東海道山陽新幹線で走る、ひかり号。各駅停車のこだま号と最速達ののぞみ号の間に位置づけられ、バリエーションが豊富です。
今回ご紹介するのは、早朝の名古屋駅から出ている、ひかり531号博多行き。
東海道新幹線から広島以西へ直通する、唯一のひかり号です。
名古屋〜博多の所要時間は3時間35分。のぞみ号より4駅停車駅が多いですが、それより16分長いだけです。
のぞみ号顔負けの、非常に速いひかり号になっています。
停車パターンも珍しく、のぞみ停車駅の徳山駅と新山口駅を通過しながら、のぞみ通過駅の新下関駅に停車。
そんな特別なひかり号に乗るべく、早朝の名古屋駅へ来ました。
12月では深夜と区別のつかない暗さ。
JRセントラルタワーズのホテル棟には、ぽつぽつと早起きの明かりが点いています。
新幹線は6時にならないと走れないのですが、名古屋駅に関しては上下列車ともに6時20分発。
これは在来線の始発列車が遅いため、あまりに早い時間から走らせても、お客さんがいないからと言われます。
博多方面の始発列車は、6:20発のぞみ271号博多行きです。
今回ご紹介するのは、後続の6:36発ひかり531号。
途中停車駅が特徴的で、東海道新幹線内は各駅停車。
一方で山陽新幹線内の停車駅は最小限、その中で新下関駅が停車駅に選ばれています。
ひかり531号は16番線ホームより発車です。
6:27、新大阪方より回送列車として入線してきました。
「博多」の下で「岐阜羽島、米原」がスクロールされるのは非常に珍しいです。
こちらにはJR西日本のN700Aが充当されています。
6:36 名古屋駅 発
先頭車両の自由席に乗り込みまして、まだ眠りに就く名駅を出発。
自動放送で、珍しい組合わせの途中停車駅が流れます。
今日は眠い目をこすりながらの撮影。
爆音「会いに行こう」が流れるホームの自販機で、新幹線コーヒーを買ってきました。
東海道新幹線内は各駅停車なので、岐阜羽島駅にも停まります。
お隣には回送列車が停車中。
座席が東京方面を向いているので、名古屋まで回送されて営業に就くと思われます。
右手には仙人でも住んでそうな雰囲気の伊吹山。
山を越えて米原駅に到着です。朝早くても旅行者っぽい方が多いのは意外でした。
曇り空でもだんだん明るくなり、右手には京都タワーが見えてきました。
京都駅を出発すると、五重塔がちょこんと顔を出す街並み。
7:33 新大阪駅 着
さすがに新大阪駅では、多くのお客さんが新幹線を待っておられました。
向かいのホームには、九州新幹線みずほ603号が停車中。
ひかり号の後に続いて出発し、追い抜くことはしません。
7:35 新大阪駅 発
2分ほど停車しまして、JR西日本からJR東海の方に乗務員さんが交代。
宮原の車両基地には大阪発着のひだ号に使われる、HC85系がいました。
7:47 新神戸駅 着
ここまで各駅停車だった、ひかり531号。新神戸駅からは、のぞみ号みたいな走りを見せてくれます。
新大阪駅を跨ぐひかり号の停車パターンは、東海道新幹線は通過型(岐阜羽島・米原通過)、山陽新幹線は各駅停車が基本です。
ひかり531号はその逆で、東海道新幹線は各駅停車、山陽新幹線は通過型になっています。
まもなく姫路駅に到着するところで、右手には姫路城を見られます。
姫路駅は、ひかり号全停車駅になっています。一部のぞみ号も停まる主要駅です。
8:23 岡山駅 着
東海道山陽新幹線を直通するひかり号は、ほとんどが岡山発着。ここから先はひかり号の存在も、貴重になります。
新倉敷駅に停車中の、こだま839号広島行きを追い抜き。
広島県に入り、福山駅に到着です。
駅のすぐ裏側には、立派な福山城の天守閣を見られます。
駅間距離の短いこのあたりでは、頻繁に途中駅を通過。
9:04 広島駅 着
広島駅で多くの方が下車されました。岡山や福山から広島での利用者が多い印象。
こちらで運転士さんが交代されました。
東海道山陽新幹線で最も利用者の少ない、新岩国駅を通過します。
周南コンビナートを眺めつつ、カーブ上にある徳山駅をゆっくり通過。
続いて新山口駅も通過します。
このひかり531号は、一部のぞみ停車駅の徳山、新山口に停まりません。
その一方、のぞみ・みずほ全通過駅の新下関駅には停車します。
9:45 新下関駅 着
しかも新山口駅では、9:33にこだま835号が発車しており、列車間隔が空いている訳でもありません。
博多方面への朝ラッシュも終わりかけに思える時間帯で、停車駅に選ばれる理由はよく分かりませんでした。
山陽新幹線は、本州と九州を結ぶ新関門トンネルへ。
九州へ上陸しまして、小倉駅に到着です。
ホームには博多駅まで自由席を利用される方が、列を成していました。
鹿児島本線に近づき、個性的なデザインの特急列車が並びます。
九州新幹線800系のお隣に滑り込み、終点の博多駅に到着です。
ホームへ降り立つと、ちょうど特急ゆふいんの森号が出発していくところでした。
この新幹線は折り返し、のぞみ22号東京行きになります。
今日も1,000kmを往復する運用が始まるのです。
ひかり号の自由席は5両で、のぞみ号の3両より多く、混雑しづらいです。
急ぎでないのであれば、こちらのひかり号を選ぶのも良いでしょう。
特に早朝の名古屋から博多へ移動する際、ぜひ利用してみてください。
今回もご覧いただき、ありがとうございました。