日本の南国、宮崎県。今日は宮崎が一段とアツくなる日です。
9月7日・8日、宮崎市で日向坂46の「ひなたフェス」が開催されました。
場所は宮崎県総合運動公園、最寄駅はJR日南線の木花駅です。
ローカル線として知られる日南線ですが、多くの来場客を輸送しなければなりません。
臨時快速を増発し、普段の3倍まで本数を増やします。
遂には観光列車まで出動。普段特急として走っている車両が、快速になるイレギュラー対応です。
普段は本数の少ないローカル線。一体どのように姿を変えるのでしょうか。
まずは宮崎駅の隣駅、南宮崎駅へ。
こちらには9月7日・8日に設定される臨時列車を含めた、時刻表が掲載されていました。
まずは会場へ向かうための臨時列車、快速青島行きに乗ってみましょう。
発車標でも「臨時快速」との表記がなされていました。
ちょうど3番線ホームに列車が到着。
この臨時快速は青島〜南宮崎に設定されており、折り返し青島行きになります。
途中の停車駅は、木花駅と青島駅のみ。
観光特急「海幸山幸」も停車する、田吉駅も通過してしまいます。
そして前面の幕式表示器には、特別な「臨時快速」の幕が差し込まれていました。
「ひなたフェス」「日向坂46」のロゴマークが入った、2日間限定のものです。
さらに、側面の行先を示すサボにも、特別に差し込みが行われています。
通常、日南線の普通列車は2両編成ですが、今日は3両編成での運転。
足元には即席で乗車位置案内が貼ってありました。
後ろ寄り2両については、白地に青帯のよく見る配色。
こちらに関しても同様に、特別な幕やサボが入れられていました。
16:41 南宮崎駅 発
隣接する車両基地を横目に、臨時快速青島行きが出発。南宮崎駅から始まる日南線を走ります。
ドアは開かない通過駅扱いですが、田吉駅で運転停車。
日南線は線路1本だけの単線路線。宮崎空港線からの普通列車と行き違いました。
田吉駅からは宮崎空港線が分岐しています。
日南線はここまで電化区間でしたが、ここからは非電化区間です。
3両編成繋いでいますが、夕方の時間では各区画に1組くらいの乗車率。
1日行われているフェスのうち、ライブ開演時間は17時。
ライブ目的だったとしても、この列車で会場を目指す方は少ないのでしょう。
途中の南方駅を通過しまして、次は会場最寄駅となっている木花駅。
まもなく木花駅に到着するところ。車掌さんによって、「ひなたフェス2024会場最寄駅」との案内含めた肉声放送がされます。
左手には宮崎県総合体育館が見えてきました。
16:53 木花駅 着
定刻通り、会場最寄駅である木花駅に到着。
ほとんどの方がここで下車されました。1分ほど停車したのち、次の停車駅は青島駅です。
この快速は通過しますが、運動公園駅からでも宮崎県総合体育館までアクセスできます。
そのため駅には係員の方が3,4人ほどいらっしゃいました。
3両編成なので、カーブでは先頭の車両もしっかり見られます。
曽山寺駅、こどもの国駅を通過。
こどもの国駅については特急含め全列車停車駅で、通過するのは珍しいです。
まもなく青島駅に到着するところですが、信号待ちのため停車。どうやら反対方向の列車が遅れているようで、列車が到着するまで駅に入れないそう。
17:01 青島駅 着(6分遅れ)
お隣には遅れて到着していた、宮崎行き普通列車が停車中です。
到着した3番のりばには、当駅始発の列車のみ発着します。
3両編成の列車がここに停まることはそう無いのでしょう。
端っこはドアカットになると思ったくらい、足を踏み入れていなさそうでした。
こうして見てみると、なかなかの段差です(笑)
日南線ラッピングキハ40+キハ40+キハ48の組合せでした。列車は回送列車になるので、ドアが閉められています。
それではお隣に停まっていた、普通列車宮崎行きに乗車。会場最寄駅となっている、木花駅へ向かいます。
しかし、時間になってもなかなか発車せず。
どうやら反対方向の列車到着が、遅れていたみたいです。
臨時快速青島行きが遅れて到着したので、後続の普通列車も遅れてしまったのでしょう。
青島駅では2両編成の普通油津行き、2両編成の普通宮崎行き、3両編成の当駅止まりが並んでいたことになります。
