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【1日1本夏だけ!】特急くろしお17号パノラマグリーン乗車記 貴重なオーシャンアローの前面展望[夜行ソニック(1)]
東海道新幹線、山陽新幹線がやってくる新大阪駅。 新幹線駅というだけでなく、ここを始発とするもの含めて多くの在来線特急が停車します。 今回乗車するのは紀伊半島を南下し、新宮駅 ...
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名古屋から紀伊半島を南下し、新宮駅・紀伊勝浦駅まで行き来する特急南紀。
使用されているのはキハ85系気動車です。そのシンボルとも言えるのが前面展望を楽しめる、パノラマビューになります。
2023年7月1日に新型車両HC85系がデビュー予定で、キハ85系気動車は定期列車から引退します。
これによりもう楽しめなくなってしまう、特急南紀のパノラマ展望。その魅力を最大限お伝えできればと思います。
朝5時半頃、特急南紀2号の始発駅である新宮駅に来ました。
列車の出発時刻は6:20発。パノラマ展望の座席は自由席なので、真っ先に座れるよう朝早くから来たのでした。
しかし、お客さんは全然いらっしゃらず、そんなに急ぐ必要はなかったようです。
新宮駅には車庫が隣接しており、紀勢本線を走る列車たちが勢ぞろいしていました。JR西日本の区間は電化路線のため左側、JR東海は非電化路線でディーゼルの給油設備が必要なので右側へ分かれています。
隣接した車庫から新宮駅ホームへ入るには、構内で列車を移動させる「入替作業」が行われます。
特急南紀は基本的に紀伊勝浦発着で、新宮発着は1日1往復だけ。キハ85系が車庫と駅を行き来するのは1日2回なので貴重です。
列車は一度踏切を越えて、本線上に停車します。この時結構長い間踏切が閉まることになります。
再び踏切が閉まり、進行方向を変えて新宮駅の3番線ホームへ入線しました。
まだホーム上にはお客さんがいらっしゃらない状態、出発の準備が進められます。
再び進行方向を変える形で、名古屋方面に黄色い前照灯が灯りました。3分も経たないうちに扉が開きます。
早速自由席に乗り込みまして、無事席を確保できました。この後もお客さんはいらっしゃいましたが、10人も乗っていらっしゃらず、鉄道ファンの方も少なめでした。
乗っている間はパノラマ展望が楽しめる非貫通型の方が良いのですが、車両を連結する貫通型の顔も、外から見るとゴツっとした感じで好みだったり。
入れ替え作業は特急くろしおでも同様に行われています。
ちなみに始発の特急くろしお12号は京都駅行きで、かなりのロングランです。
それではキハ85系で行く特急南紀の旅、長くなりそうですがぜひお楽しみください。
06:20 新宮駅 発
結局自由席も全く混雑しないまま、始発駅を出発しました。
ワイドビューチャイムから始まる車掌さんによる肉声放送がなされます。HC85形になればアルプスの牧場になると思われ、南紀号でこのチャイムも聞き納めです。
踏切を越えまして、ポイントを通って単線に入ります。
ディーゼル特急のキハ85系で運行される特急南紀。その一方で、しばらくの間架線が張られています。
これは隣接する車庫から新宮駅構内へ入替作業が行われるためで、JR西日本の電車をホームへ入線させるのに、このあたりまで電化しておく必要があるのです。
ここで熊野川を渡り、和歌山県から三重県に入りました。
鵜殿駅を通過します。
現在は紀宝町ですが、かつては鵜殿村の駅。2006年に合併するまで日本一面積の小さい村でした。紀州製紙の工場があるため固定資産税が大きく、小さな村でも残っていたのです。
合併した後の紀宝町も引き続き、新宮市のベッドタウン。
