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【札幌→大阪を丸2日!】青春18きっぷで日本海縦貫線を普通列車乗り継ぎ旅

 

日本の三大都市圏に次ぐ北の大都市、札幌駅に来ています。

大きく立派な駅舎を持っており、北欧的な素敵なデザインです。

 

今日から青春18きっぷで、大阪へ向かいます。

日本海縦貫線を中心とした、日本海側の幹線ルートを選択します。

 

札幌から函館を結ぶ特急北斗や貨物列車は、太平洋側の室蘭本線を走ります。

札幌からはローカル区間も含みますが、これから向かうのは倶知安経由の函館本線。まず乗り込むのは新千歳空港から来た快速エアポート小樽行きです。



北海道編

14:13 札幌駅 発

ホームが沢山並ぶ大規模な駅からは、数多くの特急が発着します。

 

北側には北海道大学の広大なキャンパスが広がっています。

 

市街地を抜けると、列車は海岸沿いを走り出します。

あまり注目されませんが、この区間の海の景色はかなり綺麗です。

 

遠くの陸地は積丹半島、とにかく絶壁だらけで岬も多いところ。交通の便は悪いですが、ぜひ行ってみたいエリアですね。

 

山もすぐそこにある険しい立地ですが、かつて海水浴客に向けた張碓(はりうす)駅がありました。山と海に挟まれ道も無いことから、日本一の秘境駅だったとされています。

 

小樽築港駅が近くなると、港町の広がる様子が分かります。

 

14:46 小樽駅 着ここからは非電化区間、新型気動車のDECMOに乗車します。



15:05 小樽駅 発

ベルが吊るされたホームのガラスからは、コンコースまで見渡すことができます。

 

ここからは山線と呼ばれる区間です。小樽〜長万部は2030年の北海道新幹線開通により、廃止されることが決まりました。

その中でも、余市駅までは利用者が多いことから、現実的な存続の方針が立てられていました。

 

ニッカウヰスキーの余市蒸溜所がありまして、人気の観光地にもなっています。

 

列車はひたすら登り続け、銀山駅に到着。駅から集落が広がる様子を見下ろすことができます。

 

小沢駅近くには、トンネル開通を記念したトンネル餅という名物がありました。店主の方が入院されたため、現在は閉店しています。

 

羊蹄山は雲に隠れてしまっており、不穏な雰囲気を漂わせていました。



16:32 倶知安駅 着

2022年1月、北海道新幹線の工事のため、現在のホームへ移転した倶知安駅。解体中の旧ホームも見ることができました。

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長万部行きは1両編成。小樽から来た方々はすぐに向かいのホームへ並んでおられます。

 

16:55 倶知安駅 発

夕方の時間帯にあたったため、多くの高校生が乗車しています。

 

次の比羅夫駅は、駅舎に泊まれる駅として有名です。ホーム上でバーベキューもできます。

 

空模様は少々残念ですが、木々のぎっしり詰まった様子は山深さを感じさせました。

 

ニセコ駅では旅行者の他、高校生など生活利用者も多く下車されます。立っている人はこの時点でほとんどいなくなりました。

 

晴れている右手側には、ニセコの山々が見えています。

 

蘭越〜黒松内では、左側も夕陽に照らされて、山の色がまるで秋のように。

 

ぼんやりした夕空をバックに、特急列車が走る室蘭本線が合流してきました。



18:32 長万部駅 着

飯生神社で噴き出し続けている水柱は、駅の跨線橋からでもその様子が分かりました。

 

ここからも函館本線を南下、今度はキハ40に乗り込みます。



18:40 長万部駅 発

引き続き山線から、殆どの人が乗り継いで来ました。

 

暗くなってきたため、内浦湾の景色もやや終わりかけです。

 

新幹線単独駅が近くに設置予定の八雲駅。この周辺では一番の町が形成されています。



森駅では24分間停車時間があります。

森といえば森のいかめしが有名です。

 

駅前の売店は閉まっているので、セブンイレブンでいかめしを買ってきました。熱湯で温めて完成です。

 

函館本線が大沼を分断し、出来上がった小沼の景色も真っ暗に。

 

