-
【電柱衝突で運休】サンライズ回送を追いかける!(草津→高松)[一週間サンライズ(1)]
国内最後の定期夜行列車となった、寝台特急サンライズ瀬戸・出雲号。 東京〜高松・琴平と東京〜出雲市を結んでおり、今では鉄道ファンに限らず多くの方に人気の列車となっています。 ...
続きを見る
東京〜岡山で連結して走る寝台特急サンライズ瀬戸・出雲号、上下列車ともにサンライズ瀬戸号が前に連結されます。
今回利用するのはサンライズ瀬戸号の中で、一番前の個室。運転台のすぐ後ろに位置するシングル平屋個室であり、1室しかない貴重な一室です。
また、基本的にシングル個室は上段か下段どちらか。その中でいくつか設定されている、平屋個室としての魅力もお届けできたらと思います。
サンライズ瀬戸の始発、香川県高松市と言ったらさぬきうどんが有名です。
発車時刻が21時過ぎと結構遅いため、あらかじめ夜ご飯を食べておくのも得策。
駅ビルには水間鉄道の親会社としても知られる、杵屋さんが入居しています。
しかし、うどんよりも夜ご飯にぴったり、徳島ラーメンをいただくことにしました。
高松駅から駅前大通りを歩くこと2分ほど、徳島ラーメン麺王さんです。
ラーメン一杯につき生卵が1個無料でついてきます。この生卵が徳島ラーメンの特徴の一つです。
豚骨醤油スープに、じっくりと甘味が凝縮した豚バラ肉。この組み合わせがたまらなく美味しくて虜になります。さぬきうどんをすっぽかして、ここへ来てしまっても許されるはずです。
また、アプリを提示すれば替玉無料になります。麺にも色々種類があるみたいですね。
今回はブラックペッパー麺をチョイス。ピリピリと香り立つ胡椒の風味が素晴らしいです。
しっかりめに腹ごしらえをしたところで、高松駅へ向かいます。
トンネルみたいな形をしたガラス張り駅舎には、顔が描かれています。
JR四国では駅舎に顔を描いたキャラクターがたくさんいますが、実際の駅舎にまで再現されているのは恐らくここだけです。
こちらが今回利用する寝台券です。
運転席真後ろの1番先頭の個室は、東京方面の場合14号車11番、高松方面の場合1号車1番になります。
セブンイレブンは改札内にもありますが、営業時間は21:00まで。
品揃えも改札外の方が良いため、あらかじめ買ってから入った方が良いと思われます。
10号車の東京寄り乗降口には、シャワーカードを購入する列が出来上がっていました。最近では始発駅でも売り切れることが多いので、浴びたい場合はやはり並ぶ必要があります。
入線時刻は20:55、『瀬戸の花嫁』から始まるメロディに続いて放送が流れ、9番線ホームに到着です。
高松駅は頭端式ホームと言われる行き止まりの構造。改札は一番端っこにしかないため、先頭までは結構歩く必要があります。
こちらからだと見えませんが、今回利用する個室はサンライズエクスプレスのロゴマークの辺りです。
それでは一番東京寄り、先頭14号車に乗り込みましょう。
シングル個室の車内に入ると、まずは上下の階段に分かれます。
車端部には台車があるため、スペース的に2階建てにできません。そこで設定されているのが、平屋シングル個室です。
小学生低学年くらいの子たちが車内探検していて、ちょうどこの個室の前にいたのですが、「モーターがあるから鉄オタが取る部屋ー!」と話してて逃げてきました。そしてよくそこまで知ってんなと(笑)
そして個室のすぐ向こう側が乗務員室になります。乗降扉も無いので部屋の前をお客さんが歩くことはなく、静かに過ごすことができます。
車内にも自動販売機はありますが、あらかじめ買っておいた方が安心です。
また、高松駅ホーム上の喫煙所は今回利用した14号車の近く、タバコを吸われる方でも禁煙室を取りたい方は利用しやすいかなと思います。
ちなみにシャワーカードは売り切れました。今回は東京駅に着いてから時間があるので、浴びなくても良しとします。
かなり長い間停車しているので、この間に車掌さんが検札に来られました。
一番遠いこの部屋でも停車中に来ていただけたので、全ての個室をまわってくださるはずです。
21:26 高松駅 発
景色は進行方向右側、ホームが並ぶのとは反対になります。こちらには徳島文理大学高松駅キャンパスが移転予定で、再開発が進められます。
JR四国本社の横を通りつつ、自動放送と肉声放送が流れました。
深夜に訪れた高松運転所横を通過、サンライズ瀬戸号はここで整備され、リネン交換などの準備を行なっています。
さらに進むと四国桃太郎貨物駅の愛称が付けられている、高松貨物ターミナル駅横を通過します。
高松駅周辺の再開発に伴い、2000年にこちらへ移転する形で開業しました。
それでは平屋シングル個室として、お部屋の概要をご紹介します。
シングルは基本的に上段と下段の個室で構成されているため、天井がやや低めです。
しかし、こちらは個室内に立っても十分余裕があります。
