今日は南海なんば駅にやってきました。
これから乗車します特急サザンは、基本的に和歌山県の中心部である和歌山市駅までを結びます。
しかし一日数本だけ、南海本線を飛び出して和歌山港線へ直通する列車もあります。
赤いラインの特急の線がそれを示していました。
今回乗車するのは9:10と発車標に表示されている、特急サザン和歌山港行きです。
この列車が入線する和歌山港線は1区間だけの路線、しかし、それは2005年に3つの途中駅がすべて廃止されてしまったためです。
今回はサザンに乗って、フェリーターミナルへ向かうのに特化した和歌山港線を紹介していきます。
やってきましたのは普通のサザンと変わりない列車。
和歌山側4両には+520円で乗車できる、指定席車両があります。
以前紹介したように、サザン指定席は中間車の方が座席の設備が良いです。
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同じ520円追加でも座席が違う!格差特急サザン 指定席中間車の謎
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しかし、今回は前面からの様子をご紹介するため、一番前にやってきました。
列車は高野線と共になんば駅を発車します。ここからしばらくは線路別複々線となっているのです。
その後高野線が離れていっても、南海本線の中で複々線区間は継続。住之江駅からは複線となります。
列車はだいぶ南下、海の見える大阪府南端部辺りまでやってきました。
みさき公園駅に到着です。
切欠ホームが見えていますが、ここからは2.6kmの多奈川線が伸びています。
途中の深日港駅からは淡路島や徳島をはじめとした様々な方向へ向かう航路がありました。
しかし現在定期航路は廃止、完全なローカル線となっています。
列車はトンネルで大阪から和歌山へ入りました。
続きまして、紀の川駅からは9.6kmの加太線が伸びています。
こちらに関しては全てお隣の和歌山市駅からの発着です。
紀ノ川に架かる真っ赤な橋を渡って、和歌山市駅はまもなくです。
ここまでご紹介したように、この周辺にはいくつか短い路線が何本か伸びています。
今回着目する2.8kmの和歌山港線もこれらと同列に見えますが、こちらは本線からほとんどそのまま直通しているのが特徴です。
いよいよ和歌山港線へ入ります。
ここまで南海本線は複線でしたが、単線になりました。列車本数が少ないため、当然でもあります。
さて、この和歌山港線で一番面白いのは冒頭でも述べた通り、途中駅がすべて廃止されたということです。
まず最初は久保町駅です。
ここから先の区間、和歌山県が線路を保有しており南海電鉄はそれを借りて運行する第二種鉄道事業者です。
そのため、駅が廃止されても会社の境界であるという、ちょっと面白いことが起きています。
築地川に架かる橋を渡ったところにあったのが築地橋駅です。
そして最後が築港町駅になります。
実はこの駅は初代和歌山港駅。1971年に和歌山港が現在の場所に移転し、和歌山港線も延伸されたことで駅名が改称されました。
港らしい光景を見ながら、すぐに終点の和歌山港駅に到着です。
現在は終点の和歌山港駅ですが、1971年に木材輸送のために水軒駅まで伸びていました。しかし1日2往復という本数で、2002年に廃止されています。
これまでの途中駅3駅は2005年11月27日に廃止されました。
これに伴って周辺の住民の移動は和歌山バスに代わっています。
列車は和歌山港までの輸送だけを考えれば良くなったため、運行時間もフェリーに合わせたものになりました。
なんばから徳島までのルートを確保するのに効率的に運行されている和歌山港線。
短く1区間だけの路線ですがこの歴史を中心に知ると非常に面白いものでした。
今回もご覧いただき、ありがとうございました。
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