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東北自動車道が並走するローカル線 地域輸送に特化せざるを得ない花輪線乗車記[2021東北ローカル(7)]
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こちらは秋田県北部にあります東能代駅。
ここから分岐する路線といえば、日本海沿いを行く非常にロケーションの良い五能線です。
ここには観光列車リゾートしらかみが走っており、橅編成、青池編成、くまげら編成の3種類があります。
そんな中でも今回乗車するのは、待合室にペイントもされている、くまげら編成です。
2021年のダイヤ改正で、五能線からはキハ40・48形が離脱しました。
そのなかで唯一キハ48として残されたのがリゾートしらかみのくまげら編成です。
リゾートしらかみの運行カレンダーを見たところ、12月7日を最後にくまげら編成の設定が無くなっていました。
これは近いうちに運行を終えてしまうのではと思い、今回乗車することにした訳です。
ホームでは華やかな音楽が流れ、東能代駅にリゾートしらかみが到着しました。
列車はここで進行方向を変えるため、しばらく停車します。
大きくくまげらの名前が書かれた横では扉が開かれ、銀色の扉はキハ48の印象が持たれます。
特に2号車から3号車の連結部分はその名残が顕著。これはどう見てもキハ48です。
それでも扉部分から先はかなりリニューアルされています。
扉周りには石積みのような壁紙が貼られ、アドベンチャー感があります。
特急列車のようなリクライニング席が並ぶ、明るい観光列車です。
シートピッチは非常に広く、この点は他のリゾートしらかみと変わりません。
リクライニングも十分倒れ、快適性の面については他の新しい編成とも遜色無いです。
また、先頭部分にはフリースペースがあって、前面展望も眺められます。
左の椅子が海側に背を向けていますが、転換クロスシートのように背もたれを反対に向けられるため、問題ありません。
ただ、ここに付けられている観光案内などがされるモニターはかなり古く、ガサガサ感が否めませんでした。
1号車から2号車の間にはお手洗いが設置されています。
2号車は初代青池編成から転用された車両です。
B寝台のような雰囲気になっており、壁面には沿線の写真が飾られていました。
ここはコンパートメント席になっていて、個室のようなプライベート空間で楽しめます。
また、寝台のように座面をフラットにすることもできることで人気です。
しばらくの停車を終えた後、東能代駅を発車。
ただし、お隣の能代駅でも長時間停車です。
くまげら編成では基本的に車内販売が行われていません。
そのためホーム上や改札外のNewDaysで、買いものをしておいた方が良いでしょう。
明らかにキハ48形と分かる、2号車〜3号車の間を見てみます。
ここには乗務員室が残されていて、かなり直接的にその様子を見ることができました。
車掌台側はカーテンで仕切られていますが、この時は開けられています。
また、モケットもわざわざしらかみ仕様に張り替えられていました。
続いては3号車へ。
ここにもちょっとしたフリースペースがあって、1号車にも置かれていた椅子が設置されていました。
ここでイベントが行われるということは無かったように思いますが、ここはかつて扉があった位置に当たります。
ここのデッキ部分からは扉が無くなっています。
能代駅では青池編成と行き違いが行われました。
列車は青い日本海の横を走り続けます。
キハ40・48で行く風を感じながらの旅も非常に良かったですが、他の編成と比べてローカル感のある音を楽しめました。
深浦駅を過ぎた行合崎周辺は、最も迫力ある区間。
海に現れる奇岩はとても面白いです。
千畳敷駅に到着。
ここではお馴染み、駅前の千畳敷で散策ができます。
たくさんの乗客が一面に広がるゴツゴツとした岩を楽しみ、写真を撮影したりしています。
上空からは海鳥の鳴き声が聞こえてきました。
乗客がいない間に車内を探索するなんてのも、鉄道ファンならではの楽しみかも知れません。
編成の名前にもなっている『くまげら』とは北日本に棲むキツツキ科の鳥。
列車の顔は黒い身体に頭の赤い羽毛を持つクマゲラを表現しています。
車両横に引かれた赤・橙・黄色のラインは水平線に沈む夕日を表しているそうです。
その後は津軽三味線による軽やかな音楽を聞きながら、津軽平野を走ります。
五所川原駅に到着、向こうには津軽鉄道の走れメロス号が停まっていました。
ここで行き違った2代目の橅(ぶな)編成は2016年に運行開始。リゾートしらかみでは最も新しい車両です。
川部駅から奥羽本線に入り、終点の弘前駅に当着しました。
更に進行方向を変えて青森まで行くものもありますが、この便についてはそのまま折り返し、秋田行きのリゾートしらかみになります。
まだ引退が発表された訳ではありませんが、雲行きの怪しさは表れています。
ぜひ乗りづらくなる前にいらっしゃってみて下さい。
今回もご覧いただき、ありがとうございました。
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