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【九州一の大幹線】鹿児島本線400kmを普通列車で走破!

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鹿児島本線は九州で最も重要な路線です。

本州から九州への玄関口、門司港から鹿児島までを結びます。

 

門司港駅は鹿児島本線の起点、線路の行き止まりの先には、それを示す立派なモニュメントが造られていました。

 

今日は普通列車を乗り継ぎまして、398.5kmの道のりを行きます。

1037 普通折尾行きに乗車。

レトロチックなプラットホームに似合う、415系による運行です。

 

川のように狭い関門海峡の向こう側は下関市。本州は目の前にあります。

 

お隣の小森江駅からは本州から船でやってきた貨物が出発していました。駅の目の前にはレンガ倉庫があって、古くから重要であったことが分かります。

海底の関門トンネルを通った、山陽本線がやってきました。

九州島内の電車はほとんどが交流であるため、ここで直流から交流へと電化方式が変わります。

 

門司駅は新幹線がまだ通っていなかった頃、九州の鉄道の玄関口でした。駅名標に描かれたイラストも、そのことを示しています。

 

その先には門司機関区、中々古いEF81機関車を見られました。

 

こちらは北九州貨物ターミナル、敷地内にはコンテナが広く積まれています。

 

更に北九州貨物ターミナルも現れまして、その後にはカートレインがやって来ていた、休止中の東小倉駅が続きます。

かつてコンテナが無かった頃、ホームで倉庫の扉から荷物を取り出していました。

 

絡み合う線路たちも解かれるようにして、小倉駅に到着します。



後続の快速列車に乗車するため、小倉駅で下車。

ホーム上にあるお店で、かしわうどんを頂きました。しかし、このお店は9月をもって閉店してしまったそう。

 

ここのラーメン屋さんの営業も、終わってしまいました。これほど大きな駅で名物料理なのに、かなり残念です…。



1116 快速久留米行き

戸畑駅ホームの奥には、洞海湾に架けられた真っ赤な若戸大橋。

筑豊本線の終着できである若松と戸畑を結んでおり、今でも渡船が残されています。

 

右側には明らかに新しいバラストが敷かれた、線路が現れました。

 

こちらは新駅舎も開業し、高架化が大分進んだ折尾駅。

現在は筑豊本線から鹿児島本線へ直通する列車が使用している、連絡線の高架化工事がなされています。

 

小倉~博多にあまり峠のイメージがありませんが、山の中を走行。この峠をトンネルで貫いています。



こちらは九州一の大都会である、博多駅。

その先の車両基地には885系が手前に、特急列車が多く停まっています。博多駅は全国にもトップクラスで、様々な在来線特急が集まる駅です。

 

JRとしては太宰府天満宮の最寄り駅、二日市駅。ホーム上屋の柱も神社風の色合いになっていました。



鳥栖駅で下車しました。

長崎方面への分岐として非常に需要な街。

佐賀県の東側に出っ張った部分であり、福岡県鳥栖市と言われたりもします。

 

1255 区間快速八代行き 大牟田まで快速

 

鳥栖駅を出て一番最初に目につくのは、駅前不動産スタジアム。

建設中でブルーシートが掛けられているかのような外観で、名前も非常に個性的です。

 

新幹線と並走しながら、久留米駅に到着。

久留米市の中心部は西鉄久留米駅の方ですが、新鳥栖駅からわずか7kmの地点に設置された新幹線駅でもあります。

 

肥薩線の不通のために運休しているSL人吉。

この日は鹿児島本線で運行されていたようで、後ろから黒い機関車が押していました。

 

羽犬塚駅は筑後市の代表駅です。

非常に独特な地名の由来には、『豊臣秀吉が天下統一の行く手を阻んだ羽犬が、殺されてしまった説』と『病死した、秀吉の愛犬が羽の生えたように素早かった説』の二つがあります。

 

そのお隣にあるのは、筑後船小屋駅です。

筑後市の中心部からは離れており、周辺には大きな公園が広がっています。

 

この先は新幹線が走っていなかった頃、特急も停車していた重要な駅が続きます。

瀬高駅もその一つで、2021年3月に廃止された往年の鹿児島本線特急『有明』が停車していました。

 

並走しているのは、西日本鉄道本線。基本的に鹿児島本線と、ある程度離れたところを走行し、役割を分散しています。

 

終点の大牟田駅は同じ駅。ちょうど西鉄の列車が入線してきました。

 

大牟田では大蛇山まつりが行われており、そのシンボルとも言える龍たちがホーム上にいます。

 