町の北端には道の駅ウミガメ公園に隣接した、ウミガメ水族館があります。ウミガメが実際に泳ぐ様子を、プールの上や水中窓から立体的に楽しめるようです。
右側の海はちょっと木で隠されていますが、ところどころ綺麗な海を見せてくれました。
御浜町に入りまして、阿田和駅を通過。
駅のすぐ近くに道の駅パーク七里御浜が隣接した、フェアフィールド・バイ・マリオット・三重御浜があります。
マリオット系列のホテルで、道の駅と隣接したホテルを全国の地方を中心にに展開しています。
お隣の紀伊市木駅を通過。JR東海では地方駅の簡易舎化を進めていて、こちらも2016年に新しくなりました。ガラス張りで見通しの良いものが多いです。
行き違い可能な神木山駅を通過。
線路が分かれるポイントは急カーブなので速度を落とす必要があるのですが、75km/hで通過できるY字分岐器を採用して、なるべくそのロスを減らしています。
最初の停車駅、熊野市駅に到着です。
ここは紀勢本線の中でも代表的な主要駅。
熊野市の北端ですが市街地の中に位置しており、多くのバス路線が発着して観光の玄関口です。熊野大花火大会開催時には、名古屋方面への夜行列車まで運行されます。
普通多気行きと接続するほか、普通新宮行きと行き違いも行っていました。
ここまで浜沿いを走っていましたが、ここから一気にトンネルが多くなります。
新宮駅〜熊野市駅は戦前1940年に開業した区間。熊野市駅〜新鹿駅の開業は1956年であり、時代の変化が線形にも現れています。
大泊駅のすぐ近くに熊野大泊ICがあり、ここから始まるのが熊野尾鷲道路です。2021年8月に尾鷲北IC〜尾鷲南ICが開通し、ここまで全線開通しました。
紀勢本線と並行するような「紀勢線」として、自動車専用道路も建設する計画です。
紀勢本線の秘境駅で、アニメ『凪なぎのあすから』の聖地ともされる、波田須駅を通過しました。ホームからは海を見下ろせます。
そして新鹿駅を通過する前、新鹿海水浴場が広がりました。
ここは日本一きれいな海水浴場と、JR東海からお墨付きを受けています。たしかに弧を描いた砂浜に穏やかな波が素敵でした。
今走っているところの線路はご覧の通り。
リアス式海岸でギザギザした地形、入江の付け根に形成された港集落を、定規で点つなぎしているみたいです。
本来は新鹿駅から賀田駅を1本のトンネルで貫くはずでしたが、通過している二木島を経由するため2本のトンネルで迂回ルートを採用しています。
これは二木島の住民によってこの場所に線路を通すよう陳情されたためです。
熊野市から尾鷲市に入りまして、賀田駅を通過しました。
通過列車は真っ直ぐな線路を走る、一線スルー化構造を採用しています。先程のY字分岐器よりスピードが出せる一方、両方向の列車が走れる信号設備が必要なので、より費用がかかるというデメリットもあります。
紀勢本線最後の開業区間は、新鹿駅〜三木里駅。
1959年に開業しており、紀伊半島を縁取る現在の紀勢本線が完成しました。
熊野尾鷲道路は尾鷲市街地へトンネルでまっすぐ貫きますが、紀勢本線は海側に突き出たリアス式海岸の各集落を経由する迂回ルートです。
その中のひとつが九鬼駅、1958年に三木里駅まで延伸するまで1年間終着駅でした。
まさにリアス式海岸の崖っぷちを走行、ロックシェッドの中を走っていく前面展望は、車で渓谷沿いを走っているような車窓の流れです。
青春18きっぷのポスターにも選ばれた大曽根浦駅を通過し、その先の尾鷲湾には小さな島々が浮かんでいました。
尾鷲市街地の中を、盛り土でカーブしつつ見下ろしていきます。トンネルの前後に集落を見られましたが、大都会へワープしたような実感です。
日本一大雨のまちとされる尾鷲市、中心市街地西端に位置する尾鷲駅に到着しました。
