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【雑魚寝で6000円!】阪九フェリー神戸→北九州の旅 スタンダード和室乗船記[2401広島ひかり(1)]

2024年2月3日

旅の始まりは神戸の中心地、三宮駅から。

阪急モデルのひとつである、阪急百貨店が目の前です。

 

今回ご紹介するのは神戸から九州を結ぶ、阪九フェリー。

阪急ではなく、阪神地域から九州まで夜の瀬戸内海を航行する、夜行フェリーです。

 

今回は利用するのは、最下等設備のスタンダード和室です。

雑魚寝スタイルでありながら夜行バスと遜色ない料金。時間を忘れて快適な移動を楽しめる深夜フェリーですが、一体どんな船旅が待っているのでしょう。



三宮駅から、まずは六甲アイランドにある阪九フェリー神戸のりばへ。

阪神電鉄御影駅、阪急電鉄御影駅、JR住吉駅を経由後、六甲ライナーアイランド北口駅も通って神戸港へ至る、連絡バスが設定されています。

 

各駅からは料金230円なのですが、最後の停留所である六甲ライナーアイランド北口駅からは料金無料。

この無料に釣られて、アイランド北口駅へ向かってしまいました。

 

三宮駅から御影駅は阪急阪神共に200円、三ノ宮駅から住吉駅はJR190円となっています。

三ノ宮駅からであればJRを利用するのが、バスと合わせて420円で最安です。

 

魚崎駅で六甲ライナーへ乗り換えて、アイランド北口駅へ。

このルートだと三宮駅から魚崎駅が200円、魚崎駅からアイランド北口駅が250円で、計450円と高くつきます。そういえば六甲ライナーって高かったですよね…。

 

六甲大橋を渡りまして、人工島の六甲アイランドへ入りました。



島へ渡って最初の駅、アイランド北口駅で下車します。

改札を出て左側、案内看板に従い公園の階段を下りて左へ。

 

バス停には10人ほど待っておられ、こちらから阪九フェリーのりばへ向かいます。

出発駅ごとにどこから乗車すれば一番安いかは変わると思うので、事前にしっかり確認してみてください。

 

このバスは神戸から大分を結ぶ、フェリーさんふらわあのりばも経由します。

乗っていた方のほとんど、15人くらいはここで降りられました。

 

終点の阪九フェリーのりばに到着です。

連絡バスは出港時刻の30分前までに何本か設定されていますが、時刻表をあらかじめ確認しておきましょう。御影駅からは約35分、住吉駅からは約20分です。

 

今回はインターネット予約で乗船券を購入。チケットレスなので1階の受付で手続きは必要なく、2階の待合スペースへ上がってきました。

 

その一角にはマッサージチェアやお子さんの遊び場、カウンターなども設けられています。

 

簡単ですが売店もあるので、待ち時間が長くなってしまっても、何か食べられるのがありがたいです。



それではフェリーへ乗船しましょう。

エスカレーターと階段があり、乗船中の看板が出ていれば上がれます。

 

長い通路とボーディングブリッジでフェリーまで渡されており、突き当たりに職員さんがいらっしゃいます。

 

インターネット予約の場合、届いたメールに添えつけられたQRコードを提示して、乗船手続きは完了です。

 

阪九フェリーには4種類あり、今回は「せっつ」が充当されました。

 

ウェルカムマットに迎えられまして、船内へ足を踏み入れましょう!



中へ入ってまず迎えてくれるのは、神々しいほどのアトリウム。

エレベーターを中心に3階分が吹き抜けになっており、ガラスや照明によってキラキラ輝く空間を作り上げています。

 

乗船客が行き来できるのは、7〜9階の3階分。

上へ行くほどロイヤルやスイートなど、個室の中でも上級設備になります。

 

こちらに営業時間が記載されていましたが、各階に売店やレストラン、大浴場まで設備が整っているみたいです。



今回利用するのは、スタンダード和室。

乗船口からすぐ右へ向かいまして、通路を真っ直ぐ進みます。

 

