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【6時間山道徒歩】名古屋〜北陸を結ぶはずだった…。越美線(九頭竜湖〜北濃)の未成区間全部歩く!

2022年11月13日

 

おはようございます。恐竜の唸り声が聞こえます、ここは北陸地方の福井駅です。これから東海地方へ南下、名古屋駅へ向かいます。

 

名古屋から北陸のメインルートとして挙げられるのが、北陸本線を経由する特急しらさぎ金沢行き。

更に名古屋〜高山を結ぶ特急ひだは、一部が富山行きになります。

 

しかしもう一本、美濃太田駅から福井駅(隣の越前花堂えちぜんはなんどう駅)に鉄道を建設する計画がありました。それが越美線です。

 

現在、福井駅(越前花堂駅)から九頭竜湖駅がJR越美北線、美濃太田駅から北濃駅が長良川鉄道越美南線として運行されています。

今日は福井駅から越美北線に乗車、九頭竜湖駅から北濃駅まで30km歩きまして、長良川鉄道越美南線へ。未成に終わった越美線のルートを再現してみることにしました。



まず乗車するのは越美北線、福井から九頭竜湖駅までの運行系統には九頭竜線という愛称がつけられています。

始発列車は9:08と結構遅め。福井市から大野市への通勤通学需要は無いようです。

 

九頭竜線は切り欠きホーム2番線からの発車です。

越美北線は赤字ローカル線であり、全体の輸送密度は260人/日(2019年度)。特に越前大野から先の利用者が少なく、いつ廃線議論が進んでもおかしくありません。

 

使用されているのはJR西日本のローカル線でおなじみのキハ120形気動車。車両はかなり派手派手しくラッピングされていました。

 

一方で先頭車両はシンプル、パステルカラーの水色車体には「DISCOVER ICHIJODANI PROJECT」と書かれています。

2022年10月には一乗谷朝倉氏遺跡博物館がオープン。越美北線でのアクセスもしやすいです。



列車は福井駅の高架線上を出発しました。

ホーム上では乗り遅れが無いよう、駅員さんがしっかり確認をした上で発車します。次の列車は3時間後ですからね。

 

一番左側の線路から発車しましたが、北陸本線の線路を次々渡って、北陸新幹線の隣にあたる一番端っこへ。

 

鉄道輸送の背骨とも言える貨物駅と新幹線高架に挟まれながら、小さな2両の列車は歩みを進めます。

 

北陸本線の線路を走っていましたが、ここで線路が別れました。北陸新幹線の高架橋は華麗なステップを踏み、越美北線の線路を避けていきます。

 

その北陸本線では、特急列車が颯爽と通過。越美線が繋がっていたら、ディーゼル特急が走っていたかもしれませんが…。

 

越前花堂駅において、北陸本線と越美北線のホームは完全に別れています。

 

2両編成の車内は、多少空席が出るぐらいの乗車率です。18きっぷシーズンは鉄道ファンで満員なんですが、これが普段の状況という訳。

 

田んぼの中に、待合室とプラットホームだけの小さな駅。ローカル線と言ったらまずこんな景色を想像するでしょう。

 

一方で、駅周辺に住宅地が広がるところも。しかし車社会によって鉄道が厳しい、その現実を突きつけられます。



平野部を過ぎまして、山の中へと入っていきます。

10月にオープンしたばかりの一乗谷朝倉氏遺跡博物館、結構盛況のようです。福井駅ではアクセス方法として、バスやタクシーの他に越美北線も案内されていました。

 

その最寄り駅である一乗谷駅では15人以上の下車。開館の影響はかなり大きそうです。

 

足羽川を大きくカーブしながら、立派な橋梁で渡っていきます。



大野盆地に入りまして、大野市の市街地を走ってます。

レトロなお店も見られて、程よい田舎町といった感じです。

 

紅葉で彩られ始めた山の上には、越前大野城の天守閣。雲海の上に浮かぶ幻想的な風景が有名です。

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越前大野駅で10人ほど降りられました。みどりの窓口もあった主要駅ですが、みどりの券売機プラスに置き換えられています。ここに特急列車が走っていたら、高山本線の越中八尾駅みたいな立ち位置だったんでしょう。

