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【直通列車廃止】新潟→大阪を北陸経由で行く!特急乗り継ぎの旅[2308長岡(5)]

2023年8月10日

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日本三大花火大会のひとつ、長岡花火。 新潟県内や全国各地から多くの人が訪れ、来場者数は100万人を超えます。 これに対応するため長岡駅を発着する多くの臨時列車が運行され、旅客輸送を支えているところです ...

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日本海側の政令指定都市、新潟市に来ています。

ここから大阪へ鉄道で向かう場合、上越新幹線で一度東京に出てから東海道新幹線に乗るのが最速ルートです。

全区間新幹線のため高速で結んでくれますが、東京を経由すると遠回りになります。

 

そこで今回利用するのが、日本海沿いを行く北陸ルート。新幹線と在来線特急計3列車を乗り継ぎます。

 

かつては急行きたぐにや特急雷鳥が一本で新潟〜大阪を結んでいたものの、既に廃止されています。

これにより不便になってしまった新潟への鉄道アクセス、現状の乗り継ぎをしてみたいと思います。

 

やってきたのは在来線改札。

最初に乗車するのは特急しらゆき4号上越妙高行きです。

かつて金沢〜新潟には特急北越が運行されていました。しかし、北陸新幹線金沢延伸に伴い廃止、

代わりに金沢駅から上越妙高駅まで北陸新幹線で来たあと乗り継げる、特急しらゆき号が設定されたのです。

 

4番線ホームに入線してきました、アイボリーの車体に赤青のラインで支えられており、日本海と空の青さと沈みゆく夕陽の映り込みを表現したデザインです。

かつて常磐線特急で使われていたE653系特急を改造、全車普通席の4両編成です。

 

今回は3,4号車の自由席を利用しました。これまで利用した感じ、特急しらゆき号は自由席の方が空いている印象があります。

 

10:21 新潟駅 発

右手には上越新幹線と在来線の対面乗り換えができる、乗り換え改札機が見えています。

ここからは羽越本線の特急いなほ号が発着しており、東京から庄内地方へのアクセスが向上されました。

 

高架化された新潟駅、新幹線ホームのガラス面にはしらゆきの車体がはっきりと映っています。

 

しばらくすると白新線が分岐しました。特急いなほ号はこの路線を走り、庄内地方を走る羽越本線へ短絡します。

 

その分かれ目には特急しらゆきE653系も停まっている、新潟車両センターが見られました。

 

亀田のあられ、おせんべい♪を通過。新潟市江南区唯一の鉄道駅です。

 

最初の停車駅は新津駅です。

羽越本線、磐越西線が分かれるターミナル駅で、現在でも転車台を備えた広い構内を有しています。

磐越西線は東京〜新潟ルートを形成していた時代もあり、ここがどれだけ重要な拠点だったかお分かりいただけるでしょう。

 

今ではローカル線となった磐越西線を走る、SLばんえつ物語号が止まっていました。車端部には展望室が備えられており、一面ガラス張りの空間に流れる明治時代の幹線は森のロマンです。

 

信越本線と合わせて4方向へ分岐する駅、駅名標はXの形をしています。

 

新津駅を出発すると、一本の線路が離れて行きました。

あちらは新津総合車両製作所、J-TRECへ続いています。首都圏を走っている車両たちも、最初はここから送り出されているのです。

 

米どころとして越後平野の平坦な地域、列車は100km/h超の速度で走っていきます。

 

東三条駅に到着しました。

三条市の中心駅となっており、お隣にも信越本線の普通列車が停車中です。

 

東三条駅からは上越新幹線燕三条駅と乗り換えられる、弥彦線が分岐していきます。

新幹線駅は誘致合戦を繰り広げた三条市と燕市の境に設置されましたが、特急が走る信越本線は三条市の方を通っています。

 

市の中心駅は東三条駅ですが、お隣にある三条駅を通過。

古くからの市街地はこちらの方が近いため、この駅名がついたみたいです。ホーム上にはレンガ積みのランプ小屋が残されていました。

 

見附駅の島式ホームはかつて特急列車の待避をできたと思われますが、乗降できないよう柵が設けられていました。

線路が敷かれていますがこの先で行き止まりになっており、留置線として使われていそうです。

 

しばらくすると田んぼの向こう側に、上越新幹線の高架橋が見えてきました。

長岡駅が近づくとする横を並走するようになり、ばか大きい高架には圧倒されます。

 

新幹線高架下に設けられている1番線ホームは、現在定期列車の発着はありません。

しかし、今日は長岡まつり大花火大会の開催日。多くの臨時列車や団体列車が発着するため、こちらのホームも使用されます。

 

