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【白馬〜名古屋】臨時しなの84号 山岳リゾート特急で行く大糸線乗車記[2307南阿蘇再開(13)]

2023年7月23日

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長野県北部の新潟県県境に近い地域、大糸線の白馬駅に来ました。

1年通して魅力的な山岳観光地ですが、発着する定期優等列車は1日1往復だけ。新宿駅から南小谷駅を結ぶ特急あずさ5/46号のみになっています。

 

それでも昔に比べれば数を減らしつつありますが、多客時には臨時特急が設定されています。

今回ご紹介するのは特急しなの84号名古屋行きです。

 

以前は冬の臨時特急しなの81号白馬行きをご紹介しましたが、今回は逆方向で逆の季節。

2023年夏季の運行日は7/15,17、8/2〜6,11〜16、9/16,18です。

また、特急あずさ1/38号も週末を中心に、白馬まで1往復延長運行しています。これに関してはこちらの記事をご覧いただけたらと思います。

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普段大糸線を走らない特急しなの号、特別な運行と素晴らしい車窓をお楽しみください。



有人改札のため、駅員さんにきっぷを見せて入ります。発車30分以上前でもホームに入れました。

名古屋から白馬駅3番線ホームに到着してから、行先方向幕もそのまま。

しばらくすると「しなの名古屋」に変えられて、幕回しの間には「しなの妙高高原」「ちくま大阪」など見ることもできます。

 

14:34、扉が開きました。

自由席が先頭の4号車1両しかないので、結構前から並んでいる方も多かった印象です。

 

列車は4両編成で、1号車がグリーン車、2,3号車が指定席です。

 

特急しなの号といえば非貫通型先頭車、前面展望を楽しめるパノラマグリーンが特徴ですが、こちらは貫通型グリーン車になります。

 

特急しなの号は名古屋〜長野を走る特急列車で、6両を基本編成としています。

増結用に2両編成と4両編成の付属編成があって、白馬発着の特急しなの号は4両の付属編成を使って運行しているのです。

 

名古屋行きでは4号車自由席が先頭で、デッキを挟みますが前面展望も楽しめます。この時も一番前を狙う鉄道ファンの方が数名いらっしゃいました。

長時間の乗車になりますが、グリーン車でも普通車でもコンセントが無いので気をつける必要がありそうです。



14:49 白馬駅 発

白馬駅を出発しまして、ワイドビューチャイムから始まる自動放送が流れます。

 

最初の停車駅は神城駅です。

特急あずさ号は止まらないため、臨時特急しなの号がこの駅に停車する唯一の特急列車になります。

 

自由席には登山客らしき方が5人以上乗ってこられて、割と利用者はいる印象です。

 

白馬盆地が終わりを告げ、大糸線は松本盆地までの間、山の中を走ります。



大糸線に乗ったら見逃せないのが、進行方向右手に見られる仁科三湖です。

最初に見えてくるのは一番大きい青木湖。

金田一シリーズ『犬神家の一族』で両足が浮いているシーンが撮影されたことで知られます。Google mapにも「Sukekiyo up side down」として登録されており、世界に認められた聖地です。

 

次に現れるのは小さい中綱湖です。ワカサギやフナなどの魚釣りも人気とのこと。

 

最後に木崎湖が広がっています。

朝特急あずさ号で来た時には、ボートを漕いでいる方もいらっしゃいました。

 

海無し県を帳消しする美しい湖がすぐそこというのも、大糸線の魅力。

日光が入り込み温々しつつ、30年近く前から走る車内空間だからこそ、ノスタルジーも感じられます。



信濃木崎駅で客扱いをしない運転停車。

大糸線は単線のため、反対方向の列車と行き違わなければなりません。

やってきたのは普通列車、臨時列車より定期列車の方が優先されるため、普通列車を特急列車が待つようなダイヤが組まれています。

 

北アルプスを貫き富山まで結ぶ、立山黒部アルペンルートの起点でもある、信濃大町駅に到着しました。

パネルが設置されていますが、リゾートビューふるさとという快速列車も走っています。JR東日本の「のって楽しい列車」であり、いわゆる観光列車です。

 

右手には雄大な北アルプスの山々が続いており、深い青色にきらめいています。冬も夏もこの車窓には取り憑かれてしまうものです。

 

大糸線の最高速度は95km/h、ローカル線の部類でもそれなりに速度を出してくれます。

 

碌山ろくざん美術館の写真をバックにした駅名標が立っている、穂高駅に到着。

穂高出身の近代彫刻家・荻原碌山の個人美術館で、教会風の建物は国の登録有形文化財に登録されています。

 

同じ安曇野市内で、豊科駅にも停車します。

ここで普通列車と行き違いのため、しばらく停まっていました。



ひと区間だけデッキに来まして、邪魔にならない範囲で前面展望へ。

電化路線ではどうしても架線柱が車窓を横切ってしまいます。

しかし、大糸線では景色の良い方と反対側に架線柱を立てており、車窓の邪魔をしないよう配慮までされているのです。

 

