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【雨だったらどうなる?】夜の観光列車・HIGH RAIL1375星空乗車記

2022年9月4日

 

こちらは日が落ちつつある、中央本線の小淵沢駅です。

ここからは日本一高いところを走るJR路線、小海線が伸びてます。

 

最高地点である標高1375mをもじって、観光列車「HIGH RAIL 1375」を運行。今回は夜間に走る「HIGH RAIL1375星空」に乗車します。

 

駅舎屋上にある展望デッキには、小諸から到着して待機中の列車の姿。

 

本来は素晴らしい山々の景色を望められるのですが、今日は雲が厚くなっています。HIGH RAIL1375星空では野辺山駅にてしばらく停車し、星空観察をできるのですが、こう雲が一面になっていては、星空は見えません。

このように天候が優れない日、どのような楽しみが待っているのでしょうか。



HIGH RAIL1375では車内にてお弁当や軽食を販売していません。

そのため、乗車前にお腹を満たしておいたほうが良いです。駅には立ち食い蕎麦屋さんがあります。

 

また、1階にはお土産屋さんがあって、ここで駅弁を買うことも可能。ただし小淵沢駅の駅弁は人気なので、この時間帯では大分少なくなっています。

 

ホーム上には既に列車が停車中。大きなヘッドマークが特徴的です。

 

HIGH RAIL仕様の駅名標には、小海線が走る山々と綺麗な星空を描いています。

列車の側面のデザイン、男子小学生がお母さん任せにして買ってこられた、ペンケースとか習字カバンみたいなデザインをしてました。



出入り口は2号車の連結面側だけです。発車10分前頃にドアが開きます。

こちらは1号車。かなり特徴的な座席配列となっています。座席は乗車日くらいに空き始める感じ、特に1号車の方が人気でした。

 

今回利用するのは一人座席のシングルシートです。

進行方向に向かってななめ45°、高原の景色を楽しませてくれます。

 

反対の進行方向右側には、2人がけのペアシート。

間に肘掛けも無く、2人での旅行にもおすすめです。

 

2区画だけなので取るのは大変でしょうが、4人がけのBOXシートもあります。

 

車両の間にはお手洗いも備わっています。手を洗うだけなら、外側に直接ついているというのも特徴的。

 

2号車は通常のリクライングシートになっています。

HIGH RAIL1375の指定席料金は840円と、通常よりも割高です。それでも青春18きっぷ等で乗れるのがありがたいところ。



HIGH RAIL星空では野辺山駅でしばらく停車し、星空観察を楽しめます。

ただし今日は曇りバージョン、2号車にて星空の映像上映会に差し替えられています。

扉近くの上映会整理券を受け取っていくシステムです。

 

上映会が行われるのは、ここギャラリーHIGH RAIL。沿線の星空案内人という方から、解説をしていただけます。



18:17 小淵沢駅 発

星の舞台となる夜空へ変わる頃、列車は小淵沢駅を出発します。

 

発車直後は後面の運転席周辺に立ち入れず、急カーブの盛土を駆けていく様子をここからは楽しめません。

 

しかし側面からでも、景色が回転していくような車窓が非常に面白いです。

 

小海線に入ると街がだんだんと消えていきます。それでもコテージみたいな宿泊施設が点在しており、その灯を僅かに捉えられました。

 

とは言っても基本的には森の中を走るため、左右は真っ暗です。



発車10分ほど経って、物販カウンターがオープンしました。営業は中込駅到着の20:41までです。

販売しているのはHIGH RAIL1375グッズと、お菓子類。冒頭でもお伝えした通り、お弁当や軽食はありません。

 

その他、ソフトドリンクやアルコール類は豊富に取り揃っていました。

 

小淵沢駅で買っておいた富士北麓蒸留所ハイボールを、車内で購入したアップルシナモンかりんとうと共にいただきます。

りんごをピューレにして練り込んでいるので、柔らかめの食感とりんごの風味がピッタリです。

 

甲斐大泉駅で反対方向の列車と行き違い。2両編成で数人立ち客が出るくらいの混雑率でした。

 

星空案内人の方から、国立天文台野辺山宇宙電波観測所のパンフレットと共に、星空についての解説をしていただきました。

 