 

真野川を長い長い鉄橋で渡ります。大野盆地からいよいよ本格的な山奥へ。

 

JR西日本のローカル線おなじみ、25km/h制限も食らいます。

 

スピードを落とすことで保守費用を抑え、落石が目の前に来たときすぐ止まれるようにしています。

一方で鉄道の強みである、高速走行を活かせていません。

 

第一九頭竜川橋梁を渡りまして、すぐに柿ケ島駅で停車。

 

さらにトンネルを抜けた先、第二九頭竜川橋梁へ。山の紅葉もますます濃くなってきて、とっても綺麗です。

 

越美北線は1960年、勝原駅まで開業しました。ここから先は1972年に開業した新しい区間となります。

 

これまでのローカル線らしいゆったりした走行はどこへやら、智頭急行と遜色無いトンネル内の高速走行を見せてくれました。

 

新しい区間で唯一の途中駅が、越前下山駅です。

トンネルを出たすぐ先で、かなり標高が高くなっています。

 

山の中を駆け抜けまして、これほどまでに表情が一変する路線も珍しいでしょう。



九頭竜湖駅着

この列車は10分くらいでそのまま折り返すため、多くの方はここで反対方向の列車へ乗っていきました。

 

ホーム上には開業当時からありそうな、レトロな看板。今でもこれ繋がるんですかね?

 

本当はここから岐阜へ繋がるはずだった、越美北線。車止めは50年に渡って、その終点を示し続けています。

 

それどころか、いつまでここに汽車が来てくれるのか、現状維持すら危うい状況です。

 

福井へ向かうこの列車を見送りまして、早速ここから岐阜へ歩きましょう。



九頭竜湖駅はログハウス調の駅舎となっています。

道の駅と併設していまして、行楽シーズンということもあり、多くの方がいらっしゃいました。

入居しているファミリーマートで食料調達、ここで買っておかないと、自動販売機すらない可能性高いのです。

 

11時ちょうど、九頭竜湖駅を出発します。

ここでも動く恐竜がお見送りしてくれました。福井県は色んなところで恐竜を推していますが、九頭にちなんでということでしょうか。

 

早速看板には分かれ道の表示。主要幹線の国道158号ではなく、県道127号を歩きます。

 

国道でも長良川鉄道に行くことはできるのですが、終点の北濃駅に直接ぶつかるのは県道。そのため未成線は県道寄りとして置き換えました。

 

この分岐地点を左へ。落石注意の看板も立っていました。

今年の春にも九頭竜湖駅から北濃駅まで車で行こうとしたのですが、県道127号は除雪しないためか冬季通行止め。今日はそのリベンジです。

 

国道の方を進むと、九頭竜ダムを見下ろすことができます。長い胴の龍が水を吐き出すような、立派な構造です。

 

現在九頭竜地域では、中部縦貫自動車道が進んでいます。こちらの構造物は九頭竜ICで、Googlemapで航空写真を見ると丸い形が2つ並んでいました。

 

岐阜県・福井県の県境部分である大野油坂道路、少しずつ開通しており、これらは越美北線と並行します。

 

勝原IC〜九頭竜ICの開通は2023秋予定。これができたら越美北線の役割はいよいよ終わったと言われるでしょう。

 

鉄道路線の越美線は未成に終わりましたが、そのような区間も次々道路で代替されていきます。



11:30 山原ダム

国道に比べれば圧倒的に少ない車通り、それでもこの先の集落と結ばれており、宅急便のトラックや郵便バイクなど行き来していました。

 

ダムによってか静かな川を見下ろせる所。スノーシェッドらしき構造物が迎えます。

 

この上にあるのは、伊月の化石壁。

白亜紀前期の化石が見つかっているとのことで、その時代の地層を伊月層と呼びます。

 

これはスノーシェッドというより、ロックシェッドみたいです。くねくね曲がりくねっているので、車から身を守るべく移動。

トンネルは苦手ですが、横から明かりが差し込めば安心です。

 

