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【キハ183系引退】ハイデッカーグリーンで行く!特急オホーツク1号乗車記[HC85デビュー(7)]

2022年7月13日

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ここは最北端の鉄路、宗谷本線の中枢駅である名寄駅です。 旭川〜名寄と名寄〜稚内で大きな需要の差はありますが、特に乗換路線は無く特急が停まる途中駅に過ぎません。   しかし、かつてここ名寄駅か ...

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おはようございます。段々と人が増え始め、北海道ダントツの都市・札幌も目を覚ます頃です。

 

その一方、札幌駅から道内各地へ特急列車が発車し始める時間でもあります。

特急北斗2号は早起きで6時ちょうどに出発しましたが、特急おおぞら釧路行きは6:52発が最初の便。

 

稚内・網走といった走行時間5時間を超える長距離特急も、間もなくの発車です。

 

今回乗車するのは特急オホーツク1号網走行き。

使用されているキハ183系ですが、今年度末をもって定期運用を終えることが発表されました。

1986年から36年に渡って使用された、伝統ある車両です。

【社長会見】~キハ183系車両の運行終了~キハ183系車両で運転する特急列車に乗ろう

 

今回は500番台に当たりました。

車両に関する知識は持ち合わせていないのですが、この500番台は古くからの貴重なものということは聞いていました。

読者さんからの受け売りですが、V型12気筒エンジン搭載で、振動が少ないということです。



さて、今回利用するのはグリーン車です。

ハイデッカーグリーンと言われるもので、平屋構造でありながら上から見下ろすような景色を楽しめます。

 

大きな2段のステップを登り、デッキからグリーン車に向かって坂になっています。

 

この坂は室内にも続いており、非常に高いところまで昇っていることが分かります。

 

グリーン車だからこそ楽しめる、そんな景色を御覧いただきましょう。

札幌〜網走の料金

運賃:7,370円

特急料金:2,640円

グリーン料金:4,190円

計14,200円



6:56 札幌駅 発

快速エアポート66号と同時刻の発車ですが、この日は特急オホーツクが一歩遅れる形です。

 

創成川の先には大通公園のさっぽろテレビ塔が見られ、大都会を発つという実感を沸かせてくれます。

 

苗穂駅近くには車両基地や工場があり、道内を走る列車の生まれの地です。

ちょうど停まっているのは観光列車などでも使用される、はまなす編成。

 

車両ごとに切り離されていますが、2022年春に特急おおぞらから退いたキハ283系がいます。

石北本線の特急オホーツク・大雪はこのキハ283系に置き換えられる予定です。

 

白石駅を過ぎたところで、千歳線を走る快速エアポート66号を追い抜きました。

あちらの列車の天井を見ても、このハイデッカー車両が非常に高いことがよく分かります。



窓割りは1席に1つずつとなっており、天井に向けてカーブするような形です。

「上から下」という高さを重視した景色を楽しめます。

 

非常に大きく頭部分の出っ張りが特徴的な座席、リクライニングも十分に倒れます。

 

座席間隔は1160mmで、十分な広さ。

 

背面テーブルはその遠さを解消する、引き出す方式です。

 

フットレストも含めて東海道新幹線と同じようなものになっています。

 

もちろん座席モケットと同じ布が、靴を脱ぐ面で分けられています。

 

2号車は真ん中に扉があるのですが、その後ろ側に来ました。

カーテンが閉まっており見えませんが、この中には厨房があります。かつてはここで調理が行われて、お客さんに提供されていたのです。

 

その通路部分にあるのが、この折りたたみ式の座席。

ブルートレインを思い起こすという人が多いようですが、残念ながら僕にはその思い出がありません。

 

現在では車内販売も行われていないので、セイコーマートで朝ごはんを買ってきました。

網走駅の到着はお昼ごはんの12時もまわるので、予め購入しておきましょう。

 

なお石北本線特急では列車限定で、沿線自治体による車内特産品販売が行われています。

対象列車・商品についてはこちらを御覧ください。

石北線沿線地域の皆さまによる特急列車車内での特産品販売について



野幌のっぽろ駅周辺の高架線でも、窓からしっかり見下ろすことができます。

高架化が完了したのは2011年のこと。札幌のベッドタウンで人口増加傾向の江別市ですが、特急列車は停車しません。

 

室蘭本線と合流しまして、最初の停車駅が岩見沢駅です。

札幌への一般的な通勤圏として、最遠の地かと思います。

 

