本日2020年3月14日、近鉄に新たな名阪特急、『ひのとり』がデビューしました。
新型名阪特急誕生が発表されてから、鉄道ファンの間では期待が高まっています。
今回は大阪難波8:00発の『ひのとり』一番列車に乗車して来ました。
最もグレードの高いプレミアムシートの座席を手にいれることは出来ませんでしたが、それに次ぐレギュラーシートの様子をいち早く、皆さんにお楽しみいただきたいと思います。
ひのとり誕生まで
1988年、現在の名阪特急の看板でもあるアーバンライナーが運行開始。東海道新幹線にはスピードでは敵わずとも、快適性や料金の低さで対抗する特急が誕生しました。
1964年の東海道新幹線開業から名阪特急は苦戦を強いられていました。しかし国鉄の値上げから風向きが近鉄の方へと変わり、アーバンライナーはさらなる追い風となったのです。
時代は繰り返します。
現在近鉄沿線の70%が閑散区間です。その為、名阪間輸送をさらに近鉄のものにする必要があります。
ひのとりでは新幹線よりはるかに安く、JRのグリーン車やグランクラス並みの座席の快適性を実現。
アーバンライナー誕生の時と同様に快適性と料金低さで新幹線に対抗しています。
ひのとりは近鉄に旋風までも起こすことでしょう。
ひのとり入線
ついにこの日がやって来ました。近鉄に新たなフラッグシップ、ひのとりです。
発車標にも『ひのとり』の文字が書かれます。
基本的に近鉄の特急には列車の名前はなく、アーバンライナーというのもあくまで車両の名前です。
ひのとりは別に料金が必要だからという理由で列車名『ひのとり』が書かれているのでしょう。しかし、「ひのとりは特別枠だ」というのを案に示しています。
そして、ついに1番線にひのとりが降り立ちました。
行き先表示に輝く『HINOTORI』はロゴと同じような書体になっていて、ひのとりの特別さが感じられました。
レギュラーシートの設備ご紹介
車内へ入ります。ビジネス利用が多くなることもあり、スタイリッシュな車内になっています。
2+2で、椅子は少々長細い感じがします。
テーブルは丈夫そうな見た目をしていて、厚みがあります。新幹線のように座席いっぱいに机があるわけではありませんが、どれ程でしょうか。
新幹線とは違ってこのつまみ部分を上にあげて机を開きます。
机の広さは手前側がカーブしているものの、700系普通車より一回り大きいくらいで、縁取りもしっかりされていました。
机のつまみの左右に1つずつフックがあります。机を閉じた状態なら鞄などを掛けておくのでしょうか。
肘掛け部分にはリクライニングのレバー、コンセントがあります。
コンセントは全席についていて100V、0.6Aでした。
インアームテーブルもあり、スマートフォンだったり飲み物程度だったら置くことが出来ます。
背面テーブルとインアームテーブルを使い分けられるのは良いですね。
足元にはフットレストがあります。
新幹線のグリーン車とは違って靴を履いたまま使う面はなく、布面のみでした。
網棚はこのように透明になっているので忘れ物もしにくいです。
また、通風口も窓側と通路側それぞれに向けられています。ランプもあって、使用中は緑になっているようです。
さて、このひのとりで一番の売りとなっているのは全席バックシェル採用ではないでしょうか。
これがリクライニングを倒した状態です。バックシェルをつけるとどうしても圧迫感が最初からついてしまいます。そのためシートピッチを広くするかリクライニングを浅くする必要があります。レギュラー車両の場合は後者です。
しかし、座面も前に出てくるため、包まれるような感覚です。普通車のリクライニングをフルで倒したくらいの感覚にはなります。
これのお陰でシートピッチを十分に確保出来ています。
ひのとり車内のご紹介
車内には2号車、5号車にベンチのあるフリースペース、ロッカーがあります。
ロッカーは交通系ICカードでロックできるものと普通に鍵でロックできるものがあります。
ベンチは4、5人は掛けられるくらいの広さ。子供達に人気でした。
3号車にはロッカーとその横にはダイドーの自動販売機があります。
そしてその向かいには喫煙室があります。
最後まで喫煙車があった近鉄。新たな特急ひのとりにも設置されました。喫煙室が特急にあるのは新幹線と近鉄特急くらいでしょう。
広めにとられていて、清潔感があります。
4号車には多目的トイレがあります。
使用中だったので当然中の撮影はしませんでしたが、明らかに広くとられていて車イスの方でも利用しやすそうです。
男子用お手洗いは新幹線のように鍵はかけられないタイプですが、ドア横のマーク部分が赤く光るようです。
洗面台は照明を多用していて、上品な感じになっています。
1号車、6号車のプレミアムカー入り口部分にはコーヒーメーカーとお菓子の自販機があります。
ここにいるだけでコーヒーの香りが漂っていました。
ただ、やけに空いていると思ったら6号車の方は販売中止に。利用者が多すぎたのでしょうか。
1号車の方へ向かうことにしました。
すると、1号車の方は大混雑。コップがなくなったそうで車掌さんが補充しているところでした。やっぱり人気なんですね(笑)
コーヒーメーカーの付近には両替機が設置されていて、お札しかなくても購入できます。ここまで徹底してくれているのは素晴らしいですね。
コーヒーは一杯200円。コンビニのコーヒーより高いですがより良い豆を使っているそうです。
自販機にはソイジョイや一本満足バー、そしてティーパックがありました。コーヒーメーカーから無料でお湯を出せるのでコーヒー以外も楽しめます。
自販機ではひのとりグッズの販売も予定していたらしいのですが、なかったですね。
コップはひのとり仕様。余分に持っていくのは問題ですが、使用後洗ってもって帰りましょうか。
ひのとり一番列車の放送など
多くの鉄道ファンに見送られ、ひのとり一番列車は名古屋へ出発します。
大阪の主要駅にポツポツと停まり、鶴橋の次の停車駅は大和八木駅です。
鶴橋発車後、自動放送が流れます。
また、その後でも車掌さんによってひのとりの紹介がされていました。ただし一番列車だからというわけではなさそうで、次の日に乗車したときも放送されていました。
大和八木などの乗換駅では乗り換え案内がかなり充実していました。これはかなり便利ですね。大きな画面を最大限に活用しています。
アーバンライナーでもありましたが、新青山トンネルの中では前面展望が流れていました。
津駅到着前の放送ですが、車内チャイムは変わっていませんでした。密かに期待はしていたのですがそこまで変える必要は無いですからね。
近鉄名古屋駅到着前の放送。特別な放送はなかったものの、『ひのとり』の自動放送を最初に聞けたりしたのは良かったです。
終点、近鉄名古屋駅に到着。多くの鉄道ファンやご家族に迎えられ、一番列車は到着しました。
近鉄は古い、遅い、そんなイメージは一新されたはずです。
これまでの特急料金にレギュラーシートなら200円、プレミアムシートなら900円追加するだけでこれだけ素晴らしい列車に乗車できるのです。
名阪間だけの移動で急がないならば近鉄一択だと自信をもって言えます。
ちなみに明日はプレミアムシートに乗車する予定になっています。こちらもお楽しみに。
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今回もご覧いただきありがとうございました。
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