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【特急を失った街】新幹線に対抗したコスパ重視高速バス(小諸~バスタ新宿)乗車記

 

こちらは旧信越本線・しなの鉄道とJR小海線の乗換駅、小諸駅です。

1997年に長野行き新幹線(北陸新幹線)が開通する前、上野~長野を結んだ特急あさま号は全て停車していましたが、新幹線のルートには選ばれず普通列車が停まるだけです。

 

これによって寂しくなった町として扱われることが多いのですが、奥の方へ進めば地方の特急停車駅ぐらいの風景は残っていました。

 

古さを感じる駅前ストリートですが、しばらく進むとガーデニングされた明るい区画も。2015年に新しくなった市役所周辺は、華やかな印象です。

 

小諸から東京への最速ルートは、小海線で佐久平駅まで行って北陸新幹線に乗り換え、もしくはしなの鉄道で軽井沢駅まで行って北陸新幹線に乗り換えです。

在来線の信越本線も物理的に線路が途切れているため、唯一東京まで乗り換えなしで行ける手段が高速バスです。今日は駅にも堂々と掲げられているこの看板、ジェイアールバス関東の小諸~バスタ新宿を結ぶバスに乗車します。



高速バスは小諸駅前のロータリーからの出発です。

軽井沢駅から小諸・上田を経由して京都・大阪を目指す夜行バスもありまして、今後エクストリーム通学で使うことがあるかも…。

 

今回乗車するジェイアールバス関東のバス乗り場は、駅目の前です。

 

本数は11往復設定されていたのですが、新型コロナウイルスの影響で5往復にまで減便。外国人観光客が増えてきたので、今後戻ってくるかもです。

大人片道2650円で、1日前までの予約で2520円、学生割引は設定されていません。佐久平駅経由で北陸新幹線を使って東京まで行く場合、自由席で5930円となります。



1日1往復だけの高峰温泉から直通し、小諸駅に到着。

予約画面を運転士さんに見せまして、車内へ入ります。

 

高級チョコの包装紙みたいな柄をしたリクライニング座席。床が木目調になっているのにも温かみを感じます。

 

USB電源も備わった便利な設備。高速バスと競争し合う在来線特急にはコンセントが無いことも多いですが、バスでは当たり前のこと。

北陸新幹線のE7/W7系では全席にコンセントがあるので安心です。

 

足元も窮屈でなく、余裕を持った空間が確保されていました。小諸の時点で乗車率は3割くらいです。



17:10 小諸駅 発

やっぱり駅を降りて最初にこの景色を見てしまうと、第一印象が「寂しい町」になってしまいそうです。市役所周辺の明るい雰囲気をこちら側にも寄せてもらえたらと思います。

 

ジェイアールバス関東小諸支店前でも乗車可能です。建物や洗車機辺りが新しく 見えますが、2018年に移転したそう。

 

小諸からはJR小海線と同様、佐久市へ南下します。



北陸新幹線ルート決定の際、小諸市と新幹線駅を競り合った佐久市。

駅周辺にはイオンモールやロードサイド店舗がたくさん集まっていて、その繁栄ぶりから地方の新幹線途中駅の成功例として扱われます。

 

便利な北陸新幹線が便利な佐久市ですが、高速バスの安さのため佐久平駅から乗られる方もいらっしゃいました。これで4~5割くらい埋まる程度です。

 

佐久平駅は北陸新幹線の上をJR小海線が交差する、ローカル線から新幹線を見下ろせるちょっと特殊な構造の駅です。

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JR小海線の岩村田駅前にも停留所が設置されています。佐久平駅から1km足らずのところに位置しますが、従来から栄えていたエリアのようです。

 

そして佐久ICを目指しますが、IC周辺も佐久平駅周辺と共に新しく開発された地域です。



佐久ICから上信越自動車道を走り始めました。

佐久市は逆三角形をした佐久盆地に位置しており、他の自治体を含め佐久平と呼ばれます。新幹線の駅名に「佐久平」が採用されたのは小諸市と佐久市が駅名で揉めた際、決定権を託された長野県知事が地域全体を指す地名として選んだからです。

 

佐久平PAにはハイウェイオアシスがあって、あのエスカレーターを登った先では温泉から佐久平を一望できるそうです。

 

八風山トンネル内で、長野県から群馬県に入ります。

信越本線の県境、横川~軽井沢には碓氷峠があり、国鉄一の急勾配を有していました。EF63形電気機関車との協調運転で峠越えしていたのですが、新幹線開業に伴い役割を終えて廃止されています。

当時、機関車付替のために横川駅で停車していたのですが、そこで販売されていたのが有名な「峠の釜めし」です。

 

横川SAは横川駅から直線距離で400mと、割と近い所に位置します。

と言っても徒歩で一般道からアクセスする方法は無いようなので、到達はできません。

 

暗い中でも街灯や車の光に照らされて、交差する上越新幹線の高架橋が浮かんでいました。

 

藤岡JCTで上信越自動車道を終え、関越自動車道に入ります。



埼玉県に入りまして、上里SAで休憩です。

峠の釜めし「おぎのや」売店がありましたが、営業時間は17時までなのでこの便では間に合いません。時間が合えばこの辺りのSAでも売っているので、割と簡単に手に入ります。

 

埼玉県から東京都にかけて、関越自動車道を奔走します。

 

練馬ICは関越自動車道の起点のため、料金所が品川駅の自動改札並みにズラッと並んでいました。

 

西武各線や大江戸線が集まる、練馬駅が東京に入って最初の停留所です。

 

続いて中野坂上駅でも下車可能、丸ノ内線への乗り換えもできます。

 

原色、二次色の看板が輝く街並み、新宿の中心部まで到着しました。



20:17 バスタ新宿 着

ちょうど各地から旅行帰りのお客さんが集まる時間帯でした。色んなバス会社さんが降り場の3階目指して登っていきます。

 

小諸から東京まで一本で行けるのは利点で、何よりも2650円という安さには惹かれます。一方で、高速バスの所要時間はバスタ新宿まで3時間7分、新幹線だと東京まで1時間45分と1時間以上の差です。

やっぱり新幹線の速さには驚かされましたが、高速バスという選択肢の存在は大きな意味を持ちます。時と場合によって手段を使い分けられると良いですね。

 

今回もご覧いただき、ありがとうございました。

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