JR西日本 近畿

最長じゃなかった! ICOCAエリアで785km,19時間の大回り【後編】

2021年4月21日

前編
ICOCAエリアで長大大回り! 19時間以上改札内に閉じ込められてきた【前編】

    交通系ICカードを利用できるエリアは年々拡大を続けています。 2021年春のダイヤ改正では関西本線や北近畿においてICOCAを利用できるようになりました。 そんなICOCA ...

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前回は柘植駅から草津線で草津駅までやって来ました。

草津駅のホームには日中でありながら多くのお客さんが集まります。

次は東海道本線で米原方面へ向かうのですが、この草津駅には構内に大きなセブンイレブンがあるので、ここにしばらく滞在することにします。

大回り乗車をする上で、ここはかなり重要な拠点でしょう。

 

それでは東海道本線に乗車するため5番線ホームへ。入口のところには5000兆円フォントの看板が立っていました。

東海道本線/北陸本線 新快速 近江塩津行き

草津1421→1534近江塩津

この列車は東海道本線から北陸本線へ直通する列車です。

 

野洲駅の近くには野洲電車区があって、新快速などで使用される車両が集まります。

これもあって野洲行きや始発の列車が運行されているのです。

 

特急しらさぎが隣に現れたところで米原駅に入線。

 

更にJR東海のオレンジ車両が現れると、改めて米原だという実感がわいてきます。



ここまで12両編成でやって来ましたが、後ろの8両は米原で切り離されます。

解結作業を行うと同時に先行の特急しらさぎを見送り、列車は北陸本線へと入りました。

 

北陸本線の長浜はこの列車のように新快速が関西圏から直通したことで、周辺の観光する方も増えた場所です。

 

しばらくは田んぼの広がる景色が続いていましたが、余呉駅では奥に琵琶湖から切り出されたような湖、余呉湖が見えています。

 

近江塩津駅の手前では長いトンネルを貫き…

 

暗闇を抜ければ左手にはまるで新幹線の高架、湖西線が見えてきます。

 

終点の近江塩津駅に到着しました。

 

最近この駅には新しくプラットホームができたようです。

地下の通路にはつながっておらず、お客さんが利用する訳では無いので特に情報はありませんでした。



湖西線/東海道本線 新快速 姫路行き

近江塩津1540→1657京都

続いては湖西線に乗車、再び東海道本線へと戻りましょう。

 

湖西線は踏切を一切作らず、高速化に特化した路線。ぐんぐんと速度を上げて高架の上を走っていきます。

 

更に山をまっすぐ貫くトンネルの中は轟音を立て、非常に迫力があるものです。

 

一時は121.8km/hまでになっており、GPSで計測できないトンネル内はもっと速そう!

 

カタカナ駅名で有名なマキノ駅に到着。1974年の開業当時、国鉄のカタカナ駅名は他に北海道のニセコ駅だけでした。



この日は天気が悪かったのであまり綺麗に見えませんでしたが、真横には琵琶湖が見えています。

高速でさらに景色が良いというのも湖西線の魅力です。

 

山科駅との間のトンネルを抜けて東海道本線と合流。

 

京都駅に到着しました。ここからは山陰本線に乗ります。



山陰本線 特急きのさき13号 福知山行き

京都1728→1852福知山

乗車するのはこちらの特急列車です。

 

改札内でもみどりの券売機があるので特急券は当日購入することもできますが、今回は一応あらかじめ買っておきました。

 

これまでずっと普通の列車に乗ってばかりだったので、足元広々特急の快適さを再認識することになります。



京都を発車してすぐ梅小路公園に沿って北へカーブ。

高架線を走りながら二条駅に到着しました。

金沢駅のような大きな屋根がホームを覆い、ここからもお客さんはそれなりに乗車、自由席はすべての区画が埋まることになります。

 

嵯峨嵐山駅を通過、ここからは山陰本線の旧線を活用したトロッコ列車も走ります。

 

一方こちらは新線のトンネルへ。かつてくねくねと走っていた区間を突き抜けていくところです

 

途中の灯り区間では非常に高い所を走っていることが分かり、眼下には蛇行する川を見られます。

 

山がちであった区間を抜けて平地を走っていると次に停車するのは亀岡駅。

駅の近くには京都らしい雰囲気のある屋根が特徴的な、サンガスタジアムが現れます。

 

園部駅から先は単線区間となっているため、特急停車駅でなくても運転停車が行われました。

 

段々と日が暮れてきて、山の中が白くモヤモヤとしているのも幻想的です。

 

舞鶴方面への乗換駅、綾部駅に到着しました。ここで半分くらいの方が下車していかれます。

 

そして列車はライトアップされた福知山城を見ながら終点へ。福知山駅に到着しました。

 

