(白衣鉄道さん
https://twitter.com/Lab_coat313/status/1384271384264601602?s=19より)
肥前山口駅と言えば最長片道切符の旅のゴールとして非常に有名な駅。
そんな馴染みのある駅の名前が変わるというのは非常に大きなニュースです。
この改名は最長片道切符にあやかり、稚内→江北として認知度を高めようとしていると考えられていますが、実際には違うようです。
今回は一体なぜ江北町は駅名の改称を要望したのか、また肥前山口駅と最長片道切符に関して振り返ってみたいと思います。
最長片道切符とはその名の通り、最も遠回りの経路を選択し、国内で最も長い距離を行く乗車券です。
そのためルートは変わる可能性が十分にあります。
肥前山口駅が最長片道切符に初めて名を連ねたのは、1989年5月1日のこと。名寄本線と天北線が廃止されたことでルートが変更、様似→肥前山口の乗車券になりました。
更に1995年9月5日、深名線が廃止されたことで稚内→肥前山口に変更。
肥前山口駅は30年以上に渡って最長片道切符の終着駅だったのです。
しかし駅名の改称に関係なく、まもなくその役割を終える事が予想されます。
まず1つ目に根室本線(富良野〜新得)廃止の危惧です。
現在台風の被害によってバス代行が続く東鹿越〜新得。それを含む富良野〜新得が廃止された場合、最長片道切符は大町(肥前白石)〜長万部となります。
また、根室本線が存続された場合でもルートが変更になるもう一つの出来事があります。
それは九州新幹線西九州ルートの開業。
2022年秋に武雄温泉〜長崎が開業すると最長片道切符は20km近く距離を伸ばし、終着駅は新大村駅となります。
これは江北町は最長片道切符にあやかった町名のPRはでき無いことを意味します。
(Soramimi-Ownwork/CC BY-4.0
https://commons.m.wikimedia.org/wiki/File:Hizen-Yamaguchi_Station_20160807-1.jpg#mw-jump-to-license より)
しかし恐らく江北町はそれを問題視していないと思われます。
今回、肥前山口駅が江北駅に変わるのは2022年秋の新幹線開業と同日と発表されました。つまり最長片道切符の終着駅に江北駅はなり得ないのです。
おそらく江北町が求めていたのは「最長片道切符の終着駅の駅名が変わる」と大きくニュースに取り上げられる当にこの状況でしょう。
また、結局新幹線開業で終着駅も変わってしまうし、鉄道ファンにも影響は少ないということも考えてくれているのかも知れません。
かなり慣れ親しんでいた『肥前山口』の駅名が無くなるのはかなり寂しいことではあります。
しかし、この選択が江北町にとってメリットがあるものになってくれれば嬉しいです。
今回もご覧いただき、ありがとうございました。