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【なぜバラバラ線路幅?】都営地下鉄の線路幅が違い過ぎる理由とは。(2)

2021年5月18日

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鉄道は2本のレールの上を走るものです。その幅は基本的に2種類で、基本的に在来線の狭軌、そして新幹線の標準軌に分けられます。

そして一つの鉄道会社が持つ線路の幅は基本的に1種類。線路の幅が違えば本線へ直通させたり、車両整備を行うのに不便だからです。

そんな中、1つの鉄道会社にも関わらず、3種類ものレール幅を持つものがありました。

それは東京都交通局、都営地下鉄です。

都営地下鉄は4路線で、この中で3種類のレール幅を持つのは非常に非効率。なぜこのようなことになったのでしょうか?



結論から言ってしまえば、都市圏と郊外を結ぶ私鉄線との直通を最優先にしたためです。

東京都交通局は地下鉄路線について、既存の郊外私鉄と直通運行ができるよう、軌間を統一する方向で進みました。

ここからはどのようにして軌間が定められたのか、それぞれの路線について紹介していきます。

浅草線 1435mm(標準軌)

浅草線は都営地下鉄で最初に開通した路線で、1960年に開業しました。

浅草線については京急、京成との直通運転を想定して計画。

しかし京急と京成は線路幅が異なっていました。

協議を重ねて京成の方が車両数が少なく負担が小さいことから、京急の1435mmに統一することになります。

 

先に直通運転を始めたのは線路幅が異なっていた京成電鉄でした。京成は82.5kmもの線路を改軌。

何より驚くのは1日も運休せず、終電後の工事だけで2ヶ月で完了したということです。

 

京成にとって都市部への乗り入れは非常に重要だったことが伺えます。



一方京急、この時にはレール幅を変更する必要はありませんでしたが、かつて2回もレール幅を変更した過去があります。

しかも1435mmから1372mmに狭め、再び1435mmに戻したのです。

京浜(後の京急)は東京都心へ進出するため、品川で路面電車敷設が進んでした東京電車鉄道(後の東京市電)との直通をしようとしていました。

そのためレール幅を1372mmに改軌、しかし工事はしたものの、直通は実現しませんでした。

景品はその後都心よりも三浦半島方面へ進出。標準軌を採用している湘南電気鉄道と合併し、再び1435mmにしたのでした。

 

三田線 1067mm(狭軌)

三田線も浅草線と同じく1435mmで計画されました。線路幅は会社内で統一されていた方が良いというのは、最初にご紹介した通り。

しかしその直後、北は東武東上線、南は東急池上線に乗り入れることを提案され、両社に合わせて1067mmに変更したのです。

しかしその後営団地下鉄の路線計画が浮上し、更に便利な直通先が出来てしまいました。

これによって東急は半蔵門線、東武は副都心線・有楽町線へ直通する方向へ変更、三田線への直通は見送られました。

結局、都は1067mmの単独路線として工事を続行します。

 

一方で2000年には東京メトロ南北線、東急目黒線との直通を開始。

 

1435mmではなく1067mmだったことが結果的に良かったのです。



 

新宿線 1372mm(狭軌)

新宿線はかなり特殊なレール幅で、狭軌のひとつである1372mm。これは京王電鉄京王線にあわせています。

 

もちろん新宿線も、浅草線、三田線と統一して1435mmで計画されていました。

1970年代後半には、新宿線と京王線が直通運転するため、1372mmの京王帝都電鉄(現・京王電鉄)に対してレール幅の変更を求めます。

 

しかし京王は改軌を社内で検討したものの、最終的に1435mmへの変更を拒否。

結局、新宿線が計画を変更することとなったのです。

京王の軌間が他社がほとんど採用していない1372mmなのは、元々馬車鉄道が採用していたレール幅だったため。かつては他の大手私鉄でも採用されていました。



 

大江戸線 1435mm(標準軌)

最後は1991年に開業した都営地下鉄で最も新しい路線で、大江戸線です。この路線はどの路線にも直通していないため、レール幅設定の理由は別のところにあります。

それは、大江戸線がリニアモーター方式の運行方法を採用しているためです。

 

リニアと言っても車体を浮かせているのではなく、車体を前方向に押し出す力を働かせています。

これは軌間は広い方が有利という判断で標準軌となったそうです。

 

線路は鉄道を導いており、役割を説明する必要もないほどのものです。そんな線路にも幅に様々あり、都心の移動の利便性向上のために様々な線幅が生まれたのです。

ホームドアによって見えづらくはありますが、ぜひ一度それに注目してみてください。

ホームドアに寄りかかったり等しないように…。

 

今回もご覧いただき、ありがとうございました。

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