【5時間超ロングラン前面展望】特急オホーツク2号かぶりつきシート(網走〜札幌)乗車[花たびそうや(7)]
まだ山奥にはわずかに雪が残っているのにもかかわらず、早朝5時には空が完全に青く照らされています。 ここはオホーツクの玄関口、網走駅です。 今回乗車するのは特急オホーツク2号札幌行き。 改 ...
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早朝から特急オホーツクで来ました札幌駅、既にお昼になろうとしています。
乗車するのは特急おおぞら5号釧路行きです。
2022年春よりすべての列車が261系で運行されるようになりました。
ヘッドマークはフルカラーLEDで、水平線に向かって空がグラデーションになっているなど、デザイン性に飛んでいると感じます。
置き換えが発表された283系特急おおぞら 自由/指定/グリーン全部乗る
札幌〜釧路を結ぶ特急おおぞらには白い261系と青い283系、2種類の車両が使われています。 そしてJR北海道は283系を来春のダイヤ改正で261系に置き換えると発表しました。   ...
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青い283系から白い261系へ完全に置き換えられた特急おおぞら。4時間に渡って北海道の厳しい自然を駆け抜ける旅路をお届けします。
11:50 札幌駅 発
大きなディーゼルエンジン音を響かせ、大都会札幌を走り出しました。
特急おおぞらは新千歳空港のアクセス列車、快速エアポートが走る千歳線を通ります。
苗穂運転所にはキハ183系が停車中。
また、2022年春で特急おおぞらからその役割を退いた、キハ283系も停車中です。
千歳線に入りまして平和駅を通過中、右手には札幌貨物ターミナルを見られます。
広大な用地を持っており、本州との物流を支える拠点です。
函館本線の上を越えまして、その線路は左手に離れていきました。
新札幌駅に到着。札幌圏の副都心であり、地下鉄東西線の終着駅にもなっています。
千歳線沿いでは北広島ボールパークが建設中。
この近くに新駅設置構想がありますが、千歳線の容量がいっぱいで、難しくなっています。
北広島駅の近くには北海道定番のお土産、白い恋人の石屋製菓北広島工場があります。
札幌駅では駅弁を買ってきました。
海鮮えぞ賞味、そして北海道日本ハムファイターズデザインのサッポロビールクラシックです。
カニやホタテ、いくらなど海の幸が乗っかっており、北海道の形にくり抜いた昆布がアクセントになっています。
南千歳に到着しました。
ホーム上には石勝線の0キロポストが設置されています。列車はここから千歳線より石勝線に入ります。
新千歳空港に向かう空港線はしばらく並走していましたが、地下空間へと潜っていきました。
沼ノ端まで複線化されている千歳線の下をくぐって、石勝線は東に舵を切ります。
駒里信号場を通過。
駅ではありませんが、JR北海道の駅と似たデザインの看板が立てられていました。
室蘭本線の線路を乗り越えまして、この線路は左側から合流してきます。
石勝線と室蘭本線が交わる追分駅を通過。
かつては夕張からの石炭貨物列車が多く来ていましたが、その役割も終えて寂しげです。
列車の行き違いができる信号場には、このようなスノーシェッドが付けられています。
これによって線路を切り替えるポイントに雪が詰まるのを、物理的に防ぐのです。
2016年に駅から降格した、東追分信号場を通過。
サントリー・金麦(「帰り道」篇)のCM撮影が行われました。
川端駅にはスハフ44形客車が置かれています。
その先夕張川に設置されているのが、川端ダムです。
ダムの手前には道東自動車道が走っており、札幌〜帯広・釧路を結ぶ高速バスは鉄道のライバルにもなります。
こちらも駅名標が立っている、滝ノ下信号場を通過しました。
滝ノ上駅では普通列車と行き違います。
石勝線は特急専用路線と言っても過言ではなく、普通列車は1日2.5往復です。
2016年春に廃止された、十三里信号場を通過。
追分駅起点の13マイル(哩)標があったことから付けられています。
新夕張駅では特急とかち6号と行き違いました。
石勝線は元々、夕張までを結ぶ夕張線として開業しました。
現在の形で新得(上落合信号場)まで全通したのは、1981年です。