福知山駅には今回のダイヤ改正でICカード付きの自動改札機が設置されたばかり。

今回のような大回りができているのはこのおかげなのです。



山陰本線 特急こうのとり17号 豊岡行き

福知山1901→1929和田山

続いても特急列車に乗車して山陰本線を進んでいきます。

 

福知山駅で別の特急列車を乗り継ぐ場合、特急料金は通算されるので、特に損にはなりません。

 

このあたりの山陰本線は単線区間。しかし京都丹後鉄道の線路が隣り合っているため複線みたいに見え、途中ではJRは停まらない駅の横を走っていきます。

 

もう車窓は真っ暗、特急列車の車内が映るばかりになってしまいました。



和田山駅に到着。

和田山駅と言ったらこれ、旧・和田山機関庫です。

屋根も骨組みがむき出しになっていますが、レンガ造りの古さを感じさせる素敵な建物になります。

参考
大回り中に特急列車 夕暮れの中『きのさき・こうのとり』で北近畿へ

  この日はICOCAの大回りで京都駅にやって来ました。 これから乗車するのは山陰本線の特急列車です。   山陰本線は京都~山口県の下関まで日本海周りで結ぶ、日本最長の路線。 京都 ...

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播但線 普通 寺前行き

和田山1937→2029寺前

和田山駅からは播但線に乗り換え、やってきたのはキハ40系です。

 

この列車には関西本線のように、列車内にICカード読み取り機がついている訳ではありません。

 

一方で各駅には簡易ICOCA改札機が設置されています。

 

しかし中にはこれまで通り、ICOCAが使えない駅もありました。

 

これは播但線全ての駅がICカードエリアになった訳では無いためです。

寺前から北の区間についてはお客さんの多い生野、竹田駅のみ利用が可能になります。

 

基本的に真っ暗な中を走りますが、ぱっと明るくなったところで現れたのは播但連絡道路。

2000年には全線が開通しており、播但線の存在を危うくする道路です。

 

生野駅では1日1本だけ鳥取まで行く、気動車特急はまかぜと行き違いを行います。

 

終点の寺前駅に到着。結局最後まで乗っていたのは僕含め2人だけ、しかも生活利用者ではありませんでした。



播但線 普通 姫路行き

寺前2039→2122姫路

寺前駅からは電化区間、103系による運行です。播但線には古い列車がたくさん集まっています。

 

ドア上の広告スペースには手作り感満載、電車ごっこをしている様子の路線図が飾られていました。

 

寺前から先については2016年から既に全ての駅でICOCAの利用が可能です。

 

姫路駅が近づいてくると町も段々明るくなってきました。

 

終点に到着、奥には揖保乃糸の看板が小さく不気味に光っています。

 

姫路駅の播但線ホームとの間には中間改札があります。

しかし和歌山駅の時とは違って有人改札がありますので、大回りだという説明さえすればスムーズに通してくれるのです。

 

姫路駅と言ったら駅ホーム上の駅そば。首都圏で言えば我孫子駅のからあげそば位人気があります。

 

が、残念ながら21時で閉まっていました…。



東海道本線 新快速 野洲行き

姫路2136→2232尼崎

 

特急には及びませんが、やはり西日本の列車は快適、足元広々です。

 

明石駅に停車中、列車からは青くライトアップされた明石城が見えます。

明石海峡大橋は右手で昼間には海も見られますが、左側も必見です。

 

さらに神戸の中心に位置する三宮周辺の都会はきらびやかで、線路沿いにはまさに大都会の景色が続いていました。

 

さて、下車したのは兵庫県最後の尼崎駅。

ここからはピンクラインに乗り換えです。



JR東西線 普通 四条畷行き

尼崎2244→2308鴫野

 

兵庫県と大阪府の境、神崎川を渡り、JR東西線はすぐに地下へ入っていきます。

 

北新地駅は大阪駅のすぐ近くですが、同じ駅とはなっていません。

今回は関係ありませんが、大阪駅ではないおかげで大回りの選択の幅が広がります。

 

京橋駅からは地上に上がって来ました。

 

放出まで行ってしまうと2度目になってしまいますから、鴫野駅で下車します。



おおさか東線 普通 新大阪行き

鴫野2319→2332新大阪

いよいよこの旅も終盤を迎え始めてきました。明るいうちにも乗ったおおさか東線に乗車します。

 

放出~新大阪については2019年に開業した、特に新しい区間。都心ということもあって乗換駅も多く、JRを冠する駅名が沢山あります。

 

終点の新大阪駅で東海道本線に乗り換えです。



東海道本線 快速 野洲行き

新大阪2337→0012西大路

いよいよやって来ました、こちらが大回りで最後の列車です。

 

野洲駅へ行く終電の列車で、会社帰りの方々が多く乗車されています。

 

