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ローカル特急と化した特急つがる 青森・秋田に残された在来線特急(2)
今日は青森駅に来ています。 東北新幹線が新青森まで来て、北海道新幹線も開通してから、特急列車は青森駅から消えていきました。 そんな中、残された特急列車が特急つがるです。 青森から秋田まで ...
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こちらは秋田県の県庁所在地に位置する秋田駅です。
今日はここから日本海沿いを走る羽越本線の特急列車、いなほ号で新潟駅へ向かいます。
E653系による運行で、こちらが代表的なデザインです。
特に側面の色合いはフルーツ牛乳と呼ばれたりもします。
そして今回乗車するのはグリーン車。これが相当素晴らしいものなのです。
JR東日本のグリーン車は2+2が一般的ですが、2+1になっています。
金色に輝く稲穂、そして日本海に沈む夕日を思い起こすようなオレンジの立派な座席。
一方でこちらが普通車の座席になります。当然と言えばそうなのかもしれませんが、本当にこの差は大変大きなものです。
特に注目するべきなのが非常に広いシートピッチ。
普通座席では910mmのところ、窓枠を合わせたことて倍の1820mmに及びます。
実際には座席の間に仕切りが設置されているのでそんなに広いわけでは無いのですが、足元が狭いことは全くありませんでした。
むしろリクライニングを深く倒しても影響はなく、周りの人の目も気にせずプライバシーも守られます。
リクライニングの操作はひじ掛けの部分で行いますが、ワニの口みたいな平べったいものでした。
コンセントは2人掛けの場合、真ん中に一つ設置されています。
テーブルに関しては背面テーブルは無く、インアームテーブルのみ。
ひじ掛けから出して広げるとき、普通であれば真ん中が谷折りになっておりパタンと広げる形なのですが、いなほに関しては山折りです。
これは谷折りの方が大げさに広げなくても済むのでその方が良いと感じます。
大きさ的には真ん中部分がちょっと欠けていますが、パソコンを置くこともできるくらいです。
グリーン車内にはデッキの扉付近にラウンジのエリアもあります。
ずっと椅子に座っていなくても偶にはここのカウンターにいるのも良いでしょう。
特急グリーン券料金
秋田〜新潟…5130円
秋田〜酒田…3460円
酒田〜新潟…3860円
列車は秋田駅を出発しました。
奥にはJR東日本秋田支社の建物が見えています。
左手からは東京まで結ばれる秋田新幹線が離れていきました。
特急いなほは長距離を走る特急列車、酒田~新潟に関しては車内販売が残されていました。しかし新型ウイルスの影響もあって、3/12で完全に終了してしまったのです。
今回は秋田駅のNewDaysで鶏めしを購入。
比内地鶏を使った鶏めしは非常に味が染みていて、とてもおいしかったです。
羽越本線は日本海縦貫線の一つを担っており、新屋駅では反対側から貨物列車もやって来ました。
東北地方の物流会社、DOWA通運のコンテナを連れています。
列車は早速日本海沿いへ出ていきました。しばらく海に沿って走っていきましたが、次の由利本荘駅は内陸部にあるため、少しずつ海から離れていきます。
幾何学的なパーツを組み合わせたような田んぼが広がっていました。
田んぼの奥には秋田県立大学 本荘キャンパスが建っています。
秋田駅から30分以上扉を開けていませんでしたが、最初に停まるのは県内でも大きな町である由利本荘駅です。
ここからは第三セクター線、由利高原鉄道鳥海山ろく線が伸びています。
左側の車窓を見てみると、少しだけ鳥海山が頭を飛び出させていました。
列車は再び日本海沿いに出てきました。やはり羽越本線と言ったらこの海の景色です。
続いて仁賀保駅に到着しました。
駅舎は2001年に新しく作られ、ヨーロッパの宮殿をイメージしています。
続いては象潟駅に到着。
仁賀保町、金浦町、象潟町が合併した、にかほ市の中心駅は名前的に仁賀保駅のように見えますが、実際には象潟駅が最も大きいです。
山形県に入り羽越本線一の秘境駅とも言える、女鹿駅を通過。
2016年に新駅舎になったのですが、昔の駅舎は信号場時代から使われている建物で、無機質すぎるコンクリート小屋はかなり怖い感じがしました。
丁度中間地点に当たる、酒田駅に到着しました。
酒田市は庄内地方の中心であり、特急いなほは新潟からここまでを結ぶ役割が特に大きくなっています。
列車は砂越~北余目に架けられた第2最上川橋梁を渡ります。
2005年12月25日には橋を渡った直後、突風による脱線事故が起こりました。
荒天に十分対応した運行を行っていたものの、5人の乗客が亡くなってしまったのです。
続いて列車は余目駅に到着。新庄駅まで陸羽西線が結ばれています。
鼠ヶ関駅との間に県境があり、山形から新潟へ入りました。
グリーン車の1人席の方は日本海を見られません。そんな時はラウンジに来れば眺めることができます。
快適でノビノビできる座席も良いですが、カウンターでぼんやり眺めるのも素晴らしいものです。
羽越本線にはデッドセクションがあり、間島~村上で交流から直流へと電源方式が変わります。
この区間では車内の電気が消え、一部の非常電源のみ。
夜間の運行時間だと特に真っ暗になって分かりやすいです。
羽越本線では観光列車が走っており、2019年には新しく『海里』が走り始めました。
大きな駅にはその列車に向けた駅名標が立っています。
新発田駅からは新潟駅へ直線的に走る、白新線に入ります。
線内では唯一、新潟県北区の中心である豊栄駅にも停まります。
白新線の東新潟駅には新潟貨物ターミナルがあり、長い貨物列車が停まる横を走ります。
線路敷設中の新潟駅1番線を横目に、終点新潟駅の高架ホームに入線しました。
到着した5番線ホームは特急いなほと上越新幹線と対面乗り換えができる構造になっています。
高架化と同時に庄内地方と東京の利便性を向上させました。
3時間半以上をかけて秋田からやってきた特急いなほ。四季折々の日本海や夕日の景色を快適なグリーン車からぜひ楽しんでみてください。
今回もご覧いただき、ありがとうございました。
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