北海道新幹線の明るいホームが見えてきまして、新函館北斗駅に到着です。

 

夜の車両基地も幻想的、国鉄車両のキハ40ばかり残っています。

 

特徴的なカーブを描く長いホームに入線しまして、函館駅に到着です。

 

21:26 函館駅 着

札幌駅から函館本線の普通列車を乗り継ぎ、函館駅に到着しました。待ち時間はあまり無かったので、接続は良い行程です。

 

青春18きっぷで北海道と本州を行き来する場合、北海道新幹線オプション券が必要です。

第三セクター鉄道の道南いさりび鉄道で木古内駅まで行き、青函トンネルを抜けた先の奥津軽いまべつ駅まで新幹線を利用できるもの。その価格は2490円です。

 

22:00 函館駅 発

しかし、今回はそのオプション券を使うことはせず、もっと安く住む方法で本州に渡ります。道南いさりび鉄道の最終列車に乗りまして、お隣の五稜郭駅へ戻ります。

 

22:05 五稜郭駅 着

ここまではJR函館本線なので、青春18きっぷでも乗車可能。お隣では貨物列車の機関車が行き交っており、夜の主役が本領を発揮しようとしています。

 

本州までの移動手段として重宝するのがフェリーです。函館フェリーターミナルまで30分ほど歩きます。

 

今回利用するのは青函フェリーです。

料金は学割2080円で、夜も宿を兼ねて効率よく移動に費やせる。本当に良いことしかありません。



23:30 函館フェリーターミナル 発

待合室で寝てしまっていたら起こしていただきまして、急ぎめで船内へ。

 

効果あるのか分からんストレッチポールみたいなのを枕にして、寝っ転がります。座席じゃなくてゴロゴロできるのがすごくいい。

 

3:20 青森フェリーターミナル 着

完全に眠っていましたが、大音量の館内放送で青森到着が知らされます。

 

お隣には同じく函館〜青森を結ぶ、津軽海峡フェリーが停まっていました。

あちらの方が旅客輸送をメインにしているので、船内も綺麗。その分少しだけ料金が高いです。

 

微妙に水平線が明るくなっている中、オレンジ色のライトに照らされた早朝の港です。

 

フェリーターミナルから30分ほど歩きまして、朝焼けも出ていない中、煌々ときらめく青森駅に到着しました。

 

5:18にシャッターが開くまで、その前では多くの方が集まります。

 

青森駅からは日本海側と太平洋側2つのルートを取ることができます。今回は日本海側を選択。

 

ホームへ向かうと奥羽本線でお馴染み、ピンク色の帯を巻いた列車が入線してきました。

 

青森駅には、大雨災害によって運休している特急津軽と快速リゾートしらかみが停車中。リゾートしらかみについては、青森〜鰺ヶ沢駅で運行を再開しています。

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奥羽・羽越本線編

05:41 青森駅 発

お隣には太平洋ルートの青い森鉄道が停車中です。

 

完全に寝ている中、ふと目を覚ますと、頭に雲を乗せた岩木山が姿を現しています。



06:23 弘前駅 着

06:27 弘前駅 発

たくさんの列車が集まっている朝の時間帯、すぐに乗り継ぎです。

 

奥羽本線は、のどかな津軽平野の中を駆け抜けていきます。

 

弘前〜大鰐温泉駅ではローカル私鉄の弘南鉄道大鰐線と並行しています。大鰐温泉駅にはレトロな銀色の車両が停まっていました。



07:03 大館駅 着

山を越えまして、秋田県に突入しました。

貨物駅が隣接しておりまして、大阪〜青森の日本海縦貫線の一部であることを知らしめられます。

 

ここから先、奥羽本線は大雨による道床流出で運転を見合わせています。

 

そのため、大館〜鷹ノ巣駅は代行バスでの移動です。

ここの鉄路が途切れているため、日本海縦貫線を走る貨物列車も影響を受けています。これにより東北地方を南下中、殆ど貨物列車を見ることができませんでした。



08:05 大館駅 発

高校生の通学時間帯にも重なり、ほとんど満席状態です。

 

奥羽本線は山の中を突っ切りますが、こちらは田んぼの中を走っていきました。

 

