた、ベンチも設置。コンコース待合室のより、こちらの方がクッション性があって快適そうです。

 

北陸新幹線では島式ホームだと、隣駅両方に矢印が描かれます。

島式ホームだと列車の方向を間違えやすいので、分かりやすさを考えると矢印は片方だけかと思いましたが、そうはならなかったみたいです。

 

3号車近くにある階段は、ハピラインふくいとJR九頭竜線に乗り換えられる、唯一の階段です。

 

ホーム安全柵のガラス面には写真が差し込まれており、福井の魅力を発信してくれます。

 

種類も様々で、福井市を中心とした自然や建造物などの写真が選ばれていました。



待合室はホーム上2ヶ所に設置されています。

焦茶色の枠で囲った形で、和の雰囲気を伝えてくれるようです。

 

待合室の腰壁にも、笏谷石を用いているとのこと。

ホーム上にあったのと同じ、快適そうな1人ごとの椅子です。

 

ガラス面には、恐竜のシルエットが貼られています。

 

こちらの衝突防止シールも、独自デザインのものになっています。

 

今回全てを見ることはできませんでしたが、衝突防止シールはさらに種類があり、鉄道運輸機構オリジナルです。



5号車付近には、喫煙室が設けられています。

北陸新幹線では全駅、ホーム上に喫煙室を設置しました。

 

灰皿やカウンター等何もない状態で、これから設置していくのでしょう。

 

喫煙室はただ囲っているだけではなく、煙は天井の排気口からホームの外まで排出されます。

 

えちぜん鉄道の高架駅舎が新幹線と隣り合っており、列車の発着する様子も少々見られました。

北陸新幹線誘致の機運を高めるべく、福井駅周辺では先に高架が作られていました。えちぜん鉄道福井駅の高架化工事では、この高架を仮駅として使っていたこともあります。

 

天井に目をやると、ところどころ木調ルーバーが設置されています。

 

さらに、床には木彫タイルも採用。これらによって無機質で窮屈な印象になるホームを、少しでもゆったり寛げるようにします。

 

また、東口の福井市観光交流センターには屋上広場があって、そこにいる恐竜をホームから見ることもできました。

 

6,7号車辺りには運転事務室があって、列車発着時に安全確認のため職員さんが出てこられます。

内覧会で立ち入れたホームはこの辺りまでで、これより敦賀よりは入れなくなっていました。

 

発車標には金沢・東京方面と、敦賀方面。JR九州だったら接続先の大阪方面とか書きそうですが、あくまで敦賀方面で留まっています。

 

在来線ホームには681系が到着したところで、流線形と丸いライトを新幹線ホームから見下ろせました。



そろそろ1時間経って、内覧会も終わりそうな頃。コンコースへ降りようとしていたら…

鉄道唱歌のチャイムが鳴って、再び試運転の新幹線がやってくるみたい。

 

最後の最後にも、福井まで来た北陸新幹線を見られて良かったです。

 

1面2線というコンパクトな空間に、両方向の新幹線が集結する福井駅。営業開始後に忙しく行き交う様子も楽しみになります。



今度は自動改札をすり抜けるようにして、新幹線のりばAの前へ戻ってきました。

改札の左側には指定席券売機が設けられるのですが、更に横には白いシートが垂らされていました。

 

ジェイアールサービスネット金沢のお知らせを参照するに、おそらく『セブンイレブン ハートインJR新幹線改札口』が入ると思われます。中でも作業が行われていました。

 

福井県の県庁所在地に誕生する、小さくも主要な新幹線駅。内覧会で見られた範囲ですが、ご紹介しました。

コンパクトな中でも大きな魅力の詰まったところ、ぜひ開業後には駅にも注目してみてください。

 

今回もご覧いただき、ありがとうございました。

次の記事
【地上37mの巨大新幹線駅】敦賀駅の内部はどうなってる?特急乗換ターミナル駅に潜入[2401北陸新幹線(5)]

2024年春に北陸新幹線が延伸し、終着駅になる敦賀駅。 北陸新幹線と特急サンダーバードや特急しらさぎを、上下乗り換えすることになり、奥には高さ37mに及ぶ巨大な新幹線駅舎ができています。 敦賀市の鳥、 ...

続きを見る

鉄道コム

応援してくださる方は、クリックをお願いします! 鉄道コム

関連コンテンツ

タグ

パスケース

鉄道・バス等公共交通機関を利用した旅行の様子をご紹介します。交通機関のレビュー、車窓の解説が多いです。

-JR西日本, ハピラインふくい, 福井
-,

Copyright© Pass-case.com , 2024 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.