特急ひだ・南紀で活躍している、JR東海の気動車特急、キハ85系。
2022年7月には新型車両HC85系がデビューし、2023年春のダイヤ改正で特急ひだの定期列車は全て新型車両に置き換えられます。
特急南紀にも2023年7月からの投入が発表されており、キハ85系の引退の日が近いです。
2023年2月23日(木・祝)~3月5日(日)、京都鉄道博物館で「新型特急車両HC85系・特急用気動車キハ85系特別展示」が行われていました。
どのような動きをするか注目が集まる翌日の3月6日、京都丹後鉄道のヘルメットを被った方が乗車され、京都丹後鉄道への譲渡が確実となりました。
西舞鶴への譲渡回送が行われ、7日未明西舞鶴運転所に到着しています。
京都丹後鉄道へのキハ85系車両譲渡については、以前から予想されていたところでもあります。
その理由の一つとして挙げられるのが、京都丹後鉄道安全報告書2021に「車両更新 2両1編成(中古車両)」と記載されていたことです。
また、京都府の令和4年度6月補正予算案(建設交通部)には、タンゴ・エクスプローラーに代わる中古車両導入経費支援について盛り込まれていました。
タンゴ・エクスプローラーはかなり老朽化が進んでおり、それは見た目からも明らかです。この車両は臨時で使われており、それが「ダイヤ維持及び安定運行確保」に当てはまります。
以上の理由から、中古車両は気動車特急車両であり、輸送費用等を考慮するとキハ85系ではと推測されていたのです。
京都鉄道博物館で展示を終えたキハ85系は、東海道本線、福知山線、山陰本線を経由して西舞鶴運転所に来ました。
年季が入っているなんてもんじゃない、ボロボロのタンゴ・エクスプローラーとキハ85系が隣合っている。何とも信じられない光景です。
今回譲渡を受けたのは、普通車の非貫通型先頭車両2両編成になります。
エンジン音が聞こえており、社員の方が頻繁に出入りされていました。
他にも足回りの様子など観察していらっしゃる様子です。
京都丹後鉄道に車両譲渡されることが決まり、鉄道ファンの中では水戸岡デザインに変わるのではと言われています。
これは1996年に導入したKTR8000形気動車が、水戸岡鋭治氏によってリニューアル改造を施され、2015年に「丹後の海」としてデビューしたためです。
他にも「あおまつ」など通勤車両のデザインも担当されています。
個人的に水戸岡デザインの列車は好きですが、やはり窓枠の装飾により眺望が悪くなっているのは事実。
特に「丹後の海」では前面展望がしづらくなっており、これが多くの鉄道ファンが心配している要素です。
前面展望が売りだったキハ85系で、せっかく非貫通型車両なのですから、この眺望は残してほしいと願ってしまいます。
一方で、キハ85系についてはそこまでのリニューアルは行われないのではという考えもあります。
2015年にリニューアルが行われたKTR8000形気動車は、1編成(2両)あたり約8000万円のリニューアル予算が組まれたようです。ただし、負担内訳については調べてみたものの、見つけられませんでした。(参考:https://travel.watch.impress.co.jp/docs/news/730709.html )
今回、京都府が京都丹後鉄道支援費として組まれた予算は3600万円。さらに、この車両はタンゴ・ディスカバリーの置き換えで、臨時列車として使われるに過ぎません。
あまり余裕のない鉄道会社で、自社で多額の出資をしてまで装飾を行うとは考えづらくもあります。
いずれにしても、親しみ深かったキハ85系が新天地で活躍するのは、心の底から楽しみ。
京都丹後鉄道の車両は入れ替え作業のため、頻繁に車庫を出入りします。入りたてホヤホヤのキハ85が思い切り囲まれているのが面白かったです(笑)
これが日常になって、完全に馴染むのでしょうね…。
今回もご覧いただき、ありがとうございました。
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