計7両が同じ駅にいるという、とても日南線とは思えない光景でした。
この列車は普通列車なので、運動公園前駅にも停車。
会場からも歩けるので、沢山の方が乗ってこられました。
17:26 木花駅 着(4分遅れ)
会場最寄駅である、木花駅に到着。ホームでは大勢の方が列車を待っておられます。
お隣には回送になったのでしょう、3両編成の臨時快速が停車中です。
明日は月曜日なので、おそらく遠方から来られた方はこちらに乗って、宮崎空港から飛行機で帰られるのではないでしょうか。
木花駅ではホーム上に、自動券売機が設置されています。
宮崎駅までは280円。交通系ICカードエリア外で、支払いも現金のみ利用可能です。
しばらくすると、青島駅で降りたのと同じ車両が、木花駅へ回送されて来ました。
ここから、木花駅始発の快速宮崎行きとして走ります。
向かいに止まっていた回送列車が、先に青島方面へ出発していきました。
再び臨時快速になった3両編成の列車、南宮崎方面へお見送りです。
木花駅の駅舎は、読売ジャイアンツ仕様に塗装されています。
これは巨人がこの木花地域を、キャンプ地にしているからです。
駅舎内に設けられている時刻表は、やはり1時間に1本ほど。
それが20分に1本、3倍にもなるのです。
何本か18時台の列車を見送ります。ライブが終わるのは19時30分なので、本格的な混雑はそれからです。
木花駅は無人駅なので、ワンマン列車の場合一番前の扉しか開きません。
しかし、今日は利用者が多いため全ての扉が開きます。その代わり、駅できっぷの回収や精算等を行っているようです。
日南線を往復するキハ40を見届けていたら、宮崎方面から見慣れない車両が来ました。
まさかのD&S列車、海幸山幸です!
既に運行時間は終えているはす。それなのに何故か木花駅にやってきました。
この時は、青島駅とかに回送されるのかな〜と思っていましたが、実は違っていたというのは後ほど。
ちょうどここで、快速日南マリーン号と行き違い。
まあまあお客さんが増えてきましたが、こちらは1両編成でした。
海幸山幸はこの後、青島方面へ回送されていきました。
19時台になり、宮崎方面の列車本数が増える時間帯です。
駅周辺ではこれからの混雑に備え、駅前通は車両通行止めに。カラーコーンが設置されていました。
また、最後尾を示すプラカードも立てかけられています。
ホーム上に増設された明かりも、灯されていました。
本数が増えてきた列車を撮影していると、青島方から驚きの列車が到着。
なんと先ほど青島方面へ回送された、海幸山幸です!
まさかの観光列車が、臨時快速の運用に就きます。
冬でも明るい時間帯しか走らない海幸山幸、暗い時間に走るだけでも特別感があります。
海幸山幸では、指定席号車と宮崎↔︎南郷を示すサボが入っています。
今回は臨時快速として運転のため、外されていました。
車両外側に木が使われているのが、大きな特徴です。
せっかくなので、海幸山幸車両で運転される臨時快速に乗ってみます。
車内に入りますと、売店部分が大きな段ボールで隠されていました。
また、透明なパーテーションもプチプチで梱包してあります。
一方で、パンフレットなどが置かれているラックについては、そのままでした。
この辺りの違いがちょっとよく分からなかったですが…。
車両連結部の運転台上、赤いボタンだけが隠されていました。
緊急停止か何かか、混雑した時誤って押されないようにするためでしょうか。
海幸側の車両においても、展示スペースが隠されていました。
海幸山幸は宮崎駅〜田吉駅であれば、乗車券のみで自由席区画のロングシートに座れます。
一方で、リクライニングシートは指定席。普段だったら乗車券のみで座れませんが、この列車は臨時快速なので座れてしまう特殊な例です。
ちょうど3両編成の列車が到着。ここから臨時快速になるみたいです。
夜の便であっても、しっかり臨時快速のサボが差し込まれていました。
19:41 木花駅 発
スタッフの方に見送られながら、木花駅を出発。
海幸山幸の車内で、車掌さんから臨時快速との放送が流れます。
臨時快速は木花駅〜南宮崎駅ノンストップ。
田吉駅も通過扱いですが、やはり運転停車のため少々停まっていました。
宮崎空港線と合流した後、あっという間に南宮崎駅に到着です。