道に何匹もの猿がいたのですが、車が通ったので逃げるようにして人家へ。空き家らしき所の柿を食べるという、日本昔ばなしみたいな光景です。

 

12:00 綺麗な緑色をした川を渡る

岐阜県関市にモネの池と愛称付けられた観光地がありますが、それをダイナミックにしたような光景です。

 

もし越美線が開通していたら、大きな橋梁が架かっていて、そこからそこから綺麗な紅葉を見渡せたんでしょう。キハ85やHC85でここを走る旅を楽しめたかもしれません。

 

12:30 家族旅行村

バンガローみたいな三角屋根の建物が見えてきました。川沿いでキャンプみたいなのを楽しめるのでしょうか。

 

九頭竜湖駅から7.6km、ここまではバスでも来られます。ただし本数が僅少な鉄道との接続は取られていなくて、日中は予約が必要みたいです。

 

土砂崩れが撤去されておらず、半分そのままの部分まで現れました。

 

本当に紅葉が綺麗で、10月の終わりに来て良かったと思います。山もパッチワークみたいに、様々な色を見せてくれました。

 

ここ県道なんですけどぉ〜?

携帯は圏外で、ここで落石や動物に遭ったらたまりません。



13:30 岐阜県に突入

県道127号が、福井県から岐阜県に変わりました。

 

道がクネッとしていますが、ここが県境になっています。よく県境にある看板は見当たらず、それくらいの規模の道ということです。

 

県境から北濃駅まで直線距離ならすぐに見えますが、グネグネ曲がりくねった道を北から迂回しなければなりません。

 

この県境付近、越美線が走っていたら殆どがトンネル、時々橋で渡されるみたいな感じだったでしょう。

北越急行みたいに地中駅もあったかもしれません。

 

13:45 1時間以上ぶりの人家

岐阜県で初めて人の住んでいる家を見られました。このあたりにはキャンプ場もあるとのこと。

 

石徹白いとしろと呼ばれる集落まで到達。小学校もあって、子どもたちが遊んでいる様子もありました。

 

ここから北濃駅までは白鳥バスが走っていて、14km歩かずに済みます。しかし鉄道とのダイヤが合わなかったので、全区間歩くことに。

日祝は運休、昼間に走る2便目は事前予約が必要というのは気をつけなければなりません。

 

人家が見えて安心したのも束の間、どんどん坂を登るばかりです。

 

スキーを楽しめるウイングヒルズ白鳥リゾートがありまして、車も停まっていました。

 

訳が分からないほどグネグネした道、向かっている方角も混乱していきます。

 

ここまで登ってきたのは、桧峠という峠道でした。気づかぬうちに、いつの間にか峠越えをしていたみたいです。

 

ここからは一転して下り坂、だいぶ楽になります。

車に向けた道なので起伏が激しいです。こんな道歩く人いませんからね。

 

重力に身を任せるがまま、小走りで坂を下ります。

体力など関係なく、後で辛くなるやつです(笑)



突然現れたのは、いろは坂も顔負けのヘアピンカーブ!

山にへばりつくような道で、ものすごい坂です。よくこんなところに道路を作ったと感心するばかり。

 

カーブも急角度過ぎて、坂もかなりの勾配。車走るってレベルじゃねえぞ!

 

木次線の三段スイッチバックみたいなのが、道路でも起こっています。とにかく距離を稼いで、なんとか車でも登れる道にしているのです。

 

ようやくさっきの道の全体像が明らかに。あんなところから下ってきたんだと驚くばかり。

 

15:40 久しぶりのお店

調べてみると、Outdoor style AMIDAというリゾートホテルとのことでした。九頭竜湖駅からここまでのお店見ませんでしたね…。

 

ついに家が集まる集落まで降りてきました。ここから北濃駅までは、ある程度の街が続きます。

 

国道158号が合流してきまして、ここを歩くことに。

 

そして遂に北濃駅を目の前にします。



16:25 北濃駅到着

九頭竜湖駅から歩くこと5時間半、北濃駅の木造駅舎がお出迎えしてくれました。

 

