倶知安駅が大改造!北海道新幹線開業で在来線はどうするの?[2021特急ニセコ(8)]
今日は臨時特急ニセコ号で倶知安駅にやってきました。 現在、倶知安駅に定期特急列車は来ません。 しかし2030年の北海道新幹線札幌延伸で、新幹線駅となります。 駅構内の構造は2面3線、駅舎 ...
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※訪問日は2021年9月24日です。使用車両など現状と大きく変わっている部分があります。
曇り空の秋の早朝、函館本線の滝川駅に来ています。
ここは全ての特急列車が停車する、函館本線の中で重要な駅です。
ここ滝川駅からは本土最東の地・根室までを結ぶ根室本線が伸びています。
総距離443.8kmで、本線の長さは北海道で最長、これを各駅停車だけで行ってみることにしました。
最初の列車は東鹿越行き、キハ40による運行です。
車両側面には滝川から富良野経由、東鹿越行きのサボがはめられています。
しかし、後ろよりの車両は滝川↔芦別です。
この車両は締め切られており、立ち入ることができません。この理由については後ほど分かることになります。
05:49 滝川駅発
駅前には大きな商業施設であるスマイルビルがあります。
かつては西友を中心としたテナントが入っていましたが、2021年3月をもって閉鎖されてしまいました。
根室本線を走り始めた頃、旭川からの特急ライラック2号が到着しました。
根室本線はかつて札幌~帯広・釧路を結ぶルートとして活躍していました。しかし石勝線が開業してから、滝川〜新得は特急街道から外れています。
この区間は地域輸送に徹することとなっており、臨時列車の富良野ラベンダーエクスプレスを除いて、走るのは普通列車だけです。
道央自動車道の滝川ICを過ぎた先、最初の駅は東滝川駅です。島式ホームと駅舎は跨線橋で結ばれています。
ここから落合駅まで、根室本線は空知川の近くを走っていきます。
滝川からしばらくは、かつて石炭産業が盛んだった地域です。
赤平駅周辺で見えてくる山は、ズリ山と呼ばれる人工の山。商品にならない質が低い石炭を捨てたことで、山が出来上がったのです。
言ってしまえばゴミの山ですが、その歴史を伝えるものとして、今では赤平のシンボルです。
1960年度には国鉄の貨物発送量で、2位の梅田駅162万tに対して、1位の178万tだったこともあります。
今では狭い構内ですが、植物の繁茂する広さがその繁栄を物語っていました。
住友石炭鉱業の赤平鉱業所があって、専用線が分岐していました。
茂尻駅、平岸駅どちらからも、炭鉱への線路が伸びていました。各鉱山からの貨物輸送の役割が非常に大きかったのです。
何となく北国っぽい家々が集まる、芦別市街に入りました。
芦別駅では18分の停車。
細長いホーロー駅名標だけでなく、『星の降る里・芦別』のキャッチフレーズが貼られていました。
ここでは締め切られていた後ろの車両が切り離され、折り返し滝川行きになります。この車両は滝川から回送列車として、連れてきたということでした。
駅舎に面する1番のりばには、反対方向の列車が縦列駐車している状態です。
早朝でまだ開いていませんでしたが、窓口もあります。営業時間は6:45〜15:00です。
芦別からも三井芦別鉄道が伸びており、石炭の街として繁栄していました。主体だった石炭産業が無くなり、草原が広がるばかりです。
隣の上芦別で富良野発滝川行きの列車と行き違い。
先ほど切り離した滝川行きの列車が芦別駅を発車した、20分後にこの列車が発車することになり、通学需要を十分に満たしています。
野花南駅〜島ノ下駅は滝里ダム建設のため、1993年に現在の新ルートに付け替え。山の中を滝里トンネルと島ノ下トンネルで貫きます。
こちらは2017年に廃止された島ノ下駅跡。信号場として使用されています。
滝川駅~富良野駅では、貨物列車『ふらのベジタ号』が運行されています。石炭の輸送は終わってしまいましたが、ここについては貨物が残っています。
コンテナを見た後は富良野駅に到着。
イメージされるような富良野の観光地は、あちらの旭川とを結ぶ富良野線沿線にあります。
ここから先、富良野〜新得は輸送密度200未満で、2022年春、沿線自治体はバス転換を受け入れる方針を固めました。
通学時間帯でありながら、高校生は2,3人程度です。
布部駅は『北の国から』にて、東京から富良野へ渡った五郎・純・蛍の3人が、最初に降りた駅らしく。
