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【列車に乗れないターミナル駅】肥薩線/くま川鉄道運休中の人吉駅の現状[年越し2022(4-1)]
はやとの風で吉松駅に来ましたが、現在肥薩線(吉松〜八代)は不通。えびのICから高速バスに乗車して、人吉ICにやってきました。 人吉駅へ向かう途中、列車が走っていない踏切を渡 ...
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こちらは熊本県の人吉温泉駅から伸びる第三セクター、くま川鉄道です。
2020年夏の豪雨被害により不通が続いていましたが、2021年秋に一部区間の肥後西村〜湯前が復旧しました。
やってきたのは多良木駅。終点から2駅のところに位置しています。
今回の目的はその駅近くにある簡易宿泊施設、ブルートレインたらぎに泊まるということです。
こちらは寝台特急はやぶさで使用された客車、そのB寝台個室ソロに宿泊していきます。
まずは車内へ入りましょう。
2号車乗降口に設置された階段を登って右へ、さらに奥へ進んでいきまして、カウンターで受付を済ませます。
チェックインの時間は14:00〜21:00です。
料金の支払い、簡単な説明を終えますと、ソロ個室の並ぶ3号車の方へ案内されます。
上下段が互い違いになっていますが、今回のお部屋は下段でした。
扉を開けますと、ステンドグラスのような彩りのあるモケットが目に入ります。
室内には当時からの設備が残されています。いろいろ物色してみましょう。
ベッド向かいの壁に設置されているのは、洗面台にあるような四角い鏡。
そして、その下には折りたたみ式のテーブルがあります。
下の腕を90°回転させて、引き出すことで固定する方式です。
その下には土足入れが。
サンライズ号はスリッパがあるので、土足かスリッパ選ぶことが可能ですが、こちらはちょっと混じりそうです。
テーブルの横にはお手洗いマークのついたスイッチらしいものが。
開けてみると、お手洗いの使用状況が確認できるランプであることが分かります。
現在では機能していませんが、当時はそんな確認も部屋からできたのですね。
ベッドの頭側には機能していないものの、スピーカーやたくさんの空調スイッチがあります。
また、折りたたみ式の読書灯も元々あったそうです。
壁に備えられていますスイッチを押すと、バブル感のあるオシャレなライトが灯ります。
これらのように当時のまま残されたものが多くある一方で、増やされた設備もあります。それが、後付けで備えられたコンセントです。今の時代では必須のもので、利便性を高めています。
また、灰皿は板で留められていました。
ベッドの清潔さを保つため、お客さん自身でベッドセットを行う必要があります。
毛布に被せる用と敷く用それぞれのシーツが用意されています。
これらをセットした状態がこちらです。
料金は大人3140円、小人(3歳以上中学生まで)2090円で、かなりお手頃。
1号車には開放型寝台もありまして、こちらも料金は同じです。
流石に利用しないのに中へ入るのは気が引けたので、また宿泊する機会にご紹介することにします。
車内には寝台列車ならではの設備が色々あります。
現在は1人ずつに分けられている洗面台ですが、こちらは2つ並んで。デザインも古さを感じさせます。
また、倉庫になったお手洗いの横には、飲料水のタンクもありました。
現在利用できる洗面台、お手洗いは、新たに車両の外に設置されています。
お手洗いは温水洗浄機能付きの洋式トイレ、これらはかなりの清潔感で保たれていました。
シャワーはありませんが、お風呂に入ることができます。
部屋の鍵と宿泊券(乗車券)、そしてえびすの湯の回数券です。
こちらを持っていけば無料で銭湯に入れるということ。これはかなりありがたいですね。
という訳で、外へ出てきました。
外出時は必ず鍵を受付に預けなければなりません。
えびすの湯はブルートレインから道路を挟んだ、目の前にあるこちらです。なかは結構広々していて、ゆったりできるところでした。
営業時間は10時〜22時(最終受付21:30)、毎月第2火曜日(該当日が祝祭日の場合はその翌日)が休館日です。
列車の運行は20:56発の肥後西村行きが最終です。
個室にいたとき列車が通っていきましたが、その音はまさにブルートレイン自体が走っているようでした。
線路の向こう側にはローソン球磨多良木店があるので、買い物もできます。
ただし営業時間は6:00〜24:00です
こちらは2号車の共有スペースの様子。
ベンチとテーブルが並んでいて、車端部でテレビが流れています。
個室内の飲食は禁止になっているので、ここで食べる必要があります。個人的には室内で食べたいものですが、長く清潔に保つためには仕方ないですね。
有料のセルフコーヒーや、お湯、電子レンジなど、ホテル並みに設備が整っています。
さて、個室に戻ってきました。
車両自体の消灯は22:00、個室は関係ないのですが、そろそろ寝ようかなと思います。
ちょっと寝っ転がってみると、視界はこんな感じです。
電気を消すともちろん真っ暗。頭の中で客車の軽い走行音を流しながら、眠りにつきました。
おはようございます。
6:30ごろ、目を覚ましました。東京には永遠に到着しません。
寝台特急らしい雰囲気がそのまま残されており、非常に素晴らしいところだと思いました。
ブルートレインに乗れなかった人々にはたまらないことでしょう。
チェックアウトは7:00〜12:00で、結構遅くまで滞在することも可能です。
寝台特急はやぶさの名残を目一杯感じるのも良いでしょう。
やや行きづらい所ではありますが、もう一度訪れたいです。
今回もご覧いただき、ありがとうございました。