花火大会は昨日からの2日間、おそらく昨日宿泊して北陸地方へ帰られる方が多く、新潟時点ではガラガラだったのにほぼ全ての区画が埋まるようになりました。

 

11:17 長岡駅 発

駅を出発すると新潟第二の都市として、貨物駅の南長岡駅が見えてきます。

 

お隣の宮内駅からは上越線が分岐、北陸方面と東京方面の分岐点という、かなり重要な場所です。

 

日本一長い川、信濃川をトラス橋で渡っていきます。花火大会はこの先で行われていました。

 

少し山の中に入ってきまして、今でもかなり古そうな橋脚を使った鉄橋が見られました。

 

列車は塚山トンネルへ、これまでの平野部から日本海を隔てる塚山峠を越えます。

 

日本海沿いのまち、柏崎市に到達しました。

柏崎といえばアルフォートやプチで有名なブルボン。駅前には立派な本社ビルが立っています。

 

日本海沿いには越後線が走っており、新潟駅からここ柏崎駅までを結んでいます。

 

そしていよいよ見えてきたのがこの日本海です!

白い砂浜の向こうには真っ青な海が広がっており、薄くグラデーションのかかった空と水平線まで余すことなく美しい景色です。

 

ここで新潟駅にて買ってきました、駅弁の登場です。

改札内のNewDaysで急ぎめにチョイスしたのが、鮭はらこ弁当とエチゴビール。

新潟といえば米繋がりで日本酒が有名ですが、こちらのビールにもコシヒカリを使用しているとのことでした。そう書かれちゃつい選んじゃう、チョロい奴です。

 

メインはやっぱりいくらと鮭そぼろ、噛むごとに口の中でジュワジュワと旨みが湧き出てきます。いくらとサーモンの組み合わせとはまた違った、深い味わいを楽しめました。

この下には白米が詰まっており、味の濃い刻み椎茸や茎めかぶともピッタリです。

 

厳しい荒波を感じさせる日本海を眺めながら、新潟の恵みを口に運んでいきます。体の内外から日本海を堪能させられました。

 

そんな海沿いを走っている途中、通過したのは青海川駅です。日本一海に近い駅の一つとされています。

 

日本酒を楽しめる観光列車、越乃Shu*Kuraもここでしばらく停車します。

基本的に普通列車しか停まらない駅ですが、この景色を求めて訪れたであろう観光客の方も何人かいらっしゃいました。

 

日本海沿いを走るのは柏崎駅から直江津駅までの20分ほど。ぜひこの区間だけは注目して欲しいですし、大阪までこのルートを選択して良かったと思える車窓です。

 

犀潟駅で北越急行ほくほく線と合流、「ゆめぞら」と書かれたトンネルでプロジェクションマッピングが行われる普通列車とすれ違いました。

 

北陸新幹線金沢延伸以前、東京〜北陸の鉄道アクセスは、上越新幹線の越後湯沢駅から特急はくたか号に乗り換える方式が取られていました。この特急はくたか号は北越急行ほくほく線を通っており、160km/h運転を行なっていたのです。

 

直江津駅に到着。現在では長距離列車の発着が激減してしまいましたが、かつては北陸・長野・新潟・東京の4方向へ分かれる拠点でした。

列車は直江津駅から、えちごトキめき鉄道妙高はねうまラインに入ります。

かつて信越本線だった路線ですが、北陸新幹線の並行在来線として第三セクター鉄道になりました。ここでJR東日本からえちごトキめき鉄道の方へ乗務員交代が行われます。

 

ここですれ違ったのが、リゾート列車雪月花。地元食材にこだわった食事を楽しめて、展望デッキをはじめとした車内空間も人気とのことです。

 

上越市の中心駅は、こちら高田駅。

高田城の城下町として発展し、春には桜が綺麗で臨時列車が走るほどです。

 

妙高山の手前には高架線が横切ってきます。あちらが金沢までを結んでいる北陸新幹線です。

 

12:24 上越妙高 着

駅名標を見てみると妙高山が描かれており、JR東日本と異なります。

JRの特急列車に乗り続けてきましたが、えちごトキめき鉄道の駅まで来たことが分かります。

 

この駅は自動改札が導入されていないため、駅員さんにきっぷを渡す有人改札です。

 

ここからは北陸新幹線へ乗り換え。乗り換え改札は無いので自由通路を歩きまして、乗車券と新幹線特急券を自動改札機に通します。

 