年間降水量が非常に多い一方で、今日みたいな晴天の日も多いです。
東海地方に住んでいた身としては、天気予報で毎日のように聞いていた地名。その一方でなかなか来る機会はありません。
尾鷲駅より西側へ線路が伸ばされたのは1957年、それに対して東側の線路は、1934年に尾鷲駅まで至っていました。
これまでトンネルにより、思いきった直線を引かれた線路。地図を見ても、ここから細かいくねくねカーブが連続しています。
この通り山の隙間を縫って走っているようで、トンネルで貫いていたのと対照的です。
一方で山を抜けて開けたところには銚子川を渡る高架橋が伸びており、バラストも敷かれていない高規格路線みたい。
相賀駅を通過しまして、紀勢自動車道と交差しました。
この辺りは船津川に沿って線路が敷設されているため、川によって作られた平らな土地で開けています。
船津駅で普通列車と行き違いました。
朝早かったので麻痺してましたが、時刻は7:17。地方ローカル線のお得意さんである、高校生の生徒さんが通学の時間帯です。
一部かなり勾配がきついところを走っていて、勾配標は25‰を示していました。蒸気機関車ではかなり大変だったと思われます。
三野瀬駅を通過後、リアス式海岸の複雑な地形に海水が入り込んでいる様子を見られました。
ここには「NAGASHIMA SHIP YARD」と書かれた建造ドックが残されています。アニメ『凪のあすから』で登場したそうです。
紀伊長島駅に到着しました。
紀北町の中心駅であるとともに、紀勢本線の運行拠点です。普通列車の行き先になることもあり、この特急南紀でも車掌さんが乗り込まれました。
これから松阪市、津市へ向かって山に入る紀勢本線。こちらは列車から近くで見られる、最後の海になります。
ここで登るのが荷坂峠です。紀勢本線でそんなに有名な峠は思いつきませんが、おそらくこれが代表的かと思います。
この峠を越えるのに勾配を和らげるため、Ωカーブという線形が見られます。
線路をまっすぐ引いてしまうと急な坂になるところ、カーブさせることで距離を稼ぎ、そのぶん勾配を和らげるというものです。
トンネルに入りまして、左へカーブしています。トンネル内でのカーブは前面展望でないと分からないもの、紀勢本線のΩカーブを実感できました。
ここで進行方向左手に注目、下に見えるのは紀伊長島駅の辺りです。さっきまであそこにいたのに、もうこんなに登ってきてしまいました。
これが見られるのは本当に一瞬なので、ぜひ注目していてください。
ここからは2km近くの荷坂トンネルで、梅ケ谷駅まで真っ直ぐ貫きます。
ここからは大内山川に沿って走っており、戦前の技術でも十分線路を敷設できました。
大内山駅を通過しまして、右手の山には大内山動物園があります。
おそらく車窓からは確認できませんが、これだけ地方ながら個人経営の動物園、しかもライオンやトラなど猛獣まで飼っているというので驚きです。
紀勢大内山ICがあるあたり、紀勢自動車道の立派な高架橋と交差しました。
開けた田んぼの中カーブしていく線路、プラレールで訳もなくカーブの線路を繋げるみたいな、子供心を思い出す面白さです。
それまで穏やかだった大内山川、渓谷に変貌してこちらは大滝峡です。
中々見られなかった渓谷の景色には、特急ひだみを感じます。
滝原駅で普通列車新宮行きと行き違いました。
そろそろ集団登校で子どもたちが集まる時間帯、集合場所でランドセルを背負いながら遊ぶ姿も。
大台町の中心駅、三瀬谷駅に到着です。
目の前には道の駅南伊勢おおだい等の商業施設や、フェアフィールド・バイ・マリオット・三重おおだいがあります。
伊勢に流れ着く宮川沿いを走行、左手に見えるのは神瀬製茶の茶畑です。「伊勢神宮」にも献上されており、その際には「奉納茶摘み」という行事も行われるそう。