現在ではトラックによるコンテナ輸送ですが、大牟田はかつて三井三池炭鉱による石炭産業で栄えた街。駅構内の広さからもそのことが窺えました。



福岡県から熊本県の県境を越え、荒尾市に入りました。

県を跨いでいるものの、大牟田市と荒尾市は非常に密接な関係にあり、越境合併の議論がされたこともあります。

 

こちらは金魚のまちとして有名な長洲駅。

ホームには、一体何年育てたらこうなるのか分からない、金魚が飾られていました。

 

右手に見えるのは海岸沿いの造船所のクレーンに、長崎県の雲仙岳です。ここから島原へは有明フェリーが出ています。

 

別に新幹線の新玉名駅が設置されている、玉名駅。

平屋駅舎で、レールを使った上屋の柱。それらが国鉄感を漂わせています。

 

平野が続いていた鹿児島本線ですが、山越えの区間になりました。

 

そんな中にある田原坂は、西南戦争でかなり苦しい戦いが繰り広げられた場所です。



トンネルを抜けまして、街が広がってきました。

左手には崇城大学のキャンパスが構えています。

 

崇城大学前駅の近くでは、西洋のお城みたいな外壁が目の前にありました。



市街地の中を高架線で走りまして、熊本駅に到着。

2015年から進められた高架化、リニューアルによって、非常に綺麗な駅舎へ生まれ変わっています。

 

九州新幹線の高架とともに、車両基地や貨物駅の中を走ります。

 

富合駅近くには九州新幹線の車両基地があり、そこに向かって分岐した高架線が降りていきます。

 

フリーゲージトレインの試験車両も置かれていて、金色に輝く列車はいつも目に付きます。

 

さて、ここはまもなく新八代駅というところ。

分岐した鹿児島本線の線路が右側へ離れていきます。

 

それが向かう先は九州新幹線の高架。

九州新幹線は新八代駅〜鹿児島中央を先行開業していたため、博多からの特急リレーつばめ号との乗り換えが必要でした。

よりスムーズな乗り換えを可能にするため、新幹線ホームへ在来線の線路を伸ばし、新幹線との対面乗り換えができていたのです。

 

九州新幹線が開業した今、新八代駅の在来線ホームは直角に交差する新幹線の高架下にあります。



熊本県第二のまち、八代駅に到着しました。

ここは畳のい草と製糸業のまちで、ホームからは大きな工場を見られます。

 

そんな鹿児島本線はここで終わり、第三セクター肥薩おれんじ鉄道となります。

今回はこの区間についても鹿児島本線として、乗車することにしました。

JR八代駅の駅舎は熊本地震の影響も加わり、2019年にリニューアルされています。

和風デザインの駅舎に合わせて、入居するファミリーマートも茶色です。

 

それに隣接した建物が、肥薩おれんじ鉄道の本社と八代駅になります。

 

この日は、1dayのれる切符というフリーきっぷが発売されていました。八代〜川内の片道で2670円という中、1500円で1日乗り放題という破格のきっぷです。

肥薩おれんじ鉄道線のホームは0、1番線。

新八代駅から1両のディーゼルカーがやって来ました。



八代駅を出発。

八代駅から伸びるもう一つのJR線、肥薩線の錆びた線路が横を走ってます。

肥薩線は2020年の豪雨によって八代~吉松が不通になっており、復旧の目処は立っていません。

 

一度離れていった肥薩線ですが、トンネルを抜けると直角して交差。列車が走っていないので草が蒸しています。

 

その直後にあるのが球磨川を渡る橋梁、赤茶色の鉄橋からはローカル線らしい雰囲気を感じます。

ここ、日奈久温泉駅は九州新幹線の開通前、特急も停まっていた有人駅です。



列車は不知火しらぬい海とも呼ばれる八代海沿いを走っていきます。

干潮の時には干上がった浜がドロドロになっていたりするのも特徴です。

 

レンガ積みのトンネルなどになっています。

肥薩おれんじ鉄道の区間は1927年に全通、たしかに昔ですが、幹線としては新しい方です。

 

それまでの鹿児島本線は、現在の肥薩線を経由する山側ルートでした。

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こちらは2005年に開業した新駅、たのうら御立岬公園駅です。

駅名の通り御立岬公園の最寄り駅であり、芦北町の観光施設である道の駅たのうらなどに向けて設けられました。

長距離輸送を担っていた鹿児島本線ですが、新幹線にその役割を受け継いで地方鉄道へ生まれ変わった、その変化を見ることができます。



トンネルを抜けると真っ白なコンクリートの壁が出来ていました。

2020年に九州を襲った令和2年7月豪雨、多くの鉄道が被害を受けましたが、肥薩おれんじ鉄道についても同じです。

この場所は復旧と共に防災面で改良された模様で、枕木やバラスト含め、全体的に新しくなっています。

 

