交通系ICカードを利用できるエリアは年々拡大を続けています。
2021年春のダイヤ改正では関西本線や北近畿においてICOCAを利用できるようになりました。
そんなICOCAには利便性を高めるため、ある制度が存在します。
それは、A駅からB駅までの運賃は最短経路で計算し、エリア内であればその間の経路は問わないというものです。
これまでもそのようなルールはあったのですが、ICOCAエリアが拡大したことで、さらに長距離に渡るICカード大回りが可能になりました。
今回は自身で計算したところ、1日で可能な最も長い距離と思われるルートで実施します。
やってきましたのは大阪環状線、大阪城公園駅です。
時刻は5時前。到着したのは京橋駅始発の列車だけで、お客さんも2,3人見かけたくらいでした。
駅前は大阪城ホールへ続く広場になっておりお店も立ち並ぶのですが、今の時間帯はさすがに人もいません。
さて、それでは早速ですが旅が始まる門をくぐりましょう。
こちらのモバイルSuicaをリーダーにタッチ。改札の外に出るのは日付を越えてからになります。
これから乗るのは始発列車ではなく2番目。しかしどちらに乗っても結局同じ行程となります。
そういえば大阪城公園駅なのに大阪城を見るのを忘れていました。
■大阪環状線 鶴橋・天王寺方面行き
大阪城公園0505→0517天王寺
1本目の列車がやってきました。
近鉄への乗換駅でもある鶴橋駅では多くの人が降りていきました。
天王寺駅で下車、ここで大阪環状線を離れ、阪和線に乗り換えです。
1から8番線までこれ全部阪和線のホーム。一体何が何だかという感じです。
■阪和線 関空快速 関西空港行き
天王寺0525→0558日根野
頭端式ホームになっていて、ターミナルであることがひしひしと感じられます。
天王寺駅を発車。
大きな建物が並ぶ早朝の都市から列車は走り出します。
堺市、鳳、和泉府中など途中の主要駅に停まっていきます。
朝の時間帯大阪から南下していく列車ですから、車内にはキャリーバックを持った空港へ向かう人が多くいらっしゃいました。
日根野駅で下車。
次の列車まで時間があるので、自販機で飲み物を買ったりなど用事を済ませておけます。
■阪和線 普通 和歌山行き
日根野0613→0643和歌山
日根野駅を出発してすぐ、関西空港線の高架が右側にカーブしていきました。
和泉砂川駅には古くからの小さな駅舎が残されています。
また、ここで始発の特急くろしお4号が発車したところ。
通勤特急の役割を果たしている一方、仕方ないのですが、パンダくろしおなのがシュールです。
大阪府最後の駅、山中渓を出発すると線路はみるみる山の中へ。
いわゆる田舎の景色へと変貌しました。
大阪府と和歌山県の県境はトンネルで越えることに。
和歌山県に入りトンネルを出ると和歌山ジャンクションがそびえ立ちます。
阪和自動車道と京奈和自動車道が交差する、重要な地点です。
和歌山県を代表する河川、紀ノ川を渡り、列車は和歌山の市街地へと向かっていきます。
和歌山駅に到着しました。
歓迎されましたが今回は列車に乗るのが目的なのですぐにどこかへ。
和歌山駅からは様々な路線が伸びていますが、IC大回りをするなら選択肢は一つ、和歌山線です。
和歌山線、紀勢本線(和歌山~和歌山市)のホームには乗り換え改札機があります。
今回は最低限のチャージしかしていなかったため、残高不足によってはじかれました。
しかしこの中間改札は有効なきっぷを持っているか確認するものですから、十分なチャージ残高があればそのまま通れます。
チャージ残高が十分でない場合はインターホンで説明する必要があるのですが、今回はちょうど駅員さん(?)がホームにいらっしゃったので、そのまま通して頂きました。
■和歌山線 普通 王寺行き
和歌山0649→0920王寺
1列車で2時間半というのはこの旅で最も長いものです。
和歌山線の車両には路線バスのように、無人駅からの利用者に向けてICカードリーダーが設置されています。
各駅に改札機を設置する必要が無い上エリアを拡大できるという非常に優れたシステムです。
和歌山駅を発車、阪和線と並走していきます。
流石に4時台から列車に乗っていたので、眠くてたまりません。
後頭部を窓に何度も打ち付けながら移動していきます。
橋本駅では7分の停車。
奥からは南海電車が顔をのぞかせています。
ここまで4両で走って来ましたが、この駅で後ろ2両が切り離されます。
貫通扉を外して扉を締めるだけなので、すぐ終わってしまうようです。