突き当たり近くにある、自由席と差し込まれたところがスタンダード和室です。

 

A,B室がありまして、どちらを使っても問題ありません。

 

靴箱に靴を入れまして、完全なる雑魚寝スタイル。想像するような和室感は、そんなに無いかと思います。

 

どこでもよかったのですが、夜中に室外へ出ることがありそうなので、一番入り口に近い区画を選びました。

 

各区画に仕切りがつけられていまして、こちらを頭にして寝っ転がります。

タオルを掛けられそうなパイプも設けられており、お風呂などで濡れたのを乾かすのにも使えそうです。

 

寝転がって横を向いてみると、横の方から完全に視界を遮れているのが分かります。

 

頭部分にはコンセントが2口あるので、電源確保にも全く困りません。

 

仕切り上のロッカーには、布団が仕舞われています。

 

100円返却式で鍵もかけられるので、寝ている間は荷物を入れておけそうです。

 

金〜土にかけて乗船しましたが、一番安いA期間。インターネット割引で20%引になり、料金6,210円です。

時間に余裕のある方なら、夜行バスよりも安く快適に移動できてかなり良いと思います。



エレベーターに乗って、最上階の7階まで上がってきました。

ここからホールを見下ろしてみると、かなりの高さになっています。

 

7階にはシャワーや大浴場、展望デッキのピクトグラムが描かれていました。

 

こちらがシャワーや大浴場。シャワーは乗船時〜入港時、大浴場は乗船時〜23:00、7:00〜入港時に利用可能です。

洗い場は7区画あって、大浴場や展望浴場も設けられています。



出港を前に、7階の展望デッキへ出てきました。

かなり寒いですが、簡単にテーブルと椅子が用意されています。

 

19:50、一足早くさんふらわあが大分へ向けて出港していきました。

 

その後に続くようにして阪九フェリーも、8:00に神戸港を出港です。

 

神戸市街は背後に六甲山が迫っており、そこへ都市部や住宅地の光が波打つようでした。

 

埋立地を結ぶような阪神高速5号線、そのひとつである東神戸大橋が見えてきます。

 

出港してしばらくすると船は回転し、船首を瀬戸内海へ向けました。



5階へ戻ってきまして、こちらは売店です。

乗船時〜23:00、7:00〜入港時まで営業しています。

 

ええ、目が合っちゃいました。だってめちゃ見つめて来ますもの。

阪九フェリーのマスコットキャラクター「ふねこ」です。猫の胴体がフェリーになっている、よく考えたら怖い仕様ですが、いろんなグッズも販売されています。

 

神戸と九州のお土産も扱っており、神戸牛のそぼろや味噌まで。

 

売店近くでは、焼きたてパンの予約を受け付けていました。

朝になるとパンが販売されるのですが、予約しておけば売切を心配せずに受け取れます。

 

サラダとのセットも用意されており、パンのバリエーションも豊富そうです。



売店近くには、自動販売機コーナーがあります。

カップラーメンは300円ほどとちょっと高いですが、船内で買うこともできます。夜の海上で体が冷え切ると、うっかり買いたくなっちゃうんですよね。

 

他にも飲み物やロッテアイスの自販機もありました。

COKE ONも陸地から近いところを選べば、電波は接続してくれます。

 

20:20から30分間、アトリウムで船内ライブが開催されました。

ギタリストの湯浅雅也さんで、小さなお子さんも楽しい音楽にノってます。



フェリーは瀬戸内海、神戸の埋立地沿いを通ります。

その中で一際大きい光が、神戸空港です。

 

おそらく、そこへ降り立とうとする鹿児島からのスカイマークが見えました。

 

そして正面には、完成当時世界最長の吊り橋、明石海峡大橋が現れます。

5階の営業時間ボードに本四連絡橋の通過時刻が書かれていて、このフェリーは21:00頃に潜るそうです。

 

淡路島側の淡路ハイウェイオアシスでは、観覧車が緑色に輝いていました。

 

