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近鉄の赤字路線を引き受けた小さな私鉄 北勢線はどう変化した?

2021年6月14日

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三重県桑名市には様々な路線が集結しています。

今回ご紹介するのは桑名駅からちょっと離れたところの西桑名駅から出発する、三岐鉄道北勢線です。

 

近鉄は2000年頃から中部圏の赤字路線を切り離し、別会社に出資する形を取り始めました。

こちらの三岐鉄道北勢線もその一つ、2003年4月から別会社としての運行をスタートした路線です。

しかし多くの鉄道路線が新たに会社を設立したのに対し、こちらは元々近くを並行するように走っていた三岐鉄道に引き取ってもらうこととなりました。

 

北勢線の最大の特徴は縦に細長いこの車両。

 

ナローゲージと呼ばれる762mmの線路幅に合わせているため、小さな車両になっています。

 

ロングシートの車内もご覧の通りコンパクトです。

列車は西桑名駅を出発。

しばらく他のJRや近鉄と並行していましたが、こちらは北方向へ上るようにしてカーブしていきます。

 

手前から狭軌のJR関西本線、そして標準軌の近鉄をナローゲージが乗り越えました。

 

最初の停車駅は馬道駅。元々右側通行の駅でしたが、2004年に一般的な左側に変更されました。

 

次の西別所駅は近鉄時代、ここで折り返す列車もあったのですが、三岐鉄道になると同時に信号設備が撤去されています。

 

在良駅ではレトロチックな色合いの列車と行き違いました。



2005年まで次の駅は坂井橋駅でしたが、北勢線への移行と同時に廃止されています。

その代わりに移転する形で開業したのが星川駅です。

 

駅前にはドン・キホーテ化されたアピタもあり、より大きな市街地の近くに駅ができたということになります。

次の駅は七和駅。

北勢線は高校生で持っているところがあり、実際に利用者のほとんどを占めていました。

 

広めのボックスシートに座っているくらいの間隔です。

 

その他高齢者に向けて、日本で唯一独特な列車が運行されています。

それが月に一度程度の年金相談列車です。車端部にテーブルが広げられます。



東員駅に到着しました。

この駅は六把野駅と、信号場化された北大社駅を統合した形で2005年に開業した駅です。

 

北勢線では三岐鉄道へ引き継ぐのと同時に効率化のため、駅廃止や統合が行われることとなりました。

 

東員駅では反対方向の列車と行き違いが行われます。

 

2020年秋に鉄道むすめが設定され、ラッピングもされていました。



こちらもまた新しそうな大泉駅。

大泉東駅、長宮駅を統合する形で2004年に開業しました。

 

いなべ市を代表する駅、楚原駅に到着です

 

ここから先は運行本数が半減、日中1時間1本になります。

 

楚原~麻生田にあった上笠田駅は2006年に廃止されました。

 

麻生田駅の先にあった六石駅も2004年に廃止されており、この区間は特にローカルな様子であるということが分かります。



終点の阿下喜駅に到着しました。

阿下喜駅は日本最西端のナローゲージ駅とのこと。

とは言ってもナローゲージは三重県内の北勢線と四日市あすなろう鉄道、富山県の黒部峡谷鉄道しか残されていません。

 

2006年に新駅舎となっており、おしゃれな喫茶店のような外観をしています。

 

駅前には軽便鉄道記念館なるものがあるようです。

この日は休館でしたが、外には歴史を感じさせる列車が停まっていました。

 

ここにはループ線と転車台という現代では異色の方向転換が集まっていて、いかにも面白そうな感じをひしひしと感じさせられます。

 

近鉄だったナローゲージの北勢線を助けてくれたのは三岐鉄道。元々はこの近くを走る三岐線のみの鉄道会社でした。

 

ここ阿下喜駅から三岐線の伊勢治田駅までは2kmほどしか離れていません。

今度は普通鉄道の三岐線へ乗りに向かうことにします。

 

今回もご覧いただき、ありがとうございました。

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