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【尾道】雑貨屋さんの雰囲気醸し出すラ・マルしまなみ乗車記

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こちらは瀬戸内で人気の観光地、尾道です。

尾道駅は新駅舎が2019年にオープンしていて、ガラス張りならではの透明感と伝統感じる屋根がマッチした素敵な駅舎です。

 

これから乗車するのは岡山行きの観光列車。発車標には「臨時」と堅苦しく表示されてましたが、気軽に乗ることができます。

 

それがこちら、真っ白な車体にシンプルな黒いラインが特徴的なデザイン、「La Malle de Bois(ラ・マル・ド・ボァ)」です。

 

フランス語で「木製の旅行鞄」を意味しますが長いので、運行ルートごとにラ・マルせとうち、ラ・マルしまなみ、ラ・マルことひら、ラ・マル備前長船と呼ばれています。

乗車にはグリーン指定券が必要で、50kmまで780円、100kmまで1000円。青春18きっぷで乗れないのが注意点で、利用区間の有効な乗車券も必要です。



車内観察

窓枠にはトランクバックが縁取られていて、カバン中から外の世界を楽しんでいるイメージです。

 

カウンター席と2人掛けリクライニングシートが並んだ座席配置になっています。

 

バーカウンターみたいに、夜の街的な雰囲気を醸し出しているカウンター席。クッション素材で座り心地も良いです。窓枠にはコンセントも設置されていました。

 

もちろんリクライニングシートの方がフカフカで、ゆったりできます。

 

この列車には4台分のサイクルスペースがあって、グリーン券を持っていれば前日まで利用券「ラ・マルサイクル」を無料で発券してもらえます。

ただし岡山~琴平、岡山~日生、尾道~岡山(上り)全区間と、岡山~尾道(下り)の倉敷駅・福山駅で降車、延長区間の尾道~三原では利用できません。

 

車内ではアンティーク風のインテリアが、観光列車の旅を楽しませてくれます。

 

普段ならカバンやお土産が乗っている網棚、この電車では本棚になっていました。

 

蓮沼昌宏さんによる「連絡船の物語」という作品。くるくる回してパラパラ漫画みたいに楽しめます。

 

記念乗車証には列車名でもある、「木製の旅行鞄」を模したスタンプを押せます。



乗車記

15:48 尾道駅 発

駅員さんの方々が横断幕を持ってお見送りしてくださりました。尾道市は2017年、「尾道水道が紡いだ中世からの箱庭的都市」として日本遺産に認定されています。

 

尾道と言えば坂の町。蛇が張ったほどの僅かな部分に、山陽本線の線路を敷設されました。



1号車はカウンター席、2号車はリクライニングシートが海側になります。

尾道水道を走る頃には夕陽が差し込んできて、とてもロマンチックな温かい空気が車内を包み込みます。

 

本州と向島の間に流れる尾道水道、ここには双子橋として尾道大橋と新尾道大橋が架かっています。

 

少々スピードも落とし気味なので、迫力ある構造物をじっくりと観察できました。



16:09 福山駅 着

新幹線の高架橋下へもぐりこみまして、広島県第二の都市規模を誇る福山駅です。北側を見ると駅の真ん前に、福山城が飛び込んできます。

 

東海道本線でよく見る福山通運の緑コンテナは、東福山駅の貨物駅を目指しています。

 

2022年春に運行終了した、岡山~福山を結ぶ快速サンライナーの頭が見えました。



広島県から岡山県に入りました。

ここの県境は結びつきが強いので、あんまり境を感じないところです。

 

カブトガニで有名な笠岡市、金光教の宗教都市の浅口市は通過します。この列車は2016年の岡山DCに合わせて運行を開始したのですが、ラ・マルしまなみについては尾道との速達性を重視した様子でした。



車内販売

2号車後部では車内販売カウンターが営業しています。ザ・鉄道グッズ感があまりなく普通に雑貨屋さんで売ってそうなデザインなので、日常的に使いやすいです。

 

ちょっとお高めですが、バッグやポーチなど欲しくなっちゃいます。

 

こちらはmtマスキングテープセット(1100円)。倉敷市発祥と言われるマスキングテープ、この列車イメージにピッタリな白黒の模様が素敵です。



列車は高梁川を渡りまして、倉敷市中心部へ。

グラデーション掛かった秋の夕暮れ、ちょこちょこと散らばる雲が模様を描いてくれます。

 

16:52 倉敷駅 着

美観地区のなまこ壁をイメージした倉敷駅で、2分ほどの停車です。

 

貨物列車に追い抜かれました。5分後に岡山行きの普通列車が来るためか、間違えてこれに乗っちゃう人も。

 

コンテナがズラッと並ぶ岡山貨物ターミナルの向こうには、大きなホタテ貝のような岡山ドームがペタッと伏せていました。国鉄岡山操車場の跡地を利用しています。



17:09 岡山駅 着

最後まで旅の思い出をカバンに詰め込むみたいに、帰りに選ぶ特別な電車としておすすめです。

 

宇野行きの「ラ・マルせとうち」が発車する5,6番線ホームには、自転車組み立てスペースが設けられています。特に宇野からは直島行きフェリーへの旅行ルートも確立しているので、サイクルツーリズムの需要を汲んでいるようです。

 

各地から線路が集まって来る岡山駅だからこそ、4つのルートがある「La Malle de Bois(ラ・マル・ド・ボァ)」。それぞれ違った旅を楽しんでみてください。

 

今回もご覧いただき、ありがとうございました。

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