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【2本→9本/h】大混雑の三柿野駅を観察 岐阜航空祭臨時列車まとめ[2311各務原航空(4)]
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2023年春に行われた名鉄のダイヤ改正。名鉄西尾線の終着駅である吉良吉田駅に、特急列車が復活しました。
それまで1日1往復、西尾駅まで一部特別車の特急が運行されていたのですが、吉良吉田駅まで運行区間が延長されました。
吉良吉田駅まで特急が来たのは、2008年6月29日のダイヤ改正以来。全車一般車のため特別車の復活は叶わず、西尾線特急は平日朝1本だけになってしまいましたが、15年ぶりの特急復活です。
このダイヤは蒲郡駅から運行されていた時代の名残。当時は6両編成全車特別車の特急が運行されていました。
それ以来の復活となった1本だけの特急列車、吉良吉田から須ケ口までの様子をお届けします。
西尾線特急の始発駅となっている、吉良吉田駅へ来ました。
まずは普通列車吉良吉田行きとして入線。4両編成の通勤電車9500系、3500系、3700系のいずれかで運転されます。
今日は名鉄最新型車両の9500系が運用に就きました。
吉良吉田駅に到着する途中で、LED行先表示器が「特急 須ケ口」に変わります。
カーブして狭くなっているホーム先端部まで、結構お客さんが待っておられました。
西尾線の吉良吉田駅〜西尾駅は赤字路線で、蒲郡線と合わせて自治体の援助で廃線を免れている区間。それでも朝の通勤通学時間帯は、この通りたくさん乗客の方がいらっしゃいます。
LED行き先表示は「特急 須ケ口」と輝かしく、この表示自体珍しいものです。
この吉良吉田駅に特急が戻ってきたことは、なんだか誇らしげに見えます。
ライトの目がキリッとしている、名鉄最新型車両。4両編成の特急は増結することなく、そのまま名古屋本線の朝ラッシュへ突入します。
車内表示器ではLCDが採用されており、西尾線から名鉄名古屋本線へ特急が直通している様子が視覚的に分かります。
運転席にはタブレットが備わっており、運転士さんに各駅の通過時刻や停車時刻を表示しています。
7:30 吉良吉田駅 発
始発駅となっています、吉良吉田駅を出発しました。
特急でも全車一般車なので、車掌さんによる肉声放送が行われます。
吉良吉田駅〜上横須賀駅の間には、2006年12月に廃止された三河荻原駅跡。線路左側に1面1線のホームがありました。
次は上横須賀駅に到着、2008年6月29日ダイヤ改正以来15年ぶりの特急停車です。
上横須賀駅〜福地駅にも2006年12月に廃止された、鎌谷駅跡が見られます。
これら駅間は駅廃止によって3kmほどと私鉄にしては離れており、列車もスピードを出すことができていました。
次の福地駅は2008年時点で普通列車のみの停車、当時は急行も通過していました。今回2023年のダイヤ改正で、初めて特急停車駅に格上げされています。
西尾市街地へ入りまして、1989年に完成した高架線へ登ってきました。
西尾線単独駅の中では一番利用者の多い西尾駅で、満員電車状態になります。
ダイヤ改正前は西尾駅始発だった特急須ケ口行き、これまでは吉良吉田駅〜西尾駅の普通列車から乗り継ぐ必要がありました。特急が吉良吉田駅始発になったことで、西尾以南の方もそのまま名古屋本線へ入れるようになっています。
7:43 西尾駅 発
西尾駅から先のダイヤは、これまでの特急須ケ口行きと同じダイヤです。
西尾駅〜西尾口駅は1km足らずで、かなり短い駅間距離。2008年6月14日に複線化されたのですが、西尾口駅を通過する直前で単線区間になります。
西尾口駅も複線化に備えて線路用地の他、プラットホームの用地も確保されています。
特急が全車一般車になったことで、通勤型車両が桜町駅前駅を通過するようになりました。
列車は反対方向の急行西尾行きと行き違いのため、米津駅をゆっくり通過します。
かつては特急停車駅だったのですが、このダイヤの便は当時6両編成でホーム長が足りず、特別通過していました。
2008年のダイヤ改正で急行停車駅になって、引き続き特急は通過します。
南桜井駅を通過する手前で、2008年6月21日に複線化された区間へ。
2008年ダイヤ改正時に開業した、名鉄で一番新しい南桜井駅を通過しました。
駅周辺には工場が広がっており、そこへの通勤客で線内2番目の利用者数を誇ります。
複線化と同時に高架化された、桜井駅に到着。
ダイヤ改正時に碧海桜井駅から桜井駅へ改称されており、1週間だけ高架の碧海桜井駅が存在していました。
地上駅時代はホームが4両分しか無かったため、米津駅と同じくこのダイヤの特急は特別通過していました。一方で高架化後は6両編成に対応し、今まで特急停車駅で維持されています。
地上へ降りてきまして、堀内公園駅を通過。
碧海堀内駅だったこの駅は、釜谷駅や三河荻原駅と同様に廃止見込みでした。しかし、駅舎改修費を安城市が負担し、沿線住民の署名活動もあったため存続しました。
東海道新幹線との交差地点で、碧海古井駅を通過。
三河安城駅の候補地の一つで、もしかしたらここに新幹線駅ができていたかもしれません。
安城市中心部に入りまして、再び高架線へ。
