2023年夏に開業を果たした、宇都宮芳賀ライトレール線。
宇都宮駅東口〜芳賀・高根沢工業団地を結んでおり、通勤や生活利用でも「ライトライン」として定着しつつあります。
2024年4月1日にダイヤ改正が行われ、増便や快速運行を開始。
計画段階から構想のあった快速が、平日朝2本でデビューとなります。
途中6つの停留所を通過、所要時間は各駅停車より3分短縮されます。
今回は運行初日、一番最初の様子をお届けします。
現在ライトラインの起点となっている、宇都宮駅東口停留場へ。
発車標には「快速 芳賀・高根沢工業団地」、そして「次は宇都宮陽東キャンパス」と書かれています。
停車するのは、宇都宮大学陽東キャンパス, 平石, 清陵高校前からの各駅です。
英語だと「Rapid」ではなく「Express」として案内されるのが、路面電車らしくなくって面白いですね。
そしてこちらが、ライトライン初の快速になります。
通常であれば「各停 Local」と黄地なのですが、「快速 Exp.」と赤地。
車体側面の行先表示器にもこの通り、示されていました。
快速が運行されるのは、平日朝の2本。宇都宮東口6:58発と7:46発です。
快速の所要時間は42分、各駅停車の44〜48分(標準45分)より3分縮めています。所要時間短縮もそうですが、遠近分離によるお客さんの分散が図られているように感じました。
車内へ入りまして、運賃表には「快速」と書かれています。
快速が通過する停留場についても、記載がされていました。
6:58 宇都宮駅東口 発
ライトライン初の快速電車、宇都宮駅東口を出発。
プラットホームにはNHK地方局の方もいらっしゃって、地方の路面電車のダイヤ改正ながら、割と注目される出来事です。
自動放送についても快速仕様になっており、次の停留場は宇都宮大学陽東キャンパスです。
今乗っている工業団地方面への通勤需要が非常に大きく、3両編成の車内はかなりの混雑。
一方で宇都宮駅方面は割と空いている印象でした。
まずは大きな通りである、鬼怒通りの真ん中を走行。東宿郷停留場を通過しました。
宇都宮駅東口を発車した直後から、運賃表には既に陽東3丁目からのものが出ています。
続いて駅東公園前停留場を通過。こちらには数人お客さんが待っておられ、通過していくライトラインを珍しそうにご覧になっていました。
国道4号を高架で越えて、峰駅も通過します。
混雑していたので綺麗に撮れませんでしたが、ドア上の車内表示器は快速に対応。
通過駅は駅ナンバリングを表示せず、駅名をグレーにすることで示しています。
陽東3丁目の通過時に発車標を見てみると、通過との表示がありました。
最初の停留場、宇都宮大学陽東キャンパスに到着です。
近くにはベルモールというショッピングモールがあって、土休日でもこちらへお出かけの方が多くいらっしゃいます。
今日は平日ですがまだ4月1日、学生さんの利用は少なそうです。
ライトラインは道路を走る併用軌道でしたが、ここから専用軌道へ。
高架線を登り、南に向かってカーブしていきました。
ちょうど反対方向とすれ違い。「プロスポーツのまち宇都宮」をPRすべく、バスケチームの宇都宮ブレックスや、サッカーチムの栃木SCのラッピング車両が走っています。
次の停留場は平石、快速運行に向けた広い駅構造です。
ここまで複線2本の線路でしたが、それぞれ分かれて計4本に。
この駅は2面4線構造で、快速が各駅停車を追い抜けるようになっているのです。
近くにはライトラインの車両基地があり、線路が分かれていきました。
今回の快速設定では追い抜きなどありませんでしたが、将来的にはそのようなダイヤも組まれることでしょう。
宇都宮市街地を抜け出して、平石中央小学校前停留場を通過します。
ライトラインの最高速度は40km/h、現状の精一杯で走っていました。
特許申請で今後、併用軌道で50km/h、専用軌道で70km/hまで引き上げることを想定しています。
ライトラインのハイライト、鬼怒川を渡るのは大迫力。
お客さんが多いので運転台まで結露していますが、飛山城跡停留場を通過しました。
2つ停留場を通過しまして、清稜高校前に到着です。
これより先、終点の芳賀・高根沢工業団地まで各駅停車です。
次は清原地区市民センター前停留場。
交通結節点を意味する「トランジットセンター」として整備され、バス停や駐車場が整備されています。
こちらは島式ホームの駅になっており、進行方向右側が開きます。
各駅停車区間になるので、途中のグリーンスタジアム前で下車。
停留場周辺にはキヤノンの事業所が集まっており、「キヤノン前」の副駅名にも。実際に通勤客の方が多くいらっしゃいました。
赤色で快速表記を残したライトライン、芳賀・高根沢工業団地へ向けて出発します。
ライトラインには追い抜き設備を有する停留場が2つ。平石停留場と、ここグリーンスタジアム前停留場です。
宇都宮からやってきた線路は四角い機器の向こうで分岐しており、右側へ分かれているのが分かります。
1,2番線ホームはどちらも、芳賀・高根沢工業団地方面です。
大きな道路を挟んで向こう側には、もう1面ホームが。あちらが宇都宮駅東口方面となっています。
ここで快速の4分後を追いかけてきた、各駅停車が到着です。
快速が通過していた途中停留場から乗って来られたのか、宇都宮駅東口から乗られているのか流動は詳しく分かりませんが、この高頻度運行でもお客さんがかなりいらっしゃいました。
宇都宮東口方面の線路もの分岐がこちら、反対方面に関しても追い抜き可能な構造です。
ここには上下線を行き来する渡り線があって、当駅止まりの列車がそのまま進み、宇都宮駅東口方面へ折り返せます。
すぐ横に道路があるため、スペースの都合上ずらされていますが、2面4線構造の駅です。
ここで先ほど到着した2番線ホームとは反対、1番線ホームにグリーンスタジアム止まりの便が来ました。
今回のダイヤ改正でグリーンスタジアム前行きが増便しており、宇都宮駅からこちらへの輸送力増強が図られました。
グリーンスタジアム前の2面4線構造もじっくり見られたところで、宇都宮駅東口方面へ戻ります。
先ほど1番線に止まっていた電車がちょうどすれ違い、渡り線を通って3番線ホームへ。
おそらくグリーンスタジアム前始発の宇都宮駅東口行きとして、走り始めるものと思われます。
芳賀・高根沢工業団地方面は混雑していましたが、宇都宮駅東口方面は十分座れるくらいの空き具合。学校が始まって通学需要が戻るとどうなるか、気になるところです。
快速はもう1本設定されているので、路面電車が通過する様子を見るために飛山城跡停留場へ。
発車標を見てみると通過表記、通過列車でも現在位置が出ていました。
鬼怒川を渡って来ましたライトライン、「まもなく1番線を電車が通過します」の放送が流れます。
15km/hくらいにまで速度を落として、かなりゆっくりの通過。
構内踏切があるので、あまりスピードを出せないのかなと思いました。
この停留場のために超急勾配を下ったライトライン、多くのお客さんを乗せて線路を登っていきました。
今回は2024年4月1日ダイヤ改正から運行開始した、ライトライン快速をご紹介しました。
平日朝2本だけと本数が少ないですが、設定により良い効果があると判断されれば、増やされていくことでしょう。
最高速度向上や追い抜き設備の活用など、路面電車とは思えない快速運転が実現する日が近いかも。ライトレール導入の成功例として、ますます多くの方が利用してくだされば嬉しいです。
今回もご覧いただき、ありがとうございました。