肥薩おれんじ鉄道は単線区間もありますが、複線区間も残されています。

 

速度も85km/hほど出ており、非電化の幹線に沿ったスピードです。

九州新幹線の乗換駅である新水俣駅に到着。

水俣市中心部の水俣駅は九州新幹線のルート上から外れていたため、両線路が接触するところに駅が設置されました。

 

水俣駅の駅舎は2015年にリニューアルしており、水戸岡鋭治さんによるデザインです。

 

袋駅~米ノ津駅で熊本県から鹿児島県に入りました。

第三セクター鉄道は県境で会社が変わるのが普通ですが、肥薩おれんじ鉄道に関しては1つの会社にしてくれているので、非常に便利です。

出水駅で反対方向からやってきたのは、観光列車のおれんじ食堂。

おれんじとは反対色である青色の車両で、その名の通り食事をメインとした列車になっています。



次の大きな町、阿久根駅に到着。

特急が停車していた阿久根市には新幹線が来なかったため、遠くからは少し行きづらくなってしまいました。

 

この海で夕陽を見れたら本当に良かったですね。またの機会を楽しみにすることとしましょう。

 

薩摩高城駅は秘境駅の一つとして数えられる駅。

そこまで閉塞感はありませんでしたが、たしかに家は少ない印象でした。
肥薩おれんじ鉄道には全線に渡って、電気を摂る架線があります。

しかし今走っている車両は気動車、電気は使いません。

 

それでも電化設備が残されているのは、貨物列車が走るためです。

しかし2020年に36ぷらす3が運行を開始したことで、旅客列車についても電車特急が走ることとなりました。

 

渡っているのは川内川。

九州新幹線の大きなコンクリート橋とともに、赤白の鉄橋を走って行きます。

そして終点の川内駅に到着しました。

大幹線の中をディーゼル列車で行く、そんなのんびりした鉄路へ生まれ変わって、それもまた楽しいものです。

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肥薩おれんじ鉄道はここで終わり、正面には車止めが付けられています。

 

しかしすぐ真反対にも車止めがありました。

 

ここから始まるのが鹿児島本線です。

鹿児島本線の川内〜鹿児島についてはJRでの運行が続けられています。鹿児島の都市圏で、ある程度の利用を見込めるのでしょうか。

 

新しい駅名標は上川内の表記がありませんが、かつての駅名標も残されていました。



1832 川内駅発

川内川を渡るときにも見られましたが、九州新幹線も停まる駅です。

 

次の駅は隈之城駅。

近くにかつて薩摩藩の中心的な城だったという、二福城があり、それに合わせたかのような駅舎のデザインです。

 

列車は肥薩おれんじ鉄道でも見られたような、木々の生い茂るところを走行。

 

単線が多くを占めますが、一部複線になっているところもあります。

 

串木野駅周辺はいちき串木野市の中心部。日本一長い市名の一つです。

 

湯之元駅で行き違いが行われました。

 

日置市の伊集院駅からはお客さんもだいぶ増え、鹿児島からの需要も大きいものに感じます。

 

座席が全部埋まるくらいのお客さんを載せまして、鹿児島市街地を走ります。

 

鹿児島中央駅に到着しました。

 

ここは鹿児島県で一番大きな駅で、観覧車が象徴的です。

 

しかし、鹿児島本線の終着駅はここではなく、まだ一区間残っています。

もはや日豊本線のような扱いですが、国分行きの普通列車に乗車。

 

RPGの魔界にいるかのような、不気味な空色を横目に、市街地を走っていきます。

 

5分もかからないうちに、鹿児島本線の終着駅、鹿児島駅に到着しました。

 

この駅は県名をそのまま名乗っていますが、自動改札も無いほんの小さな駅です。

 

しかし、現在再開発が行われており、2020年2月からは新駅舎が供用開始しました。

 

発着する路面電車と合わせて、乗り換えにも便利な構造になります。

 

鹿児島本線の400kmには、かつて特急が停まっていたような大きな駅をいくつも見られました。

九州新幹線に速達・長距離輸送の役割を移しても、その名残から街の大きさを知ることができます。

 

それぞれの街の発展を知ることができる、非常に良い旅となりました。

 

今回もご覧いただき、ありがとうございました。

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