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【引退前】ドクターイエローのバスが誕生!幸せの黄色いバス運用
東海道山陽新幹線において、線路や架線の状態を点検する、ドクターイエロー。 なかなかお目にかかれないことから、見ると幸せになるとして人気の新幹線です。 2025年1月にはJR東海の、202 ...
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見ると幸せになると言われる黄色い新幹線、ドクターイエロー。
走りながら線路の検測や架線状態を確認できる車両で、東海道山陽新幹線を支えてきました。
JR東海浜松工場におけるイベント開催に合わせ、ドクターイエローはその目玉に。
その浜松工場へ入る線路上には、東海道新幹線で唯一の踏切があります。
新幹線の踏切というだけでも珍しいのに、ドクターイエローが走るという超レアな現場!
その姿を納めに行ってみました。
浜松工場へドクターイエローが入る前日の10月17日、こちらはお昼の新大阪駅です。
摂津市の鳥海車両基地に置かれていた、ドクターイエローが27番線ホームにやってきました。
折り返し東京の大井車両基地へ回送されるため、東京方の前照灯が灯されます。
元から蛍光色の黄色が目に入っているので、パッと点くまでそのことに気づきませんでした。
ドクターイエローと言われる新幹線923形電車は、700系新幹線と同じ形をしています。
東海道新幹線からは2020年春に姿を消した、700系新幹線。山陽新幹線で走っているとはいえ、この流線形に懐かしさを感じます。
こちらはJR東海のT4編成。
ドクターイエローは、JR東海車が2025年1月、JR西日本車が2027年目処に引退することが発表されています。
こちらの車両はあと3ヶ月後に引退です。
列車は7両編成。扉はあるものの、ホームドアはもちろん開きません。
車内にはさまざまな機器が積まれています。窓の間隔が広い場所もあったり。
また、ドアがない部分も存在します。
通常の新幹線と比べ、ドアの幅が1.5倍くらいあります。
旅客車両の業務用扉に似ており、おそらく機器を搬入するためでしょう。
のっぺらぼうの車体に号車シールが貼ってあったり、その位置が違ったりと、細かいところを見ると結構面白いです。
26番線ホームから何本か、旅客列車を見送っていきます。
ドクターイエローが来ることを知っていた鉄道ファンに加え、親子連れや出張サラリーマンも加わる大人気っぷり。
15分ほどの停車時間ののち、京都方面へ発車していきました。
10月18日、翌朝の浜松駅です。
名古屋へ通勤の方々で一杯のこだま号、のぞみ号が追い抜いていきます。
ドクターイエローは6時過ぎに大井車両基地を出ており、浜松へ向かっています。
8時頃に浜松駅を通るはずで、900番台の回送表示が出ると思ったのですが、まだ先みたいでした。
新幹線は「主な区間を200km/h以上で走る鉄道」と定義されています。
いくらブレーキ性能に優れているとはいえ、285km/hの高速鉄道はすぐに停まれません。そこで、新幹線には一切踏切が無く、高架やトンネルが基本になっているのです。
今回の踏切に関しては特別で、東海道新幹線から浜松工場への引き込み線に存在するもの。
高速走行は行わないため、通常の在来線と同じように踏切があっても問題ありません。
今回ドクターイエローが通るのは、10月19・20日に浜松工場でイベントが行われるため。ドクターイエロー2編成が展示されるので、それに合わせた回送でした。
浜松駅から20分ほど歩き、JR東海浜松工場の近くへ来ました。
こちらが東海道新幹線の通る、唯一の踏切。西伊場第1踏切です。
周辺には多くの鉄道ファンが詰めかけており、人気の高さが伺えます。
7:56、線路上で閉まっていた柵が開きました。
警笛を鳴らして、浜松工場より事業用車両が来ました。
と思ったら踏切あたりで引き返し、退場…。
再び踏切が鳴って、今度はその先へと進んでいきました。
8:09、事業用車両が戻ってきました。
これからドクターイエローが走るので、その安全確認を行なっていたのでしょう。
ここで再び柵が閉められました。
踏切正面遠くの方には、東海道新幹線が横断しています。
次々通過していくN700系の中、ゆっくりと黄色い新幹線がやってきました。ドクターイエローです!
時刻は8:15。浜松工場への引き込み線へ入る分岐点へ向かい、見えなくなりました。
かなり長い間停まっており、なかなか姿を現しません。
と思っていたら8:42、柵が開きました。社員の方もいらっしゃって、安全管理をしてくださいます。
そして、遂にドクターイエローが見えてきました。茂みからチョロっと目を覗かせています。
鳴動する踏切の手前、7両の巨体がクグッとカーブしてきました。
そしてついに踏切へ差し掛かりました。
踏切を渡っている特別感に加わり、地上の同じ高さで見られるからこそ、迫力が違います!
カモノハシの平べったいくちばしが際立ち、窓が少ない分ぬりかべみたい。
蛍光色の黄色も相まって、特別な新幹線なんだと知らしめられました。
ドクターイエローはそのまま、車庫入れられます。
線路近くには、踏切高架位置の標識も刺さっていました。
工場の建屋みたいな車庫へ、のそのそと入ります。
踏切近くの柵が閉じられ、ドクターイエローは明日までおやすみです。
今回は東海道新幹線が走る唯一の踏切で、ドクターイエローの姿を見てきました。
狙って見に行ったとしても幸せを感じられる、唯一無二の新幹線です。
ドクターイエローの完全な引退は2027年以降。とはいえ残り時間の少なさを感じざるを得ません。ぜひ偶然にでも目にする機会を大事にして行きたいです。
最後に、事故やトラブルの起こらないよう現場へ出てくださった、職員の方々へのお礼とさせていただきます。
今回もご覧いただき、ありがとうございました。
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