08:41 鷹ノ巣駅 着

眠っていたからかあっという間、30分ほどで到着です。

 

ホーム上には北秋田市で有名な、大太鼓のモニュメントが置かれていました。最大のものでは直径3.80mもあります。

 

秋田内陸線も土砂崩れにより、鷹巣〜阿仁合で運転を見合わせています。



08:58 鷹ノ巣駅 発

生徒さんは鷹ノ巣までの利用で、ここから先は旅行者が中心でした。

 

途中駅には線路の剥がされた立派なホームがあり、寝台列車も行き交っていた時代を思わせます。

 

五能線の乗換駅である東能代駅。岩館〜鰺ヶ沢が不通のため、リゾートしらかみも運休中です。



9:58 八郎潟駅 着

この後の行程に影響しないので、八郎潟駅で途中下車しました。

 

歩いて15分ほど、はちらぼHOUSEさんに来ました。

人気なのが、あんごま餅ソフト。小豆の香りが滑らかに広がります。

 

あんごま餅は八郎潟町の名物です。大きめの四角いお餅に、あんことごまを一緒に楽しめるみたい。



10:28 八郎潟駅 発

当駅始発の秋田行き普通列車に乗り込みます。

 

家の向こうには八郎潟があり、田んぼが広がっています。山になっているのは男鹿半島です。

 

11:01 秋田駅 着



12:08 秋田駅 発

普通列車酒田行きに乗車しまして、羽越本線に入ります。

 

秋田新幹線は大曲駅まで奥羽本線を走行、それより先は田沢湖線で盛岡を目指します。

 

次の大きな駅は羽後本荘駅。2021年に新しい橋上駅舎になって、立派に生まれ変わりました。

 

由利高原鉄道鳥海山ろく線が分岐しており、しばらく並走。羽越本線にだけ架線が張られています。

 

線路が分かれるところにあるのが、鳥海山ろく線の薬師堂駅です。駅舎が羽越本線と鳥海山ろく線の間に挟まれています。



にかほ市あたりから、羽越本線らしい日本海の景色が広がります。

海沿いに昔ながらの家屋が集まっており、港町の原風景を楽しめました。

 

普通列車ですら数多く通過する女鹿(めが)駅は、羽越本線でトップの秘境駅です。漁港から離れた山の中に位置します。

 

山形県に入りまして、左手には鳥海山がのっそりと姿を現しています。

 

13:58 酒田駅 着

羽越本線の中枢駅、酒田駅です。羽越本線の特急いなほは新潟〜酒田の運行本数が多く、庄内地方が重要視されていることが分かります。

 

ここ酒田は江戸時代に拓かれた西廻り航路「北前船」の寄港地として栄え、山居倉庫が有名。駅舎のデザインもそれらしきものにリニューアルされています。

 

ここからは引き続き電化区間でありながら、気動車のGV-E400系で運行。2両編成の車内には青春18きっぷ等を利用していそうな方5人ほどです。

 

新潟行きの特急いなほ10号が一足早く出発しました。



14:34 酒田駅 発

さっきは曇り空でしたが、夏の田んぼの中で明るい鳥海山が映えています。

 

川幅の広い最上川を、第2最上川橋梁で渡りました。

 

2005年12月25日にはここを通過中の特急いなほが、突風によって脱線するという事故が発生しています。

基準も満たした上での運行で防ぐことも難しかったですが、5人の乗客が亡くなり慰霊碑が建てられました。

 

山形県第二の都市、鶴岡駅にて2分ほど停車。

 

羽黒山がある山々を広報に望みながら列車は日本海沿いへ出ていきます。

 

ゴツゴツした岩肌が特徴的な、日本海の自然です。



山形県最後の駅は、ここ鼠ヶ関駅。

ホーム上には101キロポストが立っており、羽越本線の始点である新津駅まであと101kmです。

 

遠くに見えているのは、村上から船便で結ばれている粟島です。新潟県の離島と言ったら佐渡島が有名ですが、北端にも小さな島が浮かんでいます。

 

村上市内には笹川流れと言われる、特に景観の優れた区間も。車内からもこうして広く景色を楽しめるのが良いですね。

 