手を伸ばしてつくくらいの高さで、空間的な広さが大きな魅力です。
通常のシングル個室と同様、テーブルやコンセントも備わっています。
また、窓が湾曲しておらず真っ直ぐなので、夜でも車内の歪んだ景色が気にならないのも良いですね。
寝台特急のリネンは一定数積んでいますが、完全な交換は西出雲で行われています。
昨日東京からわざわざ回送してきたのは、おそらく出雲号のリネンを使い切ってしまったから。瀬戸号に関しては積んでいた新しいものに交換したにすぎません。
毛布にシーツを被せた掛け布団と枕、浴衣の3点セットになっています。
そしてここは先頭車両ということで、前照灯が建物の外壁を照らす様子を部屋から見られます。
列車に連れて行かれているんだっていう実感が湧いてくるものです。
四国島内での途中停車駅は、坂出駅だけです。
お隣に停まっていたのは松山〜高松を結ぶ特急いしづち号、新型車両の8600系電車とすれ違いました。
その先で貨物列車とすれ違いまして、JRFレッドと呼ばれるワインレッドのコンテナがはっきりと照らされています。
サンライズ瀬戸号はこのまま本州へ渡っていきます。
進行方向左手なら線路が三角形を描く「宇多津デルタ線」を見られるのですが、逆なのでそこを通っている様子はあまり分かりません。
しばらくすると松山から本州へ繋がる高架が近づき、線路も合流しました。
暗いですが前照灯が「またのお越しを」の看板を照らしてくれます。
そして四国を離れる時に見下ろせる、埋立地の工場夜景。
真っ暗な個室だからこそその輝きを直に受け取れて、実際に乗ってみないと分からない感動に思います。
海上であるがゆえ、ガタンゴトンという振動も大きく伝わってきました。網の目のようなトラス橋を前照灯が照らし、その行き先を示してくれます。
瀬戸大橋は途中いくつかの離島を経由しています。
あちらは櫃石島、港周辺の明かりが見られ、自動車道のICも降りていきました。
児島駅ではアンパンマン列車とすれ違い、通常ダイヤなら見られなかったようで、遅れていた特急南風と思われます。
ジーンズストリートなどが有名なことから、JEANS STATIONと名付けられた、児島駅。
JR四国からJR西日本に入りまして、乗務員さんも交代されます。
高松駅で買ってきたお供はこちら。ラーメンの名残はだいぶ引きましたが、瀬戸内に来たらレモンは欠かせないですね。
山陽新幹線の高架橋をくぐりまして、四国・山陰への特急車両が集まる留置線横を通過しました。
岡山駅ではサンライズ瀬戸号とサンライズ出雲号が連結します。
先に到着するのは高松から来たサンライズ瀬戸号。そのため岡山駅での連結作業を見ることができます。
約3分後、出雲市から来たサンライズ出雲号が入線してきました。
貫通扉を開けて連結、じゃばらの幌も繋げられて車内で行き来もできます。
4番線ホームは14両編成に対応しており、端っこまで目一杯使われています。
22:34 岡山駅 発
政令指定都市の明かりからお別れしまして、旭川を渡ります。
ここでも貨物列車とすれ違いました。四国でも見られましたが、夜の東海道の方が段違いに本数は多いはずです。
東岡山駅からは赤穂線が分岐。元々は山陽本線のバイパスを目的に建設されましたが、山陽新幹線ができたため現在は地域内輸送に徹しています。
岡山県と兵庫県の県境、船坂峠をトンネルで越えます。
写真では分かりづらいですが、乗務員扉の形まで壁面に映し出されていました。
峠区間の三石〜上郡は、JR西日本の在来線で2番目に長い駅間距離。
鳥取へ智頭急行が分岐するこちら上郡駅にも、2006年〜10年に寝台特急サンライズ瀬戸・出雲が停まっていました。しかしホーム長が足りずドアカットする必要があったのが障害になり、現在では通過しています。
関西地区に入りまして、姫路駅に到着です。
23:00を過ぎると放送による案内は無くなり、この時点で到着放送は流れなくなります。この先放送はしないという「おやすみ放送」もJR西日本では基本的に行いません。
西明石駅から草津駅までは日本一長い複々線区間へ、新快速線を走ります。
特急列車や新快速が走るこの線路は高いところを走行しており、この通り明石海峡大橋を綺麗に見られます。
淡路島まで架けられた吊り橋はライトアップされ、真っ暗な空に浮き出ているようです。
舞子駅を通過するところで橋の真下を通ります。
ライトアップは平日23時、土休日と特定日24時までとなっており、サンライズがここを通過するのは丁度24時ごろです。この日は特定日だったため、最後に光を見られたことになります。
神戸駅より東海道本線に入りまして、三ノ宮駅に到着です。
2023年5月にホーム柵が設置されたのですが、これによりサンライズ号の13,14号車からは特別な光景が見られます。
なんと車端部車両はホーム柵があるところをはみ出して、更に先まで進んでしまいました。