勢和多気JCTの近くには日本最大級の商業リゾート「ヴィソン」が2021年にオープンしました。
イメージが湧きづらいですが、ホテルで宿泊しながらも、独自の店舗で買い物や体験を楽しめるという施設です。
多気町役場やチェーン店が集まる町の中心部、相可駅を通過。
真っ直ぐ伸びる参宮線が現れ、紀勢本線はそちらへ合流していくような形です。
参宮線は紀勢本線から分岐する路線ですが、伊勢神宮への参拝客輸送を担うため、先に建設されました。後から紀勢本線が南下したので、本線が属するみたいな形になっています。
参宮線の乗り換え駅となる、多気駅に到着です。
伊勢市・鳥羽へ伸びる参宮線では、名古屋から快速みえ号が走っています。多気駅は路線分岐駅として運行上の拠点、運転士さんと車掌さんが交代されました。
徳和駅を通過、非常に長い有効長とプラットホームが目立っています。
かつて鵜殿〜稲沢(愛知)で貨物列車が走っていたのですが、2013年をもって紀勢本線の貨物列車は運行を終了しました。
右手からは複線電化路線が近づいてきて、ちょうど特急列車が走ってきます。
こちらは近鉄山田線、伊勢中川駅〜宇治山田駅を結んでおり、伊勢神宮参拝のために建設されました。
松阪駅は近鉄との乗り換え駅であり、改札が一緒になった共同駅舎です。
近鉄特急を追いかけるようにして、松阪駅を出発。
三重県は近鉄王国と言われるところで、特に名古屋〜津・伊勢市・鳥羽ではJRと近鉄が並行していますが、近鉄が圧倒的なシェアを得ています。
ここでポイントを越えまして、特急南紀は右側通行で逆走しているみたいに。
しばらく並走していた2本の線路、紀勢本線が右へカーブするとほぼ同時に、左へ離れていきました。
こちらは超ローカル線として知られるJR名松線、名張を目指したのですが、途中の伊勢奥津駅で途絶えています。
松阪駅の乗り換え路線だった、近鉄山田線と立体交差しました。
六軒駅で、普通伊勢市行きと行き違い。この先は参宮線へ乗り入れる列車も走るので、行き違い列車が増加します。
次の高茶屋駅は一線スルー構造で、貨物ホームの跡も残っていました。
左手から再び複線電化路線が近づいてきました。
こちらは伊勢中川駅〜近鉄名古屋駅を結ぶ近鉄名古屋線です。伊勢方面だけでなく、名古屋方面の特急も走る幹線になります。
左手丘の上に見える建物は三重県庁。県庁所在地となっている津市、津駅に到着です。
松阪駅と同様に、JRと近鉄の共同駅舎。
ちょうど特急列車が出発したところ、観光特急しまかぜを除き全ての列車が停車します。近鉄とJRの乗客数格差が非常に大きく、近鉄が15,689人/日に対してJRは3609人/日、なんと4倍もの差がついています。
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これから走るのはJRではない、第三セクター伊勢鉄道。右側のホームにはその普通列車が停まっていました。
津駅を出発しようというところ、大阪難波方面の特急ひのとりが来ました。
この上ないくつろぎの空間を提供してくださり、プレミアムシートが非常に人気です。
近鉄名古屋線の下をくぐるところで、特急南紀は右側の線路へ。
左側の線路には普通伊勢市行きがいました。津駅へ入線するため、特急南紀がポイントを越えるのを待っていたようです。
紀勢本線とはここでお別れし、第三セクター伊勢鉄道伊勢線を走ります。
かつて名古屋から伊勢・新宮方面へは、亀山駅まで行き進行方向を変える必要がありました。そこで国鉄伊勢線を建設して、短絡ルートを完成させたのです。
当時は普通列車1日7往復、特急南紀4往復で営業成績が悪く、国鉄分割民営化時に第三セクターになりました。