越後寒川駅にて特急いなほ7号と行き違いました。羽越本線には部分部分で単線区間となっており、このように行き違いが行われます。



村上駅の直前には電化方式が交流から直流へ変わるデッドセクションがあります。

交流と直流両方に対応した電車の車両は高いので、酒田~村上では気動車が使われているのです。

 

田んぼが広がる越後平野の北端を走り始めます。

 

すれ違った列車は新潟県でよく見るE129系電車。ここからはちゃんと電車が走っています。

 

新発田駅では何と41分もの停車時間

 

特急いなほ12号新潟行きと特急いなほ9号酒田行きがちょうどすれ違いました。

 

日本海縦貫線はここから、新潟駅を通る白新線・信越本線経由と、新潟駅を通らない羽越本線経由に分かれます。

今回は引き続き羽越本線に乗り続ける後者のルートを選択しました。

 

新発田~新津駅は日本海縦貫線で唯一特急列車が走らない区間です。電化区間でありながら、今回のように気動車列車で運行されることも。

 

阿賀野川を渡っている頃、ぼんやりした夕焼けが幻想的に。

 

車内では、この列車はこのまま磐越西線の津川行きになるという放送。酒田から新津まで4時間でも相当長いのに、このまま津川までとは驚きです。

 

18:48 新津駅 着

酒田駅から4時間4分もの普通列車の乗車でした。



18:51 新津駅 発/19:10 加茂駅 着

このまま先を急いでも結局変わらないので、途中の加茂駅で下車。

 

近くの幹線道路にマクドナルドがあったので、そこで夜ご飯にしていました。

 

加茂駅は特急しらゆきも停車する駅、若干ずれた2面のホームが地下通路で繋がっています。

 

加茂駅 21:04 発

新潟駅より各駅へ、帰宅する会社員の方々が目立ちます。

 

21:38 長岡駅 着

終点の長岡駅で下車しました。



21:41 長岡駅 発

引き続き快速列車直江津行きに乗車します。

 

列車は途中駅の多くを通過し、柏崎駅から日本海沿いを走ります。

 

日本一海に近い駅のひとつとしても有名な青海川駅。この時間では真っ暗で、日本海の景色は分かりません。

 

22:43 直江津駅 着

向かい側には北陸新幹線の上越妙高駅から新潟駅までを結ぶ、特急しらゆきのE653系電車が停まっていました。この時間帯では帰宅で利用する方もいらっしゃいます。

 

ここから先、まだ糸魚川行きの普通列車が運行されています。しかし、直江津駅周辺ならばネットカフェがあるため、宿代節約のために今日はここまで。

 

ちなみに、もし糸魚川で宿泊していたならば、最速の乗り継ぎで大阪駅には1時間早く着くことができます。



北陸本線編

早朝の直江津駅から、おはようございます。

今日も日本海沿いを、普通列車で乗り継ぎます。

 

しかし、2015年に北陸新幹線が長野〜金沢で開業しており、並行在来線は第三セクターになりました。

そのため、しばらくは青春18きっぷを使用できません。

 

直江津から金沢駅までは、えちごトキめき鉄道とあいの風とやま鉄道、IRいしかわ鉄道3社を乗り継ぐことになります。

直江津で購入できるきっぷは富山駅まで。とりあえず会社境界駅となる市振駅まで購入しました。

 

えちごトキめき鉄道日本海ひすいラインは、貨物列車が走るために電化設備が残されています。しかし、旅客輸送については気動車による運行です。



5:57 直江津駅 発

北陸本線は米原駅から直江津駅まで至る路線でした。日本海ひすいラインは行き止まりホームの1番線から発車します。

 

旧信越本線の妙高はねうまラインが分岐していきました。こちらは利用者が多く、旅客列車も電車が走っています。

 

直江津の街を終え、日本海に向かってトンネルへ入りました。

 

ここからはトンネル区間が多くなり、岸壁がそびえる日本海側沿いを貫きます。

 

現在はフェンスでホーム端が閉ざされていますが、旧北陸本線ということで非常に長いホーム。低いままの客車ホームも残っています。

 

日本海をバックに古くからの木造駅舎が残る有間川駅。白系を基調にしており、長老感が凄いです。

 

