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【宗谷本線 全駅紹介】朝一番の普通列車乗車記 旭川→稚内6時間乗り通す

2021年1月16日

 

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おはようございます。早朝5時台の旭川駅に来ています。

 

これから乗車するのは普通列車 稚内行きです。

 

綺麗な高架駅のホームに停まるのは古くから使われている列車、キハ54はこれから250km以上走り続けます。

 

北海道で最も長い普通列車で、所要時間は6時間。

長い長い普通列車の旅の始まりです。

列車は旭川市街の高架線を走っています。

 

旭川四条駅の近くには鉄道グッズの販売店、ぽっぽやさんがあって、北海道のホーロー駅名標等が売られています。

 

事実上旭川から宗谷本線みたいなものですが、実際には新旭川駅まで石北本線。ここから宗谷本線に入ることになります。

 

その先にはJR貨物の北旭川駅があり、雪の積もる線路とその奥にはたくさんのコンテナが積まれていました。

 

永山駅周辺にはイオンモールや上川総合振興局などもあって、旭川駅周辺とは別の市街地が作られています。

 

普通列車ですが、北永山駅と南比布駅は通過。
北永山駅周辺には高校もあって利用者も多い一方、南比布駅はこの春廃止されます。

 

次に停車するのは比布駅、2016年にはピンクの駅舎がリニューアルされ、駅内にはカフェもあります。

 

比布駅の両隣には南比布と北比布があり、ピップエレキバンのCMでも使用されました。が、両駅共に廃止される駅です。

 

蘭留駅もまた利用客が少なく、廃止が検討されました。

列車はこれまで上川盆地の中を走っていましたが、塩狩峠の山中へ入ります。

ディーゼルも急に唸るようになり、景色もガラッと変わりました。

 

塩狩峠の頂上には塩狩駅があり、ここで起きた事故を元に小説を書いた著者の生家に建てられた、塩狩峠記念館もあります。

 

峠を越えた和寒駅からは沢山の高校生の生徒さんが乗車して来ました。

 

お隣の東六線駅は今春廃止される駅です。

 

次の剣淵駅でもまた多くの生徒さん、20人くらいは並んでいました。

 

利用者の多い駅に挟まれた北剣淵駅、こちらも春に廃止されます。



士別駅に到着。

2020年には開駅120周年を迎え、すべての列車が停車する大きな駅。乗られる方も沢山いらっしゃいました。

 

下士別駅もまた2021年春に廃止される駅です。
旭川〜名寄は路線としては多くの学生さんが乗っていらっしゃいますが、利用客のほとんどいない駅も多くあります。

 

名寄と似ている駅名の多寄駅。
しかし、多寄は近くのタヨロマ川のアイヌ語から、名寄はナイオㇿプトゥ(天塩川と名寄川の合流点)から付けられていて、別の由来になっています。

 

瑞穂駅には中々古そうで小さな待合室が建ちます。隣の自転車置き場には1つだけ寂しく置かれていました。

 

旧風連町の中心、風連駅でもまた多くの生徒さん。
反対方面に乗られる方も多くいらっしゃるようで、この列車には乗らず待っていました。

東風連駅では近くの名寄高校へ通学する生徒さんたちが大勢降りて行かれます。

しかし高校まで歩くのは少々遠くなっており、雪の中をずっと歩いていくのは不便な所。

 

そこで東風連駅を名寄高校の前に移転、名寄高校駅が2021年度末に開業する予定です。



名寄駅に到着。

さすがは線内でも大きな駅、通勤客は反対方面がメインだと思いますが、通学の生徒さんは沢山降りていかれました。

 

ここまで2両でしたが後ろのキハ40はここで切り離され、1両編成になります。

 

7分ほど停車時間があるので外へ出てきました。2018年に駅舎は開業当初の姿に改修、雪であまり見えませんが緑色だった屋根は赤色に変わっています。

 

停車時間を利用して記念入場券も購入してきました。

 