18:44 清里駅 着

バブル期には軽井沢と並んで、避暑地として人気でした。現在では廃墟化したところも多くなっています。



列車名の1375は、JRの最高地点にちなんだもの。清里〜野辺山駅の県境を越えた先にあります。

当然真っ暗で見えず、肉眼ならわずかに碑がわかる程度。それにしても、標高についてアナウンスで全く触れないとは驚きでした(笑)

 

18:53 野辺山駅 着

ここでは50分ほどの停車時間があります。この停車時間の間に、晴れているなら星空観察、曇りなら車内で星空上映会を楽しめます。

 

2両編成の青い列車は、まるで真っ暗な夜空から降りてきたみたい。

 

野辺山駅の標高は1345.67m。JRで最も標高の高い駅です。

 

駅舎を出てみると辺りは真っ暗。駅舎自体も駅名すら分からない状態になっています。

 

駅舎内の天井にはある仕掛けがされています。

 

天井にフラッシュを炊いて写真を撮ると、星座が現れるのです。たまにこういうの見ますけど、見えてなかったものが見えるようになるのって単純に面白いですよね。

設定をそのままにして、列車を撮影しないように気をつけましょう。

 

他にも待合室には遊び心満載な展示。

また、この駅はJR東日本が取り組む「エコステ」のひとつ。環境にも優しい駅となっています。



それではHIGH RAILギャラリーの星空上映会へ。

車内での星空上映会は、全5回に分かれています。

 

整理券の時間に合わせて2号車のギャラリーへ向かいます。

 

上映会は、ちゃんと丸みを帯びた天井に映し出されて、本当にプラネタリウムのようです。

 

短くてシンプルな内容でも、とても綺麗な星空を楽しませてくれました。

 

19:42 野辺山駅 発

長い停車時間を終えまして、列車は野辺山駅を出発します。



夜汽車の旅ということで、ここで一杯。

小淵沢駅にて買ってきたのは、「信州おとなの牛めし」です。車内販売の軽井沢ビールとともにいただきます。

 

炭火焼きの牛肉は柔らかく、胡椒も効いていて美味しいです。ご飯はわさび菜入りで、山菜らしい食感も良い!

 

途中通過する駅も、なんだか良い雰囲気の駅舎ばかり。小海線のイメージぴったりです。



20:14 小海駅 着

まるで教会のような駅舎、とても大きくて町のシンボル的な存在感です。

 

20:22 小海駅 発

暗闇の中、浮かぶようにいる観光列車も、情緒溢れます。

 

小海町周辺の明かりは千曲川に移り、これだけ切り取っても街感がありますね。

 

光の位置からして、住宅が山の上まで続いているのが、よく分かります。



20:41 中込駅 着

佐久市に入りまして、中込駅に到着。

小海線営業所が併設されていて、小海線の車両はすべてここに所属します。

 

ホーム上では夜でありながら、駅員さんにお見送りしていただきました。

 

他にもご家族で見に来られたのでしょうか、手を振って見送っていただきます。

 

佐久平駅周辺は非常に栄えておりまして、街の明るさも段違いです。

 

北陸新幹線の乗換駅であり、小海線は新幹線の上を交差。ちょうど新幹線が入線してきて、車両を真上から見られました。

 

旧信越本線のしなの鉄道と並走し始めたところ、乙女駅を通過。

 

下に目を下ろすと、複線電化された立派なしなの鉄道の線路を見られます。

 

小諸市は長野行き新幹線開業前、特急が停車していた主要駅。新幹線のルートからは外れましたが、十分立派な町並みです。

 

ホームにて既に、昔ながらの115系電車が停車中。しなの鉄道と言ったらこのデザインでしょうか。

 

すると、同じくしなの鉄道の115系電車がヌッと入線してきました。ちょうど同時の到着です。



21:02 小諸駅 着

星空が見えなかった点は残念でも、車内での星空上映会で観光列車としては十分に楽しませてくれました。

また昼間の便に乗って、小海線の景色をどう見せてくれるのか、その点も気になるところです。

 

座席予約の観点から天気に気をつけて、というのは難しいかもしれませんが、できるだけ天候に恵まれる時期に星空を楽しめると良いですね。

 

今回もご覧いただき、ありがとうございました。

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