花咲線は釧路〜根室を結ぶ路線。沿線からは北海道の中でも素晴らしい景色を見ることができます。
その中には2022年春で廃止するとされている駅があります。
それが今回訪問しました、厚岸町の糸魚沢駅です。
この駅は厚岸〜厚床が開通した1919年当時から設置されていた駅になります。
廃止が報道されていながら、糸魚沢駅の駅舎はかなり綺麗なものです。
ログハウス調の駅舎は2015年に建て替えられたばかりです。
1950年に建てられたかつての駅舎はもっと大きく、柵が立つあたりまでありました。
昔ながらの木造駅舎が残っていたのは、花咲線で糸魚沢駅が最後でした。
現在となっては小さくなってしまった待合室。
広場の中に小さく佇む待合室はちょっと寂しげです。
駅前は砂利の敷かれた地面となっています。
ただ駅前の広い国道44号は車通りもそれなりにあって、近くには簡易郵便局も。人気のない秘境駅という訳ではありません。
待合室に掲げられた駅名の文字は明朝体っぽいものでした。
その上には丸い電球があって、夜にはここが駅であると示します。
引き戸は立て付けがよく、高齢者の方でも簡単に入れます。
2日ほど花咲線を乗っている中で、地元の方らしき利用者は高齢者の方1人だけを見ることができました。
待合室内は明るい色をした木のぬくもりがあってか、居心地の良い空間となっています。
本数は少ないですが上下線を組み合わせれば、ちょうど良いくらいの滞在時間を作れます。
駅構造は現在1面1線の棒線駅。
かつては2面2線で退避可能駅になっていました。
向こう側には線路が残っていて、その名残を見ることができます。
奥のホームは1971年に貨物列車が走らなくなったと同時に廃止されましたが、交換設備はその後まで残されていたようです。
雪が張り付く時季に払うためか、駅名標は駅名のあたりが擦れていました。
上部の蛍光灯は外されていて、ホーム上の電灯によって照らされるようです。
厚岸〜糸魚沢の間には別寒辺牛湿原の景色が広がります。
SNSで調べてみたところ、団体ツアーにて観光バスで糸魚沢駅まで来て、ここから厚岸駅まで列車に乗ってその景色を楽しむということもあるそうです。
確かに厚岸駅〜糸魚沢駅を列車で行き来するだけで気軽に景色を楽しめます。
もし糸魚沢駅が廃止されれば、次の茶内駅は交換可能駅のため折り返すことが難しくなります。
おそらく糸魚沢駅の廃止は確実的でしょうが、せめて長い間花咲線からの景色を見られることを望みたいです。
今回もご覧いただき、ありがとうございました。