北濃駅は終着駅という感じが無く、普通のローカル線の駅。乗車人数は12人/日(2015年度)で、お客さんも少ないことが分かります。

 

それでもちゃんと終着駅、このように看板が立てられていました。

 

どうしても九頭竜湖駅から北濃駅くらい繋げてほしいと思いますが、その道のりの厳しさを痛いほど感じました。

長大トンネルや鉄橋を架けるのに見合う需要があるのか、天秤にかけるとそれほどの効果は見込めなかったんですね。

 

北濃駅には国の登録有形文化財でもある転車台が保存されています。まだ日本が転車台を作る技術がなく、アメリカから輸入して岐阜駅で使っていたものです。



夕方のチャイムが流れてノスタルジーを感じる中、列車が入線してきました。

2022年4月にデビューした新型車両、国鉄車両をデザインに取り入れています。

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美濃太田行き普通列車として折り返し、この列車に乗り込みます。

 

運行初日はクラウドファンディングに協力した方の団体列車だったので、初めて実際に中を見ます。

ロングシートなので眺望面はあんまりですが、清潔感もあって非常に居心地が良いです。

 

整理券発行機の上には、VISAタッチ読み取り機が設置されていました。

 

長良川鉄道はキャッシュレスに力を入れていて、PayPayで支払いも可能です。これについては以前の記事でご紹介しています。

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せっかくなので、VISAタッチで乗ることにしました。

交通系ICカードでバス乗るのと同じ感覚、リップルマークが付いたVISAカードが対象です。

 

北濃駅発

仮の終着駅だったはずなのに、もう永遠のものになってしまった北濃駅。福井から鉄道が来ることはもうありません。

 

北濃〜美濃白鳥駅で乗っている人は見たことが無く、かなり需要が低い区間です。

一方で南部の郡上市街、美濃、関は利用が多くなります。

 

今日はお客さんがいましたが、北濃駅で予めどこまで行くか聞いておき、その先の駅でお客さんがいなければドアも開けず出発することがあります。

 

美濃白鳥駅ではタブレットと呼ばれる、通票手形を駅員さんに渡します。

 

美濃白鳥〜北濃にはこの手形を持っている、1本の列車しか入れません。非常に簡単な信号の代わりです。

 

立派すぎる中部縦貫自動車道の高架橋下を潜ります。これが福井まで繋がっていくんですよね。

 

列車は長良川沿いをコトコト走ります。

 

郡上八幡駅は奥美濃の小京都と呼ばれる場所。特急が走っていれば飛騨高山的な立ち位置にいたでしょう。

 

すっかり眠ってしまっていましたが、南部まで来るとほとんど座席が埋まっています。それでも1両編成でこれは、ちょっと厳しいですね…。



美濃太田駅に到着しました。

VISAタッチを読み取らせて、下車します。

 

かなり長い第三セクターですが、岐阜県や沿線自治体はこの長大路線を残してくれています。ぜひ乗って応援したいところです。

 

ここからは高山本線の普通列車に乗車。

越美線の特急が走っていたとしても、太多線・中央本線経由ではなく、特急ひだと同じ高山本線経由だったでしょう。

 

キハ75系は急行列車にも使用されたことがあり、快適な転換クロスシート。

 

快速みえでは指定席の運用もあるため、入り口部分に差し込めるようになっています。

 

ちょうど行き違ったのは、HC85系気動車です。デビュー以来乗っていないのですが、そろそろこれで高山行きたいですね。

 

鵜沼駅は名鉄線と乗り換え可能です。

 

かつては名鉄線と高山本線の間に連絡線があり、名鉄名古屋から高山へ特急北アルプスが走っていました。

 

岐阜駅で東海道本線に乗り換え。特急ひだはここで進行方向を変えます。

 

そして今回の目的地、名古屋駅に到着しました。

福井駅からかかった時間は11時間。そのうち6時間は徒歩で、その長さを感じさせられます。

 

越美線沿線には、高山本線と同様魅力ある街がたくさんあります。もう繋がることはありませんが、十分特急が走る可能性はあり、観光路線になっていた世界線も見てみたかったです。。

 

今回もご覧いただき、ありがとうございました。

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