和歌山県最後の駅、隅田駅。
駅舎には隅田中学校美術部員の方々による明るい絵が描かれています。
五条駅では多くの高校生の生徒さんが降りていかれました。
お隣の北宇智駅は2007年に廃止されるまで、関西最後のスイッチバック駅でした。
今では1面1線の棒線駅ですが、ホームの向こう側にはその名残が残されています。
吉野口駅は近鉄との共同駅。あちらの駅名標の反対側には近鉄のナンバリングのシールが貼られています。
終点の王寺駅に到着し、2時間半に渡る和歌山線の乗車を終えました。
降りてから気づいたのですが、方向幕には可愛らしいキャラクターが描かれています。こちらは王寺町のゆるキャラ、雪丸だそうです。
王寺駅には改札内に小さなセブンイレブンがあったり、1番線にはパン屋さん、"VIE DE FRANCE"があったりと、それなりに充実しています。
■関西本線 大和路快速 天王寺行き
王寺0931→0944久宝寺
線路に沿って流れるのは大和川。この辺りは意外と山の中を走っていて、トンネルを突っ切ったりと中々自然を感じられる区間です。
■おおさか東線 新大阪行き
久宝寺0951→1006放出
久宝寺~放出は2008年に開業した新線でありながら、使用されている車両は201系。相当な古さを感じさせられます。
それとは対照的に、路線としては放出駅を出発すると新線らしく高架区間へ登っていきます。
また各駅のエスカレーターや階段のところには筆文字で駅名が描かれていて、それがおおさか東線の特徴です。
放出駅からは学研都市線に乗車するのですが、今発車標に出ているものに乗ってもどこかで待つことになるので、3本すべて見送ります。
■学研都市線 快速 木津行き
放出1026→1117木津
列車は住宅地が多く並ぶ中を高架で走ります。
松井山手駅からは京都府に入りました。
この駅には将来、北陸新幹線の駅ができる予定です。
片町線は近鉄線と並走。あちらは特急も走っており、お客さんも多いです。
終点の木津駅に到着。たった1駅移動する訳ですが、10分ほど待たされます。
木津〜加茂はなんとかならないのかとどうしても思ってしまうところです。
■関西本線 大和路快速 加茂行き
木津1128→1134加茂
1駅で終点の加茂駅に到着しました。
■関西本線 普通 亀山行き
加茂1142→1238柘植
キハ120系による運行で、この旅で初めての気動車です。
こんな濃い紫色を列車に使うなんて、ムラサキスポーツにでも触発されたんでしょうかね?
こちらの車両にも和歌山線と同じようにICカードリーダーがつけられたことで、2021年春にICOCAエリアが拡大することとなったのでした。
気動車の音を立てながら、加茂駅を出発。
車両にふさわしい山中の車窓が流れていきます。
関西本線は木津川に沿って走っていましたが、列車がここで川を渡ったのを期に離れます。
伊賀上野駅は忍者の街で知られる伊賀市にあり、伊賀鉄道の乗換駅です。忍者も色んな所にいました。
眠い様子を記録する余裕がないほど寝てしまっており、いつの間にか柘植駅に到着していました。
■草津線 普通 草津行き
柘植1301→1347草津
113系での運行ですが、こちらの車両は新しくなった座席。
一方でお隣の車両は昔ながらのボックスシートです。フカフカ座席なのでこちらを選択しました。
今日は朝から食パンといろはすで持ちこたえていましたが、この先の駅ナカがあるところで何かしら買っておきたいところです。
流石に味が単調すぎます…。
しばらく列車は山や田んぼの中を走ります。
しかし途中からは橋上駅舎の駅も多く見られるほど立派に。乗客もボックスシートがほぼ埋まるくらいです。
東海道新幹線と交差します。ここには『びわ湖浜大津駅』ができる予定でした。
しかし結局その計画は白紙に、今では日清の工場を始めとして別の用途に使われています。
草津駅に到着しました。
と、あまり長くてもいけないので、今回はここまでにしようと思います。
現在の時刻は13:47。まだ半分行ったかどうかくらいです。
後編もまたお楽しみに。今回もご覧いただき、ありがとうございました。
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最長じゃなかった! ICOCAエリアで785km,19時間の大回り【後編】
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