ホームには既にはくたか号が停車中。ある程度しらゆき号からの乗り換え客を待ってくれますが、乗換時間は8分だったので多少急ぐ必要があります。

 

12:32 上越妙高駅 発

列車はぐんぐん速度を上げ、260km/hで走行。こちらは北陸新幹線含め整備新幹線の最高速度です。

上越妙高駅はJR東日本とJR西日本の境界駅であり、ここからJR西日本エリアへ入ったことになります。

 

レトロなホテルの向こう側には、日本海も広がっています。もうすぐ糸魚川駅に到着するということで、割と速度を落とした状態で見渡せるのが素晴らしいところです。

 

糸魚川駅からは大糸線が分岐しており、かなりのローカル線となっています。今渡っている姫川沿いを走り、特に冬にはとてつもなく美しい車窓を楽しめます。

 

北陸新幹線では車内販売も行われています。

先日、東海道新幹線ワゴン販売終了が発表され、非常に残念なところ。こうして積極的に応援したいですが、いつ無くなってもおかしくなさそうです。

 

富山県に入りまして、黒部宇奈月温泉駅に到着。

はくたか号はこの辺り各駅に停車していまして、JR西日本の新幹線駅で最も利用客の少ない、こちらの駅にも停まります。

 

まもなく富山駅に到着するところ、右手には車両基地が広がっています。

防音壁との距離的に反対方向の方が見やすいですが、国鉄時代からのディーゼルカーから最新のハイブリッド特急までやってきます。

 

富山駅を発車したところで渡るのは神通川。あいの風とやま鉄道、高山本線と共に渡っています。

神岡鉱山からカドミウムがこの川に流れ出し、流域でイタイイタイ病が引き起こされたことでも知られます。

 

富山県第二のまち、高岡市の新高岡駅に到着。駅前に大きなイオンモールが構えているのが特徴的です。

金沢〜富山にはシャトル運用の新幹線つるぎ号が設定されており、新高岡駅にも停まるため本数が1時間に2本程度と多めになっています。

 

倶利伽羅峠を越えまして、ついに富山県から石川県に入りました。奥には金沢市のビル群が見えています。

 

13:36 金沢駅 着

1時間ほど乗車しまして、北陸新幹線の終点金沢駅に到着しました。

柱にはピカピカ金箔が輝いており、荘厳さをホームから感じさせられます。

 

ここから先の北陸新幹線は2024年度開業予定、既にレールは繋がっていますが乗ることはできません。

乗り換え改札を抜けまして、在来線ホームへ向かいます。

 

JR西日本の在来線特急には車内販売が無いので、食べ物など必要であればあらかじめ買っておきましょう。

 

乗車するのは金沢〜大阪を結ぶ特急サンダーバード26号。黒帯で疾走する鳥の姿、非常にカッコいいデザインです。

 

ちょうど右側に並んでいたのは、金沢〜名古屋を結ぶ特急しらさぎ。一足早く出発していきました。

 

13:54 金沢駅 発

自由席は5,6号車、2両だけですがこの先含めて結構余裕があった印象です。

 

今走っている北陸本線に沿って、新幹線の高架橋が並行しています。

向こう側には新幹線の車両が停車中、ここには白山総合車両所があって、現在でもここまで回送新幹線がやってきます。

 

セブンイレブンでコーヒーを買ってきたので、こちら作業へ。

本当は金沢のお菓子など買えたら良かったですが、在来線改札内では見当たりませんでした。

どうせこのルートなら急いでいないので、外へ出て買って乗るのも良さそうです。

 

列車は新幹線駅も設置される、小松駅、加賀温泉駅に停車します。

特に加賀温泉駅の外観は温泉街そのものを駅舎デザインに取り込んでおり、北陸の和を思わせるものです。

 

石川県から福井県に入りました。

今走っている北陸本線は、東海道新幹線の米原駅から金沢駅までを結ぶ路線です。

並行在来線の対象となっているため、北陸新幹線が開業すると第三セクター鉄道へ転換されます。 出資する県ごとに会社が分断されるため、石川県はIRいしかわ鉄道、福井県は「ハピラインふくい」になる予定です。

 

芦原温泉駅に到着、福井県の観光名所としても知られる、東尋坊へのバスも発着します。

ここにも北陸新幹線の駅が設置されるのですが、〇〇温泉駅が非常に多いんですよね。

 

岐阜県と福井県の県境という山奥から注ぐ、九頭竜川を渡りました。

この川に沿って越美北線というローカル線が走っているのですが、新幹線開業後はJR在来線として孤立路線になり、今後の存続が危ぶまれる一因です。

 

