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特急すずらんが走っており、電化されている室蘭本線の沼ノ端・苫小牧〜室蘭。
これまでは普通列車は電化区間でありながら、H100形気動車やキハ143形気動車が使われていました。
老朽化していたキハ143形気動車を置き換えるようにして、本日デビューしたのが新型車両737系電車です。
室蘭本線の新たな仲間、JR北海道の最新車両の姿をお届けします。
朝5時台の東室蘭駅に来ました。
室蘭本線に新型737系車両投入により、5月20日にダイヤ改正が行われています。
苫小牧行き普通列車に充当された、737系がすでに停車中。
そして4番線ホームに、これから乗車する室蘭行き737系電車が、回送列車として入線してきました。
黒をメインとした顔に、黄色の警戒色とコーポレートカラーの若緑色を組み合わせています。
H100型と同じような色合いですが、丸っぽいのでより優しい印象です。
側面はさくら色をしていまして、実際見てみると写真よりかなり目立っていました
行き先表示はLEDで、ワンマン運転であることも表示されています。
車体はアルミ製で軽量化された一方、熱伝導性が高く、寒さが伝わりやすいです。
そのためステンレス製車両の、倍の厚さ断熱材を入れたとのこと。
令和5年日立製、令和4年に製造された車両もあります。
定員はキハ143形気動車と比較し、1割増加したとのことです。
それでは列車に乗り込みましょう。
乗降口部分はアルミの色がそのまま出ています。
半自動式で乗客がボタンを押して乗降します。
ステップが無くフラットに車内へ入り、まず目につくのは運賃箱と整理券。
頭上には運賃表モニターが備えられています。
737系電車はJR北海道初のワンマン電車、電化ローカル先に対応した車両です。
車内から半自動ドアを閉めると、内側さくら色の扉が姿を現しました。
5:52 東室蘭駅 発
前面展望的にはH100形気動車に乗っているのとそんなに違いを感じられませんが、当然エンジン音が無いので非常に静か。滑らかに加速していきます。
車内放送はH100形で聞き慣れたワンマン仕様、これまでと変わりないかと思います。
それでは座席を中心に車内を見て回りましょう。
2扉車のため、27人掛けの長大ロングシートが目立ちます。通路が広く、同区間を走るH100形気動車に比べて、混雑緩和に貢献するはずです。
モケットは北海道に咲く花々をイメージした、カラフルなドット柄。
少々硬めで、座席は分厚いながらもH100形より安定感がありました。
シート端は一面ガラス張りで、都市圏のようにプラスチックは使われていません。
窓は少しだけ開けられますが、H100形よりさらにその幅が小さくなりました。ほぼすべての窓に備えられており、換気に特化した形です。
中央部にはフリースペースがあり、車椅子やベビーカーで乗車の方はもちろん、大きい荷物を持った旅行客にも便利です。
乗降口付近ではなく中央部に車椅子スペースを置いたため、優先席は車両先頭部と中央部に備わっています。
室蘭支線の終点、室蘭駅に到着しました。
電化設備をしっかり活用して、「普通電車」の車両が入線。特急すずらんではなく、前面展望できる電車が終着駅に到着です。
列車はそのまま折り返し、苫小牧行き普通列車になります。
こちらも同様、ワンマン列車であることを示した行先LED表示です。
ここで運転席に注目してみましょう。
全体的にさくら色が使われており、ほのかに優しい印象です。
ワンハンドルで、速度メーターはこれまで通りの針式。
乗務員扉上部分を見てみると、ワンマンスイッチが取り付けられています。
今回注目すべき、「ワンマン対応の電車」である証拠です。
2両1組のうち、1両に1つお手洗いが備えられてます。
車椅子にも対応した、バリアフリー仕様。お手洗い設備のある車両については車両中央部ではなく、お手洗いの前に車椅子スペースが備えられています。
中へ入りますと、近年の通勤電車と変わりない設備です。
H100形気動車では長細く広いスペースが取られていましたが、こちらはコンパクトになっています。
角に小さな手洗い場と鏡が取り付けられました。鍵についてボタン式は無く、手動でひねる形です。
室蘭駅から室蘭支線、来た道を戻ります。
東室蘭駅に到着しました。
この駅は朝でも有人駅なので、すべてのドアが開きます。
整理券が発券されていない状態がこちらです。
東室蘭駅を発車しまして、室蘭本線の主要幹線に入ります。
東室蘭駅以西から普通列車を乗継いで来られる方もいるので、電化されていない区間からの運賃も記載されています。
鷲別駅で室蘭行き普通列車とすれ違い。
あちらが1両編成のH100形気動車で、今乗っている737系とともに、これからの室蘭本線で活躍します。
駅間距離の長い本線に入ると、列車は110km/h〜120km/hの本領発揮。
加速性能向上により、東室蘭〜苫小牧の普通列車は最大17分、平均9分の短縮を実現しています。
今回乗車した便は東室蘭〜苫小牧を最速55分で結んでおり、最速便です。
富浦駅で737系電車とすれ違い。スカートや連結器カバーもピカピカで、新型車両らしさが溢れています。
登別駅、白老駅など特急北斗停車駅で、観光客利用が多い駅に停車していきます。
降りてないので見られませんでしたが、白老駅の発車標には737系がLEDで表されていたそうです。
白老駅を出発してカーブの先、在来線最長の直線区間が始まります。
向上した加速性能と110km/h〜120km/h運転をご覧いただけたらと思います。
まもなく終点の苫小牧駅に到着です。
高い煙突もフリースペースの大きな窓からじっくり眺められました。ここは結構気に入られそうですね。
苫小牧駅では昨日で室蘭本線定期列車から撤退した、キハ143形気動車が停車中。
バトンを受け継いだ737系新型電車、新しい車両に乗るのは通勤電車でも非常に楽しいですね。
737系電車は13編成26両製造し、今後函館本線でも導入されるとのこと。
電化ローカル線でも新型車両が活躍し、多くの利用者に気に入っていただけたら嬉しいです。
今回もご覧いただき、ありがとうございました。
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