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【寒ブリ&氷見の日本酒】特急ひだ号で北陸富山へ!ゆったり特急列車の旅[2401北陸新幹線(2)]

2024年2月8日

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名古屋駅から富山駅まで高山を経由し、北陸地方の富山まで一本で連れて行ってくれる特急ひだ号。

開業前の北陸新幹線各駅で内覧会が行われるのを前に、これで北陸地方まで抜けることにしました。

 

名古屋から北陸と言ったら、特急しらさぎ号や高速バスが人気ですが、飛騨路を抜けるメインルートとはちょっと外れたルートです。

 

令和6年能登半島地震の影響で、氷見の寒ぶりが話題になっていた頃。微力ながら復興支援も兼ねて行ってみます。



中部地方の大ターミナル駅である名古屋駅。

各方面へ特急列車や快速列車が走っており、新幹線のりかえ改札に並ぶ発車標にもその風格が現れています。

 

2023年春のダイヤ改正で、特急ひだ号は新型車両HC85系に統一されました。

 

名古屋駅時点で進行方向前寄りが高山止まり、高山駅で連結を外して、後ろ寄り2両が富山まで行きます。

 

2022年12月から富山行きでの運行を開始しており、その直後に乗車した様子を以前ご紹介しました。

 

今回は割と軽めに、移動の様子としてお届けできればと思います。

 

全席にコンセントが備えられており、4時間以上の乗車となっても安心感があります。

 

名古屋駅から富山駅までの所要時間は4時間6分。特急料金は2,950円で、名古屋〜富山の乗車券4,840円と合わせて7,790円です。

高速バスでは所要時間3時間37分、料金3,300〜5,800円なので、高速バスが選ばれやすいのが現状となっています。



14:48 名古屋駅 発

その中でも鉄道を選んでしまうのが、鉄道ファンの性かもしれません。

広々した空間の新型車両で、日本海側までゆったり旅を楽しみましょう。

 

岐阜駅で進行方向が変わるため、名古屋駅〜岐阜駅では座席と逆向きで走ります。

 

東海道本線の区間では120km/h走行。

この車両は電車ではなくディーゼル車ですが、他の通勤電車を詰まらせないよう、遜色ないスピードで走ってくれます。

 

岐阜駅が近づいたところで、座席方向左手の金華山には岐阜城が見られます。

標高329mの頂上に位置し、現在残るお城の中では有数の高さです。



岐阜駅で進行方向を変えて、東海道本線から高山本線に入りました。

名古屋の大手私鉄、名鉄名古屋本線と直交します。

 

名古屋駅で買ってきました、天むすのお弁当です。

特急ひだ号では車内販売が無いので、食料など駅売店であらかじめ買っておきましょう。

 

名古屋といったら天むす…と言いたいところですが、実は三重県津市が発祥だったり。

おにぎり3つにおかずも色々入っています。

 

海老の天ぷらは歯応えしっかり、弾けるような海の香りが湧き上がります。

 

特急ひだ号では自動放送による観光案内も行われ、進行方向右手には犬山城が見えてきました。

1537年に築城された日本最古の天守で、国宝にも指定されています。

 

名鉄新鵜沼駅との乗り換え駅、鵜沼駅を通過しました。

かつてはこの近くに名鉄犬山線からJR高山線への連絡線があって、特急北アルプス号が名鉄名古屋駅から高山駅まで直通していたことがあります。



しばらく日本ラインと言われる、木曽川に沿って北上。

並走する道路にある廃墟ドライブインなどが非常に印象的、ここでも英語含めた観光案内が行われるのですが、これを見る外国人観光客はどう思われているのか非常に気になります。

 

名古屋駅では、寶チューハイ飛騨りんごをチョイス。

飛騨りんごを丸ごと搾ったままの果汁を使っているそうで、その酸味が特徴的でした。

 

西日が差し込んできており、眩しいほどのぽかぽか陽気でいただくのがまた良き。

高速バスだと多少躊躇しますが、特に観光客が多い列車なら気兼ねなくお酒も楽しめます。

 