南宮崎駅 着
海幸山幸の車両は宮崎方へ回送されていきました。再び折り返して木花駅へ行き、南宮崎への輸送を担うものと思われます。
お隣にやって来たのは、20:01発の臨時列車青島行き。
今度は快速ではなく普通列車、宮崎駅から来ています。
こちらに乗って再び木花駅へ戻ってみることに。
田吉駅では運転停車中の、臨時快速と行き違いました。
こちらがドアを開けている一方で、臨時快速は通過扱いなので、閉め切ったままです。
いよいよ木花駅へ到着するところ。ロータリーの向こう側には気のせいでしょうか、怪しげな人だかりができています…。
ホーム上には、そこまで列車を待っているお客さんはいらっしゃいませんでした。
しかし、構内踏切を通れるようになると様子が一変。駅前に出来ていた列の波が一気にホームへ流れてきます。
おそらくホーム上は狭くて危ないため、列車到着時にホームの入場制限を行なっていたのでしょう。
ほんの30分前までスタッフさんの方が多かった駅前。
今では列車を待つ方の列が、完全に道を埋め尽くしています。
やっぱりライブ終了前後で全く人の数は違いますね。
乗車列を一本にするため、駅舎内は立ち入り禁止になっています。
もう一度宮崎駅へ戻るため、20:23から列に並び始めました。
駅からは約150m程離れた地点です。
まだ車道が通行止めになっていないところ、歩道は完全に列で埋まっています。駅周辺は一般的な住宅街で道もそんなに広くないため、列の密度が非常に高いです。
この長さから、延岡など遠くまで特急で帰りたい人が列を離れ、タクシーで宮崎駅まで行こうとする方も少々見られました。
車道が通行止めになっているあたりから、宮崎方面と青島方面で列が分けられます。
列車が到着するたびに大きく列が動くため、頻度としては20分に1回程度です。
お客さんが比較的少ないと思われる青島方面については、列が進むのは早め。
方面別に列が分けられる前から、スタッフの方が青島方面に乗りたいお客さんを呼んでいたことからも、その違いが分かります。
カラーコーンで3列に分けられており、おそらく左から、宮崎方面、青島方面、宮崎方面になっていると思われます。
宮崎方面へ帰るお客さんが非常に多く、列が長くなりすぎてしまうため、2列に分けているのではないでしょうか。
ようやく辿り着いた駅前ロータリーには、美登観光バスが停まっていました。
もしかしたら最終列車にお客さんが乗り切れなかった時に備え、宮崎駅あたりまで送れるよう手配してくださっていたのかもしれません。
並び始めてからちょうど1時間、21:35に駅構内へ入ることができました。
前日では2時間並んだというお話も聞いたので、かなり良かった方ではないかと思います。
大体50人ごとにホームへ誘導しており、3両編成の車内へ満遍なく詰め込みます。
乗車したのは、21:34発の臨時快速です。
こちらは一番奥の3両目。とてもキハ40とは思えない混雑度でした。
車掌さんも乗り込まれており、出発後には「ライブお疲れ様でした」との放送。また、南宮崎駅からの乗り換え案内が早々になされます。
やはりこの臨時快速についても、田吉駅で運転停車。日南線で貴重な列車行き違い可能駅なので、完全に通過する例はほぼ無かったと思われます。
ここで行き違ったのは、海幸山幸の車両。再び臨時快速の運用に就いて、南宮崎駅まで向かうのでしょう。
南宮崎駅に到着。ここから宮崎駅へは日豊本線の列車に乗り換えです。
向かいには、特急おひさま1号鹿児島中央行きが到着します。
宮崎駅〜鹿児島中央駅にて設定された臨時特急です。後続の特急おひさま3号の様子について動画でご紹介しているので、こちらをご覧ください。
南宮崎駅からは普通列車延岡行きに乗車。
首都圏朝ラッシュレベルの混雑に揉まれながら、宮崎駅に到着です。
ここまで、ひなたフェス開催に伴い臨時列車が増発された、日南線の様子をご紹介しました。
単線で行き違い設備が少ない中、輸送力の限界を発揮されていたと思います。
フェス開催発表時には、帰宅難民発生等を懸念する声もありましたが、スタッフの方々による誘導もスムーズで、無事に終えることができました。
今後地方でのライブ開催も、ぜひ進んだら嬉しいなと思います。
今回もご覧いただき、ありがとうございました。