名寄駅の北部には名寄オフレールステーションが併設されていて、旭川駅との間には列車代行のトラックが走っています。この駅はJR貨物で最北の駅です。



列車はこの先廃線が検討されている区間に入ります。

日進駅は高校生の利用が見込まれているため廃止は先送り、名寄市による存続がされます。

 

一方でお隣の北星駅は廃止。鉄道ファンっぽい方がここで降りていかれました。

 

人気の駅待合室は木造になっており、真っ赤な『毛織の北紡』の広告が掛けられています。

次に到着するのは智恵文駅。

いよいよ北海道の駅でお馴染みの貨車駅舎が現れてきました。

 

智北駅は高校生が利用する駅ということもあって名寄市が維持管理することになります。

 

名寄市から先、宗谷本線沿線には稚内まで市はありません。

 

南美深駅では作業員さんたちが雪かきの作業をなさっているところでした。この駅は春に廃止されます。

 

美深駅に近づくと北国らしい一軒家が立ち並ぶ街へ入っていきます。



美深駅に到着。

非常に大きな駅舎で、美深交通ターミナルとなっています。

 

今では2面2線の相対式ホームですが、かつてはもう1線、美幸線の発着するホームがありました。
日本一の赤字路線と言われたこの路線、美深駅にはそれを紹介する資料館が入っています。

 

宗谷本線の北部でシンボルとなる天塩川が近くに見えるようになりました。

 

初野駅は板張りホームにプレハブ待合室と小さな駅ですが、比較的利用者は多いようです。

 

貨車駅舎の表面がカメさんの甲羅のようにひび割れた紋穂内駅、こちらも最後の冬を迎えています。

 

曇った寒空の中、オジロワシが雪の積もる木々の上を飛んでいました。

 

一度廃止が報道されたものの住民の要望によって存続が決まった恩根内駅、雪の積もり方がまるで教会のようです。



しばらく走っていると警笛を鳴らしながら急ブレーキかかけられました。

鹿さんが線路上に居座ってしまっていたのです。

 

運転士さんが奮闘すること10分以上、やっとのことでどいてくれたのでした。

豊清水駅に到着。

特急宗谷のはまなす編成が反対方面からやってきました。

参考
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さらに遅れの影響で、反対方面からの普通列車もこの駅で行き違うようです。

 

豊清水駅は今春廃止される駅ですが、今後も交換可能な信号場として残ることでしょう。

 

時間があるようなので駅を見ていこうと思います。

 

駅舎とホームは構内踏切でつながっているのですが、雪でどこが踏切なのかさっぱりです(笑)

 

駅舎には大きな屋根が乗っかっていて、木造の駅舎になっています。

 

駅前には本当に何もなく、ただ雪の積もる平原が広がるばかりでした。

 

待合室の中も外装と同じような板張りで、雪かきの道具もあります。

 

JRの職員さんのためでしょうか、詰め所なんかも待合室の隣に入っていました。

 

反対方面の普通列車がやってきたのでこちらの列車も出発します。

 

停車していくのは天塩川温泉駅、咲来駅。

 

どちらも利用客の少ない駅ですが、自治体負担での駅存続が決まっています。



音威子府駅に到着しました。

ずっと普通列車でやってきましたが、この辺りでようやく工程の半分くらいに達したところです。

 

ここでは数人、お仕事らしい方々が降りていかれました。

 

北海道で一番小さな村ですが、いろんな施設が周辺に集まっています。

 

筬島駅に到着。
音威子府村にある4駅のうち音威子府駅以外の3駅はすべて廃止検討駅になりましたが、どれも自治体負担での存続になっています。

 

筬島〜佐久、天塩川の対岸には北海道命名の地の碑があるようです。

 

この駅の間は非常に距離が長く、家も全く見られません。

 

佐久駅の近くには集落が集まっています。

 

佐久駅の駅舎は佐久ふるさと伝承館になっていて、昔からの貴重な資料が集められているようです。

 

天塩中川駅は2014年に改修され、まるで大正からあるかのような木造駅舎らしくなっています。

 

駅名標なんかも国鉄っぽい文字体です。

 