山部駅からは乗ってこられる方もいらっしゃいました。ここにはセブンイレブンもある程の街が広がっており、需要も大きめです。
石炭輸送のエリアは終わりましたが、この周辺では木材輸送が行われていました。
下金山駅もその一つで、東京大学演習林内まで西達布森林鉄道が分岐。この駅には貯木場があって、木材の積み出しをしていました。
空知川が広くなると、かなやま湖になっています。
金山ダムの建設に伴いできた湖で、金山駅から東鹿越駅は現在の新ルートに付け替えられました。
08:01 東鹿越駅 着
鉄道はここまでしか走っておらず、この先へ進むことができません。
駅前には大型バスがスタンバイ済み。あちらが狩勝峠を越える、根室本線の代行バスです。
08:06 東鹿越 発
2016年の台風被害によって、現在に至るまで代行バスによる運行が続いています。新得駅までこちらのバスに乗車します。
列車が走らなくなった鉄路は、草だらけになっていました。
南富良野町の中心部、幾寅駅に到着。
高倉健さん主演の映画『鉄道員』のロケ地として、多くの人が訪れます。
幾寅駅からほど近いところで、通学の利便性向上のため、南富良野高校前にも停車しました。
落合駅は駅構内が草で覆われており、廃駅のように自然に呑み込まれている状況です。
根室本線はここから、1966年に新線へ付け替えられました。
旧線は半径180mの大カーブを含むルートでしたが、新線は5790mに及ぶ新狩勝トンネルで貫いています。
国鉄三大車窓とも言われた、狩勝峠の景色は旧線から見えたもの。代行バスが走るルートはその旧線に沿っているため、ある意味その車窓が復活したことになります。
なお、この日の狩勝峠はご覧の通り真っ白…。かなり天気に左右されるところです。
晴れている日の様子がこちら!
木が生い茂る中に所々畑があり、遠くには新得・帯広方面への十勝平野がいつまでも広がっています。
バスは途中の十勝サホロリゾートを経由。駅が設置されている訳ではありませんが、ホテルの利便性は向上します。
09:14 新得駅 着
狩勝峠を越える移動は殆ど無く、乗っていたのは2,3人の旅行者だけ。廃止もやむを得ないでしょう。
リゾート感を感じさせる、洋風の駅舎。ダマになってる抹茶ラテ感があります。
新得駅には、電光掲示板の職人さんがいらっしゃいます。代行バスでもバス停とバスのアイコンで、遊び心を感じさせられます。
09:25 新得駅 発
ここからは再び鉄道の旅に。
当時はキハ40だらけでしたが、2022年春のダイヤ改正で新得〜釧路の普通列車は全てH100に置き換えられました。
ここは石勝線との分岐駅です。
線路は南千歳寄りの上落合信号場で分岐しますが、ここから根室本線も、特急おおぞら・とかちが走る特急街道になります。
バスから乗り換えると、鉄道旅の素晴らしさを改めて感じさせられるもの。この広い空間を贅沢に使わせてもらって、北の大地を存分に楽しめます。
十勝地方では2019年のNHK連続テレビ小説「なつぞら」の撮影が行われました。十勝清水駅がある清水町もそのひとつ、清水円山展望台からは十勝平野の絶景を見渡せます。
道東自動車道をくぐった先にある、平野川信号場にて停車中。まるで駅のようですが、開業時から信号場です。
ここで普通列車と行き違いが行われます。
特急とかちが全て停まる、芽室駅。
駅の隣に「めむろーど」というショッピングセンターがあって、街の中心が駅周辺になっています。
大成駅を過ぎたところで、日本甜菜製糖の工場が見えてきました。赤白の煙突を見ると製紙工場感がすごいですが、それだけ大規模に農業が営まれているのです。
帯広市の西端に位置する、西帯広駅に到着しました。
そのすぐ近くにあるのが、帯広貨物駅です。ここから多くの農作物が発送されており、首都圏や大阪までの列車もあります。
一部の旅客列車もここで運転停車。自動放送で乗降はできないと案内されます。
この便は実際に停車しまして、運転席へJRの方が乗ってこられました。帯広貨物駅から帯広駅までの移動を兼ねている様子。
高架線に登りまして、柏林台駅に到着。周辺にはロードサイド店舗が多く立ち並んでいます。
根室本線で初めて見た、ここまで都会の景色。街の中を高架線で駆け抜けます。
10:23 帯広駅 着
駅周辺にはホテルや企業が林立しており、道東を代表する大都市であると感じさせられます。
引き続き乗車するのは、釧路行きの普通列車。朱色とクリーム色に塗られた、急行色のキハ40です。
10:28 帯広駅 発