名立駅は真ん中に通過線が設けられている、新幹線中間駅のようなホーム構造。特急列車や貨物列車はここを走り、普通列車を追い越します。



頚城くびきトンネルに入ります。

10kmに及ぶトンネル内にあることで有名なのが、ここ筒石駅です。地下鉄駅のような広い空間は無く、ただのトンネルに取り残された感じがします。

 

真っ暗で分かりづらいですが、ここで貨物列車とすれ違い、赤いテールランプがその存在を示していました。

日本海縦貫線は旅客にとって完全に分断された存在ですが、貨物にとってはまだまだ重要な役割を持っています。



ここ能生駅では、能生騒動という事件が起きた駅です。

1961年にデビューした、大阪~青森を結ぶ特急白鳥。ここ能生駅で運転停車するダイヤだったのですが、間違えて乗降可能な停車駅として時刻表に載せて発行してしまいました。
能生駅周辺の住民は特急停車を祝って、運行開始日には特急白鳥をお出迎え。しかし、実際には運転停車なのでドアが開かず、そのまま発車して住民が落胆するという事件です。

 

向かい側から来た直江津方面の列車は2両編成で、通学の生徒さんも多めです。

 

梶屋敷~えちご押上ひすい海岸駅にはデッドセクションがあり、直流から交流に変わります。

 

その近くには2021年3月、新駅のえちご押上ひすい海岸駅が開業。旅客列車が気動車になったため、デッドセクションを気にする必要が無くなり、駅の設置が可能になりました。

 

06:39 糸魚川駅 着

日本海ひすいラインとして、波が立つデザインの駅名標です。

 

ここからはあいの風とやま鉄道の車両、金沢行きの列車に乗り換えます。電車による運行です。

 

06:43 糸魚川駅 発

乗ってきた列車は泊行きですが、ここで乗車した金沢行きに追い抜かれることに。

 

JR大糸線の乗換駅ですが、全国的も利用者の少ない路線。JR西日本にとってここに飛び地路線があるのは非常に非効率なところです。

 

北陸新幹線は日本海に向かっていきました。この辺りでは新幹線からでも日本海の景色をわずかに見られます。

 

列車は糸魚川を渡っていきます。奥の波波したコンクリート橋は、北陸新幹線の橋です。

 

その先には日本海側で一番の難所とされる親不知海岸。

旧北陸本線と国道7号と北陸自動車道が並んで走っていき、静岡県の薩埵峠(さった)峠にも似ています。

 

現在では断崖絶壁のところを簡単に駆け抜けられますが、江戸時代は命がけだったそうです。

 

アクアラインのように、完全な海上を道路で渡されていました。

 

市振駅から、あいの風とやま鉄道に入ります。「あいの風」とは日本海沿岸で吹く夏のそよ風のことで、歴史ある名前だったりします。

 

日本海をここまで近くで見られるのは、越中宮崎駅辺りで終わりです。



えちごトキめき鉄道とあいの風とやま鉄道の、運用上境界駅が泊駅。

2社が縦列駐車して乗り換えできるようになっています。

 

黒部ダムによって富山県でも有名になっている、黒部川を渡りました。丁度鳥さんもご乱入。

 

泊駅から大分お客さんが増えていましたが、黒部駅からは益々増加。富山市への通勤通学需要はかなり大きなものです。

 

北陸新幹線開業前、大阪からの特急サンダーバードの中には魚津行きもありました。新幹線開業で特急は無くなり、普通列車とあいの風ライナーだけが停車する駅に成り下がってしまっています。

並行する富山地方鉄道ですが、ここ魚津駅にて新魚津駅と乗り換えも可能です。

 

高架線でもって、魚津市内を走行。

市の名前から分かるように、ここは海の幸が集まる港町。家々の隙間から僅かに日本海が見られました。

 

早月川を渡っていると見える観覧車は、ミラージュランド。日本一海に近いテーマパークとも言われていて、この観覧車は日本海側最大級です。

 

富山駅に到着しまして、増え続けてきたお客さんもここでどっと降りていかれました。

奥に見えるのはJR高山本線のキハ120形気動車。JR東海の特急ひだもやって来ます。

 