列車は清々しい快晴の中、田畑を駆け抜けていきます。

 

と思ったら、3分後には別日ですかってくらいの霧。

山でもないのに何とも天気が変わりすぎです。

 

美唄市光珠内からは29.2kmにも及ぶ、日本最長直線道路が始まります。

今走っている函館本線も同じく直線なので、ずっと並行することになります。

 

美唄駅では旭川から札幌へ向かう、特急カムイとすれ違いました。

 

美唄駅と言えば右手に見られるこの看板。

「稚内 サハリン近い 競泳だ」

声に出して読みたい日本語です。

 

茶志内駅ではDF200に牽引される貨物列車を追い抜きました。



列車は砂川駅、滝川駅に停車。

国鉄時代の「DISCOVER JAPANキャンペーン」から残っていると思われる、「いい日旅立ち」の看板。

非常にレトロチックで、段々薄れつつある昭和的なデザインも素敵です。

 

お隣には観光列車にも使われる、山紫水明シリーズのキハ40系が停まっていました。

この列車は札幌6:00発旭川行き。全て電化区間でありながら、気動車によって運行される面白い列車です。

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北海道の恵みにパワーを貰ってか、青空が復活しました。

奥には増毛町から石狩市にかけての険しい山々が連なっています。

 

深川駅からはそんな日本海方面へ向かう、留萌本線が分岐しています。

沿線自治体の方には申し訳ないながら、廃線秒読み状態です。

 

ここまで一切トンネルがありませんでしたが、4523mに及ぶ神居トンネルを走行します。

 

そして北海道最大の河川、石狩川を渡りました。

 

駅前には沢山のビジネスホテルやイオンモールが立ち並ぶ、北都・旭川駅に到着です。

 

ここでは3分ほどの停車時間があります。

 

ホーム上には自動販売機があるので、飲み物を買い忘れたくらいなら大丈夫です。

 

25分後には稚内行きの特急宗谷が来ます。

どちらの特急も北海道の最果てへ向かうのです。



さて、JR北海道では「いまこそ輝け!北のキハ183系 記念入場券」を販売しています。

10駅で販売中ですが、特に石北線内5駅を集めると「5駅達成特別カード」がもらえます。

旭川駅では特急大雪のスラントノーズが描かれていました。

「いまこそ輝け!北のキハ183系 記念入場券」についてはこちら

 

08:35 旭川駅 発

札幌からのお客さんは4人程でしたが、旭川からは10人くらいになりました。



新旭川駅は宗谷本線の分岐駅。

稚内へ向かって左手に分かれていきました。

この先には旭川運転所があるので、架線が張られています。

 

旭川都市圏の一角を成す当麻町、当麻駅を右側通行で通過しました。

 

伊香牛駅ではH100形と行き違い。

石北本線の旭川~上川では24本の列車が運行されていますが、2021年春に新型車両H100形形投入され、2本で運行。

2022年春には加えて19本が置き換えられ、ほとんどがH100形になっています。

 

函館本線から並行している石狩川、こちらは大雪山を源流として札幌まで続いているのです。

 

横の道路には大型バスが走っています。

観光バスかもしれませんが、札幌〜北見・網走は鉄道よりもバスの方が強いのが現状です。

 

石北本線と並行するようにして、旭川紋別自動車道が結ばれています。

 

安足間あんたろま駅で網走駅から来た、特急オホーツク2号札幌行きと行き違いました。

この列車は網走駅を早朝5:56に出発、札幌は11:19に到着します。

 

この便は最後部車両が復刻塗装されたキハ183系による運行でした。

赤とオレンジの帯をまとったデビュー当時のデザインです。

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9:16 上川駅着

ここは層雲峡への玄関口、スキージャンプ高梨沙羅選手の出身地としても知られています。

 

特急おおとりは1964年~1988年、函館~網走で運行されていた列車です。

まだ北海道の玄関口が新千歳空港ではなく、函館だった時代を感じさせられます。

 

上川駅~白滝駅の駅間距離は、在来線で日本一長い36.3kmです。

石北峠は北海道でも有数の秘境、かつては駅があったものの、廃止になってしまいました。

 

灰色の雲で隠れ気味でしたが、大雪山が見えてきました。

 

石北本線は留辺志部川と並行しており、途中で何度か渡ります。

地名にもなっている難しい方の留辺蘂を思い浮かべますが、こちらは簡単な方の当て字でしょうか。

 