大阪から京都に入るころにはもう完全に疲労困憊。

流石に19時間以上もぐるぐる乗り続けたら疲れます。

 

遂にはゴールの駅が表示されました。いよいよこれで丸一日かけた移動も終わるのかと、何となく達成感が湧き始めてきます。

 

しかし今日乗ってきた列車は全て日常走る列車ばかり。

普通の列車だけでもこんなに楽しめる、そんな遊びを副作用として生み出したICカードの制度には感謝しかありません。

 

西大路駅に降り立ちました。

 

列車はこの後京都方面へ。これを乗り過ごすと京都駅で同じ駅を2度通ったことになってしまうので注意が必要です。

 

さて、それではこのモバイルSuicaを改札にタッチしますが…

 

まあ、予想通り改札は通れませんでした。

有人改札でルートを説明して、大阪城公園〜西大路の810円が引き落としてもらいます。

 

19時間ぶりにようやく改札の外へ脱出できました。この駅を発車する列車はあと1本だけです。

 

朝早く起きてから関西地区をぐるぐる回って、確かに疲れました。

しかし色んな景色を見て、色んな列車に乗れて、こんなに楽しいことは無いのかなとも思います。



今回通ったルートがこちら。

総延長は785.4kmに及び、これは東京から広島県福山市までに匹敵します。

 

今日の行程はこちら

大阪環状線 鶴橋・天王寺方面行き
大阪城公園0505→0517天王寺

阪和線 関空快速 関西空港行き
天王寺0525→0558日根野

阪和線 普通 和歌山行き
日根野0613→0643和歌山

和歌山線 普通 王寺行き
和歌山0649→0920王寺

関西本線 大和路快速 天王寺行き
王寺0931→0944久宝寺

おおさか東線 新大阪行き
久宝寺0951→1006放出

学研都市線 快速 木津行き
放出1026→1117木津

関西本線 大和路快速 加茂行き
木津1128→1134加茂

関西本線 普通 亀山行き
加茂1142→1238柘植

草津線 普通 草津行き
柘植1301→1347草津

東海道本線/北陸本線 新快速 近江塩津行き
草津1421→1534近江塩津

湖西線/東海道本線 新快速 姫路行き
近江塩津1540→1657京都

山陰本線 特急きのさき13号 福知山行き
京都1728→1852福知山

山陰本線 特急こうのとり17号 豊岡行き
福知山1901→1929和田山

播但線 普通 寺前行き
和田山1937→2029寺前

播但線 普通 姫路行き
寺前2039→2122姫路

東海道本線 新快速 野洲行き
姫路2136→2232尼崎

JR東西線 普通 四条畷行き
尼崎2244→2308鴫野

おおさか東線 普通 新大阪行き
鴫野2319→2332新大阪

東海道本線 快速 野洲行き
新大阪2337→0012西大路

19時間以上かけてこの大回りを実行しましたが、帰ってきた後に衝撃的な事実が。

 

なんとこれが最長ではなかったのです…。



今のところ分かっている上で最長のルートがこちら。

大阪環状線 大阪・西九条方面行き
桜ノ宮0451→0517天王寺

阪和線 関空快速 関西空港行き
天王寺0525→0558日根野

阪和線 普通 和歌山行き
日根野0613→0643和歌山

和歌山線 普通 王寺行き
和歌山0649→0920王寺

関西本線 大和路快速 天王寺行き
王寺0931→0944久宝寺

おおさか東線 新大阪行き
久宝寺0951→1006放出

学研都市線 快速 木津行き
放出1026→1117木津

関西本線 大和路快速 加茂行き
木津1128→1134加茂

関西本線 普通 亀山行き
加茂1142→1238柘植

草津線 普通 草津行き
柘植1301→1347草津

東海道本線/北陸本線 新快速 近江塩津行き
草津1421→1534近江塩津

湖西線/東海道本線 新快速 姫路行き
近江塩津1540→1657京都

山陰本線 特急きのさき13号 福知山行き
京都1728→1852福知山

山陰本線 特急こうのとり17号 豊岡行き
福知山1901→1929和田山

播但線 普通 寺前行き
和田山1937→2029寺前

播但線 普通 姫路行き
寺前2039→2122姫路

東海道本線 新快速 野洲行き
姫路2136→2232尼崎

JR東西線 普通 四条畷行き
尼崎2244→2308鴫野

おおさか東線 普通 新大阪行き
鴫野2319→2332新大阪

東海道本線 快速 野洲行き
新大阪2337→0012西大路

総延長793.1km

今後またさらに長い、1日で可能なICOCA最長大回りのルートは判明しそうですから、その都度上記の部分を更新していきたいと思います。

実際最長ではなかったのはかなり残念でしたが、さらに距離を延ばせることも考えられます。その時にはリベンジしたいところです。

 

今回もご覧いただき、ありがとうございました。

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