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【便利すぎ】超短絡ルートの徳島〜大阪高速バス 四国新幹線が通れない[2307美祢線(4)]

2023年7月13日

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本州と四国を繋ぐ唯一の鉄道橋である瀬戸大橋。岡山から四国各都市への列車が数多く行き交っています。 その中で徳島へ行く特急うずしお号は、高松〜徳島での運行が基本。岡山発着の便は1日2往復だけです。 &n ...

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四国の東岸に位置する徳島市。

明石海峡大橋と大鳴門橋により道路が繋がっており、関西との結びつきが非常に強いです。

本四連絡橋のうち瀬戸大橋にしか通っていない鉄道では、岡山まで行って大阪へ戻る非常に遠回り。

 

そこで便利なのが高速バスになります。岡山から山陽新幹線を使ったとしても、徳島〜大阪では高速バスの方が所要時間が短いです。

 

徳島〜大阪の公共交通機関では、ほぼ一人勝ち状態の高速バス。

その利便性と二度海峡を越える道のりをお楽しみいただけたらと思います。



大阪への高速バスターミナルは、JR徳島駅前ロータリーの一角に位置します。

ちょうど今回利用する、大阪行きの西日本JRバスがやってきました。

セブンイレブンもあるので乗車前の買い物も便利です。

 

徳島〜関西を結ぶ高速バスは、大きく2つのグループが運行しています。

一つが今回ご紹介するJRバスグループ、神戸方面へ毎時1本、大阪方面へ毎時1.5本、京都方面へ毎時0.5本程度運行しています。

 

一方でこちらは徳島バスグループ。

大阪方面へ毎時1本、神戸方面へ毎時1本、関西空港方面へ毎時0.5本程度の運行です。

これら両方を合わせると、特に大阪までは80往復以上1時間に3本走っていることになります。

料金はどちらも大人3800円です。



大阪まで鉄道で行く人はほとんどおらず、この運行本数からしても高速バスの強さを感じ取れます。

JRバスグループ運行便の中でも、運行会社は西日本JRバス、JR四国バス、本四海峡バスの3社あります。今回はJR西日本の子会社である、西日本JRバスでした。

 

インターネット予約で購入したため、確認画面を運転士さんに提示して乗車します。

4列シートであり、かなり明るい印象です。

 

また、窓側座席にはコンセントが備わっています。3時間もかかりませんが、これがあればかなり安心です。



15:45 徳島駅 発

今回は一番前の座席を確保しました。乗車率はあまり高くなく、徳島駅からは10人いないくらいでした。

 

ここから国道11号へ向かい、牟岐線の線路下をくぐります。

 

徳島駅のすぐ近くには徳島城跡があって、お堀や門が残っています。現在では徳島中央公園や庭園を楽しめる博物館などもあるようです。

 

更に進むと徳島大学の先、行きつけの快活CLUB横を通過しました。

以前ご紹介したことがありますが、徳島から和歌山では南海フェリーが運航されており、夜行便を利用する際ここでシャワーを浴びるのが便利なのです。

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徳島県を東西に流れる、吉野川を渡ります。

航空写真で徳島県を見てみると、吉野川流域は斧でサクッと切り込まれたみたいです。

 

ここで徳島ICが現れましたが、ここは一旦スルー。引き続き国道11号を走ります。



今切川を渡るところで、徳島市から松茂町へ入りました。

松茂町には徳島阿波おどり空港があります。徳島市から20分ほどで行けるため、中心市街地からのアクセスは比較的良い方かと思われます。

かつて伊丹空港から徳島空港にも航路が設定されていたのですが、明石海峡大橋の開通に伴い廃止されました。

 

松茂にて3人乗車されました。

高速バスの運行拠点として、松茂とくとくターミナルが整備されており、「バスの駅」としての機能を有しています。



徳島県最後の自治体、鳴門市です。

2022年春にオープンした、「道の駅くるくる なると」横を通過します。

鳴門金時やレンコンなどの特産物を中心に、交通結節点として立地の良さを活かした、食のテーマパークです。

 

JR鳴門線の教会前駅〜金比羅前駅で立体交差します。



鳴門ICまで来まして、ここから神戸淡路鳴門自動車道へ入ります。

国道11号はまっすぐ続いており、ここから自動車専用道です。

 

愛媛〜高松〜徳島を結ぶ高松自動車道との分岐点も兼ねており、このバスはもちろん神戸方面を選択します。

 

ここからは80km/hで走行します。

 

トンネルを抜けたところ、自動車専用道の傍に設置された高速鳴門で停車。鳴門市街から徒歩でバス停まで来ることができ、2人乗車されました。

 