右手に見えてきた古めかしい建物、ここは中越信号場です。

石北本線は1929年にここまで建設が進められたことで開業、2001年に信号場へ格下げされました。

 

直交している天空の橋は、旭川紋別自動車道。

こんなトンデモない高規格道路作られちゃ、鉄道も涙目です。

 

1975年に信号場となった上越信号場、標高は634mで、北海道の停車場で最も高い位置にあります。

 

線路沿いにはカラフルなラベンダーが咲いており、物々しい山に華やかさを与えてくれました。

 

列車は4329mに及ぶ石北トンネルで、石北峠に挑みます。



真っ暗な間に、こちらは洗面所。

最近のは通路の幅程度ですが、こちらはかなりの広さ。銭湯の洗面台レベルですが、ここまで必要化は疑問ですね(笑)

 

上を見上げるとそのデザイン性から、バブル時代を感じさせます。



トンネルを抜けまして、2001年に廃止された奥白滝信号場を通過します。

かつてこの駅を含めて、5駅連続で白滝が付く駅が続いており、白滝シリーズと言われていました。

しかしそのほとんどが廃止されたため、現在残っているのは白滝駅だけです。

 

続いて上白滝駅の駅跡を通過しました。

2016年にこの駅が廃止されたことで、それまで最長だった石勝線の新夕張~占冠34.3kmを超え、上川~白滝の駅間距離36.3kmが最長になったのでした。

 

白滝駅に到着。一部の特急列車が停車します。

上川〜白滝の駅間距離の長さを実感したいなら、普通列車の方が良いでしょう。特急ならこれくらいありますからね。

 

駅舎は跡形も無い、旧白滝駅跡を通過。

 

さらに、下白滝信号場を通過します。

ここは今でも普通列車に乗ってると、運転停車して行き違うことありますね。



丸瀬布駅で特急大雪2号と行き違いました。

丸瀬布はSLがかなり有名なところ。

丸瀬布森林公園いこいの森では森林鉄道蒸気機関車「雨宮21号」が動態保存されています。

 

左手には瞰望岩と言われる、大きな岩が見えてきました。

 

程なくして、遠軽駅に到着です。

特急が停まらない2,3番線ホームも非常に長く、わずかに転車台が見える構内からもその大きな役割を感じさせられます。

 

ここからは1989年に廃止された名寄本線が伸びており、行灯式乗り場案内には今でもその歴史を控えています。

 

遠軽駅は名寄本線へまっすぐ行くことを優先したので、石北本線ではスイッチバックが必要です。

列車はここで進行方向が変わるため、座席を回転させることになります。

 

SL常紋号は2008,2009年に北見~遠軽で運行された臨時列車です。ディーゼル機関車の力も借りて、常紋峠を越えました。

 

遠軽駅を出発しまして、湧別川を渡ります。

かつてはこの湧別川が行き着くオホーツク海にも、鉄路が伸びていたのでした。

 

奥にある絵本のお城みたいな建物、木のおもちゃのワールド館ちゃちゃワールドです。

約40か国から1万点の木のおもちゃが集まっており、子供に人気の施設になっています。

 

そのすぐ先で、生田原駅に到着。

1993年に新しくなったコンクリート造りの駅舎には、図書館やオホーツク文学館が入居しています。

こういった図書館が一緒になった駅は割とありますが、駅を街の中心に置こうという最初の取り組みって感じです。



列車は石北本線でも有名な、常紋トンネルに入ります。

常紋トンネルはタコ部屋労働によって掘削され、監督の指示に従わない労働者は、人柱として立てたという伝説があります。

そして、1968年発生した十勝沖地震を受けて行われたトンネルの改修工事で頭蓋骨に損傷がある人骨が見つかり、その話は本当だったと明らかになったのです。

 

常紋トンネルの先には、2017年に廃止されたスイッチバック式の常紋信号場があります。

 

(221.20 (talk) - 投稿者自身による著作物, パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=8005166による)

2016年に駅から降格した金華信号場近くには、常紋トンネル工事殉職者追悼碑が立てられました。

 

その金華信号場では、特別快速きたみと行き違い。

この列車は需要の大きな北見〜旭川を結び、速達性を保ちながら通常の車両で運行することで、効率性も持たせています。

 

2000年に開業した新駅、西留辺蘂駅を通過。

駅の近くには小中学校もある中心地で、北見から短距離列車が運行されています。

 

留辺蘂駅は無人駅になってしまいましたが、古くからある十分立派な駅です。

 

