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【早朝1本限定】名古屋〜博多直通!ひかり531号が速すきる[2312白いにちりん(3)]
冬ではまだ暗い早朝6時、霧が立ち込める名古屋駅に来ています。 新幹線は6時〜24時でしか運行することができず、各主要駅から6時ちょうどに始発列車が発車します。 その中で名古屋駅は、6:2 ...
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九州最大のターミナル、こちらは博多駅です。
ここからは九州地方全ての都市まで、特急・新幹線で行くことができます。
その中で一番遠いのが、宮崎。直通特急は1日1本の特急にちりんシーガイア号で、約6時間かかる国内最長特急です。
現在、博多〜宮崎の主要ルートとなっているのが、B&Sみやざき。
九州新幹線で新八代駅まで行き、バスに乗り継ぐ形です。
一方で、新幹線の基本計画線のひとつに、東九州新幹線が存在。
現在の日豊本線と並行する形で、鹿児島中央へ至ります。しかし、具体的な誘致運動が行われているのは大分までで、宮崎県まで来る実現性はかなり低い状態です。
そんな中、宮崎県知事が新八代駅から分岐させる形で宮崎に至る、新幹線延伸の調査費を、2024年度予算案に計上すると発表しました。
豪雨災害により被災した肥薩線に並行する形で、鉄路を大きく改良する計画とも言えます。
新幹線に対してライバルとなるのが、航空機です。
福岡空港と宮崎空港の利便性に注目しつつ、その需要を見てみることにしました。
博多駅を動き始める時間は、14時20分です。
まず向かうのは福岡空港、利用するのは福岡市営地下鉄になります。
博多駅からわずか2駅で福岡空港という利便性の高さ、都市中心部からのアクセスは抜群です。
今回来たのは地下鉄車両でしたが、JR筑肥線からも直通してきます。
14:29 福岡空港駅 着
博多駅からわずか5分で福岡空港駅。改札を出て目の前のエスカレーターで、2階へ上がります。
今回利用するのは、15:10発ANA宮崎行きです。
福岡空港〜宮崎空港の定期便は13往復の設定。ANA,JALによる運航で、オリエンタルエアブリッジとANAのコードシェア便もあります。
通常料金は26,000円、今回はU25利用で13,000円です。
新幹線と高速バスを乗り継ぐB&Sみやざきネットきっぷであれば、片道7,300円。
特急にちりんシーガイアでは片道9,970円になります。
保安検査を抜けまして、搭乗口は少し離れた81番でした。
ここからはバスに乗り込みまして、機体の近くまで向かいます。
離陸は5分ほど遅れるとのことですが、宮崎空港への飛行機が見えてきました。
使用されるのはANA唯一のプロペラ機、Dash 8-400です。
しばらく待機したのち、バスを降りて乗り込むことになります。
地上から直接階段を登り、機内へ入るスタイルです。
この時点で、博多〜宮崎の需要はそこまで大きなものでないことが窺えます。
飛行機の座席といったらこんな感じだなという、一般的な座席。
すぐに到着するフライトなので、そんなに気にするものではありません。
座席配列は2+2です。土曜日の昼まで出張需要は分かりませんが、それにしても少ない印象でした。
プロペラが回り始め、機体はゆっくりと滑走路へ向かいます。
カラフルな飛行機たちが並ぶ国内線ターミナル。世界レベルでも非常に忙しい空港として知られているようです。
少し順番を待っていたようですが、ぐんぐん加速して無事離陸しました。
先ほど見ていた国内線ターミナルは片腕、上空へ飛び立ったことで初めてもう片方あることに気づきます。
北へ離陸した機体は右旋回し、箱崎公園のあたり。福岡のベッドタウン上空で、雲の中へ突入しました。
離陸から10分を過ぎ、雲の上で安定。座席リクライニングが使えるようになります。
この日の福岡は割と雨が降っていたので、熊本県山鹿市の上空で初めて太陽を見られる状態でした。
リクライニングが使えた時間は10分だけ、最終の着陸体勢に入ります。
こちらは宮崎県椎葉村の上空、上椎葉ダムの日向椎葉湖が見えています、村役場もある集落の様子です。
1955年に105名もの犠牲をもって建設された、国内初の大規模アーチ式ダム。それによる湖は村のシンボルにもなっています。
さらに南下しまして木城町、小丸川に造られた松尾ダムとその湖が見られます。
その下流部に、小丸川発電所が設けられていました。
目線を先の方にやると、宮崎平野が見えてきます。
九州の険しい山々に、日向灘まで追い詰められたかのような立地です。
内陸部に滑走路が見えてきましたが、あちらは航空自衛隊新田原基地。