このレトロチックな列車で、真新しいガラス張りの高架駅を出発します。
札内川を境に、帯広市から幕別町に入ります。
札内駅周辺は、幕別町で一番広く市街地が広がっていますが、帯広市街地の影響を川を越えて受けたものです。
右手には金刀比羅神社の真っ白な鳥居が見えてきました。かなり新しそうで、うっすら雪が積もったら綺麗だろうなと感じます。
幕別駅では反対方面の列車と行き違い。基本的に駅舎側の1番線を使いますが、行き違いのためこの列車は右側通行になりました。
滝川から200kmを越えまして、利別駅に到着。
「別(べつ)」はアイヌ語で「川」を意味するため、駅名にも多く現れます。
今渡っているのは利別川。平野があるということは、それを作り上げる多くの川が存在するということです。
池田駅にて長時間の停車。
この時はTHE ROYAL EXPRESSが北海道クルーズを行っており、歓迎の横断幕が掲げられていました。
池田はワインで有名なまち。近くにある池田町ブドウ・ブドウ酒研究所は、その外観からワイン城と呼ばれます。
十弗駅のホーム上には「十弗」と「10$」を掛けて、10ドル札紙幣の看板がホーム上に立てられています。
ハルニレの木のカントリーサインで有名な、豊頃町。豊頃駅は町の中心部から離れているので、鉄道は結構不便です。
特急おおぞらが1往復停車する浦幌駅。ホーム上にはレンガ造りの小屋が残されていました。
列車は常豊信号場にて運転停車しました。
駅から格下げされた訳でなく、元々信号場でしたが、普通の駅と同じような駅名標とプラットホームがありました。現在では撤去されているのが残念ですが、非常に不思議なものでした。
ここで普通列車と行き違い。編成が長い貨物列車が走るため、行き違いの有効長が非常に長いです。
十勝平野も終わりまして、トンネルも交えて山の中を走ります。
2017年春に駅から格下げした、上厚内信号場を通過。木造駅舎は解体されています。
厚内駅では特急おおぞら6号と行き違いました。
2022年春のダイヤ改正で運用から離脱した、283系です。
「置き換えが発表された283系特急おおぞら 自由/指定/グリーン全部乗る」
置き換えが発表された283系特急おおぞら 自由/指定/グリーン全部乗る
札幌〜釧路を結ぶ特急おおぞらには白い261系と青い283系、2種類の車両が使われています。 そしてJR北海道は283系を来春のダイヤ改正で261系に置き換えると発表しました。   ...
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その先、右手には太平洋が広がっています。波がずっと打ち付けており、中々の迫力です。
海の景色は割とすぐに終わってしまい、地盤の不安定なキナシベツ湿原を避けるようにして内陸部へ。
2019年に駅から格下げされた、直別信号場を通過します。
海沿いへ出ますと、時を同じくして格下げされた尺別信号場を通過。
枝が溜まっている砂色の濃い海岸を走っていきます。
釧路市に入りまして、音別駅に到着。
釧路市は白糠町を挟み、2つのエリアを持つ飛び地の市です。西側は旧音別町にあたり、ここはその中心です。
先ほどとは異なり、穏やかな海の様子。
馬主来沼の北側を回りまして、内陸に入ります。
2020年春に駅から格下げされた、古瀬信号場を通過。
現役時代から板張りホームの簡素な駅でした。
釧路市の間に挟まれた町、白糠駅に到着しました。
釧路市は2005年、阿寒町・音別町と共に新設合併しました。
元々は合併される予定だった白糠町ですが、住民の反対多数により、釧路市にはならず現在に至っています。
東庶路信号場を通過、道の駅しらぬか声問が近いのですが、駅ではありません。
大楽毛駅では、久しぶりにたくさんのお客さんを見ました。大楽毛〜釧路では折返しの列車が多く運行されています。
近くにはたんちょう釧路空港がありまして、バスによるアクセスも可能です。
釧路市の都市圏に入っていまして、工場も見られるようになりました。
新大楽毛駅はJR北海道になって開業した新駅。周辺には工業地帯に加えてロードサイド店舗進出により、発展してきています。
奥にはセイコーマート釧路地区事務所が見えており、一帯のコンビニを支えています。
新富士駅には釧路貨物駅が隣接。
コンテナを載せた列車やトラックが頻繁に動いており、貨物駅ならではの動きを楽しむことができます。
奥には赤白の煙突が見えますが、2021年8月に紙・パルプの生産を終了した、日本製紙釧路工場。1年前は見られた白い煙が消えてしまっています。