そして1320mに及ぶ都市トンネル、北見トンネルを走ります。

石北本線と国道道路の区画上の問題や、除雪の手間を省くため、高架化ではなく地下化による連続立体交差事業が行われました。

出入り口のシェルター部分も含めれば2100mにも及ぶ、地方都市としては非常に立派なものです。



そのすぐ先で、北見駅に到着。

北見市の人口は118,787人で、道内9位(2019年末)。オホーツク地域で一番の都市です。

 

駅前もなかなかの都市って感じを演出してくれて、好きな街のひとつ。

 

石北本線を走る貨物列車として、玉ねぎ列車は非常に有名ですね。

 

都市トンネルを抜けた先の北見駅を出発すると、今度は高架線を走ります。

 

その途中にある柏陽駅は、日本最北の高架駅です。

近くには北見工業大学や、ICT関連企業集積地の北見ハイテクパークも位置します。

駅名の由来は北海道北見柏陽高等学校から、規模は小さくとも学園都市みたいですね。

 

そして街を出れば、一面に北海道らしい景色が広がっていました。

北海道の自然はイメージと反して山であることが多いのですが、こういった景色はとても素敵ですね。

 

さらにオホーツク海側では最大の河川、常呂川を渡りました。サケも遡上するという一級河川です。

 

これまで石北峠・常紋峠と非常に険しい山を越えてきた石北本線。

271mほどの緋牛内トンネルは、ちょっとした町の境です。

 

さて、左手には美幌高野インターがありまして、ここから美幌バイパスが始まります。

これは女満別空港まで伸びており、空港アクセスを向上させるものです。

 

左手にはお米の貯蔵庫みたいなものが。

こちらは日本甜菜てんさい製糖の製糖所、サトウダイコンと呼ばれる甜菜は、日本の砂糖消費量の25%を占めます。

1958〜91年、ここへ向かって専用線が伸びていました。



美幌駅に到着。

かつてはキヨスクもみどりの窓口もあったのですが、現在は無人駅。駅舎に面して1985年に廃止された相生線のホームがありました。

 

相生線の廃線跡が右手に分岐。釧路を目指していましたが、津別町の北見相生まででストップしています。

 

西女満別駅は女満別空港の最寄駅ですが、アクセスとしては全く案内されません。

 

木々のすぐ向こうには女満別空港があり、美幌バイパスの終点です。

 

空港のある大空町の中心が女満別駅。ここにも生田原駅と同じように図書館がありますね。

2006年に女満別町と東藻琴村が合併し、大空町として新たに生まれました。

 

女満別川を越えて網走市に入った後、僅か82mの女満別トンネルへ。

 

集合住宅も見え始めまして、呼人駅を通過。

アイヌ語の「ヨピト」(それを捨て去った沼)が語源で、呼人半島によって網走湖と分けられている沼のことを示しています。

 

最後に見られる光景は網走湖、ヨットの準備をしている様子でした。

海だったところに砂が堆積し、湖になる海跡湖です。

 

網走監獄の周辺で最後のトンネルに入ります。

 

そして網走川沿いを車と競争しながら、網走駅へ最後の疾走です。

オルゴールのアルプスの牧場で終わる、到着放送が流れます。

 

隣接する車庫には季節外れ、流氷物語号のキハ54系が停車中でした。

 

5時間21分に及ぶ特急オホーツクの旅、予定通り12:17到着です。

 

網走駅に到着後、特急大雪4号として折り返します。

この間にヘッドマークを回転させるので、色々面白いものを見られるでしょう。

 

ちなみに復刻塗装の場合は、かつてキハ183系で運転した7種類のヘッドマークが復刻されます。

表示されるタイミング

・「オホーツク1号」網走駅到着~「大雪4号」網走駅出発までの間

・「オホーツク2号」網走駅出発までの間

・「大雪1号」網走駅到着~「オホーツク4号」網走駅出発までの間

~「いまこそ輝け!北のキハ183系」キャンペーン 第2弾~特急列車に乗ってオホーツクに出かけよう!

 

網走駅の入場券は、183系の定期運用撤退と共に2023年春をもって運行終了が発表された、ノースレインボーエクスプレスでした。

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キハ183系は素人目に見てもボロボロになるまで走り続けてくれました。

歴史感じる列車の度は素晴らしいものですが、普段遣いからしたらちょっと…と思うのが正直なところです。

 

オホーツクへの最後の勇姿、ぜひ皆さんも見届けましょう!

 

今回もご覧いただき、ありがとうございました。

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