しかし、現在では黒字と赤字を行ったり来たりするくらい、JRとして残すべきだった路線の代表例として頻繁に取り上げられます。
1973年に開業したスピード重視の路線ということで、最高速度110km/hで駆け抜けます。
津駅〜中瀬古駅は単線なのですが、将来的に複線化できるようほとんどの場所で用地が確保されています。
そのほか電化まで考慮されており、トンネルも大きめに作られました。
複線区間に入って徳和駅を通過した辺りで、特急南紀1号とすれ違いました。
徒歩20分ほどに鈴鹿サーキットが位置する、鈴鹿サーキット稲生駅を通過。
F1開催時は臨時列車が運行されたり、快速みえ・特急南紀が臨時停車することもあります。
伊勢鉄道の本社・車庫が隣接する玉垣駅を通過。
伊勢鉄道が保有している普通列車は4両だけで、伊勢線を走る快速みえ・特急南紀も全てJR東海の車両です。
高架線へ登って行くと、左手奥の方には高層マンションみたいな鈴鹿市役所が現れます。
まもなく鈴鹿駅に到着しようというところで、普通列車とすれ違いました。
伊勢線内で唯一特急南紀が停車する、鈴鹿駅に到着。
現在は2両編成がデフォルトになった特急南紀ですが、この駅はプラットホームがとんでもなく長いです。
駅から線路を見られるレベルの近さで、近鉄鈴鹿線と交差しています。鈴鹿市中心部へはこちらの路線を使う方が多いです。
河原田駅を通過し、伊勢鉄道伊勢線からJR関西本線に入ります。
現在通過しているのは、河原田駅の伊勢鉄道ホームです。左手下には電化された関西本線が走っており、あの高さに関西本線ホームがあります。
伊勢線と関西本線が立体交差、地上へ降りたところでJR関西本線に入ります。
伊勢鉄道の普通列車は、四日市駅まで乗り入れています。津駅と四日市駅を行ったり来たりするのが基本です。
JR東海エリアの関西本線(名古屋〜亀山)は電化されており、ディーゼル特急は架線の下を走っていきます。
臨海部から貨物線が合流してくる、南四日市駅を通過します。貨物列車のため明らかに広大な用地が確保されているのがわかります。
南四日市駅を過ぎると単線へ。関西本線はこの先も、単線と複線を繰り返すことになります。
ここで近鉄名古屋線と交差、伊勢鉄道伊勢線は街から離れたところを突っ切っていましたが、近鉄名古屋線は市街地寄りを走っており、役割が異なります。
そして再び広い構内が現れまして、JR貨物の赤い機関車が停まっていました。北海道からやってきたDF200型ディーゼル機関車です。
四日市港から貨物線が合流してきて、四日市駅から石油関連の貨物列車が出発します。
もはや貨物駅の中にポツンと設置されたような、旅客ホームに停車。
四日市市は三重県で一番人口の多い都市で、特急南紀も停まります。しかし、県内最大都市のJR駅にしてはかなり寂しい印象。中心部からは離れており、近鉄四日市駅の利用者が圧倒的に多いです。
四日市駅を出発してからも、コスモ石油へ貨物線が分岐していきました。もうここは貨物列車の巣窟です。
再び複線区間になり、ダイヤの制約が少ないここを狙って列車がすれ違いました。
右手には製油所や火力発電所があって、まさにイメージ通り四日市の景色です。
富田浜駅を通過すると、再び単線になりました。
こちらも貨物運行上の拠点、富田駅を通過です。
3番線ホームには、315系電車で運行される普通四日市行きが停車中でした。
4両編成の315系電車は、6月1日から関西本線を走り始めたばかり。
キハ85系からこの車両を見られるのは、1ヶ月だけです。
ほとんど駅構内という状態で、近鉄名古屋線をくぐります。
三岐鉄道三岐線は富田駅(JR)〜西藤原駅を結ぶ路線です。しかし、富田駅直前の三岐朝明信号場から近鉄連絡線が分かれており、旅客列車は近鉄富田駅〜西藤原駅を走ります。