坂祝駅では、反対方向の特急ひだ号と行き違うための停車。

高山本線は単線なので、停車駅でなくても向かいから来る列車とすれ違う必要があります。



美濃太田駅を発車しまして、名古屋都市圏から抜け出します。

ここからは長良川鉄道越美南線が分岐。

本当は福井駅まで繋がるはずだったのですが、あと一歩のところで県境の建設工事が中止に。岐阜県側は第三セクター鉄道として運行しています。

 

この新型車両はハイブリット気動車で、ディーゼルで発電した電気を使って走っています。加速時にはバッテリーに溜めていた電気も使っており、車内液晶ディスプレイにその様子が表示されていました。

 

飛騨川の渓谷を走っていく特急ひだ号、その中でも一際美しいのが飛水峡です。

川底の石が削った甌穴や、ゴツゴツした岩が非常にダイナミック。

 

いくつかダムが作られていまして、そのデザイン性も一風変わっていて目を惹かれます。



しばらく通常通り走っていたのですが、焼石駅の手前で停止しました。

15分ほど止まっていたのですが、再び動き始めます。

 

焼石駅でもう一度止まりまして、向かいにいた普通列車と行き違いました。

高山から美濃太田の普通列車は特に珍しいものではありませんが、よく考えたら2時間以上走る列車で、結構長いんだなと感じます。

 

さらに10分ほど止まっていまして、反対方向の特急ひだ号と行き違ってから発車です。

 

近くには神社の境内に踏切があることで有名な下原八幡神社、鳥居と鳥居の間を列車が通過します。

 

列車安全確認のための遅延と案内され、32分の遅れです。



まもなく日本三名泉の一つ、下呂温泉の玄関口である下呂駅に到着です。

駅前大通りには、まるで灯籠のように朱い街灯が並んでいます。

 

山間部で日の入りが早く、太陽が落ちても未だちょっとは明るい温泉街。

雪が無いながらも河川敷もコンクリートの温泉街も全体的に白く、非常に幻想的です。

 

いよいよ夜になりつつありますが、ダムに堰き止められた川には、揺れる街灯が映ります。

 

さらに山の中へ入ってきたことで、遂に雪が現れました。

 

宮トンネルを出た先には、宮カーブと呼ばれる大きなカーブ。

櫛状の田んぼには雪が盛られ、絵に描いたような日本の原風景が一望できます。

 

そして飛騨地方の中心である、高山駅に到着です。



17:13 高山駅 着(33分遅れ)

後ろ寄り車両は高山駅止まりのため、ここで連結が外されます。

 

前寄り車両が富山行きとして引き続きの運行。

ダイヤ通りなら停車時間が5分ありますが、今日は遅れているのでいつ発車してもおかしくありません。

 

ホーム上の自動販売機で、ちょっと飲み物を購入。

 

モーニングショットとか書いてありますが、昼夜逆転者にとって今は朝です。

 

HC85系は紀伊半島への特急南紀号でも走っています。

洗面台近くのナノミュージアムには伝統工芸が展示されているのですが、こちらは南紀仕様で伊勢型紙が選ばれていました。



停車時間4分ほどで、高山駅を出発しました。

自由席はそれなりに外国人観光客の方がいらっしゃいましたが、指定席は他に3人だけ。

流石にこの時間で、高山から富山へ向かう方は結構少ないようです。

 

次の停車駅は、飛騨古川駅。

列車が来ないホーム端っこでは、駅名標の靴が埋もれるくらいになっていました。

 

ますます県境へ向かうにあたって、雪深い山奥へ。

車内の明かりに雪が照らされて、真っ白な輝きを放つほどです。

 

車内表示機によると、信号設備確認の影響で遅れていたみたい。

富山まで行く乗客に向け、北陸新幹線への乗り換え案内も一人一人に行なってくださいました。



ついにJR西日本の駅名標が現れました、猪谷駅に到着です。

ここで乗務員さんも、JR東海からJR西日本の方へ交代されます。

 