夕張線として活躍していた新夕張〜夕張の夕張支線は、2019年春に廃止されました。川を渡るときにはその橋梁を見ることができます。
通過している楓信号場の近くにも、かつて新夕張駅から伸びる登川支線楓駅がありました。
石勝線の新夕張〜新得は特急列車しか走りません。
新しく作られた石勝線は長距離輸送に特化した路線で、近代土木の技術を結集した結果が現れています。
特に新登川トンネルの長さは5825m。
全長8060mに及ぶ北海道新幹線の渡島当別トンネルが開通するまでは、道内最長の山岳トンネルでした。
一方、石勝線ではJR北海道で最も大きな事故、石勝線特急列車脱線火災事故が発生しています。
札幌方面の特急スーパーおおぞら14号が清風山信号場内で脱線し、第1ニニウトンネル内で停止後炎上しました。
これによって特急おおぞらの最高速度は130km/hから120km/hに引き下げ。札幌〜釧路の最速列車は3時間34分(2000年〜)から3時間59分(2022年春)となりました。
占冠駅を通過した先、山をかき分けて引かれている道東自動車道と交差しました。
トマム駅に到着。ここは星野リゾートトマムの玄関口であり、送迎バスが停まっているのをよく見ます。
新狩勝トンネルに入りました。
全長5810mのトンネル内には上落合信号場があって、ここから根室本線に入ることとなります。
13:47 新得駅 着
2022年春から根室本線にもDECMOが投入されています。それにしても、ここにいるのはとんでもない違和感です。
山岳地帯をトンネルで走り続けてきましたが、畑の広がる十勝平野の中へ。関東平野についで日本で2番目に広い平野、ここではジャガイモを筆頭に沢山の農作物が栽培されています。
西帯広〜柏林台の間にある、帯広貨物駅の横を通過。多くの農作物が各地へと運ばれます。
柏林台駅周辺から都市部に入りまして、高架線を駆け抜けていきます。
14:17 帯広駅 着
札幌〜帯広は特急とかちが5往復しておりまして、釧路と比較して特急の本数は倍です。
大手ホテルチェーンもたくさん立ち並んでおりまして、かなり大きな都市であることが分かります。
道東における一番の都市は、帯広と釧路でかなり競っている状況です。
そんな都市部を過ぎますと、自然の中へ。北海道らしい雄大な光景を見ることができます。
14:34 池田駅 着
池田と言ったらワインで有名な町。
駅の近くにはワイン城と呼ばれる、池田町ブドウ・ブドウ酒研究所があります。
浦幌駅には普通列車だけでなく1日1往復のみ、特急おおぞら2,9号が停車します。
常豊信号場にはかつて、普通の駅と同じような駅名標とプラットホームがありました。
現在では撤去されていますが、かつて駅だった歴史もないのに非常に不思議なところです。
厚内駅を過ぎますと、右手には太平洋が広がります。
海の景色はずっと続くわけではなく、キナシベツ湿原を避けるようにして一旦内陸部へ。
尺別信号場には普通列車帯広行きがいて、特急が釧路へ通過していくのを待っていました。
釧路市は白糠町を挟んで、2つのエリアを持つ飛び地の市です。西側は旧音別町にあたります。
その間にあるのは、白糠町です。
釧路市は2005年、阿寒町・音別町と共に新設合併しました。
元々は白糠町も合併される予定だったのですが、住民の反対多数により、残った3町で合併することに。その結果、音別町の部分が飛び地になったのです。
列車は再び釧路市に入り、大楽毛駅を通過。
たんちょう釧路空港はこの北部に位置します。
新富士駅には釧路貨物駅が隣接しており、貨物コンテナを間近で見ることができました。
ここには日本製紙釧路工場がありましたが、2021年8月に紙・パルプの生産を終了。
1年前は見られた白い煙が消えてしまっています。
新釧路川を渡りまして、いよいよ釧路市の中心部へ。
車庫からは花咲線でお仕事のためか、キハ54系が出庫していくところでした。
この列車に接続して、16:13発根室行きが発車します。
15:51 釧路駅 着
所要時間は4時間1分で終点の釧路駅に到着しました。
高速化に徹した鉄路を作り上げられた、特急おおぞらのルート。
かつて130km/hで駆け抜けた283系はいなくなりましたが、白い車体が道東特急として、ますます認識が深まっていくと良いですね。
今回もご覧いただき、ありがとうございました。
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