JR函館本線の函館〜小樽間は2030年末の北海道新幹線の札幌延伸に伴いJRから経営が切り離され、第三セクターによる運行となります。
2021年4月26日にはその内貨物列車も走る函館〜長万部間の路線について、沿線自治体の町長らが参加する会議が開かれました。
道の試算によると、2060年度には、函館〜長万部間の輸送密度(1kmあたりの1日平均利用客数)431人になると予測されており、これは2018年度の6割程度です。
第三セクター化によって鉄道を存続した場合、橋梁やトンネルの大規模補修などで約317億円の初期投資が必要。運賃収入でそれを賄うことは非常に困難で、営業経費の約1割にしか満たないとしています。
函館〜長万部間を鉄道で残した場合、約19億円の赤字になる試算が示されています。
貨物列車の線路使用料は40億円、これは収入全体の8割を占める想定です。
一方で、比較的利用の多い函館〜新函館北斗だけをを鉄道で存続し、その他の区間をバスにした場合の赤字はおよそ11億円、全区間をバス転換した場合はおよそ2億円の赤字になるとしています。
JR北海道は新函館北斗〜函館についても経営分離するとしていますが、仮に鉄道による維持がなされなければ、函館を目的地とする対航空機の競争に大きく不利となります。
完全にバスへ転換されるのか、JR貨物が保有する路線となるのか、第三セクターによる維持がされるのか…。
今後の動向にも注目し、詳しく言及する記事を執筆したいと思います。
今回もご覧いただき、ありがとうございました。
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