中心市街地の名鉄最寄駅である、南安城駅に到着です。こちらは昔から全ての特急が停車しています。
ここで普通吉良吉田行きと行き違い、少々停車していました。
JR東海道本線と立体交差し、ちょうど下を通過していきます。
かつて南安城駅からは名鉄安城支線が分岐しており、国鉄安城駅まで名鉄で行くこともできました。
安城駅までもほど近い、北安城駅を通過します。
まもなく西尾線の起点駅、新安城駅に到着です。
ちょうど準急本宿行きが東岡崎方面へ出発していきました。
2021年春に橋上駅舎が完成し、地下改札口時代から明るいイメージへ大きく姿を変えています。
列車は名古屋本線ホーム、普段は特急があまり来ない3番線ホームに到着です。
名鉄名古屋本線に入り、本線の朝ラッシュでは唯一の全車一般車特急です。
まもなく高架化工事が進んでいる、知立駅に到着します。
2023年春に名古屋本線上り線が高架化されて、豊橋方面ホームだけ高架になりました。
今走っている名古屋本線下り線も、2025年度に高架化予定です。
右側に豊橋方面地上ホームがあったのですが、遂に線路が剥がされていました。
線路跡では、名古屋方面の高架ホームが建設されているところです。
名古屋方の上り線は三河線の送り込み等で使用されているため、線路が残されたままでした。
こちら豊明駅は豊明検車支区が近く、3面6線の駅ながら無人駅。
日本一大きい無人駅として、最近では顔出しパネルも設置されたそうです。
豊明市の中心駅は、急行も停車する前後駅。かなりスピードを落として通過します。
速度を見ていると20km/h前後、とても特急とは思えないノロノロ運転です。
これは前方で普通犬山行きが各駅に停車しているため。
真後ろに特急犬山行きもいるのですが、追い抜くことができず詰まってしまっています。
段々とスピードが復活してきて、鳴海駅を通過。
ここで普通犬山行きを追い抜き、前に列車が詰まっている状況は解消されました。
反対からは特急列車が頻繁にすれ違っており、名古屋本線ならではの光景です。
真ん中に通過線があって、新幹線型の配線をしている堀田駅を通過。ここでも前方に急行がいるためか、やや速度が落ちてきました。
左側から名鉄河和線が近づいてきます。
その下を立体交差で潜りまして、神宮前駅に到着です。
終点の須ケ口駅までちょっと短いですが、神宮前駅で乗務員さんが交代されました。
名古屋鉄道の前身である名岐鉄道と愛知電気鉄道の名残が、ここにも残っています。
神宮前〜金山は名鉄唯一の複々線区間、方向別複々線で名古屋本線が河和線の列車が走る線路を挟む形です。
JR、地下鉄との乗り換え駅で総合駅とも称される、金山駅に到着。
1番線ホームでは特別車ドア位置の上に、特別車の案内が設けられています。この列車は全車一般車特急なので、先発が表示されていません。
JRと名鉄たくさんの線路が集結してきて、まもなく名古屋駅です。
名鉄だけで見ても朝ラッシュとなれば、この大渋滞。複々線化されていないとは思えない列車の数です。
それを裁く2面3線のカオス駅へ。
地下に設けられた最大のターミナル駅、名鉄名古屋駅に到着します。
進行方向右側が降車扉、左側が乗車扉で分けられています。
4両編成とあって完全な満員電車状態でしたが、ほとんどの方がここで下車されました。
地上へ出て通過する栄生駅周辺には、引き込み線が設けられています。
名鉄名古屋駅止まりの列車もあるので線路が設けられていますが、この列車は須ケ口駅まで連れて行ってくれます。
名古屋本線と犬山線の分岐点、枇杷島分岐点を通過。
名鉄において非常に重要な分岐ですが、平面交差でボトルネックとなっています。
定期列車が走らない岐阜〜犬山を結ぶ連絡線があって、線路が三角形を作るデルタ線です。
西枇杷島駅を通過するところで、東海道本線と立体交差。ここでもちょうど列車が来てくれました。
LCDはいよいよ須ケ口を表示、終点が特別停車という謎仕様です。
名鉄名古屋行きにせず須ケ口行きにしているのは、近くにある車両基地への送り込みも兼ねているため。
さらに、名古屋本線から津島線への乗り換えもしやすいです。
前方には普通や急行がいるため、かなり速度を落として二ツ杁駅〜新川橋駅を走行。
ようやく速度を出せるようになりましたが、もう須ケ口の車両基地が見えてきます。
列車は須ケ口駅の1番線ホームに到着です。
隣に停まっていた急行一宮行きには乗り継げませんが、少し待てば普通岐阜行きや急行一宮行きが来てくれます。
8:47 須ケ口駅 着
吉良吉田駅からの乗車時間は1時間17分、通勤電車としては割と長い乗車時間になりました。
すぐにドアが閉められまして、「当駅止り」を表示する発車標の下、進行方向を変えて車両基地へ発車していきました。
ホームからも見える位置にあり、静かに車両基地へ停められます。
そして車庫からは8:53発普通佐屋行きが入線、6分の乗継で津島線へ入れます。
特急須ケ口行きがすぐ車庫へ引き上げられたのは、このためだった訳ですね。
今回は平日1本だけ運行される、吉良吉田〜須ケ口の全車一般車特急をご紹介しました。
西尾線特急から特別車が無くなったのは残念ですが、西尾駅での乗り換えが不要になり、吉良吉田からの所要時間も短くなったため、利便性は高まったと思います。
乗り通す難易度が割と高いものの、1本しか無い特別感を是非味わってみてください。
今回もご覧いただき、ありがとうございました。