列車より汽車と言った方がしっくりくる、普通列車と行き違い。

JR西日本のローカル線で走っている、キハ120形気動車です。

 

富山平野に出ると、昼間なら雄大な北アルプスを見渡せて、とてつもなく綺麗な景色が広がります。

 

越中八尾駅に到着し、普通列車と行き違い。

富山県を代表するお祭り、おわら風の盆が開催される町で、レトロな坂の道筋で踊りを披露されます。



次の停車駅は速星駅、ここには工場が隣接しています。

この工場に向けて貨物駅が整備されており、意外にも高山本線では富山から速星で、貨物列車も走っているのです。

 

富山駅の一つ手前、西富山駅で運転停車。高校生も多く乗る普通列車と行き違いました。

 

神通川を渡りまして、遂に終点の富山駅に到着です。



18:54 富山駅 着(30分遅れ)

あいの風とやま鉄道の5番線に入線。枝を大きく伸ばすような木をイメージした、洗練されたプラットホームです。

 

名古屋駅から4時間半ほどかかりましたが、のびのびした空間でゆったりできる特急がやっぱり良いものです。

 

有人改札を通りまして、ライトアップされた富山駅前へ。

路面電車が通ることを知らせる、バッハのメヌエットがずっと流れており、脳裏に焼き付かせてきます。



金沢へ出るまで時間があるので、高架下の飲食店へ。

夜ご飯はこちら、「魚どん亭」さんです。

 

店舗前のホワイトボードには、地震の影響で寒ブリが安値になっているとのメッセージが。

 

この頃は氷見の魚市場が、寒ブリ目当ての旅行オタクで溢れていると話題になっていたので、それに触発されてということで。

 

新しい新幹線駅の店舗ながら、ビールケースや魚の箱を使っていたりと、魚市場の一角にあるみたいです。

海鮮丼やお寿司など定食も人気のようですが、ここは寒ブリのお刺身で!

 

きのこと小松菜のお通しと、日本酒「曙」をいただきました。

 

「曙」は氷見の日本酒ということでの選択。

能登の酒蔵もかなり甚大な被害を受けたと聞き、暗澹たる思いです。氷見も位置的には能登半島に近く、少しでもできることから応援したいところ。

 

そしてやってきました、寒ブリ刺し身です!

あの丸い体から採ってきたんだろうなって、ひと目で分かるこの肉厚さ。

 

お刺し身で味わったことの無い歯ごたえと、一方で噛むごとにとろけるような美味しさ。この相反する感覚は寒ブリならではでしょう。

日本酒のこと全然分かって無い人ですが、魚にも合うまろやかさで美味しかったです!



最後に、富山駅から北陸新幹線で金沢駅へ。

はくたか号の自由席に乗車します。

 

流石にこれほど夜遅くなれば、金曜夜でも自由席はガラガラです。

 

富山駅のセブンイレブンで、こんなもの買ってきちゃいました。白えびビーバー。

北陸のソウルフードとして知られる揚げあられで、色んな種類があります。

 

これはオマケ。

 

富山へ来る度、いつか白エビ丼を食べてみたいと思っているのですが、今はこれが精一杯…。

昆布の風味もかすかに効いていて、バランスがとても良いです。



寝る間もなく、20分ほどで終点の金沢駅に到着です。

この時は七尾までも運休だった、JR七尾線ホーム。

観光列車の能登かがり火号仕様のデザインになっていて、いつか再開されたら乗りたいですね…。

 

かなり楽しませていただきつつ、名古屋から金沢まで高山経由でやってきました。

 

駅名標にはお隣の小松駅が透けており、新幹線の敦賀延伸も楽しみ。

その一方で、旅の道中をゆったり楽しむ心も、忘れないでおきたいです。

 

今回もご覧いただき、ありがとうございました。

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