明石海峡大橋では平日23:00まで、土祝日24:00までライトアップをしています。

結構種類があって、1月〜3月の平日はパールイエロー、土休日はグリーンブルー、そのほか毎正時は虹色、毎30分は誕生石色、特定日の点灯パターンも設定されていたりも。

 

少しだけ早かったようですが20:55、遂に明石海峡大橋を潜ります。

 

本州側の橋のふもとは、眩い夜景が輝くばかり。

 

淡路ハイウェイオアシスも負けていませんが、観覧車は21:00消灯です。

潜った直後に消えてしまうので、見たい方はお気をつけて。



夕食をいただくべく、6階のレストランへ来ました。

営業時間は19:00〜21:30、7:00〜入港時です。

 

ブラックボードにおすすめメニューが書かれていて、瀬戸内焼豚玉子飯から、ダチョウもも肉のタタキなど不思議なものまで。

 

他にもメニューは結構豊富。

トレイに料理を乗せていきつつ、途中でオーダーメニューを注文する方式です。

 

お酒も購入できますので、運転される方は時間に気をつつも是非。

 

塩サバやブリカマなどの焼き魚から、明太揚げ出しやレバー焼きなども。

 

お刺身も種類豊富に取り揃えていて、左下がダチョウ肉タタキです。

 

おすすめコーナーまで来て、皿うどんや八宝菜、すき煮など煮物系が並びます。

 

今回は柚子味噌チキンカツをチョイス。200円でご飯もいただきました。

 

ゆずの香る甘い風味に、ボリュームあるカツがピッタリ!愛知出身者として口に合わないはずがありません。

こちらは岡山県高梁市の名物らしく、ランチパックの商品にもなっているそうです。



スタンダート和室へ戻りまして、寝る準備をしたいと思います。

区画上のロッカーから、布団を取り出し。

 

敷布団と掛け布団、枕がセットになっています。

 

特にシーツは無いので、布団のセットも楽々。

潔癖症の方には辛いかもしれませんが、これくらい楽な方が正直ありがたいです。気になる方は個室など、上のグレードを選びましょう。

 

23時ちょうど、消灯時間になって部屋の照明が落とされました。

こんなところで寝転がっていたら、あっという間に眠りへ落ちてしまいます。



目を覚ましたら0:45、瀬戸大橋の下を潜る0:15を30分ほど過ぎていました。

急いでデッキへ向かいましたが、ギリギリ吊り橋の光を見られるかどうかくらい。

 

残念ながら結構離れてしまいましたが、見たい方は寝過ごさないようにご注意を…。

 

深夜ですと各階通路がやや暗く、アトリウムも控えめな印象がありました。



深夜2時を過ぎまして、来島海峡大橋の通過目安時刻2:35が近づきます。

しまなみ海道の橋が架けられる、大島の海岸沿いの街灯が点々としていました。

 

おそらく船に伝達しているのでしょう、一際大きい光で「N」「7」「↑」と繰り返し表示されています。一般人にとっては暗号でしかありません。

 

しばらくすると、吊り橋の支柱がぽつぽつと光る、来島海峡第一・第二大橋が現れました。

 

いよいよ四国と馬島の間、来島海峡第三大橋をくぐります。

近くまで来ると、控えめなライトアップがされているように、吊り橋の輪郭がくっきり浮かんでいました。実際には暖色の街灯が、支柱まで照らしてくれているのでしょう。

 

時々車が通っており、深夜の時間帯でも四国と本州を結ぶ重要な陸路です。

 

しっかりくぐり切りまして、引き続き波の穏やかな瀬戸内海を西へ向かいます。

 

深夜4:30には、山口県周防大島町の屋代島沿いまで来ました。

ここから先だと陸地から離れるため、電波も心許ない感じになってしまいます。

 

再び自分の区画へ戻りまして、横にならせていただきました。



おはようございます。

朝7時になりますと部屋が明るくなり、放送も流れてきました。

 

5階の売店前では、朝のパン販売が行われていました。

ホットコーヒーと一緒に、目覚めの軽食としても良さそうです。

 