撫養むや橋を渡って、大毛島へ。左に見えるのは県道11号で小鳴門橋です。



もうすぐ徳島県を離れそうなところ、鳴門北ICで降りました。

鳴門の観光地にも寄って、そこからの乗客を拾っていくのです。

 

千鳥ヶ浜越しには大鳴門橋が見えてきました。

 

最初に停車するのは、大塚国際美術館。各国の名画を複製した陶板を展示しており、将来実物を現地で鑑賞してほしいという願いが込められています。

大鳴門橋や明石海峡大橋完成後、人々に訪れてもらいやすいようこの立地に建てられました。

 

1人乗車されまして、来た道を戻ります。砂浜を間近に見られ、海で遊ぶ子供たちもいらっしゃいました。

 

アオアヲナルトリゾート前からは、1人乗車。天然温泉や釣り堀を楽しめる、ビーチ沿いの南欧風リゾートホテルです。



鳴門北ICから再び、神戸淡路鳴門自動車道に入りました。

大鳴門橋架橋記念館から伸びる歩道橋の下をくぐり、いよいよ大鳴門橋です。

 

四国と淡路島を結ぶ大鳴門橋は、1985年に開通しました。

将来的にはこの下に鉄道を通せる構造となっており、現在そのスペースは鳴門の渦潮を楽しめる遊歩道「渦の道」として活用しています。2028年度には自転車道にする計画が発表されました。

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渦潮は時間を合わせないと発生しませんが、バス車内から見られることはあるのでしょうか。

 

全長1629mの吊り橋を渡り、淡路島まで来ました。これにより徳島県から兵庫県へ入ったことになります。

 

四国の方へ突き出た鳴門岬上、平均台みたいに自動車道が引かれています。

こちらにも鳴門の地名が付いており、海峡周辺そのものに名前が付けられたことが分かります。

 

淡路島南西の南あわじ市、しばらくは山の中を切り拓いたところを走っていきます。

 

最初のICが西淡三原IC、一気に視界が開けて一面田んぼが広がっています。

 

洲本ICからは国道28号が接続します。

これは神戸市から淡路島を経由して徳島へ至る国道です。本四架橋以前は、廃止された淡路島から四国の航路と合わせ、海上国道でもありました。

 

淡路ICまでの最高速度は100km/hに上がっており、高速バスとしての本領を発揮します。

 

淡路島内にも高速鳴門みたいなバス停が設置されており、神戸からの淡路交通のバスがやってきます。

 

淡路島の東岸まで来まして、尾崎高架橋からは瀬戸内海を見渡すことができます。

 

海岸までぶつかった辺りにあるのが、室津PAです。その立地から播磨灘を眺められ、休憩場所として人気。

この下にはよく聞く「幸せのパンケーキ」本店があって、淡路島のお店とは知らず驚きました。

 

今度は西へ向かいまして、トンネルが現れるほど山がちに。

 

上下線で別の高架橋になっていたりと、天空の自動車道っぽい楽しみ方もできます。

 

今度は西岸まで来て、大阪湾が見えてきました。

こうしてみると淡路島を真っ直ぐ貫いているのではなく、結構カクカクしたルートです。

 

淡路SAに併設された淡路ハイウェイオアシスには大観覧車があり、これが本州と淡路島の目印です。



そして淡路島から本州に架けられた、明石海峡大橋です。

1998年に開通し、今日の本州と四国の移動を支える明石海峡大橋。

長さ3911m、中央支間1991mで、これは当時世界最長の吊橋でした。阪神淡路大震災により設計段階より1m伸びています。

 

当初は道路鉄道併用橋にする計画でしたが、社会情勢を背景に、道路単独橋での設計へ変えられました。

 

四国新幹線をここに通すこともできなくなり、関西〜徳島における高速バスの優位性は高い状態が続きそうです。



本州へ渡りまして、神戸市に入りました。

橋の付け根あたりに設置された高速舞子に停車し、ここで1人下車されました。

 

JR神戸線舞子駅、山陽電鉄舞子公園駅と接続しており、鉄道への乗り換えもできます。

大阪へ本当に急ぐ方なら、ここからJRに乗り換えた方が早く着ける場合が多いです。

 

高速バスは舞子トンネルを抜け、そのまま神戸淡路鳴門自動車道を走り続けます。

 

ちょうど今、第二神明道路北線が分かれていた垂水ICは、地図上で見るとかなり面白い形。

ぐるぐる渦を巻いて3方向へ分かれています。

 

そして神戸淡路鳴門自動車道の起点である神戸西ICまでは行かず、布施畑JCTで阪神高速へ向かいます。

 

布施畑料金所を通りまして、ここからは阪神高速7号北神戸線です。

 

新興宗教と間違えられる「しあわせの村」の看板をくぐります。

神戸市制100周年を記念してオープンした、総合福祉施設です。

 