三ノ宮駅から13,14号車の個室に乗車する場合は、12号車から乗る必要があります。
しかし、こちらの車両は特にドアカットでの締切は行われません。出雲市・高松から個室利用者の下車は考慮されていないので、車内では案内もされていませんでした。
兵庫県を抜けまして、大阪駅に到着です。
今日は遅れが一切なく、定刻通りで大阪駅まで来られました。
既に他の列車は全て運行を終えており、このサンライズ号が最後に大阪駅を出発する列車です。
光り輝くカーテンのような大屋根を出発、都会の夜を離れていきます。
一応寝る準備ということで、浴衣に着替えることにします。
ベッドの上に立って着替えられるくらいの高さで、かなり重宝するものです。
上下一体の簡易的なものですが、これだけでもかなりリラックスできるのでありがたい。
寝転がった時の目線はご覧のとおり、おそらく通常のシングルならライトあたりに天井が来ていると思います。
向日町の車両基地には多くの特急車両がお休み中、その寝込みを襲います。
のぞみ号も停車する、京都駅を通過しました。こちらも既に営業を終えています。
琵琶湖から続く瀬田川には街の明かりが反射し、ベッドタウンとなる草津市へ向かいます。
時々寝落ちつつ、米原駅で運転停車。
乗降はできませんが、JR西日本からJR東海の方へ乗務員さんが交代されます。
岐阜県内は完全に寝落ちており、動画だけが回っていました。
そして名古屋駅を通過するあたりで目覚めました。シャッターチャンスではちゃんと起きる、優秀な方ですねぇ?
そしてJR東海管内に入ってから、何となくミュージックホーンが頻繁に鳴っていた気がします。
そう、ここは運転台に近い一番前の個室のため、駅通過時に鳴らされるチャイムや警笛が一番聞きやすい位置なのです。
サンライズ号は熱田駅で少しの間停まります。
いつも運転停車するのですが、ちょっと理由は分からないですね。
そして大府駅を通過している時、ミュージックホーンを鳴らしているところを撮っていました。
この後も色んな駅で鳴っていた記憶があるので、鳴らすか鳴らさないかは運転士さんに寄りますが、鉄道ファンの方にはおすすめの個室です。
逆にこの音で起こされることもあるので、拘らない方は避けた方が良いかもしれません。
豊橋駅で運転停車、その後は何も写真が残っていないので、寝てしまったようです。
おはようございます。明るくなった東の空に起こされました。
雲に隠れていますが、綺麗に稜線を描く富士山を見せられて、良い朝を迎えられました。
このように進行方向右側でも、富士山を見られるポイントがあります。
5:09、富士駅に到着。ホームにはお客さんがちらほらいらっしゃって、もう始発列車の運行が始まっている時間帯です。
次の停車駅、沼津駅は昔ながらの駅が今まで残っています。ちょうど太陽の光が木造の屋根に当たり、情緒溢れる光景となりました。
サンライズもしてきまして、室内へ光が差し込みます。
丹那トンネルへ入りまして、一気に闇の空間へ。
それを抜けると海沿いまで山が続き、その斜面に温泉街が張り付く熱海の街です。
熱海駅を出発すると、JR東海からJR東日本の方へ交代されます。
流石に朝早かったので、二度寝へ誘われ…。
と思っていたら、あまりに素晴らしい湘南の海と朝日が引き戻してきました。
辻堂駅を通過する頃、おはよう放送に起こされました。
横浜駅に到着する約20分前の合図になります。
6:44、横浜駅に到着。ちょうど東海道本線の通勤電車が向かいから来る頃で、首都圏の通勤を支えています。
その後は東京都方面の京浜東北線、横浜線と並走。
パステルカラーの列車たちと一緒で、なんだか気分が上がる色合いです。
多摩川を渡りまして、東京都に入りました。
常磐線特急がスタンバイしている、品川駅を通過。
東海道新幹線のすれ違い、東京モノレールとの並走など、複数列車とともに走るのは本数の多い首都圏だからこそです。
沢山のビル群に迎えられつつ、終点の東京駅に到着しました。
7:08 東京駅 着
最後はJR東日本の新幹線たちに迎えられました。
寝台特急を置き換えたと言っても良い高速鉄道たち、これらはより便利なものであり、その路線網はどんどん広まっています。
それでも寝台個室には比べられない旅のロマンがあり、このシングル個室はその魅力を大いに引き出してくれました。
運転席すぐ後ろは、鉄道ファン的に素晴らしいお部屋だったと思います。
寝台特急の振動にも慣れてきましたら、ぜひ利用してみてください。
今回もご覧いただき、ありがとうございました。
-
【ツラい?】ノビノビ座席で東京〜出雲市 コスパ最強座席に全区間乗車[一週間サンライズ(3)]
寝台特急サンライズ号は、個室寝台の設備が基本となっています。 その中で1両備えられているのが、ノビノビ座席。カーペット敷きの空間が区切られ、そこに寝転がれるという設備です。 最大の魅力は ...
続きを見る