イタイイタイ病の原因となったカドミウムが流出したことでも知られる、神通川を渡ります。

この先には岩瀬浜と呼ばれる、北前船の寄港地があります。現在は富山地方鉄道のLRTの終点があって、観光地として訪れやすくなりました。

 

高岡駅は停車駅が最小限に絞られていた、寝台特急トワイライトエクスプレスも停車していた大きな駅。北陸新幹線は新高岡駅に設置されて、高岡駅はちょっと寂しくなりました。

それでもJR氷見線と城端線と交差し、路面電車の万葉線も分岐します。

 

いつの間にか九州に来てしまいました、こちらは福岡駅。

福岡県に福岡駅は無く、特にJR時代は博多駅と間違えてここへたどり着いてしまう旅行者もいらっしゃったそうです。

 

ずっと平野が続いていましたが、倶利伽羅峠をトンネルで越えまして石川県に入ります。

 

倶利伽羅駅からはIRいしかわ鉄道に。現在のところ僅か17.8kmの路線です。

 

津端駅からは能登半島に向けて、JR七尾線が分岐しています。金沢からは特急能登かがり火号が発着しており、観光列車の花嫁のれん号も。

 

東金沢駅には金沢貨物ターミナルが隣接。積まれたコンテナと共に、青い機関車が停まっていました。



09:12 金沢駅 着

世界一美しい駅にも選ばれた金沢駅。立派な鼓門にガラス張りのもてなしドーム。日本の伝統と旅の始まりを感じさせる駅ならではの開放感をうまく表現されています。

 

第三セクターの乗り継ぎはここで終わり、JR北陸本線に入ります。

 

まだ市振駅から、あいの風とやま鉄道・IRいしかわ鉄道の料金を払っていないため、改札にて清算を行い、青春18きっぷに入鋏してもらいました。

直江津~金沢の料金は3780円。北陸本線時代ならこんな追加料金必要なかったんですが、北陸新幹線は便利なんで仕方ありません。

 

セブンイレブンにて朝ごはんのメロンパンと、お土産にゴーゴーカレーのレトルトを。黒っぽくカツが乗ったボリュームのあるカレーが人気です。

 

09:30 金沢駅 発

通勤通学時間帯を過ぎまして、車内はある程度落ち着いています。

 

丁度大阪から来た特急サンダーバード3号とすれ違いました。2024年には北陸新幹線の金沢~敦賀延伸が予定されており、特急サンダーバードも敦賀まで短縮される予定です。

 

左側には北陸新幹線の高架が続いており、白山市の白山総合車両所までは現在でも新幹線が回送されています。

 

普段は北陸新幹線の高架の様子を見るため左側を見るのがほとんどですが、今回は日本海沿いというのがテーマなので右側。いつも目につかなかった特徴的な駅舎デザインなど、違った景色が見られて面白かったです。

 

建設機械で有名な小松製作所がある、小松駅に到着しました。

 

ここでは特急しらさぎ6号と特急サンダーバード16号に追い抜かれるため、10分ほど停車します。

 

頭上にある特急の乗車位置案内がとにかくカオス状態。同じ号車でもわざわざ別列車で案内されていました。

 

田んぼの向こうの方には小松空港があります。石川県の空港は金沢市から離れており、金沢~東京の需要は新幹線が優位に立っています。

 

石川県西端の加賀温泉駅からは、加賀大観音を見ることがでいます。寺院には金色に輝く建物がたくさんです。

 

大聖寺駅では丁度貨物列車がすれ違ってきました。

 

福井県に入りまして、牛ノ谷駅ではサンダーバードともすれ違います。

 

芦原温泉駅にも左側に新幹線駅が設置されます。反対側を見ると時計や線路を転用したホームの柱から、どこかレトロさを感じました。

 

福井城跡に建てられた福井県庁と県警本部を遠くに見ながら、終点の福井駅に到着です。



11:02 福井駅 着

この辺りの北陸本線も、北陸新幹線が開通すれば第三セクターのハピラインふくいに転換します。青春18きっぷで北陸を訪れるのも、過去のものになりそうです。

 

11:12 福井駅 発

ここからは普通列車敦賀行きに乗り換え。金沢~福井に比べて両数も減り、2両編成での運行です。

 