戦時中には陸軍航空部隊の飛行場として建設され、特攻機の出撃基地に。2016年に小松基地へ移駐するまで、敵役を演じるアグレッサー部隊の本拠地でした。
日向灘上空までやってきまして、砂浜や河口部などを観察できます。
日豊本線の線路も見えてきて、特急列車も停車する高鍋駅が現れました。
こちらは宮崎市への市町境になっている、一ツ瀬川の河口部です。
かつて一ツ瀬川に沿って国鉄妻線が、宮崎駅から数駅の佐土原駅から分岐していました。
将来的には国鉄湯前線(現:くま川鉄道)と接続して、九州横断鉄道になる予定でした。熊本と宮崎を繋ぐ鉄道計画は、古くここにも存在していたのです。
特急にちりんシーガイアの由来にもなっている、「フェニックス・シーガイア・リゾート」が現れます。
一番高い建物がシュラトン・グランデ・オーシャンリゾート、高さ154mは2022年まで九州一高い建物でした。
海上へ少し突き出すように、滑走路が設置されている宮崎空港。
突然現れてそこへ着陸していきます。
飛行時間は40分、宮崎ブーゲンビリア空港に着陸しました。
今度はバスではなく、ゲートブリッジへ。
南国らしさを演出する、花模様を散りばめられて迎えられました。
搭乗口と出口を兼ねているようで、チケットをかざす部分を素通りします。
出発ロビーの中を素通りして、到着出口へ向かいます。
1階へ降りて荷物受け取り場所を過ぎ、外へ出てきました。
宮崎空港から宮崎市街地は、割と利便性が高くなっています。
足元にはバス、タクシー、宮崎空港駅の3択が用意されていました。
今回は宮崎駅まで、JR宮崎空港線をチョイスします。
外へ出て右へ直進、突き当たりにはJR宮崎空港駅があります。
空港駅の中でも突出して、到着口から駅までのアクセスが非常に良いです。
宮崎空港駅から宮崎駅まで3駅、料金は360円です。
宮崎空港線は1996年に完成した新しい路線で、130円の加算運賃がかかるため少々高くなっています。
列車は1時間に2,3本設定されています。
うち特急列車が1本ですが、宮崎空港〜宮崎駅で特急自由席を利用する場合、特急券は必要ありません。乗車券のみで自由席に乗ることができます。
指定席券売機も設置されているので、そのまま延岡や大分方面へ向かう方も安心です。
停車中の特急列車で、宮崎駅へ向かうことに。
特急料金が必要ないので、モバイルSuicaをタッチするだけです。
ちょうど接続していたのは、特急にちりんシーガイア14号でした。
1日1往復だけ運行している、宮崎空港〜博多を結ぶ国内最長特急。
まさか博多から飛んできて接続しているのが、この特急とは思いも寄りませんでした。
まさかやる人はいないでしょうが、このまま博多へトンボ返り…なんてこともできちゃいます(笑)
高架ホームからは空港を見渡せて、完全に隣接していることが分かります。
一番手前側のボーディングブリッジに航空機が付くこともあり、タイミングが合えば特急と一緒に写真を撮ることも。
それでは特急にちりんシーガイア14号で、宮崎駅へ向かいます。
特急料金が必要ないのは自由席だけ、指定席やグリーン席では別にきっぷが必要になるので、注意しなければなりません。
乗り込もうとしたところで、ちょうどJAL福岡便が飛び立っていきました。
座席はかなりふかふかで、非常に座り心地が良くなっています。
対向の普通列車が遅れていたため、4分ほど遅れての出発になりました。
16:18 宮崎空港駅 発
ホーム越しに空港をすぐ隣に見ながらの出発、なかなか面白い体験です。
この宮崎空港線はJRで一番短い鉄道路線で、わずか1.4kmとなっています。そのため空港敷地を眺めていたら、あっという間に路線を走破。
田吉駅からひと区間だけ、日南線に入ります。
そして車両基地も併設されています、南宮崎駅に到着です。
ここでも特急きりしま号鹿児島中央行きや、普通列車と行き違いのため、9分の停車時間がありました。
この点で少々時間がかかることもあり、宮崎空港〜宮崎市街地は、路線バスで移動する方も多いようです。
16:36 宮崎駅 着
博多駅からは2時間36分、空港からの利便性もあって、かなり早く移動することができました。
B&Sみやざきでは3時間40分程度、料金ではB&Sの方が安く、うまく棲み分けできています。
もし宮崎新幹線ができたら、航空機のシェアをほぼ100%奪える状況になります。
一方で、今回見た限りそこまで需要の高い区間ではないように見受けられました。他都市からの観点で見ても、実現はかなりハードルが高いものと思われます。
今後調査等が行われるのであれば、その結果にも注目したいところです。
今回もご覧いただき、ありがとうございました。
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