新幹線の高架橋の向こうには、えちぜん鉄道の車両基地。

恐竜博物館がある勝山、芦原温泉街周辺の三国港へ2路線が伸びています。観光客が多い時間帯には、普通列車でもアテンダントさんがいらっしゃることで有名です。

 

14:40 福井駅 着

福井県の代表駅として君臨しており、関西との結びつきも非常に強いところ。

特急で大阪と行き来する方も非常に多いです。

 

左手のアクリル板向こう側には、北陸新幹線のホームが見えています。

先日発車標の試験なども行われたそうで、停車駅に「越前たけふ」等表示された様子が回っていました。

 

越前たけふ駅は北陸新幹線の単独駅。

現在は鯖江駅と武生駅に多くの特急が停車していますが、それの代わりとして越前市に設置されます。

 

蒸気機関車時代の、石炭積載所や給水塔などが残された駅も通過しました。こうしてみると北陸本線の歴史の長さを感じ、新幹線へ置き換わっていくのも当然に思います。

 

列車は全長13870mに及ぶ北陸トンネルへ、現在でも日本一長いJR在来線の陸上トンネルです。

電波が通じなくなると案内放送の後突入しまして、今後特急列車が走ることもなくなるため、これが改善することは無さそうに思います。

 

北陸トンネルを抜けると、色鮮やかな壁がそり立っていました。

新北陸トンネルを抜けた北陸新幹線の高架、そのまま敦賀駅のホームへと至ります。

 

2024年度に開通する北陸新幹線の区間は、ここ敦賀駅まで。これより先はまだ建設の目処が立っていない段階です。

特急列車は大阪・名古屋〜敦賀を結ぶ列車になると予想されており、新幹線から階段やエスカレーターを下る上下乗り換えになります。

 

新幹線の高架はそのまま続いており、車両基地を見下ろせました。まるでジオラマにビッグライトを当てたみたいなピカピカさです。

 

北陸本線の米原方面は勾配緩和の為、ループ線でくるっと一周するのですが、その時に敦賀市街地を見渡せます。

かつては外国への船が発着する港として重要なまち、その遺構が現在でも残っています。

 

近江塩津駅を通過しまして、北陸本線から湖西線に入ります。

湖西線には踏切が一つもなく、基本的には高架線で駆け抜けていくため、まるで新幹線のようです。

 

基本的に最高速度の130km/hで走り続けます。

 

そして見逃せないのが日本一広い湖、琵琶湖です。淡い水色から深くなっていく色合いは、関西と北陸を行き来する際、必ず注目したいポイントになります。

 

湖の向こう側には東海道沿いに発展する街並みが見えており、やはりあの街道の凄まじさを突きつけられます。

 

16:09 京都駅 着

北陸新幹線も京都駅を経由する予定になっており、京都府南部の京田辺市まで南側を迂回します。

 

お隣にはドクターWESTと愛称づけられた、キヤ141系気動車が停まっていました。レールやATSなど検測を行なっています。

 

向日町駅近くには車両基地があって、ちょうど停まっていたのは特急くろしお。このサンダーバード号もここへ帰って来るものと思われます。

 

遠くの方では阪急の線路と並走する東海道新幹線。ちょうど颯爽と追い抜いていきました。

上越新幹線・東海道新幹線を経由した人は、もう大阪に着いているでしょうか…。

 

弊学の茨木キャンパスにはいつも目に付くダ・ヴィンチがいます。

 

東海道新幹線の乗り換え駅、新大阪駅に到着。

北陸新幹線もここへ来る予定で、山陽新幹線との接続も考慮され始めています。

 

そして淀川を渡りまして、梅田地区のビル群が迎えてくれました。

 

集合体恐怖症の方には厳しそうなデザイン、梅田周辺では再開発が進み、新しい建物が非常に多いイメージです

 

16:37 大阪駅 着

新潟駅からの所要時間は6時間16分、かなりの長旅となりました。

ちなみに東京駅経由であれば、4時間50分で着いてしまいます。と言っても1時間しか差がありません。

大阪から新潟の交通手段としては、やはり飛行機がメインになりますね。

 

来年度には敦賀まで北陸新幹線が開通し、更に所要時間は短くなるはずです。

それでもそこまでの大幅な短縮は見込まれないため、そんなに変わらないかなという印象があります。

 

日本海沿いに残る在来線特急を堪能できるルートとして、ぜひ一度試してみてください。

 

今回もご覧いただき、ありがとうございました。

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