2023年6月をもって特急南紀号より引退した、キハ85系気動車。
特急ひだ号・特急南紀号共に全て新型車両HC85系に置き換えられ、JR東海の営業運転から引退しました。
そのうち4両については京都丹後鉄道へ譲渡、KTR8500系気動車として運転することになりました。
最初の2両は京都鉄道博物館での展示を終えて、2023年3月7日未明に西舞鶴駅へ。
部品取り用としてさらに2両、3月25日に西舞鶴へ搬入されました。
丹鉄85記念まつりが開催される今日、KTR8500系のお披露目が行われました。
車内へ立ち入る機会もいただけたので、京都丹後鉄道に来てからの変化と共にお届けします。
今回のお披露目は1ヶ月ほど前、インターネットの先着予約制でした。
初回の11:00〜に参加。西舞鶴駅にて受付を行います。
リストバンドを付けまして、こちらがお披露目へ参加できる印です。
主催する日本旅行さんに連れられまして、西舞鶴運転所の南端へ。
ここで現れたのが、タンゴエクスプローラーとして活躍したKTR001形気動車です。
2013年春をもって定期運用から撤退後、臨時列車として運用されましたが、ご覧の通りボロボロの状態に。
そこでおそらく代わりになると思われるのがキハ85系、もといKTR8500系気動車です。
普段は立ち入り禁止のエリアに入り、丹鉄のヘルメットを被ります。
京都鉄道博物館からこのヘルメットを被った方が乗り込まれたことで、京都丹後鉄道への譲渡がほぼ確実になったのを思い出されました。
キハ85系が来たばかりの時は奥に停まっていましたが、今日は完全に隣り合った状態。タンゴディスカバリーと並んで非常に見栄えが良いです。
タンゴディスカバリーと共に、右側から近くで見られることは中々ありません。
パノラマ展望の下側へ大きなライトが灯っており、やっぱりこの顔が格好良いです。
非常の滑らかな流線型の顔。JR東海からのATSのマークが残っています。
甲冑みたいなスカートも、立派なシンボルです。
車体側面に目をやりますと、車両番号はキハ85系のまま。
今回展示されているのは部品取り車両のキハ85-6(KTR8503)とキハ85-7(KTR8504)。実際に営業車両になるのは、キハ85-12(KTR8501)とキハ85-3(KTR8502)です。
行先方向幕は抜かれておらず、「特急ひだ 名古屋」の表示。
部品取り車両だからこそ残っていると思われ、営業車両の方はさすがに入れ替えられるでしょう。
キハ85系そのままの姿をした、KTR8500形気動車の車内へ乗り込みます。
一歩中に踏み込むと、工場の中にいるような独特な香り。列車は大きな機械なんだなと思わされる、営業運転している列車とは違った雰囲気を感じました。
デッキから客室への自動扉も、手動で開けっぱなしではなく自動にしていただけています。
扉上には確か自由席・指定席や号車の札があったと思うのですが、差し込む金具ごと取り外されていました。
車内については、キハ85-7の上にKTR8503のシールが貼られています。部品取り用でも、京都丹後鉄道の車両として置かれているようです。
続きまして客室内へ。
頭のヘッドレストカバーは外されており、座席そのものの状態。
ヘッドレストカバーをつけていたマジックテープが剥き出しで、もしかしたら丹鉄仕様のデザインが付けられるかもしれません。
背面テーブルに貼ってあった、JR東海の無料Wi-Fiサービスのシールは剥がされていました。
特に座席機構は変わらず、リクライニングは十分倒れています。フットレストもそのまま設置されていました。
そしてキハ85系と言ったら、大きなパノラマ展望。
一面ガラス張りで前面展望を堪能できます。
運転台周辺もそう変わっていない様子です。
お隣にはタンゴエクスプローラーが停まっていて、この車内から見られるとは感動モノです。
1号車側のデッキには、洗面台のお手洗いが残されています。
JRになりたての頃を思わせる、バブルっぽさを感じるデザインです。
壁面には小さく結束バンドで巻かれた黒い布、おそらく操作パネルか何かあって、つまみ部分を包んでいるのではと思います。
洗面台の向かい側には、お手洗いがあります。見回り強化中のシールはそのまま。
JR東海の文字も残っている、使用方法のシールもあります。わざわざ剥がす必要がないものは、残るのでしょうか。
汚物処理施設がない鉄道会社だと、譲渡された特急車両のお手洗いや洗面台が使用停止になったりします。
京都丹後鉄道にはお手洗いがある車両があるので、残されるのでしょう。
2両編成で運行することになるKTR8500系。もう1両にもお手洗いが付いています。
ただし、こちらについても前代的な和式。
こちらは部品取り車両なのでそのままでもおかしくありませんが、さすがに営業用車両の方は洋式に変えるのでしょうか。
手洗い場には濡れたあとがあって、タンクに水が残っているのかもしれません。もしくは何か流したのかも…?
続きまして1号車、キハ85-6を引き継いだKTR8504です。
こちらの座席モケットは、青色になっています。
LEDの車内表示器が残っており、緑色で指定を表示してくださっていました。
こちらも非貫通型先頭車なので、前面は同じ形です。
運転台には新品の放送か通信機器でしょうか、ビニールが巻かれていました。
最後はKTR8500系の座席と共に、タンゴエクスプローラーのロゴマークを。
20分間の見学はあっという間、これにて終了です。
今回お披露目されたのはあくまで部品取り車両、そのためキハ85系からそこまで大きく変わった点はありませんでした。
営業用車両の方は一体どう変わっているのか、実際に京都丹後鉄道で走る日が楽しみです。
今回もご覧いただきまして、ありがとうございました。
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