13:16 釧路駅 着
特急おおぞらの終着駅、釧路駅です。
最近では空洞化が著しい釧路市、帯広に比べるとどうしても寂しさをひしひしと感じます。
釧路駅は道内で最後まで残る民衆駅です。
空襲により被害を受けた各地の駅、地元と国鉄が共同で駅舎を建設し、駅舎のテナントを貸し出すというシステムを採用しています。
2021年は釧路〜白糠開通120周年、花咲線全通100周年、釧網本線全通90周年、石勝線開通40周年という記念すべき年でした。
釧路〜根室は根室本線の中でも、花咲線の愛称が付けられています。
最後に乗車する花咲線の列車は、普通根室行きです。
特急列車が来るのは釧路駅まで。ここからはキハ54形気動車に乗車します。
この列車は真ん中で座席の向きが変わります。転換クロスシートではなく固定された集団見合型配置、半分は進行方向と逆になります。
簡易リクライニングが備えられており、使えないものの灰皿の跡も。座席はキハ183系から持ってこられました。
13:26 釧路駅 発
釧路湿原から蛇行してきた、釧路川を渡ります。
東釧路駅からは釧網本線が分岐しており、北は網走を目指します。
1988年に開業した武佐駅。
北海道釧路星園高等学校の最寄り駅のために設置されたと思われますが、2009年3月で閉校しています。
この駅を過ぎると、一気に自然いっぱいの景色に。これこそ花咲線という車窓です。
JR北海道では、車窓の見どころを案内するアプリを紹介しています。試しにダウンロードして使ってみましたが、電波が悪いせいか流れていませんでした。
釧路駅のキヨスクにて、駅弁の花咲かにめしを購入。
彩りも鮮やかで、歯ごたえのあるカニも美味し買ったです。
釧路町は釧路市街地と一体化している部分もありますが、釧路町役場は自然に囲まれた別保駅近くにあります。
釧路湿原の流域範囲であり、地面を見てみると水に浮かんでいるような林です。
完全に人工物の橋まで草で覆われていまして、自然に呑み込まれている様子が分かります。
かつては炭鉱があって、非常に栄えた上尾幌駅周辺。現在では小学校も閉校しているほどです。
尾幌駅の貨車駅舎には、動物たちの絵が描かれていました。そう言えば貨車駅舎を見ていませんでしたね。
のんびりしてる牛さんがいて、本当にのどかな景色です。
公園の休憩所的な待合室を持つ門静駅。駅名板の字体も丸文字で可愛らしいです。
列車は海岸沿いに出てきました。立派な砂嘴が出来上がっており、その先端は愛冠岬。線路があるこちら側と砂嘴の先端には厚岸大橋が架けられています。
厚岸駅と言えば、駅弁かきめしが全国的に有名。スーパーの駅弁フェアの常連ですが、この駅に降り立って買うのは至難の業です。
かきめしを始めとする花咲線の駅弁は、事前予約による受け取りも可能です。かきめしを販売する氏家待合所さんは休業も多いので、しっかり確認しておきましょう。
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まさに千と千尋の神隠しに出てくる、水面上を走る列車です。こんなのが現実にあるなんて素敵すぎます。
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奥には細い別当賀川が流れており、川に沿って木々が茂っています。
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日本最東端の駅、東根室駅。
板張りホームの簡素な駅ですが、駅前には住宅があって結構栄えています。
根室の市街地をカーブしながら、根室本線の終点、根室駅に到着します。
15:57 根室駅 着
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本土最東端の町で、プラットホームの雰囲気は稚内駅よりも最果て感があります。
水色に塗られた木造駅舎は離島のフェリーターミナルみたいな雰囲気。やっぱりこの駅舎は素敵ですね。
かつては札幌からの大幹線だった根室本線。その名残を感じる区間が長く、自然豊かなローカル区間も非常に面白かったです。
個人的にJR北海道完乗最後の路線に残しておいて、正解だと思いました。ぜひ皆さんも最果ての地へ!
今回もご覧いただき、ありがとうございました。
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