神戸市北区の中心部で神戸電鉄有馬線も走る、すずらん台の近くを通っていきます。

 

そして箕谷JCTにて3度の直角急カーブを経て、32号新神戸トンネルに入ります。



路線延長8.5km中、8.1kmがトンネルの阪神高速32号新神戸トンネル。路線名がトンネルになっちゃっていますが、それがふさわしすぎる路線状況です。

これから走る南行きは第二新神戸トンネル、こちらの方が北行きよりも200mほど長いです。

 

途中、神戸市営地下鉄北神線と完全に並行しており、山を越える所はいつも一緒なのだなと感じさせられます。

 

新神戸駅出口が分かれていき、あちらを通れば新幹線の新神戸駅へ出られることに。こんなトンネルの真ん中に出口があるとは、あの駅がどんだけ山に挟まれているのか窺い知れます。

 

このバスは次の、神若出口を登っていきました。

 

久しぶりの地上の世界、鉄道で長大トンネルを抜けた後と同じ感覚ですが、道路で味わうことは少ないものです。



少しの間だけ生田川沿いの一般道を走りまして、ここからハーバーハイウェイに登ります。

ハーバーハイウェイは六甲アイランドからポートアイランドを結ぶ、港湾幹線道路。

埠頭間の交通円滑化を目的にしたほか、阪神高速5号湾岸線と3号神戸線を接続しています。

 

ハーバーハイウェイの入り口は、赤い摩耶大橋から始まりました。

 

渡った先の摩耶埠頭料金所で、支払いとなるようです。

 

左手にはずっと兵庫の街が並行しており、今走っている道路が埠頭を渡り歩いていることの証明です。

 

真正面に六甲山が見えたりと、本州との繋がりも見せつけてくれました。

 

高羽ランプ周辺には製鋼所が広がっているようで、それにピッタリの色をした橋を渡ります。

 

六甲山へ向かうハーバーハイウェイを住吉浜JCTで離れ、ここから阪神高速5号に入ります。



JCT周辺は少しだけ渋滞していたのですが、それを抜ければスムーズです。

阪神なんば線を思わせる、丸っこい防音壁に囲まれながら走り抜けます。

こういうところを走ると真空リニアみたいな、近代交通を連想しちゃいますね。

 

尼崎市の臨海工業地域を左手に、兵庫県最後の街に見送られます。

 

中島川橋を渡るところで、遂に大阪府へ入りました。



阪神高速5号線で埠頭を渡り歩いてきましたが、いよいよ大阪の中心部へ。

いろいろ道路も分かれ始めてきました。

 

橋を渡ったところで左手に注目、ユニバーサルスタジオジャパンもすぐ近くに見られます。



その直後、OsakaMetro中央線の大阪港駅が近い天保山JCTへ。

ここから阪神高速16号大阪港線に入ります。

 

フェリーターミナルかと思うようなデザインですが、朝潮橋PA横を通過。「キッチン田 朝潮食堂」では大きな30センチのカツがのった、わらじカツ丼が有名です。

 

本町駅近くの西船場JCTより、阪神高速13号東大阪線へ。

 

少し進んだ東船場JCTからは阪神高速1号環状線に入ります。

 

高津JCTで阪神高速15号堺線へ入り、これで自動車専用道は終わりです。



湊町出口を降りました。

高速バスはそのまま左へ入り、JRなんば(湊町バスターミナル)に到着します。

 

ここでは7人降りられました。

JR難波駅と接続しており、OCAT(大阪シティエアターミナル)というバスターミナルになっています。

 

そのまま下へ降りまして、大阪市道南北線を北上します。

 

グリコの看板がある近くではありませんが、道頓堀川を渡りました。

 

さっき通っていた西船場JCTの下を潜っており、都市部における立体感を認識させられます。

 

この通りには多くのビルやお店やチェーン店が立ち並んでおり、大阪の中心部という印象をこれでもかと植え付けられました。



そして正面には大阪駅が見えてきました。

とにかく駅ビルから流れ落ちてくる、大屋根が特徴的。ヨーロッパの駅という印象が非常に強いです。

 

その下にあるのが、大阪駅JR高速バスターミナルです。大阪駅と完全に直結しており、乗降は非常に便利となっています。

 

18:39 大阪駅JR高速バスターミナル 着

徳島駅からの所要時間は2時間54分、3時間足らずで大阪駅に着いてしまいました。

 

岡山から山陽新幹線に乗り継いでも、同じくらいの所要時間。料金的に考えても高速バスの圧勝です。今回全区間乗り通してみて、その利便性の高さを実感させられました。

ぜひ東側から徳島へ行き来される際は、こちらを利用してみてください。

 

今回もご覧いただき、ありがとうございました。

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