運行開始50周年を迎えた特急やくも号、最後の国鉄型電車特急である381系が走っています。
新型車両導入を前に、「381系特急『やくも』リバイバル企画」を実施。第1弾では「国鉄」の復刻塗装が行われました。
第2弾では「スーパーやくも」を復刻。パノラマグリーン車の1編成が薄紫色に塗られました。
そして2023年11月5日に第3弾、「緑やくも号」の運行が始まりました。今回は出雲市からの営業初列車に乗車してみます。
特急やくも号の始発駅である出雲市駅。
8:26、西出雲の車両基地より特急やくも5号が入線してきました。
落ち着いた緑色は、復刻塗装含めこれまでの明るい色合いと、まるで雰囲気が異なります。
ほっぺたに深緑色を携えて、大人な雰囲気です。
2,3号車にはゆったりやくも編成が入っており、見慣れたクリーム色とえんじ色が挟まれていました。
🟢緑やくも色運行計画🟢
11/5(日)から運行開始の「緑やくも色」運行計画をお知らせします。
ご予約時の参考にして下さい😊運行が6パターンありますのでカレンダーの数字と運行パターン表を照らし合わせてご確認下さい。
なお、黄色と灰色の日は「ゆったりやくも色」との混色運行となります。 pic.twitter.com/2FFgS5AjJC
— 山陰観光連盟【公式】 (@sankanren) October 26, 2023
11月いっぱいは6両編成の運用で、ゆったりやくもが間に入る混結編成。12月からは4両編成となり、緑やくも一色で運行予定です。
最新の運用については、山陰観光連盟さんのX(旧Twitter)をご確認下さい。
3連休に営業初列車が入り、ホーム上では多くの方が迎えていらっしゃいました。
出雲市寄りの最後部1号車はグリーン車です。
側面にはおしゃれな筆記体でロゴマークが描かれており、ゆふいんの森を思わせます。
ゆったりやくも編成2両を挟み、岡山寄り4〜6号車が緑編成。ラインの位置がやや異なるのがよく分かります。
先頭6号車の岡山寄りへ。
4番線ホームには木次線の観光列車、奥出雲おろち号が停まっていました。
11月23日に引退予定で、これらが並ぶのは3週間ほどしかありません。
自由席は4,5号車、指定席は2,3,6号車です。今回は緑編成先頭車両の指定席、6号車に乗車します。
特に車内は変わっておらず、JR西日本でよく見る座席です。
8:31 出雲市駅 発
普通のやくもとは違う鉄道唱歌のオルゴールに始まり、車掌さんによる放送がなされます。
二重窓の窓枠は深緑色で縁取られており、いつもの特急やくもと違う雰囲気です。
斐伊川の対岸には、多くの撮り鉄さん方がいらっしゃました。
宍道駅を発車し、宍道湖の真横を走行。
出雲市行きの特急やくも号に乗車すると、宍道湖の観光放送がなされます。
温泉の駅名標がトレードマークの、玉造温泉駅にも停車しました。
しばらくすると宍道湖越しに、山陰一の都市である松江の市街地が見えてきます。
高架線に挟まれる松江駅を発車です。
安来駅に到着する際には、向こう側にあの列車。
東京から出雲市を結ぶ、寝台特急サンライズ出雲号でした。物珍しい緑色の特急やくも号に、車内からの視線が集まります。
進行方向右側の個室を撮れた際には、ぜひすれ違う特急やくも号にも注目してみて下さい。
鳥取県に入りまして、米子駅に到着。山陰最大のターミナル駅で、扇形機関庫が置かれています。
今年夏に新駅舎がオープンしており、車両基地を一望できるスペースや、新型やくもを思わせる待合室などが魅力的です。
向かいの列車には緑色の車体が映っており、山陰の鉄路に無かった色が目を引きます。
米子駅では乗務員さんの交代が行われます。
目の前に残っているのは旧駅舎時代からの跨線橋、いつ解体されてもおかしくありません。
9:22 米子駅 発
米子駅から多くのお客さんを乗せ、ゲゲゲの鬼太郎の列車を横目に出発です。
詳しい車内放送で各停車駅の到着時刻を聞きながら、王子製紙米子工場を見つつ、日野川を渡ります。
伯耆大山駅に到着、山陰へ来る貨物列車は伯備線を通ってここへ集結します。
ちょうど機関車の入れ替え作業を行っているところでした。
山陰本線から伯備線に入り、大山を左手に見つつ南下します。伯耆富士と呼ばれ、中国地方最高峰です。
少し車内を見て回るべく、3号車へ来ました。
乗降扉から戸袋の塗装が見られますが、こちらはゆったりやくも編成で、クリーム色とえんじ色。
お隣の4号車へ来ると、濃淡の緑色です。
緑編成ですが貫通扉部分はそのまま、ゆったりやくものクリーム色が残っていました。
座席等はリニューアルされていますが、ドアの凹凸やくずもの入れの表記など、国鉄感が残っています。
自然振子装置を導入しており、カーブで車体を傾けた跡の揺れ戻しで少々酔いやすい381系電車。
洗面台にはエチケット袋を備えています。
根雨駅で列車行き違いのため、4分間の停車です。
国鉄エンブレムと筆記体のYakumo381が似合いすぎています。
ゆったりやくもではあまり感じない、ワンランク上の高級感がありました。
しばらくしまして、特急やくも号と行き違いです。
鳥取県に入りまして、再び行き違いのため運転停車。
ここで行き違ったのは、スーパーやくも編成です。先頭には大きな窓が取り付けられており、グリーン車からパノラマ展望を楽しめます。
ヘッドマークもわざわざ「スーパーやくも」にしてくれている、徹底ぶりがすごいです。
秋の風景になった伯備線、緑色の額縁からだんだん彩りが映えてきます。
伯備線と言ったらカーブの連続、車内からでも緑色が入った混結編成を楽しめます。特急やくもを車内から堪能できました。
中国山地のターミナル駅、新見駅に到着です。
駅員さんも数人写真を撮影していらっしゃいました。
石蟹駅から井倉駅は、戦後に線路が付け替えられた区間。これまでとは様子が変わり、一気にスピードを上げていきます。
特急やくも号と行き違いました。
備中高梁駅からは岡山近郊路線、複線になって高速で走り続けます。
総社駅を通過する時には、新型車両Uraraもいました。
そして清音駅で特急やくも9号とすれ違い、国鉄復刻編成でした。
山陽新幹線の高架をくぐり、まもなく倉敷駅の放送が流れます。
伯備線は倉敷駅で終わり、急カーブで山陽本線へ合流していきます。
岡山駅到着7分前から、長い放送が流れてきました。
そして終点の岡山駅、沢山の鉄道ファンの方々に迎えられます。
復刻塗装は外から撮影する方がメインですが、カーブの多い伯備線だからこそ、乗っても楽しいものでした。
架線柱の隙間から陽光を受け、森の中を走るのにピッタリの色合い。全く雰囲気が違う381系です。
駅構内の引込線へ回送され、しばらくすると特急やくも11号として出雲市へ向かいます。
新型やくも273系も出雲市へやってきて、2024年デビューを待つばかり。まだ381系引退までは時間がありそうですが、バリエーション豊かになった国鉄特急に足を運んでみて下さい。
今回もご覧いただき、ありがとうございました。
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