撮影したのは1月中旬、この時間にようやく日の出を迎える頃です。

 

進行方向右手には、山陽小野田市の石油化学工場が見られました。

石灰採掘場からセメント工場へ、日本最長の私道が伸びることでも知られる宇部興産など、山口県の中で主要な工業地となっています。

 

後ろからは大阪南港〜新門司港を結ぶ、名門大洋フェリーが追いかけていました。

関西から北九州を結ぶ航路として、この阪九フェリーと非常に似ています。

 

そんなフェリーが沢山航行する瀬戸内海上、7:23に水平線に浮かぶ厚い雲から、朝日がご来光です。

 

とにかく眩しい光が空を一気に明るくし、清々しい朝を迎えることができました。



朝日の差し込む船内へ戻りまして、レストランに向かいます。

こちらでは夕食だけでなく、朝7時からは朝食をいただくこともできるのです。

 

夕食と同じメニューがありつつも、お漬物やひじきなどの小鉢から、冷奴やサラダ、デザートまで揃っています。

 

やはり和洋の朝定食や、そば、うどん、モーニングセットが定番です。

 

その中でチョイスしたのが、朝カレーセット(550円)。

朝にピッタリの優しい辛さで、目覚めを良くしてくれます。

 

短い時間でしたがお世話になりました、自分の区画からお別れです。



はっきり九州が姿を現した所で、展望デッキへ戻ってきました。

北九州空港が見えてきて、海上空港への連絡橋がはっきりと見られます。

 

新門司港の防波堤内には、先客が数隻いらっしゃいました。

 

こちらはオーシャン東九フェリーの、フェリーしまんとです。

小倉〜徳島〜東京を2日がかりで結ぶ、国内屈指の長距離航路となっています。

 

神戸〜新門司を結ぶフェリーが発着する、新門司港第1ターミナルが見えてきました。

派手派手しい見た目で驚きましたが、1991年に完成した、平城宮大極殿がモデルのフェリーターミナルです。

 

反対側には自動車専用船航路、フジトランスコーポレーションが停泊していました。

名古屋や大阪から寄港しつつ、何日かかけて九州まで至ります。

 

そして後ろから追いかけて来ていました、名門大洋フェリー。

泉大津〜新門司を結ぶフェリーに関しては、隣接する第2ターミナルの発着です。

 

朝日を受けて神々しさに拍車をかける、第1ターミナルへ接岸します。



8:30 新門司フェリーターミナル 着

神戸港から新門司まで12時間30分と、所要時間を聞いただけでは長く感じる長距離フェリー。しかし、船内が生活の場になるので、到着してしまえば本当にあっという間です。

 

ボーディングブリッジまで、平城宮の回廊を思わせるデザイン。

 

ターミナルの内装まで、しっかり再現されていますね…。

阪九フェリーは新門司から神戸でも、同様の時間帯で夜行フェリーとして運航します。

 

新門司フェリーターミナル周辺には駅がないので、無料の送迎バスで北九州市街中心部の小倉駅まで行くことができます。

 

2台用意された大型バスですが、ほぼ満席状態。

神戸の阪九フェリーのりばまでのバスは、お客さんがあまりいませんでしたが、車だけでなく徒歩で乗船する方も結構いらっしゃるみたいです。

 

一般道を走り続けるのですが、道中には新門司フェリーターミナルから出る、名門大洋フェリーの案内看板も。

 

フェリーターミナルから40分、北九州市街に入りました。

JR門司駅の近くを通っており、途中のここで降りることもできます。

 

観覧車がシンボルのショッピングモール、チャチャタウンの近くを走行。

 

9:34 小倉駅 着

フェリーターミナルから1時間近くかけて、小倉駅に到着しました。

朝一番から九州旅行を始めるには少々遅いですが、夜の時間を有効活用しながら、快適に移動するには最適かと思います。

 

他の個室設備で、もっと思い出に残るような船旅をするのもよし。

ぜひ関西から九州における夜間移動の手段として、選択肢の一つに加えてみてください。

 

今回もご覧いただき、ありがとうございました。

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