関西本線が潜っている正面の線路は近鉄連絡線、右側には富田駅から出発した三岐線が見えており、三岐朝明信号場へ向かって登っているのが分かります。
三岐線は西へ向かうためその下をくぐるのですが、ちょうど貨物列車が走っているところでした。日本で唯一セメント輸送を行う私鉄です。
富田駅から再び複線になっています。朝日駅を通過して、近鉄名古屋線をくぐりました。
朝明信号場から単線になって、近鉄名古屋線と並行。ちょうど益生駅から列車が出発するところです。
桑名駅に到着します。
近鉄、養老鉄道、三岐鉄道北勢線の乗り換え駅で、今度は旅客駅としてかなり広い駅です。
この先複線化されるところで、普通列車とすれ違いました。
右側へ移った近鉄名古屋線と共に、キュッとカーブします。
ここから近鉄と共に、木曽三川を渡ります。揖斐川と長良川を隔てるのは道一本の幅しかない堤です。
長島のあたりで黄色い伊勢志摩ライナーとすれ違いました。
そして長良川を渡り、三重県から愛知県に入ります。
最初にちょろっと和歌山県を走っただけで、ほとんど三重県を縦断していました。縦長県の距離を思い知らされたところで、ようやく脱出です。
この先単線になってしまうためか、列車とすれ違うのにスピードを落としていたみたいでした。
弥富駅を通過する前、左手から名鉄尾西線が近づいてきました。終着駅になっており、JR東海のホームを間借りしています。
弥富駅から単線になった後、白鳥信号場を通過。1993年に設置された信号場で、一線スルー方式のためスピードを落とす必要がありません。
永和駅のホームが無い線路には貨物列車が止まっていました。
特急南紀停車駅ではないですが運転停車し、旅客列車と行き違います。
蟹江駅を通過した直後、福田川を渡ると名古屋市へ入ります。
名古屋のビル群が見えてきて、再び近鉄名古屋線が左へ越えてきました。
名阪特急として活躍し続けている、アーバンライナーが通過。
八田駅辺りでも特急とすれ違って、本数の多さを実感させられます。
少しずれていますが、JRの八田駅と近鉄八田駅、さらに地下鉄東山線とも乗り換え可能です。
名古屋港からの貨物線を旅客化した、あおなみ線が右手から近づいてきます。
近鉄の黄金駅横を通過した先、笹島信号場に入って複線になりました。
左手にはJR東海の車両基地が広がっており、キハ85系気動車とそれを置き換えていくHC85系が停車中です。
車庫に気を取られていると、ワイドビューチャイムが流れて名古屋駅に到着します。
さらに進んで右手にあおなみ線のささしまライブ駅が見えたところ。ここには特急が停まる近鉄の車両基地もあります。
笹島信号場は名古屋駅構内のような扱い、ここで快速みえ鳥羽行きとすれ違いました。
あおなみ線の下を潜っていくところ、名駅のスタイリッシュなビル群が延長線上にあるので否応なく注目してしまいます。
東海道新幹線が発車していくところ、グリーン車が連結された特急ひだのHC85系がいました。特急南紀のグリーン車は2020年秋に廃止されており、今後も復活することは無いと思われます。
JRセントラルタワーズの壁に守られた、名古屋駅ホームへ入線です。
9:42 名古屋駅 着
新宮駅よりディーゼル特急の振動に揺られること3時間22分。思ったよりも所要時間は短かったようです。
それも前面展望に釘付けになっていたからかもしれません。どんどん変わっていく景色には、どうしても集中し続けてしまいます。
進行方向の展望が楽しめるのは、紀伊勝浦駅・新宮駅から名古屋駅の方向。少し大変かもしれませんが残り1ヶ月、ぜひ最後に乗っていただけたらと思います。
今回もご覧いただき、ありがとうございました。
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