特急あずさ号の列車名にもなっている、梓川を渡りました。

 

こちらでは一線スルーと呼ばれる分岐が採用されており、カーブしながらも島内駅を通過。線路がまっすぐなので、分岐部分で速度を落とさずに済みます。

 

左手からは篠ノ井線が近づいてきました。特急しなの号は通常あちらの線路を通って、長野駅からやってきます。

 

かなり並走している時間が長く、北松本駅を通過。大糸線単独駅で、篠ノ井線側にホームは設置されていません。



15:59 松本駅 着

松本駅での乗降は非常に多く、半分以上降りられると共に自由席は満席状態になりました。

 

16:02 松本駅 発

駅に隣接した車両基地には、特急あずさで使用されるE353系や、かつて特急あずさで運用後、お色直しされたE257系がいます。

 

そしてちょうど特急しなの15号長野行きがすれ違いました。これが非貫通型先頭車であり、グリーン車からはパノラマ展望を楽しめます。

松本駅から先は、通常の特急しなの号と同じルートです。

 

貨物駅が併設された、南松本駅を通過しました。

ここには四日市港から貨物列車に連れられ中央本線を北上してきた、タンク車がずらっと並んでいます。



塩尻駅に到着です。

ここまでJR東日本エリアでしたが、JR東海エリアに入ります。

 

乗務員さんもJR東日本からJR東海の方に交代されました。

これから走るのは中央本線、この路線は東京駅から名古屋駅まで結ぶ路線ですが、それぞれから線路が塩尻駅に向かっており、屋根状の形をしています。

特急あずさ号もここから新宿駅へ向かって中央本線を走りますが、引き続きJR東日本エリアです。

 

足元の乗車位置案内は、4両編成の臨時しなの号にも対応していました。

 

次の洗馬せば駅で普通列車を追い抜きます。

この車両はJR東日本の211系電車で、JR東海の中央本線へ乗り入れてくるのは割と珍しい方です。

 

中山道の宿場町沿いを南下する特急しなの号、その中心駅である木曽福島駅に停車します。

木曽地域の観光における拠点でもあり、駅北側に福島宿が位置しています。

 

次の上松駅を通過すると、木曽川の寝覚の床近くを駆け抜けます。

見下ろす形のため松本方面でないと、ちょっと見づらそうです。

 

倉本駅で貨物列車とすれ違いました。先ほど南松本駅で見たのと同じ、エメラルドグリーンのタンク車です。

中央自動車道には長い恵那山トンネルがあって、危険物輸送に制限がかけられているため、中央本線の貨物運行が重要な役割を担っています。

 

野尻駅で運転停車し、特急しなの17号と行き違いました。

 

白馬駅からほぼ縦断してきた長野県。

岐阜県に入りまして、坂下駅を通過しました。



中津川駅に到着です。

中山道で有名な宿場町の馬籠宿や妻籠宿など、ここからバスでイカれる方が多いと思います。

 

この車両はカーブで車体を傾けることで高速通過を可能にする、振子式車体傾斜装置を備えています。最高速度は130km/h運転が可能です。

 

多治見駅に到着しまして、名古屋都市圏と言えるエリアまで帰ってきてしまいました。

 

愛岐トンネルを通過して愛知県に入り、崖にへばりつくような定光寺駅を通過します。

 

春日井市の勝川駅を通過すると、右手奥の方にポツンと高架ホームが見られます。

あちらは名古屋市を通る非電化路線、城北線です。1両のディーゼルカーが高架をサーっと走っており、都会のローカル線と呼ばれます。



名古屋市内に入りまして、千種駅に到着しました。

ここを出発すると車掌さんにより、名古屋駅から新幹線などへの乗り換え案内がされます。

 

東海道本線や名鉄の乗り換え駅である、金山駅を通過。主要駅ですが特急しなのが停車する便は少なめです。

 

ワイドビューチャイムが流れまして、名古屋駅到着の自動放送が流れました。

 

夕日に照らされたJRセントラルタワーズを見上げると、名古屋へ帰って来たのだという実感が湧いてきます。冬ならば夜景になっているでしょう。

「終点名古屋です。」のハキハキした声を聞きつつ、ホームヘ滑り込みました。



18:33 名古屋駅 着

白馬駅からの所要時間は3時間44分。一本で帰ってこられる利便性は、特に外国人観光客の方にとっても利用しやすそうです。

 

盆地からの北アルプスと仁科三湖を眺めつつ、木曽川の渓谷沿いへ突っ込んでいく、車窓の変化も非常に魅力的です。

運行日の限られた臨時列車ですが、ぜひ一度乗ってみてください。

 

今回もご覧いただき、ありがとうございました。

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