歌内駅の駅名標には雪が吹きついて読めなくなっていました(笑)



列車は幌延町へ。

雲が少し無くなってくると雪の積もる木々が空に映えます。

 

問寒別駅に到着。貨車駅舎ですが綺麗に外装が作られていて、駅周辺には集落が広がっています。

 

次に到着するのは糠南駅。ヨド物置の待合室がシンボルの秘境駅です。

 

宗谷本線の中でも一番有名と言っても過言ではありません。

 

線路は雪に埋まっていて、朝一番のこの列車がラッセルの役割をしているようなものです。

 

列車は宗谷本線唯一のトンネル、下平トンネルに入ります。

 

トンネルを抜けると雄信内駅に到着。
薄っすらと交換可能な線路の構造が見えています。

 

大きな木造駅舎が残っていますが、駅周辺には廃屋がほとんどの、秘境駅です。

 

次に停車する安牛駅はボロボロの駅舎が人気の駅。
春に廃止されることもあって多くの人が訪れます。

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お隣の上幌延駅もまた春廃止の駅。幌延町内の駅ではあまりパッとしない方かなと思います。

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幌延駅に到着。ここではダイヤ上21分停車します。



幌延〜稚内では貨客混載の取り組みが行われています。

今日はありませんでしたが、この時間を使って幌延から稚内へ佐川の宅配便が車内に積み込まれるようです。

 

荷物のボックスが置かれた様子がこちら。
かなり大きなボックスが括りつけられていて、駅に到着すると機械を使って跨線橋の階段を上っていきます。

 

列車の側面には列車が走って付いた雪模様が氷になって貼り付いていました。



幌延駅を出て最初に停車するのは下沼駅。

駅にはキャラクター、ぬまひきょんのペイントがされています。幌延町の秘境駅で行われている取り組みの一環です。

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豊富温泉のある豊富駅で反対方面の列車と行き違います。

 

お隣の徳満駅は前まで存続とされていましたが、最終的な発表で急に廃止が知らされました。

 

見た目は市販の物置小屋のような待合室みたいです。

 

次の兜沼駅からは、まさに兜沼が見られます。
名前はアイヌ語からではなく、沼の形がカブトのようだったことからつけられたそうです。



勇知駅からはついに稚内市に入りました。

修繕された貨車駅舎はシンプルなデザイン。周りにはふんわりと雪が積もります。

 

次に停車するのは抜海駅。最北の木造駅舎として知られ、廃止が最後まで議論されていました。

 

最終的には存続が決まり、今後も人気の抜海駅へ訪れることができます。

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抜海駅を出ると風の強い日本海側に近づき、雪も減ってきます。

 

この日は雲が低かった為見られませんでしたが、晴れた日には標があるように利尻富士も現れます。

 

日本海を見ることもでき、宗谷本線で唯一海を見られるところです。最後の景色がこの様なのは本当に素敵なもの。



しばらくすると街も出てきました。

こんなに大きな街を見るのは久しぶり、何時間も自然の中を走っていたのもあって感覚的には旭川と同じようなものです。

 

南稚内駅は稚内市の中心部、生活利用の方はここで降りることが多いです。

 

アザラシさんが指差してネタバレしていますが、ようやく終点、稚内駅です。

 

旭川から5940円、これほど長く乗り通しましたが全く飽きることはありませんでした。

 

高架を通って稚内駅に到着しました。

 

日本最北端の駅、稚内駅。遂にここまで来たなぁとしみじみ感じるものです。



今回は特急ではなく普通列車にこだわりましたが、やはりそれは正解でした。

車内では日々利用している方々の様子、生活を感じられ、各駅もしっかり見られました。
さらに各地からいらっしゃった方とお話できましたし、とても楽しいものです。

 

特急列車の旅はもちろん面白いですが、その土地を知るのならば普通列車に乗ることをオススメしたいです。

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やはり最果ての駅と言うのは線路がここで途切れているのが素晴らしいと思います。
ここで終わり、この先へは行けない、その満足感が気分を高揚させるものです。

 

今回もご覧いただき、ありがとうございました。

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