近くにはJR貨物単独の南福井駅がありまして、分岐する線路やコンテナが置かれたスペースなど新しそうに見えました。

 

まだまだ特急街道の北陸本線ですが、途中駅には線路を剥がされて柵の建てられたホームも。新幹線開通後はこういった駅も増えるのでしょうか。

 

新幹線駅の設置されない鯖江市、メガネフレームの国内シェア率が9割を超えており、とにかくメガネ押しです。

 

お隣の武生駅には福井鉄道が発着しており、専用軌道と併用軌道両方を走る鉄道。廃止された岐阜市の路面電車車両も使っています。



南越前町周辺は、2022年8月に大雨被害を受けたエリア。

お盆前までに急ピッチで復旧作業が行われ、いち早く通常運行に戻りました。

 

それでも2週間以上経ってこの状態。おそらく特急などでも徐行していると思われますが、粘土状の泥にバラストが埋もれています。

 

列車は1962年に開通した北陸トンネルへ。北陸本線はこのトンネルのおかげで速達化だけでなく、天候や災害に左右されづらい運行を可能にしました。

 

この北陸トンネル内では、大阪発青森行きの急行「きたぐに」が火災事故を起こしたことがあります。深夜1時過ぎに食堂車で火災が発生し、当時のマニュアルのためトンネル内で停車。30人の犠牲者を出しました。

現在はトンネル内で火災が発生した場合、すぐに車両を外へ出すようになっています。

 

敦賀方に出てきますと、巨大な北陸新幹線の新北陸トンネルが現れました。同じ山を越えているのに、全くレベルが違います。



関西ネットワーク編

12:04 敦賀駅 着

新幹線と在来線特急で、上下乗り換えを可能にする立体構造。その高さは何と37mに及びます。

 

駅前には2022年秋に交流施設「otta」がオープン。ホテルや飲食店、書店やスタバなども開店します。

 

最後に乗車するのは、新快速姫路行き。北陸から関西の西端まで、一本で行くことができます。



12:23 敦賀駅 発

駅を出ると金沢総合車両所敦賀支所がありまして、北陸本線と小浜線の電車が停まっています。

 

北陸本線は米原方面へ向かいますが、この列車は近江塩津駅より直接関西方面へ向かうため、湖西線に入ります。

 

湖西線は高架線を走り続け、踏切も無く高速走行を可能にしています。

 

近江今津駅付近では、右手に琵琶湖が見えています。

 

トンネルを抜けた先、東海道本線と合流しまして京都府へ。山科駅~東海道本線に入りました。



CGっぽい幾何学的な駅ビルが特徴的な、京都駅に到着。

ここから新快速が本領を発揮し始めます。

 

京都鉄道博物館にも隣接している、京都貨物駅横を通過。

 

複々線となっている東海道本線、一番奥には一線を画した単線の線路が見えています。あちらは京都貨物駅に入ることができる貨物線です。

 

更に向日町の車両基地へ回送する役割も兼ねているので、東海道本線を越えて左側に移っていきました。

 

東海道本線でも特急サンダーバードとすれ違い。京都~新大阪・大阪には数多くの在来線特急が行き交います。

 

高槻駅を出ると明治大阪工場があって、巨大な板チョコが目立ちます。

 

その先にはとにかく広すぎる吹田貨物駅。東海道本線と日本海縦貫線を通ってきた貨物コンテナが、ここへ集結します。

 

貨物列車に注目していると京都~大阪の運行本数が多いことが分かりまして、鉄道貨物も重要な役割を持っているのだと実感できました。

 

新大阪駅を過ぎますと、大阪駅を通らずに兵庫県へ抜ける北方貨物線が分かれていきました。現在旅客列車が通ることは無くなり、団体列車等に乗るしかありません。

 

阪急大阪梅田駅に奥には特徴的な大屋根が見えてきまして、いよいよゴールです。



14:08 大阪駅 着

札幌駅から普通列車を乗り継ぐこと48時間以上。大阪駅に到着しました。東北本線や東海道本線に比べても楽しく、第三セクターでお金がかかってもオススメしたいです。

 

今回もご覧いただき、ありがとうございました。

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